HubSpotのカスタマーサービス チームがプロフィットセンターになるまでの軌跡とすぐに実践できるヒント

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Michael Redbord
Michael Redbord

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私が初めてHubSpotに出社したのは8年前の2010年。カスタマー サポート チームの初期メンバーとして「インバウンド マーケティング コンサルタント」という肩書きが与えられました。

HubSpotのカスタマーサービス チームがプロフィットセンターになるまでの軌跡とすぐに実践できるヒント

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契約書上、私の職務は「お客様が製品を導入して最大限に活用できるように支援すること」と書かれていました。しかし、新しいSaaS製品のサポートを経験された方ならおわかりでしょうが、契約書の内容と実際の業務が一致することはまずありません。

当時は、HubSpotのCEOで共同創業者であるブライアンが営業の電話をかけていたり、CTOで共同創業者のダーメシュも顧客の導入支援を担当したりしていたものです。

ある日、サービスが停止してしまい、その対応に追われることになりました。

  • 製品をアップデートした結果、顧客から不満が噴出し、その対応に14時間を費やしました。
  • 1日中、時間が足りないと感じていました。
  • 懸命にサポートしてきた顧客を失うつらさを味わいました。

決まったプロセスはほとんど存在せず、私たちはただ行き当たりばったりに物事を進めていました。

入社以来、HubSpotでの私の役割は劇的に変化しました。カスタマー サポート チームのグローバル展開を指揮することになり、それからサポート&サクセス部門のバイスプレジデントに就任しました。

その間、サポートやカスタマーサクセスのリーダー、営業やマーケティングのリーダー、創業者など、多くの方々とカスタマー サポート チームやカスタマー サクセス チームの構築について話す機会もあり、私がハブスポットで経験した状態は珍しいものではなかったと気付きました。

成長中の企業はたいてい、同じような道筋をたどります。サポート依頼の件数が増えすぎて、対応が後手に回ってしまう。その状況を打破するためにサポート担当者を雇用する。サポート業務を拡大できるようにプロセスを整備する。今度はプロセスが増えすぎてしまったので、取捨選択を行う。顧客の成功に向けて先回りでサポートできるようになる、という流れです。

そこで私は、カスタマーサクセスが拡大していく流れ(英語)を記事にまとめました。この記事はSaaS企業について書いたものですが、ほぼすべての企業にとって参考になるような内容を紹介しています。

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それぞれの段階に、定番の失敗や落とし穴があります。私は、そのほとんどに引っ掛かりました。

この図は、サポートリーダーが現在の立ち位置、予想される結果、留意点などを確認するのに有効的ですが、残念ながら、どうすれば自分の目標を達成できるかを知るにはあまり役立ちません。

どこの場所かわからない地図の上に、現在地を示す青い点が点滅しているような状態です。私たちに本当に必要なのは「1km先、左折です」というナビのような安心感を与えてくれる一言です。 

インバウンド サービス フレームワーク

8年前にだれかが教えてくれていればと思うのが、このシンプルなフレームワークです。私のチームでは「インバウンド サービス フレームワーク」と呼んでいます。

inbound_serviceこのフレームワークは、どうすれば目的を達成できるかを示しています。目的とはもちろん、継続的に取引を行い、支持者として評判を広めてくれる、満足度の高いリピーターの顧客ベースを獲得することです。

では、順を追って私の考えをお伝えしましょう。

 

第1段階:Engage (働きかける)

何よりもまず、顧客をサポートする必要があります。この第1段階は一般的に創業期、成長初期、中間期の企業に該当します。

できるだけ多くのことを、できるだけ早く学習し、カスタマーサポートからカスタマーサクセスへと移行するための基盤を構築してください。 

第2段階:Guide (導く)

事後対応型のサポートがうまく回り始めたら、カスタマー サポート チームの業務範囲を拡大することができます。通常、この段階を迎えるのは、中間期または成長期に達したころです。

