アンケート調査によって得られるデータには、製品開発やマーケティング、営業などのあらゆる業務で必要な顧客理解へのヒントが隠れています。有益なデータを集めるには、綿密なアンケート設計が必要です。
初心者でも優れたアンケート設計を行うには、アンケート作成ツールの活用がおすすめです。アンケートツールを活用することで、全社的な情報共有を円滑に行えるため、顧客理解を深められます。
本記事では、アンケート作成ツール活用のメリットと選定ポイント、無料版、有料版に分けておすすめツールを紹介します。
顧客満足度アンケート作成に役立つテンプレート5選
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- NPS®(顧客ロイヤルティー指標)アンケート
- CSAT(顧客満足度指標)アンケート
- CES(顧客努力指標)アンケート
- 顧客満足度アンケート (詳細版)
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アンケート作成ツールとは?
アンケート作成ツールは、アンケートの作成から配布、集計・分析、結果の共有まで行えるソフトウェアを指します。
作成したアンケートにはURLやQRコードが割り当てられ、ウェブサイトやEメール、店舗タブレットなどの複数チャンネルでアンケート調査を行えるようになります。
アンケート作成ツールを使えば、簡単操作で綿密なアンケート設計を行え、自動分析された結果を円滑に共有できます。
アンケート調査における一連の工程を最適化する際は、アンケート作成ツールの活用がおすすめです。
アンケート作成ツールには、無料版と有料版があり、予算の少ないプロジェクトでも気軽に導入できます。
参考:有益なアンケート調査を実施するには?基本的な手法とフローを解説 | HubSpot
参考:アンケートを顧客理解に活かすには?5つの集計ツールも解説 | HubSpot
アンケート作成ツールを利用するメリット
アンケート作成ツールを利用するメリットは、アンケート業務の最適化だけではありません。主には、以下の4点が挙げられるでしょう。
- 高い回答率が期待できる
- 情報共有が簡単に行える
- コスト低減につながる
- 集計プロセスの自動化
1.高い回答率が期待できる
アンケート調査の魅力は、顧客や従業員、市場などの多くの人々の意見を集められることです。集めた意見をもとに仮説検証を行えば、事業機会の発見やサービス改善などにつなげられます。
アンケート作成では、回答率を高めるための設計が重要なポイントになってきます。回答率が低ければ分析に必要な数が集まらず、精度の高い仮説検証は実施できません。
回答率の高いアンケートを設計するためには、設問に合った回答形式の選択、設問順序の調整やロジック分岐の活用などが必要です。アンケート調査の専門知識がない場合、作成までに数日かかるのは珍しくありません。
アンケート作成ツールを使えば、ドラッグ&ドロップの簡単操作で、 高度なアンケート設計を行えます。
2.情報共有が簡単に行える
アンケートは、単なる調査手段ではありません。アンケートの目的は、質の高い顧客の回答を多く集め、さらなる顧客体験の向上につなげることです。
顧客体験向上につなげるためにも、アンケート調査結果は顧客接点を持つ複数部署での共有が理想です。
たとえば、マーケティングチームが得たアンケート結果を、営業チームやカスタマーサポートなどと共有すれば、全社で深い顧客理解が推進できます。顧客理解を深めれば、顧客により良い価値や体験の提供ができるのです。
アンケート作成ツールを活用すれば、アンケート結果の適切な管理、および他部署と共有しやすい環境を構築できます。
参考:顧客フィードバック機能 | HubSpot(ハブスポット)
3.コスト低減につながる
アンケート作成ツールを導入すると、印刷費や郵送費、回収費、人件費などの各種コストの低減につながります。
紙のアンケートでは、回答者数が多くなるほどコストが膨らむため、数百人を対象にアンケート調査を実施する場合は、Webアンケート調査がおすすめです。
4.集計プロセスの自動化
アンケート結果を分析しなければ、顧客体験を高めるヒントは見えてきません。
これまでは、集計結果をExcelやGoogle スプレッドシートなどに手入力することで、多大な労力やコストをかけてきた企業も多いのではないでしょうか。。
アンケート作成ツールを活用することで、集計プロセスとグラフ・レポート作成はすべて自動化されます。
アンケート作成ツールの選定ポイント
