リモートワークを導入する企業が増え、Web会議ツール「Zoom」の活用が広がっています。ただ、これまでオンライン会議の経験がないと、「正直使い方がよくわからない」と苦手意識を持ってしまうかもしれません。Zoomは非常に直感的な操作が可能で、基本を理解すれば問題なく活用できるでしょう。
本記事では、パソコン・スマートフォンそれぞれの、Zoomの基本的な使い方を解説します。
Zoomとは?
Zoomとは、デバイスを問わずにミーティングの開始や参加を簡単にできるソフトで、ブラウザがあればインストール不要で利用できます。
Zoomの主要機能は以下の6つです。
- Web会議
- Webセミナー
- 録画
- 画面共有
- ファイル送信
- チャット
無料プラン・有料プランの違いは?
無料プランと有料プランには以下のような機能の違いがあります。
項目名 | 無料プラン | 有料プラン |
---|---|---|
1回の利用時間 | ・2人なら無制限 ・3人以上は40分制限あり |
制限なし |
録画 | ローカル記録のみ対応 | ・ローカル記録 ・クラウド記録も可能 |
ホストの設定 | 1人のみホスト可能 | 複数がホスト可能 |
外部アプリ連携 | 非対応 | Slackとの連携可能 |
PC・スマホでZoomを起動するには?
Zoomは、パソコン、スマートフォンどちらからでも利用可能です。利用開始時のアカウント登録設定も、PC、スマホ双方でできます。他者が開催する会議に参加する場合、パソコンからであれば初期設定は不要です。ただ、セットアップしておいた方が利用できる機能があるので、あらかじめ設定しておくといいでしょう。では、パソコン、スマートフォンそれぞれの初期設定方法を見ていきましょう。
パソコンから起動する方法
まず、パソコンでのZoom起動方法とアカウント登録の方法をご紹介します。
まずはZoomの公式サイトにアクセスして、「サインアップは無料です」ボタンをクリックします。
誕生日を入力して、「続ける」ボタンをクリックします。
「仕事用メールアドレス」の入力項目にメールアドレスを入力して「サインアップ」ボタンをクリックします。指定したメールアドレス宛に、確認するためのメールが送信されます。
届いたメール内にある「アクティブなアカウント」ボタンをクリックします。
「学校に代わって登録していますか?」という意味なので、「はい」か「いいえ」を選択して「続ける」をクリックします。
姓名とサインイン時のパスワードを入力します。入力したら画面下部にある「続ける」ボタンをクリックします。
自分用のアカウント以外にも作成できますが、不要であれば入力は不要です。
「私はロボットではありません」にチェックを入れて「手動でスキップする」ボタンをクリックして次の画面に進みます。
これでアカウントの作成が完了します。あとは「Zoomミーティングを今すぐ開始」ボタンを押せばZoomが利用できます。
スマホでセットアップする場合
iPhoneの場合はAppStoreから、Androidの場合はGooglePlayからZoomアプリを検索してインストールし、アカウント登録します。
(今回はiPhoneの場合の手順を説明します。)
Zoomアプリをインストール後、アプリを起動すると上記の画面が表示されます。左下の「サインアップ」をタップします。
誕生日を入力し、「確認」をタップます。
メールアドレス、姓、名を入力して「サインアップ」をタップします。
上図画面のように、入力したメールアドレスにメールが送信されます。「OK」をタップします。
アカウントのアクティベート(有効化)を行うためのメールが届きますので「アクティブなアカウント」をタップします。
以上でサインインが完了します。これでiPhoneでZoomアプリを自由に利用できます。
基本的な画面操作方法
Zoomの基本的な画面操作の方法について説明します。
通話に参加する
通話に参加するためには以下の2種類のいずれかが必要です。
- 会議参加用のURL:ブラウザで会議に参加するために必要
- ミーティングID:Zoomアプリで会議に参加するために必要
下図はミーティングIDを利用してZoomアプリで会議に参加する画面です。
会議に参加するためには「開始」ボタンをクリックします。
画面の共有
「画面を共有」アイコンをクリックすることで、自分のパソコン画面を他の参加者に見せることができます。
通話の録画
Zoomでは録画することもできます。
「レコーディング」アイコンをクリックすると録画が開始されます。
録画を終了する際は「停止」ボタンをクリックします。録画は一時停止してから再開することもできます。
録画機能は、基本的には主催者のみが利用できます。参加者にも録画を許可する場合は個別に権限を付与する必要があります。
