Salesforceは自社に合う?導入成功事例と失敗しないCRMの選び方

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池村真澄
池村真澄

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📋 この記事の要点

  • SalesforceはSFA・CRM・マーケティングをカバーする統合プラットフォームで、大規模組織や複数システムの統合を得意とする
  • 導入成功の共通点は「解決したい課題が先にあり、その手段としてSalesforceを選んでいる」こと。機能に惹かれて導入するのは失敗のもと
  • Salesforceは使い続けることで価値が増すプラットフォーム。データを蓄積するほどAI活用の精度が上がり、中長期で営業力が高まる
  • 専任のIT担当者がいない、スモールスタートしたい、コストを抑えたい企業にはSalesforceがオーバースペックになるケースがある
  • CRM/SFA選定の判断軸は「運用体制・目的・予算」の3つである

この記事は11分で読めます

Salesforceは自社に合う?導入成功事例と失敗しないCRMの選び方

Salesforceは、世界で15万社以上の導入実績を持ち、CRM(顧客関係管理)SFA(営業支援システム)として高い知名度を誇るツールです。一方で、「高機能すぎて使いこなせなかった」「導入したものの現場に定着しなかった」という声も少なくありません。

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    本記事では、「Salesforceは自社に本当に合っているのか?」と疑問を持っている方に向けて、導入の成功事例とSalesforceが合っている企業の特徴を整理して紹介します。企業規模・運用体制・予算の3つの観点で、自社に合ったCRM/SFAを選びましょう。

    Salesforceは、なぜ選ばれる?

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    出典:Salesforce

    Salesforceがこれほど多くの企業に選ばれている理由は、大きく4つあります。

     

    顧客管理から営業管理まで1つのプラットフォームで完結できる

    Salesforceは、顧客情報の管理から商談の進捗管理、売上予測、購入後のフォローアップまで、営業活動に関わる幅広い業務を1つのプラットフォームで対応できます。部門をまたいで顧客データが分断されることは、多くの企業でよくある課題です。Salesforceが、情報を一元化できる統合型ツールである点が大きな導入動機になっています。

     

    規模を問わず拡張できる

    数名のスタートアップから数万人規模のグローバル企業まで、同じプラットフォームで対応できる拡張性も、Salesforceの大きな特徴です。将来、組織が大きくなっても使い続けられるという安心感が、成長企業に支持される理由のひとつです。

     

    既存システムとの連携基盤が整っている

    Salesforceは、基幹システムやERP、会計システム、マーケティングツールといった社内外のシステムとAPI経由で連携できます。既存のシステムを活用しながらCRM/SFAを導入したい企業の不安を解消できる点も、Salesforceの強みです。

     

    自社の業務フローに合わせてカスタマイズできる

    Salesforceの操作画面は、レイアウトや項目、自動化ルールなどを柔軟に設定できます。コードによる拡張にも対応しているため、業種・業務プロセス固有の要件に対応しやすい設計になっています。「自社の営業フローをそのままツールに落とし込みたい」という企業のニーズに応えられる点が、機能が固定されたパッケージ型ツールとの差異化ポイントです。

    ビジネスマーケットプレイス「AgentExchange(2026年4月にAppExchangeとSlack Marketplaceを統合してリブランド)」には1万3,000以上のエージェント・アプリ・ツールが登録されており、機能のカスタマイズも容易です。

     

    Salesforce導入の成功事例

    Salesforceの導入効果を最大化している企業には、共通したパターンがあります。3つの事例を確認しながら、Salesforceの特徴についてさらに理解を深めましょう。

     

    【株式会社サイバーエージェント】属人化していた営業情報を一元管理

    インターネット広告事業やゲーム事業を展開する株式会社サイバーエージェントは、営業活動の情報が属人化し、組織の資産として機能しないという課題を抱えていました。顧客情報はスプレッドシート、議事録は個人のドキュメントツールに保存されていたため、担当者が退職すると過去の経緯にアクセスできなくなっていたといいます。

    Salesforceの導入によって、リード情報・議事録・提案資料を1つの営業基盤に統合。その結果、営業関連業務を50%削減、月間アポイントメント数の2倍増、活動履歴の入力率100%を達成しています。

    参考:AIがあればシステムは作れる。それでもサイバーエージェントがSalesforceを選ぶ理由

     

    【株式会社資生堂】複数ブランドをまたぐ全社データ基盤を構築

    スキンケアブランドの資生堂は、世界120の国と地域で事業を展開しており、グローバルにデータを活用できる基盤を構築する必要がありました。従来は、基幹システムをデータ連携するために100以上のAPIが使われており、障害発生のリスクやリアルタイム接続性などの課題を抱える状況でした。

    そこで、Salesforceが提供する統合・自動化プラットフォーム「MuleSoft」を採用し、Salesforceの各アプリケーションと基幹システムをデータ連携。Salesforceが持つさまざまなソリューションを包括的に活用することで、データドリブン経営の基盤の構築を進めています。

