近年、ライフスタイルの多様化に伴い、ものを持たない暮らしにあこがれる消費者が増えています。そうした価値観にマッチするビジネスモデルとして、企業・ユーザー共に注目しているのがサブスクリプションサービスです。

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市場規模は年々拡大し、今後もさまざまな業界で広がることが予測されています。これだけ急速に拡大しているのは、ステークホルダーが享受するメリットが大きいからでしょう。

では実際、サブスクリプションは提供側・ユーザー側双方に対してどのようなメリットをもたらしているのでしょうか。

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サブスクリプション拡大の背景

サブスクリプション拡大の背景サブスクリプション(Subscription)とは、定額制で利用権を提供するビジネスモデルです。ユーザーは一定期間、契約範囲の製品やサービスを利用できる仕組みになっており、サービス提供を行う企業が増えています。同様に利用者も増加傾向にあり、さらなる市場拡大が見込まれています。

その背景として、大きく影響しているのがライフスタイルの多様化です。スマートフォンの普及に伴い、急速にオンライン化が進んでいる昨今では、購入プロセスが多様化すると同時に、消費者の情報収集力が向上し、より個々のニーズにマッチする商品やサービスを求めるようになりました。

加えて、経済的な理由からできるだけ節約したいという傾向や、すでに十分なものを所有しているため所有欲が低下しているといった価値観から、低額で手軽に利用できるサービスモデルを望む消費者が増えています。

つまり、使いたいときだけ使えればよいという考え方が、サブスクリプションの利用増加につながっているというわけです。

一時は、シェアリングサービスが注目を集めていましたが、そのほとんどが物質的なものであり、サービスの共有は難しいものでした。その後、動画配信サイトの利用増加や、SaaSの拡大により、物質の個人利用ではなく、サービスを利用できることを重視する傾向が高まったことも、背景の1つといえるでしょう。

サブスクリプションサービスは、多様化したユーザーの嗜好に対応し、経済的、心理的な価値観を満たす仕組みとして認知され、さまざまな分野において今後も拡大していくことが考えられます。
 

サブスクリプションサービスを利用するユーザー側にはどのようなメリットがあるのか

サブスクリプションサービスを利用するユーザー側にはどのようなメリットがあるのか上述したように、サブスクリプションは、多様化したユーザーの嗜好に対応し、メリットを感じやすい仕組みとなっています。では、具体的にどのような点がメリットといえるのでしょうか。
 

1.初期費用をかけずに、コストを抑えて利用できる

サブスクリプションは定額で利用できるサービスであり、個人利用の場合、その多くに初期費用の設定がありません。また、単品購入よりも低い価格帯のプランが用意されているので、コストを抑えて利用できる点が大きなメリットです。特に使い放題のサービスは、ヘビーユーザーほどコストが低くなるように設定されています。
 

2.都度払いの手間がない

買い切り型の商品やサービスでは、その都度、現金や銀行振込、クレジット決済といった支払いの手間が生じます。一方、サブスクリプションは月額固定で支払う仕組みのため、単品ごとの支払いが不要です。クレジット決済をはじめ、オンライン上でダイレクト決済できるため、更新手続きも自動で行われます。

継続利用にかかる支払いの手間がなく、予算を立てやすいという利点があります。
 

3.無料トライアルが設けられている場合が多く、導入ハードルが低い

多くのサブスクリプションサービスは、フリーミアムや無料トライアル期間を設けており、利用のハードルが低くなっています。また、初回のみ割引されるサービスもあり、初めての分野であっても気楽に試せる状況にあります。

コストを不安に感じて手が出せなかったサービスをお試しで利用できるため、多様な経験を得られるのもユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。
 

4.最新の状態で利用できる

サブスクリプションサービスはオンラインで提供され、アップデートしやすい環境にあるため、最新の状態で利用できる点も魅力です。古い情報の更新や、提供されるサービス内容やコンテンツの拡大が期待できる点も、サブスクリプションが支持される大きな要因といえます。
 

5.B2B利用の際、固定費として計上できる

利用期間に合わせた月額設定は、リース利用時と同様に固定費として計上できるため、今後の予算が立てやすいのです。サブスクリプションサービスは、メンテナンスや管理にかかるコストまで定額料金に含まれるケースがほとんどであり、買い切り型とは違って、会計時における減価償却の手間もかかりません。
 

6.物理的な管理がほぼ不要

サブスクリプションサービスの多くは、一定期間の利用のみで、実質的な商品やサービスの管理負担が発生しません。例えば、家具やファッションといったレンタル系のサブスクリプションは、利用期間終了後の返却が可能です。

