📋 この記事の要点
- CRMの費用相場は導入形態で異なるが、クラウド型は月額1,000円程度(1ユーザー)から利用できるサービスもある
- 初期費用やランニングコストはクラウド型・オンプレミス型・自社開発で大きく異なる
- 料金体系にはユーザー数課金・プラン課金・プラン課金+シート課金・データ量課金・機能単位課金といった複数の種類がある
- システム利用料のほかに連携開発・データ移行・社内教育のコストが発生する
- 費用対効果は工数削減額と売上貢献額に分解して算出し、導入前に指標を設定しておくことが検証の前提となる
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CRMの費用は、月額のシステム利用料だけで決まるわけではありません。導入形態や料金体系によって総額の増え方が変わり、データ移行や社内教育にかかる費用も発生します。
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本記事では、CRMの料金相場や見落としやすいコスト、費用対効果(ROI)の算出方法について解説します。
CRMの費用相場は?
クラウド型CRMの費用相場は、1ユーザーあたり月額1,000〜20,000円程度です。初期費用が無料の製品も多く、少人数であれば月数万円の予算から利用を始められます。
費用は「導入形態」と「料金体系」の2つの軸で決まります。どちらを選ぶかによって、初期にかかる金額と、人数が増えたときのコストの伸び方が変わります。
【導入形態別の費用相場】
| 導入形態 | 初期費用 | ランニングコスト | 適したケース |
|---|---|---|---|
|
クラウド型 |
無料の製品が多い |
1ユーザー月額1,000〜20,000円程度 |
短期間で始めたい/保守要員を置けない |
|
オンプレミス型 |
50万〜200万円程度(要件による変動が大きい) |
保守費、サーバーの運用費、社内の管理工数 |
自社サーバー要件やセキュリティ要件が厳しい |
|
自社開発 |
100万円〜数千万円(要件による変動が大きい) |
インフラ費、保守運用の委託費、障害対応の人件費 |
既存業務に合わせた独自仕様が必須 |
オンプレミス型と自社開発は要件によって金額が大きく変動するため、上記はあくまでも大まかな目安です。
- オンプレミス型:初期費用・運用費ともに個社要件で変動しやすく、サーバー調達、設計、保守体制を含めるとクラウド型より高くなりやすい
- 自社開発:初期費用は小規模なら100万円台から始まる場合もあるが、独自要件や連携先が増えると大きく膨らみやすく、保守体制の確保まで含めて総コストを見積もる必要がある
【CRMの料金体系5種類】
| 料金体系 | 課金の基準 | 該当する製品例 | 人数が増えたときの影響 |
|---|---|---|---|
|
ユーザー数課金 |
利用者1人ごと |
Salesforce、Zoho CRM、kintoneなど |
人数に比例して増える |
|
プラン課金 |
契約プランごと(一定人数を含む) |
ネクストSFA/CRMなど |
含まれる人数までは変わらない |
|
プラン課金+シート課金 |
有料ユーザーにシートを割り当て |
HubSpot |
利用人数に応じた課金に近いが、シートの種類ごとに機能と費用が異なる |
|
データ量課金 |
保存データ量ごと |
Knowledge Suiteなど |
人数が増えても変わらない |
|
機能単位課金 |
利用する機能ごと |
Synergy!など |
人数ではなく機能追加で増える |
クラウド型CRMの費用相場
クラウド型CRMとは、提供元のサーバーを利用し、保守やアップデートを任せられる形態です。初期費用を抑えて短期間で導入できるため、現在のCRM導入の主流となっています。無料プランを用意する製品もあり、少人数なら費用をかけずに検証できます。
初期費用
クラウド型CRMの初期費用は、無料の製品が数多くあります。実際に、HubSpot、Zoho CRM、kintoneなどはライセンス契約時の初期費用がかかりません。
