営業管理とは?メリットや対象の項目と成果を上げるポイントを解説

無料ダウンロード: SFA導入基礎ガイドと実践用チェックリスト
水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

最終更新日:

公開日:

営業管理は、営業に関連した活動や数値を管理し、営業の効率やパフォーマンスを向上させるために行うものです。成果に結びつけるためには、営業管理の必要性やメリットを理解し、管理すべき項目やポイントを施策に反映させることが重要です。

営業管理とは?メリットや対象の項目と成果を上げるポイントを解説

SFA (営業支援システム) 導入の基礎ガイドと実践用チェックリスト

SFA導入を成功させるためのポイントを徹底解説!

  • SFAの導入を成功させる方法
  • スムーズな社内導入5つのチェックポイント
  • SFAツールのご紹介
  • SFA導入「実践用チェックリスト」

    今すぐダウンロードする

    全てのフィールドが必須です。

    ダウンロードの準備ができました

    下記のボタンよりダウンロードいただけます。

    本記事では、営業管理の概要や必要性、メリット、対象とすべき項目や成果を上げるためのポイントを詳しく解説します。

    営業管理とは

    営業管理とは

    営業管理とは、営業のプロセスや活動を最適化するための手法です。英語では「Sales Management(セールスマネジメント)」に当たる概念で、営業目標を達成するためのマネジメント方法といえるでしょう。
     

    営業管理の概要

    営業管理では、営業におけるさまざまなプロセスや活動のデータを収集し、管理・分析して改善や最適化を行います。

    管理の対象となるデータは、組織の管理に関連するデータと人的な管理に関連するデータに大きく分類できます

    組織の管理に関するデータには、目標や顧客情報、商談などのデータが含まれます。人的な管理に関するデータとは、行動やスケジュール、モチベーションに関わるデータです。両方のデータを適切に管理することで、営業活動の最適化を目指します。
     

    営業管理の必要性

    営業管理が行われていないと、営業担当者のスキルや知識に依存した営業活動を行うことになります。パフォーマンスの良い営業担当者が異動や離職をすることによって成果が大きく下がるだけでなく、情報が属人化するリスクも生まれます。

    営業管理を適切に行うことで、得られた知識や情報を企業全体で共有・保存できるため、組織全体の成果向上につながります。担当者の異動や離職による影響も最小限に抑えられるでしょう。

    また、昨今の情報社会では、消費者がインターネットで商品やサービスを事前に詳しく調査できるようになっているため、より高度な解決策の提案が求められるようになりました。営業管理により、顧客のニーズや課題を正確に把握し営業チーム全体で共有することで、適切な対応が可能となり、営業目標の達成が促進されます

    営業管理は、営業活動の効率化と企業の営業力強化を同時に実現するうえで欠かせない取り組みです。
     

    営業管理を行うメリット

    営業管理には、次のようなメリットがあります。

    • 目標の明確化
    • 状況の可視化
    • 業務の効率化
    • 属人化の回避
       

    目標の明確化

    営業管理を行い、チーム全体に目標が明確に共有されると、目標を日々意識しながら営業活動を行うことが可能になります。

    また、目標に対する進捗もわかりやすくなり、目標に対する差分を埋めるために必要な行動やスケジュールを立てられるようになります

    チームの達成に必要な個人の目標も明らかになるため、営業チーム全体で協力し達成する姿勢も生まれます。
     

    状況の可視化

    営業管理は、営業チーム全体の進捗状況や、個人が持っている案件や商談の状況を可視化するうえでも役立ちます。

    状況の可視化は、ボトルネックになっているプロセスの把握につながり、全体的な対策が打てます。営業担当者別の商談別の状況もわかるため、具体的な指示や指導も出しやすくなります。

    チームをマネジメントするために必要な対策を行う箇所が明確になるため、効率よくチームの成果や能力を上げることができます。
     

    業務の効率化

    業務プロセスの無駄を明確にし、効率化を目指せることも、営業管理のメリットの一つです。顧客や商談の情報を共有すると、状況把握や分析時間も削減できます。

    営業データの効果的な管理によって、業務設計と情報共有が効率化され、無駄な時間が削減されます。これにより、チームのパフォーマンスが向上します。
     

    属人化の回避

    営業活動は個人で行うため、営業上のスキルは個人によって異なり、ノウハウが共有されないケースがあります。

    顧客に関する情報についても同様で、担当者でなければわからないことが増えると、顧客対応が最適化できません。不適切なアプローチを行うことで、顧客が離れてしまうこともあるでしょう。

    営業管理によって、営業に関する情報をチームで共有できれば、担当者以外でも顧客に対応することが可能です。ノウハウが共有されることで、営業チーム全体のスキルアップにもつながります。
     

