※こちらは、2016年にHubSpot US Blogで公開されたものを翻訳・編集した記事です。

当社HubSpotは、創業当初より、インバウンドを軸にしたマーケティング戦略を推進しています。自社のブログや資料を通じて様々なコンテンツを発信して多くの方々にとって価値のある情報を提供し、そこを起点に顧客と良好な関係を構築して成長を遂げてきました。しかし、成長の過程でいくつも失敗を経験してきています。

→HubSpotのWebsite Grader:ウェブサイトの強みや改善点を今すぐ無料で診断私自身も、HubSpotブログのSEO戦略を推進するなかで何度も失敗を経験しましたが、冷静に原因を分析し、結果的には大幅な改善を実現しました。

本記事では、当社が過去にどのような失敗をしたのか、そこからどのように軌道修正し、検索流入をたった1か月で50%増加させたのかを解説します。皆さんが私たちと同じ轍を踏むことのないよう、参考にしていただけたら幸いです。

内部SEOの重要性

内部SEOは、ウェブサイト構築の初期段階に取り組まれることの多い施策です。一般的に以下のようなベストプラクティスに沿って実施されます。

  • H1タグはページごとに1つのみ
  • 重要度の高いページにメインのナビゲーションメニューからリンクを張る
  • 画像には必ずalt属性を追加する
  • 動的な文字列を含まないクリーンURLを作成する
  • ページの読み込み時間を最小限に抑える

シンプルな内容にもかかわらず、意外なほど多くのウェブサイトが対処できていないのが実情です。内部SEOは継続的に取り組むことで、検索流入の大幅な向上を目指せます。しかし多くの企業では、内部SEOの問題がいったん修正されれば、その後立ち返ることはほとんどありません。 

HubSpotに入社した当時の私は、これまでのあらゆる施策を新しい視点から見直し、戦略について多角的に検討する機会に恵まれました。その一環として、前述のベストプラクティスを適用できているかどうかを確認しました。 

まず調べたのが、HubSpotの優れたコンテンツが成果につながった理由です。そして、潜在的な問題や成長の余地のある分野を特定するために、ウェブサイトの詳細な分析に入りました。ほどなくして、私たちのウェブサイトは思っていたほど完璧ではなかったと気付いたのです。
 

内部SEOで起こりがちな6つの問題と解決策

問題1:リンク切れ、リダイレクト、404ページ

当社のウェブサイト上に存在しないURLにアクセスしようとすると、404ページにリダイレクトするように設定されていました。

一見すると不都合のない処理です。404ページにリダイレクトされれば、Google によるこのページのクロールを回避できます。誤ったURLも全てクロールの対象に含まれると、膨大な時間が無駄になり、クロールしてほしいページに充てられる時間が少なくなってしまいます。

しかし、残念ながらHubSpotの404ページでは、サーバーから404ではなく200のステータスコードが返されていました。処理が成功しているため、Google にクロールとインデックス登録が必要なページだと伝わってしまいます。 

これは困った状況です。当社のウェブサイト上に存在しないコンテンツのクロールとインデックス登録に、膨大な時間が浪費されることになります。しかし、悪影響はそれだけにとどまりません。

もう1つ、さらに頭を悩ませることがありました。誤ったURLの多くが外部サイトからのリンクの間違いに起因していたのです。例えば、http://www.hubspot.com/products/inbound-marketing/のURLは、ページが実在しないにもかかわらず、.govのリンクを含めて84のドメインから370件の被リンクが設置されています。

存在しないインバウンドマーケティングのページへのリンク

当時のHubSpotのウェブサイトは、誤ったURLが要求された場合に全て/not-foundのページにリダイレクトさせていたため、ステータスコード200が返されていました。その結果、検索エンジンによるページの評価指標「PageRank」が正しいURLや関連ページではなく、/not-foundページに全て渡ってしまっていたのです。

ここで衝撃のデータをご覧に入れましょう。このとき/not-foundページには、2,000件以上のドメインから8,000件を超える被リンクが設置されていました。これが上位表示を狙っているページの数値であればどれほど嬉しかったことか…。

Not Foundページへのリンク

 

