SEOを意識して記事制作に取り組んではいるものの、なかなか検索エンジンからの評価が上がらず、狙ったキーワードで上位表示されない・・・この記事を読んでいる方は、そのような悩みを持たれている方が多いと思います。
SEOは、基本的にはGoogleの検索エンジンから評価を得るための施策ですが、絶対に忘れてはならないのは「誰のために書いているか」ということです。SEOを成功させたいのであれば、「情報を届けたい相手」がいて、「相手に届ける手段としてSEOを利用する」ことが前提にあると理解しておきましょう。
ですので、基本的にSEOとは「Googleクローラーに評価してもらうこと」「ユーザーに評価してもらうこと」の両面を意識して取り組む必要があります。ただ、どちらも意識しながら記事ライティングを進めるのは難しいですよね。本記事では、Googleからもユーザーからも評価される、SEOライティングの基本的なコツをご紹介します。
11のポイントを解説!SEOリライト戦略
〜効率的なリライトを実施して既存ブログ記事を上位表示させるコツ〜
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SEOライティングとは?
まずはSEOライティングについて定義を押さえておきましょう。
SEOライティングとは?
SEOライティングとは、SEOを意識して文章を作成する作業を指します。SEO(Search Engine Optimization)とは、Googleの検索エンジンでの露出を増やしていくための施策全般を指し、前提として「検索ユーザーの検索体験をいかに向上していけるか」を考える必要があります。SEOについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
何かを調べたいユーザーがキーワードを入力すると、検索エンジンはそのキーワードに含まれるインサイトを推測した上で、ユーザーが知りたい情報が掲載されているであろう記事を上位表示させます。上位表示記事を選定する際に、検索エンジンが参考にする要素は200以上あるのですが、中でも大きな影響を持つのが「検索キーワードとの関連性」と「Webページの価値」です。
要するにSEOは、検索エンジンに「この検索キーワードに対して表示するのであれば、これが最良のWebサイトだ」と選んでもらえるように、まずは良い記事を作成し、検索エンジンに記事の価値を正しく伝えるための施策だと言えます。
では、「キーワードの関連性」と「Webページの価値」とは具体的にはどう捉えればいいのか、詳しく見ていきましょう。
「キーワードとの関連性」が高いのはどんなWebサイト?
検索キーワードの中には、ユーザーの「困ったことを解決したい」「痛みを取り除きたい」という気持ちがこめられています。その質問にWebサイトが正確に答えていれば、検索エンジンから「キーワードとの関連性が高い」と判断されます。
しかし、単にキーワードについて説明しているだけでは関連性が高いことにはなりません。たとえば「水漏れ」と検索するユーザーに「水漏れとは水が漏れること」と答えるサイトは、ユーザーの質問に正確に答えているのでしょうか?
「水漏れ」と検索するユーザーは、「今すぐ水漏れを止めたい」と思っている場合もあります。そのようなユーザーが探しているのは、水漏れの修理をしてくれる会社や、自分で修理する方法で、「水漏れ」の言葉の意味ではありません。そのようなニーズで「水漏れ」と検索しているユーザーが多い場合は、水漏れ修理を請け負う会社のWebサイトや、症状別に原因と対処法を説明したWebサイトの方が「検索ニーズとの関連性が高い」と判断できます。
つまり「キーワードとの関連性」が高いWebサイトとは、その言葉で検索する人の意図を汲み取ったWebサイトということです。
Googleが考える「Webページの価値」
現在、検索エンジンシェアはほぼGoogleの独占状態なので、Googleがどんなページを価値あるページと考えているかを知ることが「Webページの価値」を知ることにつながります。
「Googleが掲げる10の事実」は、Googleの哲学であり理念を10項目にまとめたものです。その中で最初の項目では「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と、ユーザーファーストがGoogleの基本的な姿勢であることを明らかにしています。
つまり「ユーザーの役に立ち、ユーザーにとって使いやすいサイトであれば、Googleは評価しますよ」と言っているわけです。ユーザーの役に立たない記事を評価してしまう(検索上位に載せる)と、Googleに対するユーザー評価が下がってしまい、利用されなくなってしまいます。
広告モデルを採用しているGoogleにとっては、自社サービスにユーザーが訪れなくなってしまう状況は避けなければいけません。Google検索の信頼性を確立し、自社のビジネスを成長させるためにも、Googleはユーザーの役に立つ記事を評価する仕組みの構築に徹していることを理解しておかなければなりません。
Googleは以下のユーザー行動からもWebページの価値を判断しています。
- 検索画面からのクリック数
- Webサイトのアクセス数
- Webページの滞在時間
- 被リンク
またWebページに記載された情報が鮮度の高いものであるかどうかを見極めるために、更新頻度もページの評価項目としています。
ユーザーの役に立つ記事とは?