数あるツールの中から、自社に合ったものを選ぶために次の4つのポイントを紹介します。
- 機能
- 料金
- 既存ツールとの互換性
- サポート制度
機能
機能はツールによってさまざまです。
自社に適した機能を備えたアンケート作成ツールを選ぶためには、まずはアンケート調査の目的と獲得したいデータの明確化が必要です。
たとえば、新製品の購買層を定めることが目的なら、回答内容に基づいて次に表示する質問やページを切り替える機能や条件付き質問などの機能があるアンケートツールが適しています。
よくある失敗は、アンケート作成ツールの導入自体が目的になっていることです。アンケート調査の目的を明確にし、目的達成をサポートしてくれるツールを選ぶようにしましょう。
料金
アンケート作成ツールの料金を決める主な要因は、「機能」「質問数」「プラン」の3つです。
3つの要因について詳しく見ていきましょう。
機能
機能が充実した アンケートツールを選べば、あらゆる目的やニーズに対応できます。しかし、機能が豊富になるほど、料金は高くなってしまうのです。料金を抑えるには、機能性を絞ったツール選定が必要です。
質問数
多くのアンケートツールには、無料版と有料版があります。無料版と有料版の違いは、アンケートごとに設定できる設問数と回答結果閲覧数です。
無料版だと、例えば1アンケートにつき設問作成は10問まで、閲覧できる結果数は100個以内などのように制限されています。そのため、無料版では中規模以上のアンケート調査に対応できないことが多いです。
料金プラン
アンケート作成ツールの料金プランは、月額プランもしくは半年/年額プランが一般的です。支払い総額で見れば、まとめ払いとなる半年/年額プランの方が割安になることが多いでしょう。
定期的なアンケート調査を実施するプロジェクトであれば、半年/年額プランを、年間1~3回程度の実施なら月額プランを選ぶなど、各社の料金プランを比較しながら選ぶとよいでしょう。
導入済みツールとの互換性
アンケートツールを、CRMツール(顧客管理システム)やMAツール(マーケティングオートメーション)と連携させると、アンケートで得た情報を有効活用してさらなる価値を生み出せるようになります。
たとえば、SurveyMonkeyとHubSpotのCRMを連携させ、アンケート結果を既存の顧客情報と結びつければ、顧客情報がよりリッチになります。その情報をもとに、マーケティングやセールス、カスタマーサポートそれぞれの業務を推進すれば、より顧客に寄り添った施策を実行できるでしょう。
アンケート結果を顧客体験の向上につなげたいのであれば、CRMと連携できるアンケートツールを選ぶといいでしょう。
サポート制度
アンケート調査では、回答者集めや依頼文作成などさまざまな業務が求められます
アンケートツールの中には、有料でアンケート設計の代行や回答者集めなどのサポートを提供しているサービスもあります。
無料アンケート作成ツール4選
Webアンケートを作成するコストを抑えたい方に向けて、無料で使えるアンケート作成ツールを紹介します。
以下が、これから紹介する無料アンケート作成ツールの早見表です。
製品名 |
Googleフォーム |
Questant |
formrun |
SurveyMonkey |
アンケート作成数 |
無制限 |
無制限 |
1個 |
無制限 |
アンケートごとの設問数 |
無制限 |
10問 |
無制限 |
10問 |
回答結果閲覧数 |
無制限 |
100問 |
無制限 |
40問 |
共同作業 |
○ |
- |
- |
- |
配布方法 |
URL |
URL QRコード |
URL |
URL |
結果のリアルタイム表示 |
○ |
○ |
○(直近1日のみ) |
○ |
CSVエクスポート |
○ |
- |
○ |
- |
外部ツールとの連携 |
Google スプレッドシート |
- |
○ |
○ |
1.Googleフォーム
Googleフォームは、作成質問数と集計回答数が無制限のアンケート作成ツールです。選択式や評価スケールなどの豊富な回答形式に加え、画像や動画の挿入、スキップ質問の作成も行えます。
スプレッドシートと自動で同期できるため、アンケート結果のエクスポートも簡単です。
シンプルなインターフェースに充実した機能が備わっており、簡単にアンケート設計をしたい方に最適です。
参考:Google フォーム - アンケートを作成、分析できる無料サービス
2.Questant
Questantは、ネットリサーチ会社「マクロミル」が開発したアンケート作成ツールです。