HubSpotが講じた解決策

まず、www.hubspot.comのサブドメインであるoffer.hubspot.comの全ページから、/not-foundページへの301リダイレクトを削除しました。これにより、正しいページへの301リダイレクトが設定されていない誤ったURLが要求された場合、404に移動するため、Google によるインデックス登録が行われなくなります。

次に、/not-foundページを削除しました。誤ったURLに対しては404ページを表示させ、当社ウェブサイト上のページのURLとして扱われないようにしました。

最後に、被リンクが設置されている全ての誤ったURLに301リダイレクトを設定して、関連性のある正しいURLに転送されるようにしました。
 

期待されるメリット

Google によってインデックスされるページの数が大幅に減少します。そして、Google botは多数のURLを低頻度でクロールするのではなく、当社ウェブサイト内の重要なページを重点的に高頻度でクロールするようになります。

これに加え、上位表示を目指しているコンテンツに貴重なPageRankが誘導されます。そのページを正しく表示する新しいリンクが大量に増えることで、コンテンツの検索順位が大きく向上します。
 

問題2:ブログのページネーション

当社ウェブサイトのブログコンテンツに直接的な影響を与えていた要素の1つは、記事一覧ページのページネーショです。

blog.hubspot.com/marketing/page/1」、「blog.hubspot.com/marketing/page/2」など、記事一覧の各ページへのリンク方法に問題がありました。

下図のように[戻る]と[進む]のボタンしかなく、表示形式も適切でした。これらのボタンはあまり訪問者にクリックされなかったため、ユーザーエクスペリエンスにさほど支障は出ていませんでした。悪影響が生じていたのは、検索エンジン側です。

以前のブログメニュー

Google はウェブサイトをクロールするとき、探しているページが見つかるまでウェブサイトのリンクをたどっていきます。例えば1年前に書かれたブログ記事を探している場合、上記の形式だと、まずブログに移動してから、該当の記事が表示されるページに到達するまで記事一覧の[進む]リンクを1つずつたどる必要があります。

Google bot(や関連する他の検索ボット)は、リンクをたどるたびにウェブサイトのアーキテクチャーを1段階掘り下げます。下層に位置するページほど、検索エンジンにオーソリティー(権威性)が低いと見なされ、クロールされる頻度も減っていきます。ページの階層があまりにも深くなると、まったくクロールされないケースもあるようです。
 

HubSpotが講じた解決策

ブログのページ送りのナビゲーションを見直し、Google がクロール時に一度に複数のページにジャンプできるように更新しました。これを実現すれば、多くのブログ記事をウェブサイトアーキテクチャーのはるか上層へと押し上げることができます。

更新後の実際のナビゲーションがこちらです。

HubSpotの新しいナビゲーション

 

期待されるメリット

これについては私の才能あふれる同僚Pam Vaughanからヒントをもらいました。Pamはブログの古いコンテンツを修正・加筆の上で再公開することでウェブ階層の上方へ押し上げ、最終的に表示順位を向上させるプロジェクトを率いています。

うまく行けば、多くのブログ記事の表示順位向上が見込めるでしょう。シンプルで小さな変更ですが、非常に大きな価値をもたらす可能性を秘めています。いずれにしても、当社のブログコンテンツのアーキテクチャーやブログの全般的なユーザーエクスペリエンスは、この対策により大幅に改善されました。
 

問題3:ブログのスキーママークアップ

現在に至るまで、HubSpotではブログ記事コンテンツ全般(と当社の関連コンテンツ全般)にわたりschema.orgマークアップを使用しておらず、Google がウェブページの個別要素の詳細を理解できるようにはなっていませんでした。

簡単に説明すると、schema.orgマークアップとは、ウェブページのコンテンツのタイプについて検索エンジンに説明するために使われる手法です。

HubSpotが講じた解決策

当社のブログでは、全てのブログ記事のコードをマークアップして、Google に以下の事実や要素が伝わるようにしました。

1. このコンテンツがブログ記事であること
2. 記事のキービジュアル
3. 記事の公開日時
4. 記事の見出し
5. 記事の本文
6. 記事が属するカテゴリー
7. HubSpotが公開元であること
8. 記事の執筆者の名前
9. 執筆者ページのURL
10. 執筆者の画像
11. 記事の簡単な説明文

schema.orgマークアップの使用状況は、Google のスキーマ マークアップ テストツールで簡単に確認できます。[URLを取得]タブに対象ページのURLを入力し、[テストを実行]をクリックすると、ページに埋め込まれた構造化データが一覧表示されます。
 