    営業管理の対象となる項目

    営業管理の対象となる代表的な項目を6つ紹介します。

    • 顧客管理
    • 目標管理
    • 案件管理
    • 行動管理
    • モチベーション管理
    • 人材育成管理
       

    顧客管理

    顧客ごとの詳細な情報を収集し、管理して活用できる状態にします。

    顧客に関する重要な情報は、主に次のようなものです。

    • 顧客情報:会社名、住所、連絡先、担当者など
    • 商談履歴:これまでの案件の履歴
    • 受注履歴:これまでに受注したサービスや商品の履歴
    • 問合せ履歴:顧客からの問い合わせの履歴

    顧客に関する情報を管理すると、顧客ごとの購買や特徴の傾向がわかり、売上の予測が可能になるだけでなく、次に提案すべき商品が何かを戦略的に考えられます

    顧客情報全体の分析によって、自社が優先してアプローチするべき顧客の傾向を明らかにし、まだ開拓できていない次の顧客セグメントの検討なども可能になります。

     

    目標管理

    営業チームが達成すべき目標を設定し、目標に対する進捗をチェックします。営業担当者別にも目標を設定します。

    具体的には、次のような項目を目標として設定します。

    • 売上
    • 新規契約数
    • 商談数
    • アポイントメント数

    目標設定のポイントは、達成したかどうかを具体的に判断できる目標にすることと、頑張れば達成が可能な目標にすることの2つです。

    達成度合いを判断できるように、目標は数値で設定しましょう。定量的に設定できない場合は、期日や理想の状態を言葉で明確にしておくと効果的です。

    また、頑張れば達成が可能な目標にすることも重要です。簡単に達成できる目標を設定すると、チームとしてより高い成果を上げることが難しくなりますが、初めから達成が難しいような高すぎる目標にも注意しなければなりません。営業担当者のモチベーションが下がらず、目標設定の効果が薄れてしまうためです。

    適切な目標が設定できれば、目標と実績の差分を定期的に確認し、差分を埋めるための行動を促せます。結果として、営業目標の達成に近づきやすくなります。

     

    案件管理(商談管理)

    案件管理では、営業活動中の案件が、成約に結びつくかどうかの工程を個別に管理します。

    管理する対象は、主に以下のような項目です。

    • ステータス:「問合せ」「見込み」「提案中」「交渉中」「成約」などの案件の進行状態
    • 成約確度:成約する可能性の高さ
    • 成約予定日:成約する見込みの日付
    • 売上見込み:見込み客へ提案中の商品やサービスの金額

    案件管理によって個別の商談の状況や進捗の具体が明らかになるため、進行していない案件や重要な案件を把握でき、営業担当者に指示が出せます

    プロセスの全体に課題やボトルネックがある場合は、チーム全体でそれらを解消できないかの対策を考えることも可能です。

     

    行動管理

    行動管理では、営業担当者の営業に関する行動を記録し、管理します。

    管理すべき行動は、次のような一連の営業活動の流れです。

    • アプローチ数:メールや電話によるアプローチの回数
    • 商談数:商談に結びつけた件数
    • 商談設定率:アプローチした顧客のうち、商談に結びついた割合
    • 見積り提出数:商談の結果、見積を提出した件数
    • 見積提出率:商談数に対する見積もりの提出数の割合
    • 成約数:成約した件数
    • 成約率:商談数、または見積り提出数に対する成約した件数の割合
    • 成約金額:成約した金額の合計
    • 平均成約金額:成約した金額を、成約して案件数で割った数値

    行動管理により、営業担当者の活動のどの部分に課題があるかが明らかになります。そもそもアプローチ数が足りないのか、商談の数は多いが成約率が悪いのか、金額の大きな案件が苦手なのかなどが明確にわかります。

    営業担当者別に明らかになった課題の解決に取り組むことで、チームの成果を向上させられます。
     

    モチベーション管理

    営業担当者のモチベーションの管理も、営業管理の項目の一つです。

    モチベーションの下がった営業担当者がいると、チームの雰囲気に影響を与えます。さらに、営業担当者が離職するような事態になれば、1人分の目標をチームで補う必要が出てきます。

    モチベーションは定性的なものですが、1on1やアンケートで次のような内容を確認することで、可視化もできます。

    • 目標は自分にとって適切だと感じるか?
    • 今の仕事は自分にとってやりがいを感じるものか?
    • 今の職場は成長の機会を提供しているか?
    • 上司は必要な時にサポートしてくれているか?
    • 周りのメンバーは自分の強みを理解しているか?

