導入支援を効果的に進めるために欠かせない6つのステップ【マーケティング代理店向け】

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Eric Pratt
Eric Pratt

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私と同じような立場で働く方なら、新しい顧客やユーザーとの関係構築がどれだけ骨の折れる仕事なのかはご存じだと思います。導入支援には時間とコスト、そして膨大なエネルギーが必要であり、それらを無駄にするわけにはいきません。スタートでつまずかないようにするには、効果的な導入支援プロセスに沿って進めていくことがきわめて重要になります。

新しいクライアントの獲得から導入支援まで、代理店は多くの要因に気を配りつつ、クライアントの期待値やニーズの理解、目標の設定、スケジュールどおりの納品、長期契約の価格設定といった点に関して戦略を立てる必要があります。

マーケティング代理店の成長に関するレポートの2018年版(英語)によると、クライアントへの導入支援を含む管理業務に取り組む時間の余裕がない代理店の割合は43%にも上り、サービスのカスタマイズもスケジュールどおりのサービス提供も実現できていない代理店は15%に達します。また、新規顧客の獲得が大きな課題であるという代理店の割合は60%近くに及び、クライアントの定着に問題を抱える代理店は16%になります。 

クライアントの要望に合わせて価格設定を調整しようとすると、さらに複雑な対応が必要になりますが、これは現在の代理店のオーナーが乗り越えなければならない課題でもあります。代理店のオーナーのうち、新しく取引を成約させたり、クライアントを獲得したりすることに自信のある人の割合は79%に達する一方、クライアントの目標や期待を満たすのに失敗している人は23%に及びます。クライアントに選ばれる代理店になるには、各種割引や追加のサービス、納期の短縮といった特典の提供を検討することが有効かもしれません。

導入支援とは、新しいクライアントに自社の製品やサービスに慣れてもらうためのプロセスです。導入支援を効果的に実施することで、製品やサービスの使い方やメリットを余すことなく伝えることができます。

クライアントとの関係構築の初期段階では、まずニーズや期待値を設定しておくことで、今後のトラブルへの対処(英語)スムーズになります。また、製品を難なく理解し、正しい方法で最大限に活用できるようになるほど、クライアントが購入した製品から引き出せる価値が大きくなります。その結果、顧客の満足度や定着率が改善し、新しいクライアントを紹介してもらえる可能性(英語)が高まります。

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新しい顧客やユーザーへの導入支援が正しく行われなければ、その後の関係構築に影響を及ぼしかねません。適切な計画を立てておかなければ、キャンペーンの方針が失われ、見当違いの方向へキャンペーンが進んでしまいます。

代理店と顧客の両者に明確な方針や完全な同意がないままキャンペーンを進めようとしても、成功する見込みは大きくありません。このような経験は皆さんもお持ちでしょうし、私自身にもあります。もちろん、決して楽しいものではありません。

クライアントへの導入支援で突き付けられた手痛い教訓を基に、私は時間をかけて綿密なプロセスを作り上げました。現在、私たちRevenue River Marketingでは、どの新規顧客に対しても、このプロセスを厳守しています。こうして再現性のあるプロセスを確立したことで、私たちのキャンペーンの成果は着実に上がり始めました。

1)クライアントのキャンペーンと資産を評価する

導入支援プロセスの中でも特に重要なのは、新しいクライアントが既に実施しているキャンペーンを評価することです。キャンペーンの中で成果が出ている部分とそうでない部分を区別して、作業範囲を明確にしていきます。担当するプロスペクトの数が増えるほど、それぞれのクライアントの違いが見えてきます。相手がどのようなタイプのクライアントなのか(英語)を把握すれば、クライアントへの対応が効果的になります。クライアントごとに扱っている資産(または扱っていない資産)も異なります。  

  • まず、クライアントの資産を評価するために必要なすべてのリソースにアクセスできる状態になっているかどうかを確認しましょう。
  • プラス面でもマイナス面でも、気付いたことはすべてリストにまとめ、マイナス面は改善のためのチャンスと捉えましょう。
  • 気付いたことを再検討して、自分が専門家としてサポートできる部分を探しましょう。

2)マーケティングの計画を作成し、キャンペーンの目標を設定する

キャンペーンを成功させるには、まず目標と計画を決める必要があります。顧客が達成したいと考えていることについては、これまでのセールスサイクルを通じて明らかになっているはずです。また、ステップ1の評価の段階で、クライアントが抱えている課題や自分たちが補わなければならない部分も明らかになっています。ここでの目標は、状況を先に進めることです。

このステップでは、評価の結果を定量的なキャンペーン目標に落とし込み、自社で実行可能な計画を立てていきます。キャンペーンの目的を自社側とクライアント側に対して明確に示しておくことで、お互いの連携がスムーズになります。

