納品書の役割を解説|すぐに使える雛形と作成ツールも紹介

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室橋 健(むろはし けん)
室橋 健(むろはし けん)

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企業と取引をする上で必要な書類の一つに、納品書が挙げられます。

納品書の役割を解説|すぐに使える雛形と作成ツールも紹介

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絶対に必要な書類というわけではありませんが、一般的に業務を円滑に進めるため、多くの企業が商品の納品やサービスの提供時に納品書を発行しています。

そのため納品書がどのような形式や方法で発行、送付するのか理解しておく必要があります。

また見積書と納品書の記載内容が異なっている場合、企業間トラブルに繋がる可能性があります。記載漏れなどのケアレスミスをなくすために、作成ツールを導入する企業が増えています。

本稿では納品書の基本や軽減税率制度への対応、納品書の作成事例、保管義務の概要を解説します。

素早く正確に作成できる納品書テンプレート

〜納品書テンプレートで手作業によるミスをなくしませんか?〜

  • 納品書を作成するためのテンプレート
  • 各事項はテンプレートに始めから記載
  • 手動で行う作業はほとんどなし
  • 毎月の納品項目は、事前に設定してプルダウンで選択

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    納品書の基礎知識を確認しよう

    納品書の基礎知識を確認しよう

    多くの企業が、商品の納品やサービス提供などを取引先に確認してもらうために納品書を発行します。本章では、正しく納品書を確認してもらうための書き方や消費税への対応方法を説明します。
     

    納品書の役割

    納品書は商品やサービスを取引先へ納入するときに一緒に発行する書類です。納入したことを発注元に認識してもらう役割があります。

    法規上では納品書発行の義務はありませんが、納品書の必要性を感じている企業は少なくないでしょう。大切なポイントは見積書と納品書の内容が合致していることです。合致していなければ、最悪の場合契約違反と見なされてしまう可能性があります。
     

    軽減税率制度と納品書の記載内容

    納品書作成時、消費税を正確に記載する必要があります。2020年8月現在の消費税は10%を基本としており、さらに軽減税率(8%)があります。納品書を発行する際には項目別に対象税率を明記します。このように、項目別に対象税率を明記した納品書を「区分記載納品書」と呼びます。
     

    納品書の書き方

    納品書発行時、定められた必要項目は漏れなく記載する必要があります。
    特に見積書と納品書を発行する際に商品名や数量、金額など内容に相違がないよう注意しましょう。

    ・書類名
    書類の先頭に「納品書」と明記します。

    ・納品先の宛先
    企業の場合は会社名を記載します。個人事業者の場合は屋号か個人名を記載します。

    【記載例】
    〇〇〇 株式会社 御中
    △△△ 様

    ・納品書の発行日
    納品が行われた日を記載します。配送の場合は到着日を記載します。

    ・納品(発行)番号
    納品番号の記載は必須ではありませんが、納品書の内容について相互確認を行う場合に役立ちます。

    ・納品者(発行者)の氏名又は名称
    企業の場合は会社名を記載します。合わせて住所、電話番号などを記載します。担当者名も記載する方が親切でよいでしょう。

    ・商品名と金額
    各商品名や、商品ごとの単価と数量、税抜きの小計、消費税を合算した金額を記載します。合計は一目で分かるように大きく記載します。金額は3桁ごとにカンマ(,)を入れて金額が容易に確認できるようにしてください。

    ・備考、特記事項
    納品場所やその他補足情報を記載します。お礼を記載することもあります。
     

    業界別の納品書作成

    業界別の納品書作成

    納品書に記載する項目の中で、取引内容(商品名、サービス料、作業費用など)の記載は業界によって少しずつ違ってきます。記載の仕方を迷いそうな業界をピックアップして説明します。
     

    ソフトウェア業界

    ソフトウェア開発において、形の見える納品物と、専門技術の提供のような形の見えない納品物があります。
     

    【形の見える納品物の場合】

    【形の見える納品物の場合】

    納品内容として、デザインや機能などを記載し、単価・数量・金額を記載します。
     

    【形の見えない納品物の場合】

    【形の見えない納品物の場合】

    納品内容として、専門技術による作業名称、エンジニアの単価(1人日)、数量(日数)、金額を記載します。なお、1人日とはエンジニア1人が1日作業したときの費用です。
     

    翻訳業界

    翻訳業界

    クライアントと翻訳家の間に仲介業者がいない場合、翻訳家がクライアントに納品書を発行します。品名(品目)は一般的に「翻訳料」となります。

    翻訳の場合、1単語当たりの単価と単語数で翻訳料を決める方法が多いようです。翻訳後の原稿の単語数を用いるか、翻訳前の原文の単語数を用いるかはクラアイントと事前に確認して、作業前に「見積書」による合意の記録を残しておきましょう。納品書は合意された見積書をベースに作成します。
     

