営業もスポーツと同様で、本番で実力を発揮するには練習の積み重ねがカギを握ります。一流のスポーツ選手の場合には、試合に臨む前に必ずと言っていいほど対戦相手を明確にイメージした練習に取り組みます。一方の営業担当者は、商談の練習をせずに、ぶっつけ本番で顧客訪問を行ってしまうことも多々あるのではないでしょうか。

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商談の練習で代表的なのは「ロールプレイング」です。適切なロープレを続けることで、顧客に対して有益な情報提供ができる能力が身について商談成功率の向上が期待できます。

本記事では、真剣に成果を挙げたいと考える営業担当者の皆様に、効果的な営業ロープレの実施方法を解説します。

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営業担当者のための独習ガイド:成約率を向上させる3つのテクニック

〜大きな効果が望めるテクニックとは?〜

営業ロープレとは?

「ロープレ」とは「役割(role)を演じる(play)」という意味を持つ「ロールプレイング」の略称です。営業ロープレは営業の現場を想定し、適切に対応するための営業研修のことであり、実施する際は「営業担当役」と「顧客役」にわかれて行います。
 

営業ロープレを行うメリット

営業ロープレを行うことで得られる代表的なメリットは以下の4つです。

  • 複数の目線から顧客のニーズを推察できる
  • 貴重な商談機会を無駄にする確率が減らせる
  • 営業パーソンのスキルアップにつながる
  • チーム内でノウハウ共有ができる

それぞれのメリットを、営業担当者と営業ロープレの参加者側、両者の視点から見てみましょう。
 

複数の目線から顧客のニーズや解決策を推察できる

営業ロープレは「複数人の目線から顧客のニーズを推察できる」ことが最大のメリットです。

そもそも、営業活動を成功させるための最重要ポイントは「顧客ニーズ(課題)の把握」と「解決策の提示」の2点です。しかし、経験の浅い営業担当者にとっては、顧客のニーズや解決策を見出しにくいのが実情です。営業ロープレによって、経験あるメンバーの知見を共有してもらうことで、顧客ニーズを推測するスキルが高まります。

また、営業ロープレに顧客役として参加する側としてもメリットがあります。営業担当者にフィードバックすることで自身の営業スキル向上に繋がる上、管理職であれば営業担当者の長所短所が把握できるのでマネジメントしやすくなるでしょう。
 

貴重な商談機会を無駄にする確率が減る

理想的な営業トークの型は、アウトプットを繰り返して初めて身につくものですが、多くの営業担当者が本来重視するべき「実際の顧客との営業」を練習のように扱ってしまっているのではないでしょうか。

営業の成果を最大化したいのならば、貴重な顧客との商談機会を活用できる準備をしておかなければなりません

事前に営業ロープレを積み重ねておくことで営業パーソンの対応力が増し、貴重な商談機会を活かし、本契約へと持ち込めるようになります。
 

営業パーソンのスキルアップにつながる

経験が浅い営業パーソンは、商談を成功させようと必死になるあまり、顧客の状況を理解しないまま成約にこぎつけようとしてしまいがちです。
そのため、目先の営業結果に翻弄され、顧客の課題発掘や把握、解決策の提示といった本質的な部分に入り込めないことが多いでしょう。

営業ロープレでは好きなだけ商談を繰り返せますし、同僚や上長の意見を交えながら落ち着いて進行できます。課題発掘のヒアリングを丁寧にやる、顧客が納得できるような解決策をしっかり考え、提示するための練習をじっくり行ってみましょう。営業ロープレに参加する側にとっても、営業パーソンのレベルに応じた教育ができるため、よりスムーズなスキルアップ体制を設けられます。
 

チーム内でノウハウ共有ができる

あらゆる仕事に「個人差」はつきものですが、とりわけ営業職では個人差が現れやすいものです。しかし、各営業担当者が持つテクニックが共有される機会が設けられている企業は多くはないでしょう。この点を解消する場としても営業ロープレが有効です。

「お客様からこういった反応があった時、私はこう切り返しました」
「お客様からこういう質問を受けましたが、この質問の真意はこういうところにありました」

など同僚とさまざまな情報を共有することで、所属メンバーの対応力が向上して、組織としての営業成果アップは必ずつながります。
 

営業ロープレを設定する際に注意したいポイント

営業ロープレは、どのような設定にするかがが非常に重要です。設定が不十分だと、有意義なロープレを実施できない可能性が高くなります。

特に気をつけたいのが、シチュエーションの設定です。シチュエーションを固めずに、何となく営業トークを繰り返してしまうケースも目立ちますが、それでは営業ロープレを行う意味がありません。
 