SEOライティングとは結局のところ、ユーザーの役に立つ記事を書くということです。ではどのような記事が役に立ち、どのような記事が役に立たないのでしょうか。実は「役に立たない記事」の中にヒントがあります。
「ユーザーの役に立たない」記事を考えてみよう
たいていの人は、検索一覧からWebページへジャンプした後に「読んで損した…」とイライラしながら「戻る」ボタンを押した経験があるのではないでしょうか。
役に立たない記事の特徴は以下の5種類にまとめることができます。
記事の特徴 | 例:「水漏れ」で検索すると | 原因 |
---|---|---|
Aについての情報を求めているのに、Bの情報が提供されている | 「浴室は水漏れだけでなく、カビ対策もしておく必要があります。カビ対策で重要なのは…」 | SEOキーワードの設定が誤っている |
ユーザーがすでに知っている、ありふれた情報しか掲載されていない | 「水漏れは配管の経年劣化が原因であることが多いです」 | 作成者に知識・情報が不足している |
エビデンスやソースが表示されないままで、未知の情報が提供されている | 「世間には知られていないのですが、水漏れを根本的に改善する方法がたったひとつあります」 | 作成者に客観的な視点が欠けている |
情報だけで次にどうしたらいいかがわからない | 「水漏れは原因①、原因②、原因③…によって起こります」 (原因の解決方法を提示なし) |
作成者が「ユーザーファースト」の視点に立っていない |
情報が古い | 「弊社は2008年1年間で150件の修理実績があります」 | Webページが更新されていない/Webサイトの管理がおろそか |
「役に立たない」記事の逆が「役に立つ」記事
ユーザーの役に立つ記事を作成するには、役に立たない記事と反対のことを行いましょう。ここで役に立つ記事を作るためのコツ改めて整理します。
- ユーザーの検索意図を理解し、適切なSEOキーワードを設定する
- 記事作成の際には正確な情報を収集し、エビデンスを収集する
- 客観的な視点で記事を作成する
- ユーザーの問題を解決する視点を忘れない
- 定期的に更新し、掲載情報をアップデートする
この5点を常に念頭に置き、記事の作成に当たりましょう。
SEOライティングの基本を知ろう
誰もが文章を書くことが得意なわけではありません。では、文章を書くのが苦手だと、SEOライティングはできないのでしょうか?答えはNoです。SEOライティングは基本を知っておけば誰でもできます。ここからは、最低限押さえたいコツを紹介します。
検索ユーザーの意図を考える
仮に「浴室の水漏れ修理の依頼を受けること」を最終的なゴールとする記事を作成するとします。これから作成しようとする記事は、どんな人の問題を解決するものでしょうか。そこから特定のキーワードでページに辿り着くユーザーのことを考えます。
検索するユーザーとはどんな人かを想定する
ユーザーとは誰でしょうか?これまでの問い合わせの経験などから「顔と名前を持った読者」を考えます。「読者」の名前、住んでいる家、築年数、年収、家族構成など具体的に考えれば考えるほど、記事に説得力が出てきます。
「読者」は何に困っていて、どのような解決を望んでいるのか?