    参考:Salesforceを活用し、データとAIによるパーソナライズされた顧客体験を創出

     

    【株式会社TAPP】3年間のデータ蓄積がAIを「知能」に変えた

    株式会社TAPPは、不動産販売を基盤として、資産運用の総合プラットフォームを目指す企業です。資産運用セミナーの申し込み急増に伴い、日程変更やキャンセルの問い合わせが人手では対応しきれない状態に陥っていました。

    「人を増やすだけでは限界が来る」と判断した同社は、Salesforceに3年間蓄積してきた顧客データを基盤に、AIエージェントによる問い合わせ対応の仕組みをわずか1か月で構築。AI問い合わせ解決率90.3%という成果を達成しています。

    参考:AI問い合わせ解決率90.3%を実現したTAPPの導入事例

     

    事例から見えるSalesforceが向いている企業の特徴

    3社の事例に共通するのは、Salesforceが持つ複数のサービスを組み合わせて自社の課題を解決しているという点です。「自社の課題をツールでどのように解決するか」を前提条件とすることが成功につながっています。では具体的に、どのような企業にSalesforceの強みが活きるのでしょうか。

     

    複数の部門・システムにまたがって顧客データを統合したい企業

    サイバーエージェントの事例が示すように、営業・マーケティング・カスタマーサポートがそれぞれ異なるツールで動いており、顧客データが分断されている企業ほどSalesforceの統合力が活きます。

    特に、複数のプロダクトや事業部を抱える企業では、部門をまたいだ情報共有の仕組みを作れるかどうかが、営業組織の生産性を大きく左右します。

     

    数百〜数千名規模の大きな組織で全社的な情報基盤を整えたい企業

    資生堂の事例では、社内のデータをMuleSoftによって統合することで、グローバルな全社データ基盤を構築していました。「部門やブランドをまたいで顧客データを一元管理したい」「システムが増えるたびに連携コストが膨らんでいる」という課題を抱える大規模組織にとって、Salesforceの統合力は経営の強い味方になります。

    現時点では中堅規模でも、将来的にグローバル展開や複数事業の拡大を視野に入れている企業であれば、今からSalesforceで基盤を整えておくことも選択肢のひとつです。

     

    長期的にデータを蓄積し、AIや分析に活用したい企業

    TAPPの事例では、Salesforceに3年間蓄積した顧客データがあったからこそ、AIエージェントがスピーディーかつ高精度で機能しました。Salesforceは、導入直後よりも使い続けることで価値が増すプラットフォームだということを示す好例です。

    データを資産として積み上げ、中長期で営業力を高めたい企業にとっても、SalesforceはCRM/SFAの有力な候補です。

     

    Salesforceは最適?自社に合ったCRMを選ぶポイント

    Salesforceは、大規模組織でのデータ統合や複数部門をまたいだ情報連携、および長期的なデータ活用を前提とした企業に強みを発揮します。一方で、次のような状況に当てはまる企業には、オーバースペックになるケースがあります。

    • ITリソースが限られており、導入・運用を専任で担える人材がいない
    • まず営業管理の基本的な仕組みだけスモールスタートで構築したい
    • 予算が限られており、無料または低コストで試したい

    このような企業にとって、「機能が多いから」という選び方は失敗のもとです。

    自社に合ったCRM/SFAを判断する軸は、大きく次の3つです。

     

    運用体制:専任のIT担当者がいるか

    社内にシステム管理者を置ける企業であれば、Salesforceのカスタマイズ性を最大限に活かせます。一方で、営業チームが主体となって運用する前提なら、初期設定に専門知識が必要なく、誰でも直感的に使えるツールを選択し、導入から定着までのハードルを下げることが重要です

     

    目的:何を解決したいか

    Salesforceは、複数システムの統合や全社的なデータの一元管理を得意とします。しかし、「まず顧客情報の統合から始めたい」という場合は、シンプルな機能に絞ったCRMのほうが定着しやすくなります

     

    予算:初期コストをどこまでかけられるか

    Salesforceは、初期費用・月額費用・運用支援コストを合わせると相応の投資が必要です。予算が限られている企業や、「まずCRMを試してみてから本格導入を判断したい」という企業には、無料プランから始められるツールが現実的です。

     

    SalesforceとHubSpotの比較

    この3軸をもとにSalesforceとHubSpotを比較すると次のようになります。

    ここまで見てきたように、Salesforceは大規模組織のデータ統合や高度なカスタマイズに強みを持つCRMです。一方、同じくCRMを基盤とした統合プラットフォームであるHubSpotは、「無料から始められる手軽さ」と「直感的な使いやすさ」を強みとしています。両者は競合というより、適した企業のタイプが異なるツールです。主な違いを表で整理します。