参加者全員、できる限り顧客情報を把握しておこう

シチュエーションはできる限り具体的な方が望ましく、できれば今進行中の案件を題材にするのが良いでしょう。

シチュエーションをもう少し分解してみると、「顧客の属する業界や業種、企業規模」「顧客の課題」「商談のステータス」の3つに分けられます。現状入手できる情報をできる限り収集した上で、「今顧客はどのような状況で」「顧客との商談はどのステップまで進んでいるのか」を必ず参加者に共有しましょう。

【顧客の企業情報】

  • 顧客の属する業界・業種
  • 従業員数
  • 売上高(分かれば)
  • 顧客の属する市場環境
  • 顧客の競合企業
  • 顧客窓口担当者の立場(決済権を持つのかなど)
  • 予算

【顧客のニーズに関する情報】

  • 商談のきっかけ
  • 顧客の課題(内包する課題、これまで実施した解決策など)
  • 同様のサービスに関する情報収集の状況
  • サービス導入において重視する点

【商談のステータス例】

  • どこまでヒアリングできているか
  • 顧客の意志(まだ情報収集段階なのか、比較検討段階なのか、成約直前なのか)
  • どこまで自社情報を伝えているのか
     

営業担当者は、ロープレ前に「仮説」を設定しよう

シチュエーションを設定したら、営業担当者は必ず「仮説」を設定しましょう。
今ある情報を元に「顧客の課題はここにあるから、この解決策を提示すれば成約に繋がるのではないか」と仮説を設定し、それを元にロープレを進めます。

ロープレでは、実際に仮説が当たっているかどうかは特に問題ではありません。(そもそも、実際の顧客がいないので当たり外れは判定できません)
重要なのは、以下の2点です。

  • ロープレ後、仮説を顧客役に共有し、仮説と商談の方向性が乖離していなかったかをフィードバックしてもらう
  • 顧客役から別の仮説を引き出し、引き出しを増やしておく

まずは、仮説に基づいて商談を進められているかを確認し、自分では思いつかなかった仮説がないか顧客役と議論してみましょう。
これを繰り返すことで、商談の方向性をある程度コントロールできるようになるでしょう。また、仮説を複数持ち、対応方法を準備しておけば、商談相手の様々なニーズに対応しやすくなります。
 

営業ロープレのフィードバックはどう行うべき?

営業ロープレ後には、フィードバックが欠かせません。フィードバックは、上長か、成果を挙げている営業担当者が行うのが理想的です。

もし、トップ営業が顧客役を行うことが難しく、新人営業パーソンが顧客役を演じる場合であれば、できる限り事前に顧客役が使うチェックシートを用意するようにしましょう。

参考までに、チェックシートの項目の一例を挙げておきます。

  • 相手の興味に合わせた自社紹介、自己紹介が行えているか
  • 顧客に十分なヒアリングを実施できたか
  • オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンを使い分けて円滑にコミュニケーションできているか

特に、十分なヒアリングができているかが重要です。「検討を始めたきっかけ」「過去に競合サービスを利用したことはあるか」など、最低限聞いておきたいヒアリング項目を記載したチェックシートを作成しておくのも良いでしょう。
可能な限り数字として共有するよう努めましょう。
 

成果に繋がる営業ロープレを実施する3つのポイント

最後に営業ロープレを成功させるポイントをあらためて整理してみましょう。

  • 組織的に、継続的に取り組むこと
  • 営業担当者は、顧客理解を深めた上で仮説を持って臨むこと
  • シチュエーションは可能な限り具体性を持たせること

この3点を意識することで、営業ロープレの効果は向上していきます。

日々の営業活動に忙しい営業パーソンとしては、どうしても空いた時間を使って場当たり的に営業ロープレを進めてしまいがちですが、しっかりとした準備と組織的な取り組みが成果を生み出します。

ただ、1つ注意したいのは、ロープレはあくまでもロープレです。実際の商談相手がロープレと全く同じ受け答えをするはずはありません。ロープレを実施するのは、相手の要望に臨機応変に対応するための下準備と捉えましょう。

1件1件のロープレでしっかり顧客視点を意識し、「どこに課題があり、自社ではどう解決できるのか」を念頭に置きながら実施しておけば、そのように考えるクセがつくはずです。思考のクセがつけば、実際の商談でも自然と顧客視点を重視したコミュニケーションができるはずです。

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営業担当者のための独習ガイド:成約率を向上させる3つのテクニック

 営業担当者のための独習ガイド:成約率を向上させる3つのテクニック

元記事発行日: 2021年1月20日、最終更新日: 2021年2月08日

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