現在、製品やサービスの購入を検討する際には、企業サイトやSNSなどを検索し、情報を入手し、比較検討するのが当たり前になっています。

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情報を入手する手段や購買行動変化するのに伴い、インターネットが生まれるはるか前から行われてきた電話営業を「時代遅れ」と評価する声もあります。

また、電話営業は比較的業務経験の浅い社員が携わることが多く、電話営業は「ノルマ」を達成するための手段であり「つらい」ものだと感じる人も少なくありません。

しかし、電話営業は将来顧客になるかもしれない方との重要な接点の1つです。

本記事では負担が少ない電話営業の方法や、見込み客を邪魔せず、問題解決のきっかけとなる電話営業のヒントを紹介します。

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なぜ、電話営業はつらいのか?

電話営業で検索すると、サジェストワードに「つらい」「うざい」「時代遅れ」などのキーワードが並ぶほど、電話営業は「マイナス」のイメージで捉えられています。電話営業担当者の離職率は正規非正規を問わず高く、電話営業の厳しさが伺えます。

電話営業が精神的にきつく感じられる理由は、以下の3点にまとめられます。

  • 話を聞く必要を感じていない人に、話を聞いてもらわなければならないプレッシャー
  • 自社が提供する製品やサービスのことを知らない、興味がない人に、言葉だけでメリットを説明しなければならない困難さ
  • 電話した相手に拒絶された際の精神的ダメージ

このようなつらさは、電話営業の難易度の高さに起因しているでしょう。 難しいタスクを解決法も知らされないまま任されてしまうからこそ、担当者はつらく感じるのです。

それでは、電話営業はなぜ難しいのでしょうか。
 

そもそも、従来の電話営業は難易度が高い

電話営業の難しさは以下の3点にまとめられます。

  • 会話が始まると同時に営業が始まる
  • 知識も関心もない相手に、口頭で製品やサービスの説明をしなければならない
  • 顔が見えないので、質問しながら相手の反応を探らなければならない

事前にアポを取った上での対面営業であれば、自己紹介やあいさつ、ちょっとした雑談などの一定の手順を踏んでから商談に入ります。ところが電話営業の場合は、先方から「どういったご用件でしょうか?」と聞かれたら、すぐに営業の開始です。言葉だけで製品やサービスの説明をするのは難しいので、ほとんどの場合、トークスクリプト(電話用の台本)が用意してあります。

しかし、スクリプトを読み上げるだけでは聞いてもらえないので、質問をはさみながら反応をうかがいます。先方にはどんな困りごとがあるのか、ニーズはあるのかをヒアリングしながら、先方が興味を持ったタイミングで提案を行います。

このように電話営業は難易度の高い営業です。しかし、営業手法が限られていた時代ならともかく、WebサイトやSNS、メールやWeb広告など、マーケティングの手法ならいくらでもある現代に、なぜ電話営業をしなければならないのでしょうか?
 

IT全盛の時代、それでも電話営業を続けるべき理由とは?

今日、企業とユーザーを結びつける重要なチャネルとして台頭してきているのが、FacebookやTwitter、YouTubeなどのSNSです。SNSは潜在的なファン形成や、UGC(User Generated Content=ユーザーの口コミ)の形成に効果があります。BtoBビジネスであれば、メルマガなどを駆使してユーザーとの接点を設けているケースもあるでしょう。

しかし、個別に信頼関係を結び、受注にまでつなげるにはSNSやメルマガだけでは不十分です。では、電話営業にはどのような強みがあるのでしょうか。
 

電話コミュニケーションの特徴と強み

コミュニケーションには、対話(対面での話し合い)、電話、テキストベース(メールやチャットなど)の3つの方法があります。それぞれの強みは以下のとおりです。

手段

強み

対話

場を共有し、話し合うことによる安心感が得られる

電話

表情などの情報が制限されることで逆に話の内容に集中できる

テキストベース(メールやチャット)の連絡

記録に残り、あとで見返すことが可能なため、全体を確認して要点を自分なりに整理できる

対面と電話、メール、手紙、チャットにおける情報伝達量を比較した心理学の実験によると、対面でのコミュニケーションは、「伝達感」(相手に自分の言いたいことが伝わったという感覚)が高いのに対し、伝達された情報量はメールやチャットの方が高いという結果が出ています。