読者のイメージが具体的に固まったところで、次は読者がどのような問題を抱えていて、どのような解決を望んでいるかを考えます。
「夜中にポタポタと水の音がするのが気になる」「水道代が跳ね上がっていて驚いた」など、できるだけ問題を具体的に考えて「応急処置の方法を知りたい」「できるだけ早く業者に連絡したい」「修理費用を知りたい」など、読者が何を望んでいるかを考えます。
記事のテーマと構成を考える
読者が望んでいる結果が得られるように、全体の構成を考えます。最後に情報と解決策だけでなく、自社が読者にとってほしい行動を行動提起として盛り込みます。
最後に事前に考えていた記事のゴール、ここでは「浴室の水漏れ修理の依頼を受けること」を行動提起とします。
たとえば水漏れの応急処置の方法を解決策とした上で、「これは応急処置であって、根本的な解決は専門家でないとむずかしい」と説明して、自社の電話番号やメールアドレスを掲載します。
文章が苦手な人でも書けるコツ
苦手意識を抱いている人でも、知っているだけでまとまった文章が書けるコツをお伝えします。
パラグラフライティングを身につけよう
パラグラフライティングとは、論理的な文章を書くための手法のひとつです。1つのパラグラフ(段落)に1つの話題という原則を守って作成していくと、誰でも論理的でわかりやすい文章が書ける優れたメソッドです。
パラグラフライティングでは、最初に記事のテーマと方向性を決めたら、書くべきことを箇条書きにします。箇条書きの1つひとつをパラグラフとして、文章を書いていきます。
たとえば以下のような箇条書きを作成したとします。
- 水漏れ箇所①水道の蛇口からの水漏れ
この箇条書きが自然な文章になるように言葉を足します。
「水漏れが起こりやすい場所のひとつに、水道の蛇口があります」
その後に、補足的な文章を続けます。
「水道の蛇口の栓をしっかりとしめたはずなのに、水がポタポタと垂れているのがこの状態です」
このようにパラグラフライティングで書くと「文章を作らなくては」と悩む必要はありません。またユーザーにとっても、パラグラフの最初の1文だけ読めば話が伝わるので、流し読みで要点が頭に入ります。
文章構成はシンプルに
「私は女性だ」「猫が餌を食べていた」のように文章は主語+述語(+目的語)があれば成立します。
「彼女は爽やかな女性だ」「猫が美味しそうな餌を食べていた」のように修飾語が入ってくると、文章表現は豊かになりますが主旨が曖昧になってしまう可能性が高くなります。小説などの文学作品や、情緒的な表現を重視する文章であれば、修飾語を駆使するのが良いでしょう。
SEOライティングのように情報をわかりやすく伝えることを目的としている場合は、できる限り修飾語を削ぎ落とすよう意識してみてください。シンプルな構成の文章は、意味が頭に入りやすいため、読んでいてストレスがありません。
検索エンジンにWebサイトを正しく認識されるための記述方法
検索エンジンは、クローラーを通してWebサイトの情報を収集し、データベースにインデックス(目次化)していきます。
インデックス内の情報と検索キーワードを照らし合わせて適正な検索結果を表示させるので、このWebサイトの情報を正確に把握してもらう必要があります。Googleクローラーに向けて正しく情報を伝えるためのライティングのポイントも紹介します。
タイトルとメタディスクリプション
検索エンジンは2019年時点で世界中に約16億あるといわれるWebサイトを巡回しながら、Webページのソースタグを見て、そこに記されているタイトルタグやメタディスクリプションを元にWebページの内容を把握しています。
検索一覧画面に表示されるタイトルや説明文が、Webページのソースに記載されているタイトルタグ・メタディスクリプションに該当する箇所です。
タイトルタグには検索するユーザーが求めているであろう情報を掲載します。
- 検索キーワード
- 会社名、所在地、対応エリア
- 商品名
- 重要な情報
- etc...