これまでに学習したことをすべて活かして、完全な顧客ライフサイクルを定義し、そこから共通のテーマを読み取ります。

顧客が成功する要因や失敗する要因は何でしょうか。こうしてインサイトを手に入れたら、事前対応的な推奨事項として、チームが新規顧客や既存顧客に共有できるようにまとめておきます。

顧客が問題を抱えて駆け込んでくるのを待つのではなく、製品を最大限に活用して目標を達成するためのヒントをあらかじめ提示しておくのです。

事後対応型のサポートから事前対応型のサポートへと移行すれば、時間と費用が抑えられ、顧客の満足度が向上し、信頼関係の基礎を構築できます。

 

第3段階:Grow(育む)

これが目指す最終段階です。この段階に入ったときには、どうすれば最も顧客の役に立てるかを理解し、顧客を成功へと導くことができています。

つまり、おそらく顧客は満足しており、ソーシャルプルーフを高めたり、ブランドについての情報を拡散したり、知人に紹介したりといった形で、企業を応援するプロモーターになろうとしている状態です。

気軽に利用してもらえる紹介プログラムを用意して、特に満足度の高い顧客にマーケティングや営業用のケーススタディー作成に協力してもらったり、紹介元になってもらったりするとよいでしょう。

満足度の高い顧客は、アップセルやクロスセルの対象としても有望です。ここでもカスタマーチームが大きな力を発揮します。顧客が現在使用している製品だけではニーズをカバーしきれなくなったときにどのような兆候が現れるのかを、カスタマーチームはだれよりもよく理解しているからです。

マーケティングチームと営業チームとカスタマー サービス チームの間で活発にコミュニケーションを取り、互いに協力しながら、満足度の高い顧客を特定、育成することで、新たな契約を勝ち取りましょう。

働きかけること、導くことができていなければ、育む段階には入れません。顧客が満足し、成功していなければ、味方になってもらうことはできません。しかし、それを実現できれば、さらなる成長を遂げるための大きなチャンスを手に入れたことになります。

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顧客を中心にビジネス成長のフライホイールが形成される。

カスタマーサービスに投資すれば、顧客はただの収入源ではなくなり、「ファネル」型の市場展開から「フライホイール」型へとビジネスを変革することができます。

販売前のリードを獲得したり、バズらせたりできるのは、社内のマーケティングチームだけではありません。顧客も、ブランドへの支持を表明することで、同じような働きをしてくれます。

その結果、これま でも行っていたカスタマーサービスなどの販売後の活動が、リード獲得や従来のTop of the Funnel(ファネルの最上層)の活動にもつながるようになり、フライホイール型のビジネスが成立します。

顧客の満足度が高いほど、応援をいとわず、ブランドを積極的に推奨してくれます。

優れたカスタマーサービスを提供すれば、ビジネスサイクルの回転スピードが上がり、ビジネスの成長も加速します。つまり、だれにとってもメリットがあるのです。

 

Service Hubのご紹介

さて、ここからは現在のお話です。

2017年、私は今までで一度も経験したことのない、新しい役職に就きました。それは、ハブスポットの最新の製品ライン「Service Hub」のゼネラル マネージャーです。

この10年間で初めて、カスタマーサービスや、カスタマー サービス チームの構築といった仕事を離れ、カスタマーサービスの担当者を支援するソフトウェアツールを構築することになりました。

言葉では表しきれないほどワクワクしています。

サポートチームのリーダーだったときに欲しかったツールを構築できるのですから。

それに、もっと重要なポイントとして、カスタマーサービスに対する企業の認識を一変させるようなツールを構築できるチャンスに恵まれたことをとても嬉しく思っています。

サポートリーダーにとっての大きな課題は、「カスタマーサービスはコストセンターである」という固定観念を打破することです。

HubSpotのような顧客中心の企業においてさえ、コストを削れという圧力を感じました。しかし、HubSpotの調査結果からもわかるように、顧客獲得の戦略は変わりつつあります。営業とマーケティングだけでは、難しくなってきているのです。