対面の場合、相手の表情の動きや声のトーン、話し方、しぐさや周囲の環境など、脳の認知機能にはかなりの負荷がかかります。そのため、声だけの電話や、テキストを読むよりも情報に集中できないのだと考えられます。

また、電話はその人の感情や自信の有無などの感情を、より正確に伝えるツールであることもわかっています。表情や態度の情報が遮断されるため、聞き手の意識は相手の声のトーンや話し方に集中するからです。

電話営業の担当者が先方に関心を持たず、単にリストの順番に電話をかけていれば、先方には確実にそのことが伝わります。機械的に電話をかけてスクリプトを読み上げるだけの話を聞きたいでしょうか? 電話営業を行う前に、まずそのことを考えなければなりません。
 

理想は「インバウンド」の思想に基づいた電話営業

HubSpotが提唱する「インバウンド」とは、見込み客に価値を提供し、興味を引きつけてから関係性を構築するという思想です。

インバウンドマーケティングの対極にあるのが「アウトバウンド」で、顧客から何かしら引き出すことを優先します。たとえば、いきなり電話してアポイントを取ろうとしたり、メールアドレスなどの個人情報を取得したりしようとするのはアウトバウンドな電話営業と言えます。

最初に挙げた電話営業の難しさの3点は、アウトバウンドを前提にしているからこその難しさにほかなりません。

  • 会話が始まると同時に営業が始まる
  • 知識も関心もない相手に言葉だけで製品やサービスの説明をしなければならない
  • 顔が見えないので質問しながら相手の反応を探らなければならない

このいずれも、こちらが先に価値を提供することによって回避できます。

一方、インバウンドの思想に基づく電話営業は、以下のようになります。

  • 電話営業の対象は、ブログ記事やWebサイトのダウンロードコンテンツ、セミナー(ウェビナー)などを通じて、自社がすでに価値を提供している見込み客
  • 先方は自社の製品やサービスに興味を抱いている
  • 先方に電話営業を受ける下地ができている

これなら電話営業担当者を精神的に追い込むことなく、営業が可能になるでしょう。また経験が浅い若手であっても、トレーニングを積みながら実践できるはずです。
 

電話営業の事前準備その①:見込み客からの信頼を得られる「トークスクリプト」を作成しよう

電話営業の事前準備その①:見込み客からの信頼を得られる「トークスクリプト」を作成しよう

成果の上がらない電話営業は、見込み客にとって迷惑であるだけでなく、担当者を精神的に疲弊させます。電話営業の質を高め、成果を上げるためにも、インバウンドの思想に基づいたトークスクリプトの作成が重要です。
 

トークスクリプトを作成する

見込み客と信頼関係を構築するには、一方的に製品の説明をするのではなく、見込み客のニーズを知らなければなりません。そのため、トークスクリプトは「質問」が中心になります。

HubSpotではGPCT+BAのフレームワークを使ってトークスクリプトを組み立てます。
 

GPCT+BAとは?