ただし、これはあくまで「ライセンス契約時」に発生する費用がないという意味です。例えばSynergy!のように、データベースやフォーム機能の初期費用として118,000円が設定されている製品もあります。
また、初期設定を支援するオンボーディング(導入支援)については別料金となっている場合が多いため、実質的な初期コストとして見積もっておく必要があります。
ランニングコスト
ランニングコストは、求める機能の範囲によって価格帯が分かれます。
- 安価な帯は1ユーザー月額1,000〜2,500円程度
- 営業とマーケティングの連携まで行う帯は10,000〜20,000円程度
年間契約を選ぶことで月額換算の単価を抑えられる製品もあり、例えばZoho CRMの場合は34%の値引きが適用されます。
なお、最小契約ユーザー数が設定されている製品では、実際の利用人数が下限を下回ってもその人数分の費用が発生する点に注意しましょう。
オプション機能
基本料金に加えて、必要に応じてオプション機能の費用も発生します。
例えば、以下のようなものです。
- AI機能の利用量に応じた従量課金
- ストレージ容量超過分の追加費用
- 外部連携機能による追加費用
- その他専門機能搭載による追加費用
サービスごとに基本料金の範囲は異なるため、どこまでの機能が基本料金内で利用できるのか確認しておきましょう。
オンプレミス型CRMの費用相場
オンプレミス型CRMとは、自社でサーバーを構築・運用する形態です。高度なカスタマイズや厳格なセキュリティ要件がある場合に選ばれます。
オンプレミス型の場合、初期費用はライセンス費だけでなく、自社でのサーバーやネットワーク機器の調達、さらには個別の要件定義や設計作業に伴う人件費が含まれるため、クラウド型に比べて総額が高くなる傾向にあります。
導入後も保守費やサーバーの運用・電気代に加え、社内での管理工数が継続的に発生します。また、機能追加の際もパッケージ製品のような容易なアップグレードは難しく、都度のカスタマイズ開発として個別見積もりが必要になる点に留意が必要です。
自社開発CRMの費用相場
自社開発CRMとは、業務プロセスに合わせて独自のシステムを構築する手法です。自社の要件に完全に合わせられる代わりに、人件費がかかることと、開発・保守の体制を継続して確保する前提となります。
自社開発では、小規模であれば初期費用を100万円程度に抑えられることもありますが、独自の連携先や管理項目が増えるほど工数と金額は指数関数的に膨らみます。ランニングコストはクラウドインフラの利用料や保守の委託費、障害対応の人件費が中心となりますが、特に注意すべきは「人」のリスクです。
担当者の退職や異動によって保守が困難になるリスクを、あらかじめ織り込んでおかなければなりません。機能追加の際も、クラウド型CRMのような手軽なプラン変更という選択肢はなく、都度開発が必要となります。
主要CRMの料金プランを比較
主要CRMの料金体系はユーザー数課金・プラン課金・データ量課金・機能単位課金など複数の種類があり、課金モデルによってコストの増え方が大きく異なります。最低料金は1ユーザーあたり月額1,000円程度から、上位プランは20,000円を超えます。ただし課金モデルがサービスごとに異なるため、単純に最低料金の数字だけを並べても比較にはなりません。以下の観点を押さえたうえで、自社の想定人数で総額を出して比べましょう。
料金プランを比較する際は、1ユーザーあたりの単価だけでなく、最小契約ユーザー数や最低契約単位も確認し、「実質的な最低月額」を確認しましょう。例えば、kintoneやGENIEE SFA/CRMは一定数以上のユーザー契約が必要なため、実際の支払額が数万円規模になる場合があります。一方、HubSpotの一部プランやKnowledge Suiteのように、ユーザー数ではなくプラン料金やパック単位で料金が決まる製品もあります。その場合は、想定利用人数で月額料金を割り、1人あたりの単価に換算して比較すると、実際の費用感を把握しやすくなります。
年間契約と月間契約で単価が異なる製品も多いため、支払い条件を統一して比較することが重要です。
※下表は2026年8月時点の情報です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