マイクの操作
「ミュート」アイコンをクリックすることで、マイクの音声入力を切ることができます。もう一度押すと、ミュートが解除されます。
他者が主催する会議への参加方法
自分以外が主催するウェブ会議に参加する方法をご紹介します。
会議の主催者から送られた招待URLをクリックするか、ブラウザのURL欄に会議用のURLをコピー&ペーストすると会議に参加することができます。
パソコンで招待URLをクリックすると、次のような画面になります。
ここで「Zoom Meetingを開く」ボタンをクリックすると、そのままミーティングに参加できます。(パスワードが設定されたミーティングの場合は、次の画面でパスワード入力を求められます)
自分で会議を主催する方法
会議を主催する方向けに会議開催方法をご紹介します。
Zoomの公式サイトにログインした状態で、画面右上の「ミーティングを開催する」メニューから「ビデオはオフ」「ビデオはオン」「音声共有のみ」のいずれをクリックします。
「URLのコピー」をクリックして、コピーしたURLを会議に招待した人に伝えます。
次に事前にスケジュールを設定した上で会議を主催する手順をご紹介します。
画面左側の「ミーティング」メニューをクリックして「新しいミーティングをスケジュールする」ボタンをクリックします。
続けて、ミーティングに必要な以下の項目を入力してください。
- トピック:ミーティングのタイトル
- 説明:ミーティングの内容や参加者などの情報
- 開催日時:ミーティングの開催日時
- 所要時間:ミーティングの所要時間
- タイムゾーン:タイムゾーンの設定
- ミーティングID:自動的に生成
- ミーティングのパスワード:ミーティングへの参加パスワード(省略可)
- ビデオ:カメラを使う場合には「オン」
ミーティングオプションとして、以下を設定することができます。
- ホストが入室する前の参加を有効にする
チェックを付けると、ホストがミーティングを開始する前に、ホスト以外の一般参加者がミーティングに参加できます。
- 入室時に参加者をミュートにする
チェックを付けると、会議参加者が入室してきた時にマイクミュート状態となります。
- 待機室を有効にする
待機室を有効にすると、ホストもしくは共同ホストが入室を許可するまで参加者を待機室に待たせることができます。
- ローカルコンピューターにミーティングを自動記録
ミーティングを自動で音声・映像で記録することができます。
Zoom使用時の注意点
Zoomはセキュリティ面での懸念が指摘されているため、注意点をご紹介します。
意図しないユーザーの参加を防止する
ZoomBombing(Zoom爆撃)と呼ばれる悪質な行為が横行しています。荒らし行為を行うユーザーがZoomの画面共有機能の初期設定を悪用し、ビデオ会議を乗っ取るというものです。
攻撃から身を守る手段としては、ビデオ会議参加時にパスワードをかけたり、待合室を追加したり、画面共有を制限する方法が有効です。これら3つの設定を行っておくことがセキュリティ対策となります。
常に最新版にアップデートする
2020年現在、Zoomのセキュリティの脆弱性が指摘されたことに対して、セキュリティが強化されたZoom5.0がリリースされています。常に最新のバージョンにしておくことをおすすめします。
ワンクリック参加機能を無効にする
ワンクリックでのミーティングリンク設定は、ミーティングを作成した際に発行される参加用URLをクリックすることで、パスワードなしでログインできる機能です。
会議にパスワードを設定していれば参加用URLを知られないかぎり、知らないユーザーに参加されにくくなります。参加用URLが漏れても外部の人間が会議に参加できないように、ミーティングを作成するときパスワードありに設定しておくのが無難です。
フィッシングメール対策
Zoomの会議参加用URL(リンク)を装ってパスワードを盗み出す、フィッシングメールが増えています。覚えのないミーティングへの招待メールには注意して、無闇にメール内に含まれるリンクを開かないようにしましょう。
送信元のメールアドレスをよく見るとドメインがおかしいことがあります。少しでも怪しいメールだと感じた場合は送信元メールアドレスを確認しましょう。
まとめ:基本を覚え、オンライン会議をスムーズに進めよう
Zoomの基本的な機能を1つ1つ見ていくと、案外シンプルで使いやすそうだと感じるかもしれません。働き方の多様化が進む中、オンライン会議はより多くの企業で導入されるでしょう。ビジネスパーソンであればこれからZoomはスマホやパソコンで使う機会も増えると予想されるため、基本をしっかりと押さえて使いこなせるようになっておきましょう。