中心となる質問はGPCT、そして可能であればBAの質問も行います。
 

● G:Goals(目標)…見込み客の目標としていることを質問します。

例: 「御社では今後について、具体的にはどのような目標を立てていらっしゃるのですか?」

(引き出したい返答の例) 「下半期までには月次の売上20%アップを考えています」
 

● P:Plans(計画)…見込み客の計画を聞きます。

例: 「御社はその目標を達成するために、どのようなことを計画しておられますか?」

(引き出したい返答の例) 「Web広告を計画しています」
 

● C:Challenges(課題)…見込み客の抱えている課題を聞きます。

例: 「御社はすばらしい成長を遂げられておられますね。順調に事業を拡大していらっしゃるかと思いますが、どこかお困りごとはございませんか?」

(引き出したい返答の例) 「現状、店舗ごとにエクセルで在庫管理をしているのですが、いろいろ問題が起こっていて。システムを変更したいのですが…」
 

● T:Timeline(スケジュール)…見込み客のスケジュールを聞きます。

例: 「御社は〇〇という計画を立てておられるのですね? 目標達成までのスケジュール感など、お聞かせいただけますか?」

(引き出したい返答の例) 「2021年8~9月頃を目安に最終的に導入を決定し、10月には動き出したいと考えています」
 

GPCTが電話営業のゴールとなりますが、話が具体的に進展し始めた場合は、次の質問も聞いておくと時間の節約になるでしょう。
 

● B:Budget(予算)…先方の予算を聞きます。

例: 「ご予算としてはどのくらいを考えておられますか」

(引き出したい返答の例) 「月額50万円ぐらい、初期費用は100万円以内に抑えたいですね」
 

● A:Authority(権限)…先方が責任ある立場の人か、営業を行う製品やサービスの導入に対して意思決定件を持っているか、持っていなければ意思決定者が誰かを聞き出します。実際にはあまり直接には聞かず、信頼関係が構築された段階で先方が意思決定者を連れてきてもらえるような関係構築を進める場合が多いです。

例: 「御社のこの課題に関しては、弊社からご提供できることがあると思います。ただ弊社の製品に関しましては、技術的な要素や、もし導入いただいた際の細かな使用などもご説明したいと思っております。今度、ご都合のよろしいときに担当部署の責任者と打ち合わせをお願いできますでしょうか?」

(引き出したい返答の例) 「承知しました。では次回は〇〇部門の統括者を呼んできます」

ではこのGPCTを軸に、トークスクリプトを作成しましょう。
 

トークスクリプトの流れ

以下はWebサイトでホワイトペーパーのダウンロードを行った見込み客に対する電話営業のトークスクリプト例です。
 

■ 導入

「お世話になっております。私、A社のBと申しますが、〇〇様にお取次ぎをお願いできますか?」

⇒(担当者が不在の場合)

「何時ごろお帰りになりますか?」または「いつであればご都合がよろしいでしょうか?」

⇒(担当者に取り次いでもらえた場合)

「先日弊社の~に関する資料をダウンロードしていただき、誠にありがとうございました。(間 先方の返事を待つ)~についてご興味をお持ちかと思い(先方の返事に合わせる)、お電話させていただきました。少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

⇒(忙しいと言われた場合)

「かしこまりました。ただ××問題は今後、業界全体での大きな課題なっていくものと考え、弊社ではすでに10年間に渡る研究の蓄積を有しております。もし御社でも同様の課題を感じておいででしたら、解決策につながる有益な情報をお伝えできるかもしれません。もし興味をお持ちでしたら、また日を改めて15分ほどお時間をいただければと考えておりますが、いかがでしょうか?」

ヒント:「忙しい」と言われた場合は、先方に興味があることを確認し、次回の電話の日時を設定します。

⇒(時間を取ってもらえた場合)
 

■ A(権限)の確認

「ありがとうございます。~に関してお困りということは、〇〇様は営業部署を管轄していらっしゃるのでしょうか?」

ヒント:ここで相手の権限を確認します。

⇒(担当者であることを確認できた段階で、具体的にヒアリングを開始します)
 

■ G(目標)の確認

「営業部署を管轄されておられるのですね。ちなみに資料をダウンロードしていただいた理由を教えていただけますでしょうか?」

ヒント:可能であれば担当者個人の目標と会社の目標の両方を聞きます。

「なるほど、そのような経緯がおありだったのですね。ご教示いただき、ありがとうございます。では〇〇様は営業部署のどのような目標を達成するのがミッションだとお考えですか?」