また、クラウドを利用するSaaSは、オンプレミス型のようなアップデートの手間がなく、常に最新の状態を保ちながら、所有時に発生する管理の手間がかからないのも利点です。
 

7.容易に解約できる

サブスクリプションサービスは、月額定額の設定になることが多く、短期間の利用が可能です。そのため、利用したい期間、利用したいサービスだけを切り取って選択できるのもユーザー側にとって大きな利点でしょう。

解約のハードルが低く、次々に新しい分野を試せる環境もポジティブな側面です。ただし、B2Bサービスでは、年間契約など、最低契約期間が設定されている場合もあります。
 

8.新たなコンテンツに出会える可能性が広がる

上述したように、利用したいタイミングで気軽に導入できるため、不安なく新たな分野にチャレンジできます。知らなかったコンテンツに出会える可能性があり、興味の幅を広げるきっかけとなります。
 

ユーザー側のデメリットは?

ユーザー側のデメリットは?

サブスクリプションサービスの利用でユーザーは多くのメリットを得ています。一方で、ユーザー側は以下のようなデメリットも感じています。
 

1.初回と同じ利用料が永続的に続くとは限らない

導入初期にはお得感のある価格帯だったのに、継続期間中に値上げになるケースがあります。アップデートを期待していても、それに伴った値上げを喜ぶユーザーは少ないことでしょう。また、初回だけ値引きされるトライアル価格には満足しても、通常価格では高く感じてしまう点も不満材料となります。
 

2. トータルコストが高くなる可能性がある

長期間利用する場合、単品の買い切りと比べてトータルコストが高くなる可能性があることをユーザーは知っています。利用頻度や利用範囲によって異なるものの、アップデート費用が含まれていることから、長い目で見ると割高になるのは周知の事実です。
 

3.解約すると、手元に残るものがない

買い切りと違い、サービスを解約すると全く利用できない環境になる点もデメリットです。例えば、動画や電子書籍といったデジタルコンテンツの場合、サービス解約に伴ってデータが手元に残らない点に不満を感じるユーザーもいます。

ダウンロードできるコンテンツがあったとしても、特定のプラットフォームに依存するため、解約後は活用ができないサービスも少なくありません。
 

4.購入型・リース型は管理や返却の手間がかかる

車や家具といったリース型のサービスは、補償範囲外のキズや不具合が生じた場合に買い取りとなるため、慎重に管理する必要があります。また、契約期間を過ぎた時点で返却の手続きを行う必要があり、梱包して発送するといった手間もかかる点もデメリットです。

なかには、返却や回収に別料金が発生し、想定外のコストが発生するケースもあり、デメリットとして不満材料となるでしょう。
 

サブスクリプションサービスを提供する企業側にはどのようなメリットがあるのか

サブスクリプションサービスを提供する企業側にはどのようなメリットがあるのか

続けて、提供する企業側のメリットを見てみましょう。
 

1.安定して収益を得られる

サブスクリプションサービスは、継続的な利用を前提とするため、月ごと、年ごとに安定した収益をもたらします。買い切り型の場合は収益が大きく変動しやすいものですが、サブスクリプションなら定額で計算できるため財務予測も容易です。設定した収益目標に合わせて、施策を実行しやすいのもメリットでしょう。

また、常にユーザー数が明確なため、在庫管理の最適化が図れます。
 

2.フィードバックを受け取りやすく、サービス改善しやすい

一定期間の利用を続けるユーザーとは、タッチポイントが多く、データ収集が容易です。フィードバックを得られやすいため、課題把握も迅速に行えます。商品やサービスの改善だけでなく、利用プロセスの見直し、業務改善などに役立つのも大きな利点です。
 

3.LTVの向上につながる

継続的な利用は、LTVの向上をもたらします。先にもお伝えしたように、データ収集が容易なため、優良顧客が区分けしやすく、アプローチもかけやすい条件下にあります。単発利用者には、アップセル、クロスセルへの誘導でLTV向上を目指すことも可能です。
 

4.顧客体験を強化する

リアルタイムでユーザーのデータを収集すれば、サービス案内やレコメンドにおいて複雑なパーソナライズ化が可能です。潜在的なニーズを把握し、ユーザーに寄り添った提案ができるため、顧客体験の向上につながります。結果、顧客ロイヤルティが強化されブランド力向上が期待できます。
 

5.データ活用によるサービスの最適化

何度もお伝えしているように、サブスクリプションのビジネスモデルはデータ収集がしやすいというメリットがあります。そのため、現状把握や成果測定において定量化が可能で、データドリブンによる経営方針の見直しも容易です。指標に基づいた改善に取り組めるため、サービスの最適化が進むでしょう。
 

企業側のデメリットは?