    コンサルティング業界

    コンサルタントとは、法人や個人が抱えている業務上の課題の解決や提案、およびセミナーの開催などを生業(なりわい)とする業種です。

    一般的にコンサルタントの評価を厳しくチェックされる傾向があるため、納品書は仕事の価値を認めてもらう意味合いもあります。場合によっては、納品書とは別に業務報告書を求められるケースもあります。

    コンサルティング業界

    通常、品名は「顧問料」や「講師料」の記載が用いられます。

    コンサルティング業界2

    業務報告書が求められた場合、報告書を納品物として記載します。

    コンサルタントの報酬は、担当者に対する対価といっても過言ではありません。セミナーの講師などの業務内容だけでなく、業務報告書も丁寧に記載することによって、クライアントの信頼獲得につながります。
     

    納品書作成ツールの紹介

    納品書作成ツールの紹介

    ExcelやWordの無料テンプレートが多数公開されており、そちらを利用すれば比較的簡単に作成できます。

    ただ、納品書と会計・経理作業の連携効果を得るなら、専用ツールを活用しましょう。クラウド化によりツールのアップデートも容易になっています。
     

    会計freee

    会計freee

    税務や経理の知識がない初心者でも使いやすいツールで、設立直後の法人や経理が初めての方にもオススメです。

    会計freeeで作成された見積書を受け取っていれば、見積書を納品書に変換できます。納品書の郵送代行も1クリックで可能です。さらに振込銀行と会計freeeを同期することが可能なので、入金確認作業を効率化できます。

    《料金プラン》

      ミニマム ベーシック プロフェッショナル
    月額料金 1,980円/月 3,980円/月 39,800円/月
    ユーザー数 3名まで 3名まで
    (有料で追加可能)
    10名まで
    (有料で追加可能)

    ※2020年8月時点の法人向け、年払いプランでの月額料金(税抜)
     

    マネーフォワード クラウド請求書

    マネーフォワード クラウド請求書

    マネーフォワード クラウド会計・確定申告とのデータ連携を行うことにより、会計処理の作業を削減できるツールです。

    マネーフォワード クラウド請求書で見積書を作成した場合には、見積書から納品書を作成することができます。納品書から請求書、請求書から領収書の変換にも対応しています。また納品書のPDF化とメール送信がワンクリックで可能です。さらに納品書の送信履歴も一目で確認できます。

    《料金プラン》

      スモールビジネス ビジネス エンタープライズ
    月額料金 2,980円/月 4,980円/月 問い合わせ
    ユーザー数 3名まで 無制限 無制限
    部門登録 2部門まで 無制限 無制限

    ※2020年8月時点の法人向け、年額プランでの月額料金(税抜)
     

    Misoca

    Misoca

    見積書、納品書、請求書を「1分で作成できる」が売りのツールです。納品書作成は、品目管理機能により手入力作業が軽減できます。また納品書のPDF発行、リンク共有、およびメール送付をワンクリックで行えます。さらには過去の納品書からの複写、納品書から請求書や領収書への変換にも対応しています。

    MisocaはAWS(Amazon Web Services)を利用して、保存データの安全性を確保しています。タブレットやスマートフォンによる操作もできるのでスピーディーな対応が可能です。

    《料金プラン》

      個人向け 小規模の法人向け 複数人で管理したい法人向け
    料金 期限なしで無料 1年間無料
    (8,000円/年)
    1年間無料
    (30,000円/年)
    請求書作成可能数 5通まで/月 15通まで/月
    16~1,000通 1通につき70円
    100通まで/月
    101~1,000通 1通につき70円
    ユーザー数 1名 同時利用2名 同時利用5名

    ※2020年8月時点の年間料金(税抜)
     