【主要CRMの料金プラン一覧】
| サービス名 | 料金プラン | 課金モデル |
|---|---|---|
|
HubSpot |
|
プラン課金+シート課金 |
|
Salesforce Sales Cloud |
|
ユーザー数課金 |
|
Zoho CRM |
|
ユーザー数課金 |
|
Microsoft Dynamics 365 Sales |
|
ユーザー数課金 |
|
kintone |
|
ユーザー数課金 |
|
GENIEE SFA/CRM |
|
ユーザー数課金 |
|
ネクストSFA/CRM |
|
プラン課金+従量 |
|
Knowledge Suite |
|
データ量課金 |
|
Synergy! |
|
機能単位課金 |
【契約条件の比較】
| サービス | 無料プラン | 最低契約数 | 初期費用 (ライセンス契約時) | 導入支援費 | AI機能の提供形態 |
|---|---|---|---|---|---|
|
HubSpot |
あり(2ユーザー) |
指定なし |
なし |
Professional以上で有償の導入支援あり |
HubSpotクレジット(1,080円/1,000クレジット) |
|
Salesforce Sales Cloud |
あり(Free Suite) |
指定なし |
要問合せ |
Success Planは別途購入 |
Enterprise以上でAgentforceを追加購入可 |
|
Zoho CRM |
あり(3ユーザー) |
指定なし |
なし |
認定パートナーによる支援あり |
エンタープライズ以上でZiaを利用可 |
|
Dynamics 365 Sales |
試用版のみ |
指定なし |
要問合せ |
要問合せ |
Premiumに1,000 Copilotクレジット/追加は従量課金 |
|
kintone |
なし(30日間の無料お試しあり) |
10ユーザー |
なし |
要問合せ |
スタンダード以上でkintone AIのクレジットを付与 |
|
GENIEE SFA/CRM |
なし(無料トライアルあり) |
10ID |
要問合せ |
要問合せ |
プラン内で提供 |
|
ネクストSFA/CRM |
なし(無料トライアルあり) |
5ユーザー |
要問合せ |
サポート・保守費用込み |
AI機能オプション75,000円/月 |
|
Knowledge Suite |
なし |
ID数無制限 |
要問合せ |
導入支援サービスは個別見積もり |
AIスコア分析は100,000円/回のオプション |
|
Synergy! |
なし(14日間の無料トライアルあり) |
指定なし |
118,000円〜 |
活用支援サービスあり |
メールのABテストをAIで自動生成する機能を提供 |
無料プランと最低契約数は、スモールスタートのしやすさに直結します。少人数で試してから広げたい場合は、無料プランや無料トライアルの範囲と、有料化のタイミングを事前に確認しておくと計画が立てやすくなります。
CRMのシステム利用料以外にかかる5つのコスト
CRMの総額は、システム利用料に以下の5つのコストを加えて見積もりましょう。いずれも見積書に明示されにくく、社内の作業として発生する部分も多いため、あらかじめ想定しておくと予算の精度が上がります。
【システム利用料以外に発生するコスト】
| コストの種類 | 発生する費用・工数(人件費) | 抑えるための確認点 |
|---|---|---|
|
外部システムとの連携・カスタマイズ |
会計・基幹システムや名刺管理ツールなどとの連携開発費用 |
標準コネクタやアプリマーケットプレイスの有無 |
|
データ移行と初期設定 |
データ整理工数(重複削除、表記統一、欠損項目の補完など) |
移行対象を絞れるか、支援サービスの範囲 |
|
社内教育・定着化 |
研修時間、マニュアル整備、問い合わせ対応 |
無料の学習コンテンツやコミュニティの有無 |
|
並行運用と旧システムの維持費 |
移行期間中の二重の利用料、データの二重入力の工数 |