ヒント:質問を通じて定量的な目標「月次売上を××%向上させる」や、定性的な目標として「営業プロセス全体の自動化と標準化を図る」を聞き出します。

⇒(担当者でなかった場合)
 

■ G(目標)の確認

「〇〇様はマーケティング部署のご担当者様なのですね。今回ダウンロードいただいた~の資料は、失礼ですが〇〇様には直接的な関係はあまりないように思えるのですが、どなたかの代理で情報を集めていらっしゃるのでしょうか?」

ヒント:現在行おうとしている電話営業の見込み客ではなかった場合は、どのような目的で情報収集を行っているのか確認します。さらには当該部署の担当者と一緒に話ができるか、引き継ぎをお願いできるかなどのことも確認します。
 

■ C(課題)の確認

「〇月次売上を××%向上させるのが当面の目標と考えられておられるのですね(相手の言葉を繰り返して確認する)。では目標達成を考えるとき、何か障害になっているような課題などはございますでしょうか?」

ヒント:課題が複数出される場合もあります。その際は優先順位も確認します。また、現段階で課題が明確化されていない場合は、「このような場合は~」「もし~だったとすると」「~面を抜きにして、純粋に解決だけを考えた場合は…」と仮説を立てながら、課題を深掘りします。
 

■ P(計画)の確認

「この課題の解決に向けて、現在実施されている施策は何かございますか?(今後、〇〇関連の課題に関しまして、御社では計画しておられることはございますか?)」

ヒント:担当者ベースで進めている計画なのか、社内ですでにプロジェクトとして承認された計画なのかを深堀りできると良いでしょう。
 

■ 自社製品・サービスの紹介(ごく簡単にふれるにとどめる)

「弊社のサービスなど、〇〇様の課題Aに対してお役立ちできそうな部分がありそうかなと思ったのですが、Aの具体的な機能などはご存知ですか?」

ヒント:先方が興味を抱いており、自社製品が課題解決につながると判断できた場合は、軽くふれる程度に留めます。
 

■ T(スケジュール)の確認

「弊社製品に関心をお持ちいただきありがとうございます。ちなみに、目標達成に向けた全般的なスケジュールはどのようになっておりますでしょうか。各施策を実施なさる具体的なスケジュールなどはございますか?」

ヒント:目標から逆算してスケジューリングがなされているか、自社の製品を導入し活用できる時間的余裕があるかどうかを確認します。
 

■ B(予算)の確認

「このタイムラインで実施を検討されるのであれば、ご予算についてはどのくらいの金額を想定していらっしゃいますか?」

ヒント:会話の流れによって、予算のことを聞けるようであればヒアリングを実施しますが、不自然にならないように気をつけましょう。
 

■ ネクストステップ提案(商談に向けての提案)

「御社の課題の~につきましては、弊社サービスで解決ができる可能性が高いと思われます。もしご興味がありましたら、1時間ほどお時間をいただき、弊社コンサルタントからもう少し具体的に製品をご紹介させていただけますでしょうか。

御社の課題や目標などをくわしく伺いながら、課題解決のお手伝いをさせていただきければ幸いです。お忙しいところ恐縮ですが、お時間をいただけないでしょうか?」

ヒント:ここまで具体的な話が聞ける見込み客は、他社製品との比較検討に入っているかもしれません。会社によっては比較の際の選定基準などがあるかもしれないので、可能な範囲で聞いておきましょう。
 