    BtoBプラットフォーム請求書

    BtoBプラットフォーム請求書

    BtoBプラットフォーム請求書は企業間の請求書の受け渡し業務を電子化したクラウドツールです。

    納品書を発行する際には、販売・会計管理システムから帳票データをアップロードすると、アップロード情報から納品書が自動作成されます。自動作成された納品書は紙帳票として取引先に送付されます。なお取引先がBtoBプラットフォーム請求書を利用中なら、電子帳票が発行されコスト削減につながります。

    《料金プラン》

      フリープラン シルバープラン ゴールドプラン
    月額固定費 無料 10,000円/月 30,000円/月
    ユーザー数 無制限 無制限 無制限
    電子契約
    (契約締結)
    フリープラン同士なら5件まで 電子契約1通につき50円 電子契約100通まで無料
    101通以上1通につき50円

    ※2020年8月時点の月額プランでの月額料金(税抜)
     

    MakeLeaps

    MakeLeaps

    見積書・請求書・納品書をクラウド上で作成するツールで、区分記載請求書等保存方式に対応しています。またクラウド化により部門間をまたがる承認作業が可能です。

    納品書作成時には取引先や連絡先などは事前に登録した情報から選択して入力できるため、転記ミスを防止できます。また、納品先に合わせて「セキュア送信」「印刷・封入・投函の郵送代行」が利用できます。

    《料金プラン》

      無料プラン 個人プラン 法人プラン
    月額料金 0円 500円/月 800円/月
    ユーザー数 1名 3名まで 無制限
    (ユーザーが増えるごとに月額+800円)
    取引先 3社まで 10社まで 無制限
    (取引先が増えるごとに月額上乗せ)

    ※2020年8月時点の月額プランでの月額料金(税抜)
     

    無料で使える納品書テンプレート

    HubSpot納品書テンプレート

    当社HubSpotでは、すぐに使える納品書テンプレート(Google スプレッドシート)を公開しています。テンプレート内の「使い方」シートに使用方法の詳細を記載していますが、本記事でも簡単に使い方を説明します。

    「マスタ設定」シートで「会社名」「ご担当者名」「品名」「単価」「単位」「件名」「消費税率」を入力しておきます。
    「請求書」シートで、コンボボックスから上記1で入力した項目を選択して「自社の会社名・住所・担当者名」「発行日」「納期・納品場所」「お支払条件」「数量」を手入力します。

    すぐに納品書が必要なときなどにHubSpot納品書テンプレートを是非ご利用ください。
     

    納品書発行時の注意点と保管期限

    納品書発行時の注意点と保管期限

    大企業では業務プロセスが規定されていることが多く、業務プロセスの中で納品書発行も組み込まれていることでしょう。

    中小企業主や個人事業の方の中には、納品書の必要性をあまり意識していない方がいるかもしれません。納品書の作成は確かに法的義務はありません。ただ、「何を納品したか」を発注者に認識してもらうことは、より良いパートナーシップの構築につながります。

    なお、基本的に納品書と見積書の内容は同じであるべきです。発注後に変更があれば、発注先の合意の上で納品書や請求書に反映しましょう。誠意ある対応はビジネスパートナーとしての信頼関係構築につながります。

    納品書の保存期間についても解説します。会社法では、納品書は10年の保管を義務づけています。また、法人税法では7年間保管、個人事業者の場合は5年間保管が定められています。保管が長期間におよぶために紙媒体での納品書だと膨大になってしまうことが考えられます。

    管轄の税務署で承認を受ければ、納品書をスキャナで電子化して保存することも可能です。ただし、30,000円以上の領収書や契約書、決算関係書類などの書類は電子化による保存が認められていません。
     

    まとめ

    納品書を発行することにより、納入したことを発注元に認識してもらうことができ、後々のトラブルを防ぐことができます。納品書を正確に分かりやすく記載するのはもちろんですが、法律に準じた対応にも注意しましょう。

    • 軽減税率制度への対応:項目別の消費税率を明記
    • 会社法では納品書は10年の保管義務あり
    • 法人税法では7年間、個人事業者の場合は5年間の保管義務あり

    実際の取引においては、納品書だけでなく、見積書や発注書、納品書、請求書、受領書などの関連書類の発行や受け取りも必要になります。専用ツールの多くはこの関連書類すべてに対応しています。クラウド化されている専用ツールでは、法律や税制変更の度に再インストールする必要がなくなっています。

    自社のビジネスにあったツールを活用して業務を効率化しつつ、取引先との関係構築に活用してみてください。

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

    素早く正確に作成できる納品書テンプレート

    トピック: 営業管理

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