並行期間の長さ、旧環境を停止できる時期 |
|
導入後の運用保守・管理者工数 |
項目やワークフローの追加、権限設定、社内問い合わせ対応 |
管理画面の操作性、設定変更を現場で完結できるか |
システム利用料以外で見落としがちなのが、外部連携やデータ移行に伴うコストです。
外部システムとの連携については、標準コネクタが用意されているか個別開発が必要かで費用が大きく変動します。
データ移行に関しては、重複削除や表記の統一といった「データのクレンジング」に工数がかかるため、対象期間を絞るなどの工夫でコストを圧縮したいところです。
さらに、社内研修やマニュアル整備といった教育コスト、旧システムとの並行運用期間に発生する二重の支出、そして導入後も続く管理者の運用など、社内工数を実数として算出しておきましょう。社内工数は、担当者の稼働時間を人件費に換算して総額に含めてください。
なお、これらの導入工数を削減する手段として、サービス側で提供する無料の学習コンテンツを活用するのも一つです。例えばHubSpotの場合は、HubSpotアカデミー(無料コース)を提供しており、導入しやすい環境を整えています。
CRMの費用対効果(ROI)の算出方法
CRMの費用対効果は、ROIと投資回収期間の2つで示します。効果額を「工数削減額」と「売上貢献額」に分けると、それぞれの根拠を数値で説明できるようになります。
- ROI(%)=(年間効果額-年間費用)÷年間費用×100
- 投資回収期間(月)=初期費用÷月あたりの効果額
| 効果の種類 | 算出式 | 数値の集め方 |
|---|---|---|
|
工数削減額 |
削減時間(月)×人件費単価×人数×12か月 |
導入前の作業時間を1週間分実測する |
|
売上貢献額 |
商談数×(改善後の成約率-現状の成約率)×平均受注単価 |
改善幅は控えめに置き、根拠を併記する |
費用対効果を算出する際、「工数削減額」は確実に見込める土台として、稟議を通すための最低ラインを担保する役割を持たせましょう。一方で「売上貢献額」は前提の置き方で数値が大きく変動するため、控えめな算出根拠をセットで示すことが重要です。
削減した時間を顧客理解や提案の質を高める業務に振り向けることで、最終的な売上拡大へとつなげていきます。つまり、工数削減はそれ自体が目的ではなく、より本質的な顧客対応に時間を割くための有力な手段として捉えましょう。
以下は、10ユーザーで導入した場合のROI試算例です。
| 項目 | 前提・計算内容 | 金額(年間) |
|---|---|---|
|
年間費用 |
月額15万円のプランを12か月利用 |
1,800,000円 |
|
工数削減額 |
1人あたり月8時間×人件費単価3,000円×10名×12か月 |
2,880,000円 |
|
売上貢献額 |
月20商談×成約率2ポイント改善×平均受注単価30万円(粗利50%)×12か月 |
720,000円 |
|
年間効果額 |
工数削減額+売上貢献額 |
3,600,000円 |
|
ROI |
(3,600,000 - 1,800,000)÷1,800,000×100 |
100%(投資2倍のリターン) |
※上記は前提を仮に置いた試算例です。プランや人数、業種によって結果は変わります。
自社の数値で試算したい場合は、こちらの無料で使えるROI計算ツールをぜひご活用ください。想定するコンタクト数や商談数を入力すると、投資に対する回収の目安を確認できます。
費用対効果から考えるCRMの選び方
CRMは、単純な価格の安さではなく、自社の課題を解決できる最小構成で選びます。判断の軸は「今必要な機能」と「これから増える人数・データ量」の2つです。順に確認していきましょう。
自社の課題に必要な機能から逆算する
課題を業務単位で書き出し、それを解決する機能を持つ最小のプランを特定します。抽象的な課題のままでは、必要な機能の範囲を判断できません。
機能を選ぶ際は、まず課題を徹底的に具体化することから始めましょう。例えば、「情報が分散している」→「Excel管理のために引き継ぎに3日かかっている」というレベルまで掘り下げることで、本当に必要な機能が見えてきます。