    比較項目

    Salesforce

    HubSpot

    製品コンセプト

    業務フローに合わせて作り込む拡張型プラットフォーム

    導入初日から使い始められるオールインワン型プラットフォーム

    強み

    高度なカスタマイズ性、大規模なデータ統合、豊富な連携実績

    直感的な操作性、営業・マーケティング・CSの標準連携、定着のしやすさ

    料金

    月額3,000円/1ユーザー〜(無料プランなし、30日間の無料トライアルあり)

    無料プランあり。有料プランは月額2,400円/1シート〜

    導入・運用体制

    専任の管理者や開発パートナーがいると効果を最大化できる

    専任のIT担当者がいなくても、営業チーム主体で運用しやすい

    カスタマイズ

    コード開発を含む高度なカスタマイズが可能

    ノーコード中心。標準機能の範囲で多くの業務をカバー

    向いている企業規模

    数百名以上の大規模組織、複数事業・グローバル展開企業

    スモールスタートしたい小規模事業・スタートアップ〜中堅企業・大規模組織まで幅広くカバー

    ※料金はいずれも2026年6月時点。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

     

    Salesforceが適している企業

    次のような企業には、Salesforceが有力な選択肢になります。

    • 複数の部門・システムにまたがる顧客データを統合し、全社的な情報基盤を構築したい
    • 専任のシステム管理者を置ける、または開発パートナーと連携できる体制がある
    • 自社独自の営業プロセスをツールに細かく反映させたい
    • 数年単位でデータを蓄積し、AIや高度な分析に活用する前提で投資できる

    本記事で紹介した3社の事例のように、「解決したい課題が明確で、それをSalesforceの統合力・拡張性で実現する」という順序で導入できる企業であれば、投資に見合う価値を引き出せるでしょう。

     

    HubSpotが適している企業

    一方、次のような企業はHubSpotの導入に向いているでしょう。

    • 専任のIT担当者がおらず、営業チーム主体でCRMを運用したい
    • 営業・マーケティング・カスタマーサービスまでワンストップで管理したい
    • 無料・低コストで試し、効果を確認してから本格導入を判断したい
    • 将来的にMA(マーケティングオートメーション)との連携を見据えているが、まずは営業管理から始めたい
    • まずは顧客情報の一元管理など基本的な仕組みからスモールスタートしつつ、企業の成長に応じて徐々に機能を拡張したい
    • ツールの設定や習得に時間をかけず、早期に現場へ定着させたい

    HubSpotは無料プランでも顧客管理・商談管理などの基本機能を利用でき、組織の成長に合わせて営業・マーケティング・カスタマーサービスへ段階的に拡張できます。「高機能なツールを使いこなせるか不安」という企業は、まず無料で操作感を確かめられるHubSpotから始めるのが現実的です。

    どちらを選ぶ場合も、判断基準は前章で整理した「運用体制・目的・予算」の3軸です。機能の多さではなく、自社のチームが無理なく使い続けられるかどうかで選びましょう。

     

    CRM選びは「自社で使い続けられるか」で決まる

    Salesforceは、世界トップクラスの実績と機能を持つCRMです。しかし、Salesforceを最大限活用するためには、初期投資に加え、専門知識を持つ担当者による運用体制の構築が欠かせません。

    自社に合ったツールを選ぶうえで大切なのは、機能の多さやカバーできる領域の広さではなく、「自社のチームが使い続けられるか?」という点です。まずは、無料トライアルを活用してみましょう。実際に操作してみることで、自社に合ったツールかどうかを判断しやすくなります。例えば、Salesforceには30日間の無料トライアルがあります。

    スモールスタートを検討する企業には、無料プランから始められるHubSpotも選択肢のひとつです。CRMを基盤に営業・マーケティング・カスタマーサービスを一本化でき、専任のIT担当者がいなくても営業チーム主体で運用を始められます。まずは無料で操作感を確かめてみてください。

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    Salesforceに関するよくある質問

    SalesforceはSFAですか?CRMですか?

    Salesforceは、顧客管理・営業・マーケティング・カスタマーサポートまでをカバーする統合プラットフォームです。中核製品のSales CloudはSFAとして機能しますが、Salesforce全体はCRMプラットフォームと捉えるのが正確です。

     

    Salesforceの料金はどのくらいかかりますか?

    月額3,000円(1ユーザー)から利用できます(2026年6月時点)。最新の情報は公式サイトを確認してください。

     

    Salesforceは中小企業でも使えますか?

    中小企業でも導入は可能です。ただし、専任の管理者が社内にいない場合は運用が定着しないリスクがあります。ITリソースが限られている中小企業には、無料プランから始められるシンプルなCRMを先に試すことをおすすめします。

    HubSpotは無料プランから始められるCRMで、顧客管理・商談管理の基本機能をすぐに使い始められます。専任のIT担当者がいなくても運用しやすく、組織の成長に応じて機能を拡張できる設計です。

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

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