電話営業の事前準備その②:目標設定や必要なツールを準備しよう

電話営業の事前準備その②:目標設定や必要なツールを準備しよう

電話営業を成功させるためには、トークスクリプトの作成以外にも、事前に準備しておかなければならないことが3つあります。

  • 電話営業の目的の明確化とKPIの設定
  • 架電リストの作成
  • ツールの準備
     

KPIの設定

自社の販売戦略に基づき、今回の電話営業は何のために行うかを全員で共有します。そこから「〇〇を〇件受注する」と達成目標(可能な数値)を明確化します。

そのためには〇件の案件化が必要で、〇件の商談を設定するためには〇件の架電が必要、と各部門で達成すべきKPIを明確化します。これによって電話営業に関わる全員が、到達すべきゴールと、今どこにいるかを共有できます。
 

架電リストの作成

電話営業に必要な準備のうち、マーケティング部門が中心となって行うのが架電リストの作成です。

WebサイトでホワイトペーパーやeBook、ウェビナーなど有益な情報を提供することを条件に、Webサイトを訪れたユーザーに個人情報(名前やメールアドレス、所属企業、役職など)を提供してもらいます。こうやって獲得した見込み客(インバウンドリード)の情報を元に、架電リストを作成します。

安定してインバウンドリードが獲得できるように、継続してWebコンテンツを提供できる体制構築を検討しましょう。
 

ツールの準備

電話営業を進める上で、ツールを活用すると、より精度の高い電話営業が可能です。主なツールには以下のものがあります。

  • CRM/SFA
  • マーケティングオートメーション
  • クラウド電話システム
  • Web会議システム
     

CRM/SFA

自社の顧客情報の管理を一元的に行うCRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)やSFA(Sales Force Automation=営業支援システム)などのソフトウェアが役立ちます。

HubSpotの 「日本の営業に関する意識・実態調査結果」 によると、日本では39.2%の組織において顧客情報の管理方法が明確化されていません。

見込み客のニーズを踏まえ、価値を提供する電話営業を行うには、架電先の組織を把握する必要があります。顧客情報を管理し、自社と顧客の信頼関係を構築するCRMによって、見込み客のニーズを把握した上で架電リストの作成が可能になります。

HubSpotでは無料で利用できるCRMを提供しています。関心のある方は「 多様な業務に効果を発揮する無料のCRM 」をご覧ください。

SFAは営業の動きを見える化することで、情報共有や部門間を超えた協業がより容易になるツールです。電話営業はマーケティングや外勤営業など他部門との協力関係が前提となっているので、CRMツールの導入と合わせてSFAツールの導入も検討してください。

別ページでは、 「無料で使えるHubSpot営業支援ソフトウェア」 を紹介しています。
 

クラウド電話システム

クラウド電話システムは、パソコンのブラウザ上で架電・録音・通話履歴管理ができる電話システムで、電話営業やテレアポ、テレマーケティングを行う際の必須ツールです。

架電中にトークスクリプトをブラウザに表示して、録音した商談記録をデータ化するサービスもあります。商談記録を分析し、改善したり、チームメンバーで実施するロールプレイング(実践そのままの対話形式の練習)に役立てることもできます。
 

Web会議システム

電話営業といっても、電話しか使わないわけではありません。製品のデモを行ったり、複数人で電話営業を行ったりする場合に、Web会議システムはとても便利なツールです。

Web会議を録画することで、電話営業だけでなく対面営業の研修に使えます。また、見込み客が興味を持ちそうなテーマでウェビナー(オンラインセミナー)を開催することも可能です。
 