その課題に対応できる最小限のプランを特定し、上位プランの付加機能はいったん検討から切り離してください。機能が多いほど効果が出るわけではありません。むしろ使いこなせない機能はコストの無駄につながるため、目的から逆算して必要な機能に絞りましょう。
将来のユーザー数・データ量の増加を織り込む
サービスや課金モデルによって増員時のコスト増加幅が大きく変わるため、現在の人数だけでなく2〜3年後の想定人数まで見据えて総額を試算します。
また、コンタクト数やデータ容量の上限設定だけでなく、それらを超過した場合の追加料金も必ず確認しましょう。将来的に部門を拡大する計画がある場合は、その時点で必要となるプランの料金体系まで含めてシミュレーションを行っておくことが重要です。
費用対効果を高める5つの方法
費用対効果は、導入前の設計と導入後の運用の両方で高められます。ここでは、稟議で示した効果を実際の数値として残すために有効な5つの方法を紹介します。
導入目的と測定指標を先に決める
削減する業務と測定する指標を決めて、導入前の数値を記録しておきましょう。
例えば、導入の2週間前から、メンバー全員に「顧客検索」「日報作成」などの作業時間を1週間分実測してもらうことで、正確な比較対象を作ることができます。目標設定についても「3か月後に週2時間の検索時間を30分に短縮する」のように、期限と数値を具体的に定めます。
ただし、指標が多すぎると検証自体が負担になるため、重要な項目を3つ程度に絞り込むのがポイントです。
【測定指標の設定例】
| 指標 | 測定方法 | 目標設定の例 |
|---|---|---|
|
顧客情報の検索時間 |
導入前1週間の作業ログ |
週2時間 → 週30分 |
|
日報・報告資料の作成時間 |
導入前1週間の作業ログ |
週3時間 → 週1時間 |
|
問い合わせから初回接触までの時間 |
フォーム受信時刻と初回連絡時刻の差 |
24時間 → 4時間 |
|
商談化率 |
商談数÷創出した見込み客数 |
現状値+5ポイント |
対象部門を絞って段階的に広げる
まずは、課題が明確な1チーム数名程度に絞り、3か月程度の運用で成果を確認してから対象部門を広げるスモールスタートがおすすめです。
進め方としては、まず無料プランやトライアルを活用して2〜4週間ほど実運用を試し、入力項目が現場で円滑に埋まるかを確認してから有料契約へ進むのが賢明です。この手法には、費用負担を平準化するだけでなく、万が一うまくいかなかった場合の影響範囲を最小限に抑えられるというメリットもあります。
各フェーズに「次へ進む判断基準」をあらかじめ設定しておくことで、拡大の可否を数値ベースで論理的に判断できるようになります。
なお、最小契約ユーザー数が設定されている製品の場合、利用人数以上の費用が発生してしまうため、小規模運用からの段階導入にはあまり向いていません。
【段階導入のロードマップ例】
| フェーズ | 期間 | 対象 | やること | 次へ進む判断基準 |
|---|---|---|---|---|
|
第1段階 |
1〜3か月 |
営業5名 |
顧客情報の集約、商談履歴の記録 |
必須項目の入力率80%以上 |
|
第2段階 |
4〜6か月 |
+マーケティング部門 |
Webフォーム連携、メール配信 |
問い合わせ対応時間の短縮を確認 |
|
第3段階 |
7か月〜 |
関連部門へ拡大 |
レポート整備、権限設定 |
稟議で示した指標の達成 |
既存ツールとの機能重複を整理する
CRMで代替できる機能と既存ツールの利用状況を確認し、業務影響や契約条件を踏まえて、不要なツールの契約見直しを検討しましょう。重複したまま契約を続けると、CRMの費用が純粋な上乗せとして見えてしまいます。
例えば、下記のようなCRMの標準機能で代替できるSaaSを一覧化し、それぞれの契約更新月を確認しましょう。
- 名刺管理
- メール配信ツール
- 日程調整ツール
- フォーム作成ツール
- BIツール など
更新月に合わせて切り替えることで違約金や費用の二重支払いを防げるだけでなく、ツール間でデータを手動移行していた工数自体も削減でき、結果としてCRMの導入コストを実質的に相殺できます。
入力と分析をAIで自動化する