70以上のテンプレートと100を超える質問データベースが用意されており、豊富な選択肢の中から必要なものを選ぶだけで、簡単にアンケート作成が行えます。
アンケート作成が完了すると、URLやQRコードが自動発行され、メールやWebサイトなどに貼り付けることで、アンケートの配布が可能です。
無料版の場合、アンケートごとの設問数は10問、閲覧可能回答数は100件までに制限されています。そのため、セミナー参加者や従業員を対象にした小規模なアンケート調査実施に最適です。
中規模以上のアンケート調査なら、有料版がおすすめです。
参考:無料セルフアンケートASP『Questant(クエスタント)』 -MACROMILL-
3.formrun
formrunは、最短30秒でのアンケート作成ができるツールです。20種類以上あるテンプレートの中から、最適なものを選択し、テキスト入力するだけで見栄えの良いアンケート設計が行えます。
また、SlackやChatwork、Microsoft Teamsなどと連携すると、問い合わせがあれば即時に通知されます。リアルタイムの問い合わせ通知によって、迅速な対応や対応漏れ防止につながります。
無料版の場合、月に作成可能なフォーム数は1つのみですが、送信数・受信数は共に無制限です。
お問い合わせフォームや資料ダウンロードフォームなどの作成に最適なツールです。
参考:formrun(フォームラン)| 無料で使えるメールフォームと顧客管理
4.SurveyMonkey
SurveyMonkeyは、世界中の企業に利用されているアンケート作成ツールです。
SurveyMonkeyを使用することで、簡単に洗練されたアンケートを作成でき、リンク送信やWebサイトの埋め込みなどで配信できます。
当社HubSpotのCRMを始め、SlackやGoogle Driveなど100以上の外部ツールとの連携が可能です。
無料版では作成アンケートフォーム数は無制限ですが、1つのアンケートに10個の設問の作成および40個の回答の収集のみに対応しています。
顧客数の少ないプロジェクトにおすすめのツールです。
参考:SurveyMonkey App Directory & Integrations
有料アンケート作成ツール5選
ここからは、有料のアンケートツールを紹介します。
有料版の多くは、アンケート作成数や設問数、回答閲覧数が無制限であり、複雑なロジックも使えます。そのため、大規模なアンケート調査実施や精度の高いアンケート結果を得たい企業におすすめです。
以下が、これから紹介する有料アンケート作成ツールの早見表です。
製品名 |
Fastask |
HubSpot |
kintone |
Creative Survey |
スマートアンサー |
アンケート作成数 |
1個/調査 |
無制限 |
別途お問い合わせ |
別途お問い合わせ |
1個/調査 |
アンケートごとの設問数 |
5~30問 |
無制限 |
別途お問い合わせ |
別途お問い合わせ |
5~30問 |
回答結果閲覧数 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
共同作業 |
- |
○ |
○ |
○ |
- |
配布方法 |
モニタへ配信 |
Webページ Eメール配信 |
URL |
URL |
モニタへ配信 |
結果のリアルタイム表示 |
○ |
○ |
- |
○ |
○ |
共有機能 |
○ |
○ |
○ |
○ |
- |
CSVエクスポート |
- |
○ |
○ |
○ |
○ |
外部ツールとの連携 |
- |
○ |
○ |
○ |
- |
サポート制度 |
リサーチャーによるアンケートチェック |
電話とEメールによるサポート |
問い合わせやパートナーによる導入サポート |
電話とEメールによるサポート |
スタッフによるアンケートチェック |
その他 |
300万人のアクティブユーザー数を保有 |
無料で使えるCRMあり |
30日間の無料トライアルあり |
デザイン性に優れたアンケートツール |
豊富な若年層のモニタを保有 |
1.Fastask
Fastaskを使えば、アンケートの作成から回答者集めまで一貫して行えます。
画面の指示に従うだけで、条件分岐などを含んだスマートなアンケートが簡単に作れます。
さらに、日本語のプロフェッショナル集団が、配信前にアンケート内容をチェックしてくれるため、初心者でもロジックの成立したアンケート調査の実施が可能です。