    定期的な面談などを通じてメンバーの状態を把握し、必要な際に適切な指導やアドバイスを行えるようにしておくと良いでしょう

     

    人材育成管理

    人材育成管理とは、営業担当者の成長のためのプランニングと実行および進捗の管理です。営業担当者の成長によって成果が高まり、組織の拡大も可能になります。

    人材育成管理を実施するためには、まずは目指す組織体制や営業担当者に求めるスキルセットを設定します。それにより、行動管理などを通じて明らかになった個人の課題やスキルとのギャップを明らかにできます。

    埋めるべきギャップが明らかになれば、トレーニングや役割の変更によって新たな経験を積んでもらうなどの方法で、ギャップを補っていきます。

     

    成果の上がる営業管理のポイント

    営業管理で成果を上げるためには、次のようなポイントを意識することが大切です。

    • 管理項目の絞り込み
    • 評価基準の設定
    • 他部門との連携
    • 情報共有とコミュニケーションの活性化
    • 管理ツール・管理システムの導入
       

    管理項目の絞り込み

    管理項目が多すぎると、担当者の負担が大きくなる一方で、管理が仕切れなくなるリスクが生まれます。

    重点的に管理すべき項目を絞り込み、優先順位をつけると、担当者も力を入れるべき点が明確になり、マネージャーも管理がしやすくなります。

    管理項目を決める際は、営業チームの目標に対してより大きな影響を与える項目に絞り、営業担当者にとってもわかりやすい内容になるようにすると良いでしょう
     

    評価基準の設定

    管理する項目を決めたら、あわせて項目に対する評価の基準を定めます。

    例えば、行動管理に対しては、月間で行うアプローチ数や、商談設定率の基準を設けます。基準を作ることで営業担当者が目指すべき数値が明確になり、課題のある項目の基準をひとつずつクリアしていけば目標を達成できます

    営業担当者にとっても、改善すべき点が具体的になるため、取り組みやすくなります。
     

    他部門との連携

    営業管理によって蓄積された情報は、マーケティングやカスタマーサポート、人事部門などに共有しましょう

    例えば、顧客や商談に関する情報は、マーケティングにも活用できます。自社の顧客の解像度が上がれば、よりアプローチすべき顧客ターゲットが明確になり、商談からの成約率も向上します。

    カスタマーサポートであれば、顧客の問い合わせ履歴などから、対応の効率化を検討するなどの活用ができます。人事の採用や評価には、モチベーション管理などの情報が活用できるでしょう。

    このように、営業管理によって得られた情報は、他部門でもさまざまな活用の方法があります。

    部門間で情報を共有するためには、ツールの活用が欠かせません。HubSpotであれば、CRMを基盤としてマーケティングや営業、カスタマーサポート・カスタマーサクセスに至るまでのフローを管理でき、他部署と情報を連携できます。

    HubSpot(ハブスポット)|CRM・SFA・MA・CMSなどが一元化されたビジネスに最適なツールをご提供します
     

    情報共有とコミュニケーションの活性化

    営業管理によって収集したデータをより活かすために、社内の情報共有とコミュニケーションを活性化させます。

    せっかく集めた情報も、メンバーが知らなければ意味がありません。自社の顧客の特徴やうまく行った提案事例がメンバー間で共有されるよう、定期ミーティングや報告会などの仕組みを作る方法があります

    営業担当者との細かなコミュニケーションも重要です。課題のある担当者にはこまめに声をかけ、モチベーションを支えます。また、定期的な1on1を通じて悩みを把握し、具体的なアドバイスを提供することが効果的です。

     

    管理ツール・管理システムの導入

    営業管理にはさまざまな項目があり、複数のメンバーが入力をするため、入力や管理を効率化できるような仕組みが必要です。

    主な管理方法は次の二つです。

    • Excelやスプレッドシートなどの表計算ソフトを使用する
    • SFAやCRMなどの顧客管理システムを導入する

    Excelや無料で使用できるスプレッドシートは導入しやすいですが、デメリットもあります。具体的には、データ同士の関連性が複雑な場合や、件数が多くなった場合に管理が難しくなります。

    SFAやCRMは、そもそも顧客や商談の一元管理を目的にしたシステムであるため、営業管理には向いています。費用がかかるため、導入にあたってはツールの選定や仕様の決定が鍵です。

    予算や今後どのくらいの期間使用するかなどによって、適したツールを検討しましょう

     

    営業管理のポイントを理解してより高い成果をあげよう

    営業管理は、営業プロセスや活動のデータを収集し、改善や最適化を行う手法です。各営業担当者の行動を把握し、目標達成に向けて組織全体の最適化を図るうえでも欠かせません。

    適切に営業管理を行い、営業部門の全体のパフォーマンスが上がれば、提案の質も上がり、顧客満足度の向上にもつながります

    営業管理の対象となる項目は、顧客情報や目標、案件、営業担当者の行動です。管理項目に優先順位をつけて絞り込み、評価方法を定め、部門内だけでなく他部門との連携にも活用することで、営業管理の効果を最大化できます。

    HubSpotが提供する「Sales Hub」は、営業に関する情報を一元管理するための支援システム(SFA)です。リード管理や商談の日程調整といったSFAの基本的な機能に加えて、カスタマージャーニーを意識した営業活動の最適化にも役立ちます。ツールを活用して営業管理を行うことで、他部門との情報連携もしやすくなるでしょう。詳しくはSales Hubの製品ページをご覧ください。

    HubSpotの営業支援ソフトウェアを 無料で試してみる→

    HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

     

    SFA (営業支援システム) 導入の基礎ガイドと実践用チェックリスト

    トピック: SFA

    関連記事

    SFA導入を成功させるためのポイントを徹底解説!