検索をしたユーザーが「ここを見れば問題が解決できそうだ」と思えるようなタイトルを作成します。
例えば、上記のHubSpotブログ記事の場合、titleタグには以下のように記載しています。
<title>SEOのキーワードはどのように選べばいいのか?選定方法を解説</title>
「SEOキーワードの選定方法がわからない」という課題を抱え、「SEO キーワード」と検索しているユーザーに向けて「あなたが知りたいことはこちらの記事に載っていますよ」と伝えるのがタイトルとメタディスクリプションの役割です。
また、タイトルに検索キーワードをいれておくことで、Googleクローラーも「このキーワードで検索しているユーザーに向けたもの」と認識しやすくなります。
タイトルに含めるキーワード(SEOキーワード)の選び方については、以下のページを参考にしてください。
SEOのキーワードはどのように選べばいいのか?選定方法を解説
共起語を活用する
共起語とは、キーワードと一緒に使われることの多い言葉を指します。
検索エンジンは人間のようにWebページの内容を吟味して、「これは正しい」「これは間違っている」「これはためになる」と評価することはできません。しかし、多くのWebサイトがキーワードと一緒に使っている言葉で記事を作成していれば、「多くのWebページで使われている共起語があるから、このサイトの内容も間違いはないだろう」と判断します。
共起語も含めて記事を作成することで、検索エンジンから一定の評価を得ることができます。
共起語は「共起語検索」などのページで見つけることができます。
E-A-Tを心がけよう
Googleは「検索品質評価ガイドライン」を公開していて、「ユーザーにとって有益な情報」の評価基準を明確にしています。
また、検索アルゴリズム(検索順位を決定する仕組み)自体の評価を人力で行う「品質評価者」の存在も明らかにされています。この品質評価者が基準としているのが「E-A-T」です。
「E-A-T」とは、以下の3つの基準の頭文字を取ったものです。
E = Expertise(専門性)
A = Authoritativeness(権威性)
T = Trustworthiness(信頼性)
特にYMYL(Your Money Your Life:あなたのお金と命)に関わる記事では、専門性や権威性、信頼性が重要とされています。Webサイトが金融、法律、医療に関わるものである場合は「E-A-T」を欠いているWebサイトは低品質とみなされる可能性があることに留意してください。
仮にWebページの作成者に「専門家」という肩書はなくても、くわしい知識を持ち、信頼できる1次情報(情報元が直接調査・収集したデータ)や、信頼できる情報に基づいていることを「出典」として明らかにすることで、品質ランクを上げることが可能です。
過去の記事も活用する
Webサイト全体の情報量は、SEOでは非常に大きな意味を持ちます。Webサイトの運営を始めて日が浅く、記事数が少ない場合は、良質な記事をできるだけ増やすことを意識してください。記事が増え、Webサイト全体に情報量がストックされていくことで、検索エンジンに「良質なサイト」と認識される可能性が高くなります。
ここからは、記事が蓄積されてきたら実施すべきことを説明します。
過去記事を定期的にアップデートしよう
作成した時点では最新だった情報も、時間が過ぎれば古くなってしまいます。「新機種」と紹介したものよりさらに新しいバージョンが登場した場合など、新しい情報を盛り込む必要があります。
記事をアップデートするには、大きく分けて以下の2種類の方法があります。
- 古い記事を修正して、リニューアルしたことを記事の冒頭で伝える
- 新しい記事を作成し、過去の記事とリンクさせる
過去の記事の内容自体が古くなっていない場合にはWebサイト全体の情報が増え、検索エンジンから評価されるポイントともなるので、2の方法を取った方が良いでしょう。
トピッククラスターという考え方
過去の記事をもっと有効活用できる方法がトピッククラスターです。
トピッククラスターとは過去の記事をひとつのトピックごとにまとめて、再リンクすることによってWebサイト全体で評価を上げていこうという考え方です。
運営するWebサイトの記事を充実させればさせるほど、Webサイト内の記事は雑然としてしまいます。そこで「支柱」となるピラーページを見つけ、関連記事と互いにリンクさせていきます。
記事数が多くなってくると内部リンク施策をしっかり行っていない場合は、古い記事は埋もれてしまいます。せっかく作成した記事を無駄にしないためにも、関連記事とリンクして、多くの人に読んでもらえるようにしてください。
ユーザーにとって有益で信頼できる記事を書くのが正攻法
ともすれば、検索順位を上げるためのテクニックと理解されやすいSEO対策ですが、SEOに本当に強い記事とはテクニックに依存するものではありません。
Googleが求めているのは、ユーザーの役に立つ記事です。
記事を作成する側はどうしても「自分がくわしく調べたこと」「関心のあること」「おもしろいと思うこと」などに意識が向いてしまいます。しかし、検索キーワードと記事の内容が一致していなければ、どんなに充実した内容の記事でもユーザーの役に立つことはできません。
ターゲットとするユーザーが「すぐに検索で見つけられる」「ユーザーが求める質の高い情報を得ることができる」「ユーザーが問題解決に向けてすぐに行動を起こせる」ように、記事を作成していきましょう。
いずれもすぐに結果がでることではありません。しかし、粘り強く取り組んでいくことで、かならず検索順位は上がっていきます。