目標と計画を決定するうえでは、次の点に注意してください。

  • 作業範囲が自分たちの能力を超えないようにしましょう。対応できない作業には手を出さないことが重要です。
  • 目標のベースラインを設定できるだけの正確なデータを入手しましょう。
  • クライアントと協力して目標を設定しましょう。双方の納得を得ずに目標を設定しても意味がありません。

3)ベストなチームメンバーで業務に臨む

課題を把握して明確な目標を立てた後に必要となるステップは、チームの編成です。 

当社Revenue River Marketingでは、新しいクライアント1社に対して、ストラテジスト、コーディネーター、検索アナリスト、デザイナー、プロジェクトマネージャーの5名で構成されるチームを編成しています。クライアントのチームと良好な関係を構築できれば、導入支援プロセスはスムーズに進んでいきます。

導入支援の観点において、最も重要な鍵を握るのはストラテジストです。クライアントとの連絡窓口となるストラテジストには、できるだけクライアントとの共通点を持つ人物を割り当てるようにします。私がチームを編成するときは、クライアントの業界になじみがあり、クライアントの企業文化に合う人物を選ぶように心がけており、それ以外のことは二の次です。双方のメンバーどうしが個人的に意気投合できれば、導入支援プロセスもスムーズに進むと確信できます。

4)クライアントに関するオリエンテーションを社内で実施する

編成したチームがクライアントと接触する前に、これまでの経過をまとめて共有するためのミーティングを開くことが必要です。このミーティングの目的は、クライアントの会社概要や、クライアントが属する業界、クライアントの製品やサービス、そして作業範囲をチームに伝えることに限定します。チームのメンバーがクライアントの目標をよく理解できるようにして、キックオフコールの事前準備をしっかり整えるように指示しましょう。 

オリエンテーションでは、以下のことを行うようにします。

  • 評価の結果、契約書面、セールスミーティングの議事録を、重要な引き継ぎ資料として1か所にまとめて保管する
  • 特定のコンテンツやブログ記事を各メンバーに割り振り、内容に目を通すように指示する
  • LinkedInのプロフィールやミーティングのメモなど、クライアント側のチームメンバーに関する情報を共有する

5)重要なキックオフコールの計画を立てる

何事も第一印象が肝心です。双方のチームが待ち望んでいた、キックオフミーティングの瞬間が目前に迫っています。

自社のメンバーは全員がエキスパートであるとクライアントに印象付けることが重要です。すべてを理解しているのは代理店のオーナーやビジネス開発担当者だけだという印象を、クライアントに与えるのは望ましいことではありません。メンバー全員が今後の業務内容を十分に理解していることをアピールし、自身の担当分野に話題が及んだときには司会進行を務め、キャンペーンの進展に必要な情報を自発的に集めるようなチームを目指しましょう。

キックオフコールの進め方について、一例をお見せします。

  1. 最初のあいさつ:10分
  2. キャンペーンの目標:10分
  3. クライアントの概要:20分
  4. キャンペーンの概要:10分
  5. 期待される成果:5分
  6. 次のステップ:5分 

6)30日後に確認のための電話会議を行う

この電話会議は代理店側の責任者がクライアント側の意思決定者(経費支出の決定権限を持つ責任者が望ましい)と1対1で行います。この電話会議の目的は、双方のチーム間のこれまでの連携や関係についてのフィードバックを集めることです。何か問題が起きている場合は、解決する絶好の機会になります。 

また、この電話会議は、クライアントとの関係を強化し、何か懸念点があるときは直接自分に連絡してほしいと相手に伝え、チーム全員が結果を出すために日々努力していることをアピールするためのチャンスでもあります。自社のチームの仕事ぶりは順調か、その働きぶりにクライアントは満足しているか、そして自社との関係に関して何か要望はないか常に気にかけているということを、クライアントに知ってもらうようにします。これは契約解除率の低減に有効な方法です。

電話会議のポイントは次の点です。

  • 電話をかける前に質問を準備しておく
  • 最初の30日間の活動と成果をまとめておく
  • 双方の協力関係やクライアントのビジネスについてどれだけ大事に考えているかをしっかりと相手に伝える

導入支援が完了したら

確認のための電話会議が終わったら、私はいつもストラテジストにそれまでの記録を出してもらって、関係者全員の認識が一致しているかどうかを確認するようにしています。万事順調に進んでいる場合は一緒に喜び、問題が起きている場合は問題解決のためのミーティングを開くようストラテジストに指示します。

これら6つのステップをすべて終えた時点で、導入支援プロセスが完了したものと判断します。そしてここからは、キャンペーンを展開し、目標を達成して、関係をさらに発展させていく段階に入ります。

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トピック: 代理店ビジネス

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