企業側のデメリットは?企業にもさまざまなメリットをもたらすサブスクリプションサービスですが、一方でデメリットもあります。企業側のデメリットはビジネスの成果を左右します。しっかり理解し、マーケティング施策提案に生かすことが大切です。
 

1.解約リスクが高い

ユーザーにとってはメリットとなる解約の容易さは、企業にとっては大きなデメリットといえます。サブスクリプションサービスは、継続利用を想定した収益の仕組みになっており、短期利用者ばかりだと、カスタマーサポートやコンテンツ維持にかかる費用が確保できず、品質の低下をもたらすからです。

結果的にさらなるユーザー離脱が進むといった悪循環を招く恐れがあるため、解約リスク軽減策を取り入れる必要があります。
 

2.カスタマーサポートにかかるコストが大きい

フリーミアムや無料トライアル期間のユーザーにも、質の高いカスタマーサポートを行う必要があるため、コストがかかりやすい点もデメリットです。売上に貢献しないユーザーにも、継続利用を促すためのサポートは欠かせません。

万が一、サポート内でのトラブルが生じた場合、継続利用がストップして、商品やサービス自体が停止する可能性もあるでしょう。そうした際には、ユーザーの離脱につながらないよう慎重な対応が求められると同時に、人的、経済的なコストが膨れ上がるリスクがあります。
 

3.最新コンテンツを提供し続ける必要がある

常にアップデートされた最新コンテンツが利用できるのは、ユーザーにとっての利点です。その一方で、提供側の企業はユーザーのニーズを探りながら、常に継続した最適化を進めることになり、その負担は大きいものです。

特に、SaaSなどのクラウドサービスは、最新モデルへのサイクルが早く、競合他社に準じるためにも、継続的なアップデートが欠かせません。購入型、リース型であっても、トレンドを意識しながら在庫管理を行う必要があるといった難点があります。
 

サブスクリプションサービス提供におけるデメリット回避のポイント

サブスクリプションサービス提供におけるデメリット回避のポイント

ユーザー側のメリットは、提供する企業側にとってさまざまな課題を与えてくれます。また、ユーザーが感じるデメリットも、サブスクリプション利用を妨げる理由として対策が必要でしょう。

では、そうした企業のデメリットを回避するにはどうすればよいのでしょうか。ポイントごとに詳しく解説します。
 

1.カスタマーサクセスを徹底する

提供する商品やサービスへの興味を失ったとき、ユーザーは安易に解約します。解約リスクを回避するためには、商品やサービスの質向上だけでなく、ユーザーの視点に立った取り組みを意識することが大切です。カスタマーサポートの改善や利用プロセスの最適化など、細やかな対応を行う必要があるでしょう。

その際、カギとなるのがカスタマーサクセスの視点です。顧客体験を高め、継続利用を促す仕組みを考えてみましょう。
 

2.明確な指標を打ち出し、データ活用による改善を図る

リアルタイム、もしくは迅速なタイミングでのデータ収集は、企業側の大きなメリットとお伝えしました。しかし、データがあっても活用できなければ意味がありません。また、改善策を考えるにしても、明確な指標がなければ現状把握も難しいでしょう。

具体的かつ明確な指標を設定し、定量化された情報に基づいて、改善を図ることが大切です。KPIを設定し、PDCAサイクルを回しながら最適化を図る仕組みを整えましょう。

ただし、企業方針となるKPIとのズレがあると、期待した成果につながりにくくなります。また、日進月歩でスピード感のある変化が生じるビジネスモデルのため、定期的なKPIの見直しも忘れずに行う必要があります。

構造を理解し、より質の高いサービス提供を

サブスクリプションサービスは、企業側にとって安定した収益をもたらし、ユーザーにとっては気楽に利用できるというメリットがあります。その一方で、解約リスクも高く、離脱が進むとサービスの質の低下が進み、収益も大きく減少してしまいます。

ユーザー側のメリット・デメリットを理解したうえで、サービス向上に反映することが大切です。サブスクリプションビジネス成功のためにも、明確な指標を打ち出し、定期的な定量評価によって改善に努め、カスタマーサクセス向上に取り組みましょう。

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最新事例付き!サブスクビジネスを成功に導く完全ガイド

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元記事発行日: 2021年11月01日、最終更新日: 2021年11月01日