期待されるメリット

上記の方法では、Google がウェブサイトのコンテンツへの理解を深め、豊富なデータに基づいてSERPでの表示方法を判定できるようになります。多くの場合、Google はこのデータを活用して、検索結果に表示するテキストやナレッジグラフの内容をカスタマイズしています。

革新的な効果をもたらすわけではありませんが、実践する価値は十分にあるでしょう。
 

問題4:hreflangタグ

hreflangタグにもかなり大きな問題が見つかりました。

hreflangタグとは、異なる地域や言語向けに複数のページが存在していることをGoogle に伝えるためのものです。例えば、.comのホームページのスペイン語版ページなどに使われます。

重複したページの存在を知らせるcanonicalタグとほぼ同じように機能しますが、hreflangタグには、コンテンツの対象地域の検索エンジンにインデックスされやすくなるという利点があります(詳しい仕組みについてはこちらのページをご覧ください)。
 

HubSpotが講じた解決策

それまで当社のウェブサイトには、hreflangタグが誤った形であちこちに使われていて、世界市場に向けたSEOの取り組みにまるで貢献していない状態でした。

苦労の末に、製品ページやホームページなど、多言語版ページが存在する全ての主要なページにhreflangタグを実装しました。例として/productsの製品ページは以下のように更新されました。

スクリーンショット 2022-11-17 15.36.30

 

期待されるメリット

.comドメインのメインウェブサイトのコンテンツと、各言語ドメインのコンテンツとの対応関係が明確になります。ウェブサイト全体に信頼性の評価が行き渡るとともに、Google によるページのクロールが効率化されます。
 

問題5:言語メタタグ

「言語メタタグ」をご存じでしょうか。HubSpotはこれも見落としていました。

言語メタタグは、コンテンツがどの言語で書かれているかを検索エンジンに伝えるという点で、hreflangタグに多少似ています。検索エンジンがどの地域のコンテンツとしてインデックスに登録したらよいか判断しやすくなるため、全ページへの設置が推奨されます。特にMicrosoftの検索エンジンBingではこのタグが多用されています。
 

HubSpotが講じた解決策

これまでHubSpotは、多言語でウェブサイトを展開しているにもかかわらず、いずれのウェブプロパティーにも言語メタタグをまったく設定していませんでした。その状況が打開され、例えばドイツ語のウェブサイトには、以下のコードが各ページに実装されています。
 

<meta http-equiv="Content-Language" content="de-DE" />

期待されるメリット

トラフィックを激増させるほどの効果は見られないものの、コンテンツの対象地域が明確になるので、検索エンジンによるクロール、インデックス登録、ランク付けの効率化に役立ちます。
 

問題6:XMLサイトマップ

offers.hubspot.comのサブドメインには、HubSpotの全てのオファーコンテンツが収められています。オファーコンテンツとは端的に言えば、当社がリードジェネレーション(見込み客の創出)に活用しているeブック、テンプレート、ウェビナーなどのあらゆるコンテンツを指します。これこそ、HubSpotが上位表示を目指しているコンテンツです。

にもかかわらず、このサブドメインのXMLサイトマップさえ作成していませんでした。
 

HubSpotが講じた解決策

全てのオファーコンテンツに目を通し、まったく新しいXMLサイトマップを作成してGoogle に送信しました(サイトマップの詳細についてはこちらの記事で解説しています)。
 

期待されるメリット

このサブドメインの全体的なアーキテクチャーには引き続き多くの取り組みが必要ですが、XMLサイトマップを作成したことにより、当社が公開する新規コンテンツがGoogle にいち早く認識され、検索結果に表示される効果が見込まれます。
 

最終的な結果

テクニカルSEOの成果

その後どうなったかと言うと、上記のグラフが全てを物語っています。ご覧の通り検索流入が50%以上も増えました。「内部SEOの威力を侮ってはいけない」と強く実感する結果となりました。

内部SEOの問題やその解決方法について、皆さんの体験談もぜひお聞かせください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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元記事発行日: 2022年11月29日、最終更新日: 2023年1月20日

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