電話営業で案件を創出する3つのコツ

電話営業で案件を創出する3つのコツ

電話営業は話し上手でなくても構いません。むしろ見込み客にニーズを話してもらうことが重要です。電話営業をうまく進める3つのコツを紹介します。

  1. トークスクリプトを読み上げるのではなく「対話」を意識する
  2. ペーシングを活用する
  3. 悪い対応をされても担当者個人の責任にしない
     

1. トークスクリプトを読み上げるのではなく「対話」を意識する

電話は対面以上に感情が伝わるコミュニケーションです。トークスクリプトを読み上げていれば、すぐに先方に気づかれてしまい、先方も聞く気を失います。

スクリプトはあくまでも話の方向性に過ぎず、電話の向こうにいる見込み客の反応に意識を集中します。

普段からチーム内で「営業担当者役」「見込み客役」に分かれてロールプレイングを行い、スクリプトを見ながら、臨機応変に対応できる練習を行うといいでしょう。

営業ロープレについてくわしく知りたい方は、別ページの「 効果的な営業ロープレを行うには?具体的なやり方を解説 」を参考にしてください。
 

2. ペーシングを活用する

ペーシングとは心理学の用語で「相手のペースと合わせる」ことを意味します。電話では、相手の声が大きく早口の場合には、こちらも相手に合わせて声を大きくし、早口で話します。低い声で言葉数の少ない相手の場合は、間が空くことを恐れないで、相手と同じように声を低め、言葉少なに話してください。

見込み客のペースやトーンに合わせることで、見込み客との間に一体感が生まれます。見込み客は安心し、話しやすいと感じるはずです。
 

3. 悪い対応をされても担当者個人の責任にしない

電話営業を続けていると、ときには心が折れるような対応をされることがあるかもしれません。その際は、担当者個人の責任にしないことが重要です。

悪い対応をされるのは、見込み客のターゲティングを誤っている場合がほとんどです。悪い対応の内容を共有化し、ターゲティングを見直したり、スクリプトを見直したり、対応方法を改めて検討します。
 

電話営業のクロージングには3つのパターンがある

クロージングとは、見込み客の意思を確認し、契約に向けて決断を促すためのものです。見込み客との関係に応じてクロージングのレベルは異なりますが、電話営業でもかならずクロージングを行います。

ここでは見込み客の状況に応じたクロージングの例をいくつか紹介します。

  1. 見込み客の購買意欲がそこまで醸成されていない場合には、資料送付やビデオ会議などの同意を得る
  2. 見込み客の問題が明確になった段階であれば「営業担当者や問題解決に役立つ部署の担当者が同席してのビデオ会議を設定して良いか」と同意を得る
  3. 自社製品が選択肢の1つに入ったことが確認できたら「実際の使い方や自社に合うかどうかデモの実演などのために営業が訪問して良いか」の同意を得る

最終的な契約に至るまで、営業は確認事項の積み重ねです。営業担当者は見込み客にイエスかノーかで答える質問を通じて決断してもらい、さらにイエスを積み重ねていきます。

電話営業の段階でも、毎回かならずクロージングを行うようにしてください。
 

クロージングの結果を確認してPDCAを回す

クロージングの結果は記録に残し、定期的にチーム全体で振り返りを行います。振り返りを行うのは、主に以下の3点です。

  • 設定したKPI(架電件数など)が達成できたかどうか
  • スクリプトで伝わらなかった点や伝えにくかった点はなかったか
  • 見込み客のニーズなど、リストと実際の見込み客との間にずれはなかったか

定量的、定性的の双方を確認して改善策を立て、小さなPDCAサイクルを回しましょう。
 

「電話営業がつらい」を払拭するために「インバウンド」を実践しよう

電話営業は、企業に固定電話が設置された時代から行われている営業方法のひとつですが、今なお重要な顧客接点の1つです。

現代の電話営業は、やみくもに電話をかけまくるという方法ではありません。マーケティング戦略の一環として、CRMなどを通じて顧客を理解した上で電話営業を行います。またウェブサイトの行動履歴やメールの開封率などで購買意欲を確認し、見込み客を絞り込んだ上で電話営業を行いしょう。

「電話営業がつらい」のは、見込み客のニーズも無視してやみくもに電話営業を行っているからにほかなりません。電話営業でも重要なのは「見込み客に価値を届ける」というインバウンドの思想です。お客様の助けになることが実感できるような電話営業を行いましょう。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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元記事発行日: 2019/08/16 2:08:16、最終更新日: 2023年8月22日

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