Fastaskには300万人のアクティブユーザーがおり、ユーザー稼働状況確認後に回答依頼を送信できます。価格と納期は業界水準の3分の1であり、手軽にアンケートの作成から配信まで実施できます。
【料金】
- スクリーニング調査:11,000円(設問数5問、サンプル2000)~
- 本調査:11,000円(設問数5問、サンプル100)~
- 配信おまかせパック:スクリーニング33,000円、本調査55,000円(30問まで)~
参考:セルフ型ネットリサーチ | Fastask(ファストアスク)
2.HubSpot
HubSpotのService Hubには、NPS ®(顧客ロイヤルティー指標)・CES(顧客努力指標)・CSAT (顧客満足度指標)の3つの調査が用意されています。目的に合わせて最適な調査を実施できるため、質の高い顧客の声を多く集められるでしょう。
顧客からのフィードバックは自動でCRM上に蓄積され、全メンバーが単一のダッシュボードで結果を確認できます。結果はグラフで分かりやすく表示され、分析も簡単に行えます。
Sales HubやMarketing Hubなどと組み合わせることで、顧客と接点を持つすべての部署の情報について一元管理でき、カスタマージャーニーの的確な状況把握、顧客サポートが実現します。
【料金】
- Professional:43,200円/月
- Enterprise:144,000円/月
参考:顧客フィードバック機能 | HubSpot(ハブスポット)
3.kintone
kintoneは、サイボウズ社が提供するグループウェアです。顧客管理や交通費申請などの業務に必要なアプリを自由にカスタマイズできます。
アプリのひとつに、アンケート調査があります。ドラッグ&ドロップによるアンケート作成、グラフ化や結果の共有などの基本機能が揃っています。
豊富なアプリや外部ツールと連携でき、アクセス権機能を使えば閲覧者の制限も行えます。
【料金】
- ライトコース:月額858円/ユーザー
- スタンダードコース:月額1,650円/ユーザー
※両コースとも5ユーザーから契約可能
参考:kintone(キントーン)でアンケート・調査が変わる | サイボウズの業務改善プラットフォーム
4.CREATIVE SURVEY
CREATIVE SURVEYを使えば、ブログを書く感覚で、洗練されたデザインのアンケート作成を行えます。分岐ロジックや表示ロジックなどの複雑な設問も、ドラッグ操作で組み立てることが可能です。
CREATIVE SURVEYならではの特徴が、アンケートデザインのカスタマイズ性です。200種類上のWebフォントや豊富なアンケート背景を用いて、自由にデザインをカスタマイズすれば、ブランドイメージに合ったアンケートが完成します。
アンケート結果はリアルタイムで表示され、デザイン評価機能はヒートマップで結果表示されるため、直感的に理解できる仕組みになっています。
【料金】
- 別途お問い合わせ
5.スマートアンサー
スマートアンサーは、スマートフォンを活用したネットリサーチサービスです。10~30代のモニターが充実しているため、若年層の声を集めやすくなっています。
スマートアンサーでは、自身でアンケート作成することが可能であれば、スマートアンサーに調査票の作成をしてもらうことも可能です。
セルフアンケート作成では、多彩な質問タイプや条件設定の中から、自由にカスタマイズできます。セルフアンケート作成でも、スタッフによるアンケート確認があるため、初心者でも安心してアンケート調査の実施が可能です。
10問100サンプル1万円からと手ごろな価格で調査が行えます。
【料金】
- セルフリサーチ型プラン:11,000円(10問100サンプル)~
- あんしんサポート型プラン:33,000円(5問100サンプル)~
アンケート作成ツールを活用して、顧客体験を高めよう
アンケート調査は、顧客が製品やサービスに感じていることを仮説検証し「顧客体験を高めるヒントを見つけること」を目的としています。
調査を顧客体験向上につなげるためには、設問を並べるだけではなく、適切な形式の選択やロジックの活用など綿密な設計が必要です。
アンケート作成ツールを活用すれば、簡単に高度なアンケート設計ができるうえに、全社で円滑なデータ共有が実現します。
顧客接点があるすべての部門と情報共有を行い、全社で顧客理解を深めることでより良い顧客体験を届けることができるでしょう。
今回紹介したポイントを参考に、まずは自社に合ったアンケート作成ツールを選ぶところから始めてみてはいかがでしょうか。