HubSpotはこれまでずっと、購買者の行動の移り変わりを調査し、企業がその変化に適応するためのツールを構築してきました。

今日のService Hubはまさに、企業が世界トップレベルのサービスチームやサポートチームを作り上げられるよう支援するものです。

ぜひ今すぐコミュニケーション、チケット、ナレッジベース、フィードバックといったツールをお試しください。カスタマーサービスに投資してビジネス成長を遂げるには、これらのツールが必要不可欠になります。

 

コミュニケーション:ここ数年で、顧客とのやり取りは、サポートチケットや電話窓口への問い合わせだけではなくなりました。顧客は、電話をかけて保留音を聞きながら辛抱強く待ってはくれません。

Eメール、ソーシャルメディア、電話、ウェブチャット、はたまた他部署の担当者につないでもらうなど、どのような手段であれ、とにかく対話することを望んでいます。

コミュニケーション機能は、これらのやり取りを一元化できるオールインワンのツールです。この機能があれば、顧客は何人もの担当者に繰り返し同じことを説明する必要はありません。

カスタマーチームは、相手がだれであれ、コミュニケーション手段が何であれ、顧客のあらゆる情報を確認しながら対応することができます。

 

チケット:顧客から寄せられるサポート依頼を管理するシステムも必要になります。チケットは、顧客の期待に応えるための機能です。

現代の顧客は日に日にスピード感を重視するようになっています。HubSpotの調査によると、カスタマーサービスのサポートが必要になったときにすぐ対応してもらえることが「重要」または「非常に重要」と考える消費者は90%にものぼりました。そのうち72%が「すぐ」とは30分以内を指すと回答しています。

チケット機能を活用すれば、顧客の依頼に対してチーム全体ですばやく対応できるようになります。

 

ナレッジベース:現代の消費者は、カスタマーサポートの回答を待つよりも、自ら解決策を探すことを好みます。当社のフォーラムやナレッジベースの利用も、すさまじい勢いで拡大しています。

それどころか、フォーラムで回答を得た顧客の3分の2は、その回答をHubSpotの従業員が作成した記事ではなく、コミュニティー内の他の顧客が作成した記事やヒントから得ています。

時間をかけて良質なナレッジベースを構築すれば、顧客が自分で答えを見つけられるので、よくある質問へのサポート依頼が減り、チームは複雑な問題への対応に専念できるようになります。

ナレッジベース機能を使用して、シンプルで体系的な記事を作成すると、Googleで自動的にインデックス化されます。

 

フィードバック:皆さんのビジネスについて顧客がどう感じているかを把握していなければ、成功をつかむのは難しいでしょう。

ネット プロモーター スコア(NPS)やアンケートによって常に顧客のフィードバックを確認していれば、カスタマーサービスが成果を挙げているか、それとも期待に添えていないかがわかります(ハブスポットではNPS分析の専任チームを設けており、どの製品チームにもNPSの目標が課されています)。

フィードバックは、顧客の満足度を把握するための道標であり、満足度を向上させる方法を知るための地図でもあります。

私たちの取り組みはまだまだ始まったばかりです。Service Hubの初期バージョンでは、インバウンド サービス フレームワークの「Engage(働きかける)」段階の作業負担を大幅に軽減していますが、今後はさらに、満足した顧客をプロモーターに変えていくためのツールを充実させていきます。

 

顧客は成長するための大きなチャンスを企業に与えてくれます。

そして、皆様がそのチャンスを存分に活かせるようにお手伝いするのがHubSpotの使命です。Service Hubは、世界トップレベルのカスタマー サービス チームを作り上げるのに必ず役立ちます。

カスタマーサービス、カスタマーサクセス、カスタマーアドボカシーにおいて成果が期待できる活動や、逆効果になる活動、悲惨な状況を生む原因など、HubSpotが学んださまざまな教訓を製品に反映させることで、皆様がファネル型ビジネスからフライホイール型ビジネスへの変革を遂げられるようにご支援してまいります。

Service Hubの詳細についてはhttps://www.hubspot.jp/products/serviceをご覧ください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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