他の広告代理店と協力してプロジェクトを効率的に進めるには

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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皆さんは、小学生のとき初めてグループ学習をしたことを覚えていますか? クラスの友達と一緒になって意見を出し合い、作業を分担し、最後に成果を発表したという楽しい思い出が頭に浮かんでくる方も多いと思います。

そのような経験から、私たちは無意識にかなりのことを学びます。作業を分担する方法や、課題を最後までやり遂げることの大切さ、そして、周りの人と上手に協力できれば先生から良い評価がもらえることも理解するでしょう。また、グループの中には協力して作業を進めることが得意な人と、そうでない人がいるこ

とも学んだはずです。なかには周りの人に作業を押し付けるのがやたらに得意な人がいて驚いたかもしれません。ですが、私たちも十分に大人になり、背負うものも大きくなってしまいました。評判を落とせば命取りとなる業界で、クライアントからの評価に常に神経を使わなくてはなりません。

広告代理店のマーケターは、この「グループ学習」と似たスタイルで仕事をすることが多いと思います。なぜなら、クライアントに最高クラスのサービスを提供するために、他社と協力してプロジェクトを実施することもあるからです。

自社ですべてをこなす方が効率が上がるプロジェクトが多いのも事実ですが、それぞれに高いスキルを持つエージェンシーを数社集め、より高いレベルでプロジェクトの完成を目指すことも、広告代理店が持ち得る能力の一つだと思います。

複数の広告代理店で協力してプロジェクトを進めることは簡単ではありません。各社ができるだけ多く仕事を請けようとしたり、報酬の面で折り合いがつかなかったり、あるいは自社の利益を優先するエージェンシーがいたりと、何かしら問題が出てくると思います。

ですが、目標やアプローチを適切に定め、責任分担を明確にし、協力的なパートナーを選べば必ず上手くいきます。そして、その苦労をするだけの価値はあるはずです。

私たちはこれまで多くの広告代理店と協力しながら仕事をし、さまざまな経験を積んで多くのことを学んできました。本稿では、他社と協力してプロジェクトを進めるために必要な知識を、いくつかの質問に回答するかたちで皆さんにお伝えしたいと思います。

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広告代理店どうしで協力することの最終的な目的は何ですか?

結果です。

最も重要なのは、すべてのパートナーが団結して最終的なビジネス目標を達成することです。全体としての目標を明らかにすることが、何よりもチームに強い結束力をもたらし、パートナーそれぞれの責任感を高めます。そして、各パートナーが与えられた役割に縛られることなく、より広範にビジネス目標を意識して仕事に取り組むようになると思います。

また興味深いことに、すべてのパートナーがチーム全体で共通の目標に向け努力していくうちに、自社の利益を優先するといった空気が消え、素晴らしいアイデアやソリューションがいくつも生まれるという経験を、私たちは何度もしています。

自社ですべてを請け負うのではなく、複数の広告代理店で協力しようと考える理由は何ですか?

最も高い成果を出すためです。

自社だけでクライアントの要求にすべて応えられるほど広範なサービスを提供する広告代理店も多いですが、代理店それぞれに得意とする分野があり、それを基にビジネスを拡大してきたであろうことも想像できます。それぞれの分野で最高クラスのスキルを持つエージェンシーが集まり、団結することができれば、プロジェクトはむしろ容易に、スムーズに進むものです。私たちはクライアント側が選んだパートナー数社と一緒に仕事をする際のポリシーとして、最高のアイデアを出したエージェンシーに従うことにしています。つまり、自分たちのアイデアが通らないことも当然ありますが、それでもクライアントに最高のサービスを提供することに徹したいと考えています。

エージェンシーどうしの連携をサポートするために、クライアント側は何をするべきでしょうか?

アメフトで言えばクォーターバック、つまり司令塔の役割を誰が担うかを決める必要があります。

これまで見てきたなかでは、次の2つのモデルのうちいずれかに分類されると思います。

  1. クライアントが司令塔となる
  2. いずれかのエージェンシーがリーダーシップを取り、司令塔となる

もちろん、どちらのモデルにもそれぞれ長所と短所がありますので、皆さんの場合で望ましい方を適切に判断できるよう、いくつか要件をご説明します。

チーム内のリソースの状況を見て判断する

司令塔の役割は、とりわけ2社以上の広告代理店で連携を取る場合には、それを専属で行う人員が必要になるほどに負荷が高くなる場合があります。プロジェクト開始の段取りや、週に一度の定例会、キャンペーン終了後の成果分析、そして最適化など、戦術および施策のレベルで、すべての調整を行う必要があります。これは非常に時間のかかる作業です。

チームの構成に応じて判断する

チームがどのように構成されているかを考えて、クライアントとリードエージェンシーのどちらが司令塔となるべきかを考えることも必要です。クライアントを中心に複数のエージェンシーが連携するような構成であれば、それを崩してエージェンシー主体の構成に変えるよりも、クライアントがすべてのエージェンシーを指揮する司令塔の役割を担う方が、話が簡単だと思います。

一方、それぞれのパートナーが最高クラスのスキルを持ち、自立して作業にあたるようであれば、複数のエージェンシーと協力してプロジェクトを進めるための知識を、各パートナーが習得している可能性が高いため、その中からリーダーシップを取るエージェンシーを選び、司令塔となってもらうのがよいでしょう。

過去に司令塔として働いた経験のあるエージェンシーに依頼する

複数のエージェンシーで協力してプロジェクトを進めることに、チームが慣れていない場合は、当然ながら、過去にその経験のあるエージェンシーに依頼してリーダーシップを取ってもらい、司令塔として全体をまとめてもらうのが最もよいと思います。

司令塔にどこまで全体を任せられるかを考える

これはもちろんクライアントが主体となって決めるべきことですが、リードエージェンシーにどのレベルまで安心してプロジェクトを任せられるか、あるいは任せられないかを率直に考え、認識する必要があると思います。

また、司令塔の役割を任せられるほど信頼できるエージェンシーがいるかどうかも考えなくてはなりません。この2つを明確にしたうえで司令塔を決めることが、その役割を最後まで続けてもらうために重要だと思います。

どのようなアプローチでチームをサポートするかに関わらず、それぞれが次のような態度でプロジェクトに臨み、日々の仕事に取り組んでいるかどうかを、注意して見ていく必要があると思います。

  1. それぞれが素晴らしい成果を達成するために最高のアイデアを出そうと全力を尽くし、そのアイデアに(どのエージェンシーが出したアイデアであっても)集中できていること
  2. エージェンシーがチーム内で自分たちのやるべきことを理解し、役割を果たしていること
  3. クライアントからの指示や命令を待たず、先回りして他のパートナーと協力し、素晴らしいアイディアを出して、それを実行できていること

この業界に限ったことではありませんが、複数のエージェンシーが協力してプロジェクトを進めるためには、風通しを良くする、目標を明確にする、指標を測定する、わかりやすく指示を出すなど、多大なサポートが必要になると思います。ですが、苦労が多い分それだけ成果も高くなるはずです。

https://blog.hubspot.com/agency/partner-agencies-build-collaborative-relationship#また、上手くいけばチームで楽しみながらプロジェクトを進めていくことができ、さらには、クライアントや他のパートナーとのあいだで、その先何年も一緒に素晴らしい仕事を続けていけるような、太くて長い関係を築ける可能性もあります。

マーケティング支援会社が行うべきマーケティングとは?

編集メモ:この記事は、2014年8月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Sean Youngによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

トピック: 代理店ビジネス

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