CRMの運用工数を抑えるためには、AIの活用が鍵です。商談メモの要約や文字起こし、メール文面の自動作成といったAI機能を活用することで、現場の入力負担を大幅に軽減できます。
製品選びの際は、具体的にどの作業に時間がかかっているかを特定したうえで、それを自動化できるAI機能があるかを軸に検討しましょう。あわせて、AI機能の課金方式が「プラン内」なのか「従量課金」なのか、さらには予算オーバーを防ぐための上限設定が可能かどうかも確認しておくと、余分な費用を抑えられます。
AI機能の課金方式は製品によって異なり、プラン内に含まれるもの、月額固定のオプションとして追加するもの、利用したアクション数に応じてクレジットを消費するものがあります。導入前にどの課金区分に入るかを確認し、予算オーバーを防ぐための上限設定が可能かどうかも確認しておくと安心です。
定着状況を数値で確認し改善する
導入後は月に一度、ログイン率や入力完了率といった指標を数値でチェックし、状況に応じた改善を行いましょう。
例えば、入力完了率が70%を下回る項目があるなら、項目数を減らしたり選択式に変更したりして「入力のしやすさ」を優先する、などです。また、四半期ごとに実際の稼働ユーザー数を突き合わせ、使用していないアカウント等がある場合は更新時に解約することで、不要な支出を抑えられます。
定着を待たずに機能やライセンスを追加するとコストだけが膨らむため、まずは実運用を盤石にすることを目指しましょう。
【定着状況の確認項目の例】
| 確認項目 | 目安 | 下回った場合の対応 |
|---|---|---|
|
週1回以上のログイン率 |
80%以上 |
運用ルールの見直し、短時間の勉強会を実施 |
|
必須項目の入力完了率 |
70%以上 |
入力項目を減らす、選択式に変更する |
|
稼働ユーザー数 |
1か月以上ログイン無し |
状況を確認のうえ、次回更新時に解約する |
CRMの費用は顧客理解への投資として判断しよう
CRMの費用は、金額の大小だけでは判断できません。導入形態と料金体系によって総額の決まり方が変わり、システム利用料のほかに連携やデータ移行、社内教育、並行運用、運用保守のコストも発生します。まずは自社の条件で総額を洗い出すことが、比較の出発点になります。
そのうえで大切なのは、削減できる工数と売上への貢献を数値に置き換え、費用対効果として示すことです。試算の前提となる指標を導入前に決めておけば、導入後も効果を確認しながら運用を改善できます。相場に合わせるのではなく、自社の課題に見合う投資かどうかで判断する姿勢が、結果として最適なツール選びにつながります。
導入の時点で、必要な機能をすべて見極めておく必要はありません。使う範囲から始めて効果を確かめ、成果が見えた分だけ広げていけば、費用と効果を対応させたまま運用を進められます。HubSpotは2ユーザーまで無料プランで利用でき、CRM・SFA・MAの基本機能を使用感を確かめながら段階的に拡張できる設計になっています。
CRMの費用に関するよくある質問
CRMとSFA・MAで費用相場は異なりますか?
機能範囲が異なるため相場も異なりますが、統合型の製品は境界が曖昧になりつつあります。各ツールを個別に契約すると総額が膨らみやすいため、SFAやMAも利用したい場合は統合型の製品を選ぶのがおすすめです。
無料のCRMだけでも運用できますか?
顧客情報の集約や基本的な案件管理であれば、無料ツールで対応できる場合があります。実際に、HubSpotは2ユーザーまで無料で利用可能です。ただし利用人数、コンタクト数、自動化の範囲には上限があります。上限に近づいた時点で有料プランを検討すると、運用を止めずに移行できます。
見積もり時に確認したい項目は何ですか?
最低契約数、増員時の単価、オプション費用の3点が基本です。加えて、導入支援費が料金に含まれるか、データ移行の対応範囲もあわせて確認しておくと良いでしょう。AI機能やストレージに従量課金がある場合は、単価と上限設定の可否まで押さえておくと、運用開始後の想定外の増額を避けられます。
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