最近オンラインで大きな買い物をした時のことを思い出してみてください。何を購入されましたか? 航空券? それともエスプレッソマシン? あるいは一足のスニーカーでしたでしょうか?

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何を買ったか思い出したら、その購入プロセスのどの時点で、購入先の企業のデジタル情報に接触があったかを考えてみてください。

例えば、購入したのがスニーカーだったとしたら、あなたは「マラソン用スニーカー」や「ランニングシューズ セール」といったキーワードで検索をして、その企業を見つけたかもしれません。

求めている商品やサービスを探すにあたり、まずGoogleなどの検索エンジンを利用するというのが、インターネット主導の今日の世界における最も典型的なカスタマーの姿です。

そしてカスタマーはコンバージョンに通じる道筋で特定のルートを進んでいきます。理論的には、企業はこの道筋上でカスタマーにデジタルプレゼンス(存在)を示す必要があります。それができなければ、カスタマージャーニーの道筋は競合他社へと向かってしまうでしょう。

あるいは最悪の場合、カスタマーが道筋を見つけることができず、イライラした上に商品やサービスを購入できないで終わってしまいます。

ですから、企業はオンライン検索においてプロアクティブにプレゼンスを示し、カスタマーをカスタマージャーニーへと導く必要があります。そこで必須となるのが検索エンジン最適化(SEO)戦略です。

何はともあれオンラインでカスタマーに見つけてもらわないことには、このジャーニーは始まらないのですから。

そこで考えなければならないのが、カスタマージャーニーの理論的なフレームワークをどのようにSEO実装の具体的な戦略に落とし込むか?ということです。

本記事ではこれを詳しく説明していきます。最初に、本記事で触れる2つのマーケティングアクティビティ、すなわちカスタマージャーニーとSEO戦略について定義し、その後、典型的なカスタマージャーニーと整合した有効なSEO戦略の実装方法を見ていきます。

無料テンプレート

カスタマージャーニーマップテンプレート

〜カスタマージャーニーマップの基礎と作成手順を大公開〜

カスタマージャーニーとは何か?

カスタマージャーニーを理解するのに最適なのが、カスタマージャーニーマップを使って視覚化する方法です。マーケティングコンサルタントのKerry Bodine氏は、カスタマージャーニーマップについて、「非常にシンプルに言うと、カスタマーがあなたと取引を行う間に経験するすべてのステップを説明したもの」と定義しています(参照記事はこちら:Customer Journey Maps-Whiteboard Friday)。

カスタマージャーニーマップに関して彼女が作成した動画(英語)は必見です。この動画を観ればジャーニーマップが何であるかだけでなく、どのように作成すれば良いかも分かります。

イギリスを拠点とするシンクタンク、CustomerChampionsによるとカスタマージャーニーマップには2つの目標があります(参照記事はこちら:Customer Journey Mapping(CJM))。

  1. 企業がカスタマーに提供したいエクスペリエンスを叙述する
  2. カスタマーが受け取りたいエクスペリエンスを叙述する

この2つの目標は互いに表裏一体です。前者は商品・サービスを提供する側に、後者は商品・サービスを受け取る側に着眼点が置かれています。

カスタマージャーニーマップの素晴らしい点は、「カスタマーが第1」であることです。カスタマーが理論上の購買ファネルを進んでいく際のすべてのステップを、付箋紙を使ったマップで視覚化することにより、カスタマーを中心に据えて考えることが可能になります。

カスタマーを敬い、尊び、何よりも大切にする。すべての企業はこうあるべきだと思いませんか? 私は常々そう考えています。

ここまで読んで、カスターマージャーニーマップとセールスファネルは同じものではないのか?と思った方もいるかも知れません。答えはNOです。

セールスファネルは、プロセスを大まかに説明したものであり、実際のカスタマージャーニーを叙述してはいません(参照記事はこちら:A Quick Guide to Customer Journey Mapping)。

カスタマージャーニーマップは理論的にはファネルの中に入れることもできますが、両者はそれぞれ別の目的を持った別個のものだということを覚えておいてください。

実際のカスタマージャーニーはどのようなものか?

それでは、実際のカスタマージャーニーマップ例を4つほど見ていきましょう。

例1

私が見つけたカスタマージャーニー例の中でも特に優れているのがこちらです。以下の画像がそのマップですが、カスタマーの各ステージ(ここにファネルの要素が含まれているのが分かります)、アクション、思考、感情と、それらが企業とのエンゲージメントにどのように結びついているかが包括的に示されています。

エンゲージメントが組み込まれたカスタマージャーニーマップの例

例2

下のマップ内の文字が読めなくてもどうぞ心配しないでください。この例で見ていただきたいのは、ジャーニー全体の骨組みとしてファネルが使用されている点です。円で示されている「awareness(認知)」「research(比較検討)」「purchase(購入)」はセールスファネルとほぼ一致しています。

ファネルが使われているカスタマージャーニーの例 

例3

下図のように、大部分がオフラインのカスタマージャーニーもあります。しかし、たとえジャーニーの90%がオフラインであったとしても、最も重要なジャーニーの開始地点(=カスタマーが初めてGoogleで関連検索を行うとき)はオンラインです。

ここで成功しない限り、その後のジャーニーは発生しません。下のマップでは、最初のステージを「Found via Google(Googleで見つけてもらう)」と表現しています(赤矢印部分)。

オフラインをうまく組み込んだカスタマージャーニーの例

こうしてみると、カスタマージャーニーにおけるSEO戦略の必要性がよく分かります。企業のカスタマージャーニー戦略にSEO戦略が組み込まれていなければ、カスタマーはその企業を「Googleで見つける」ことはできないのですから。

例4

検索エンジン最適化の重要性は、以下のジャーニーマップでさらに説得力が増します。このカスタマージャーニーはYouTube動画で始まり、PPC広告を経由し、最後まで一貫してオンラインのままです。

オンラインに特化したカスタマージャーニーの例

カスタマージャーニーについて理解できたら、次は検索エンジン最適化を見ていきます。

実際のSEO戦略はどのようなものか?

SEO戦略とは、検索エンジン最適化のテクニックを実装し、カスタマーをターゲットウェブページに導くことです。元YahooマーケティングマネージャーのLaura Lippay氏は、Mozに投稿している一連の記事でSEO戦略を8つの段階に分けて説明しています(参照記事はこちら:The 8-Step SEO Strategy, Step 1 : Define Your Target Audience and Their Needs)。

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  1. ターゲットオーディエンスとその人たちのニーズを明確にする
  2. カテゴリー別のキーワードリサーチ
  3. 弱点と機会を洗い出す
  4. 競合他社を明確にする
  5. 競合他社を綿密に調査する(そして、そこから学ぶ)
  6. カスタマイズしたSEO戦略及び実行推奨項目
  7. SEOの実行必須項目
  8. 優先順位付けと要約

SEO戦略についてより詳しく学びたい方はこちらで詳しくご紹介しています(関連記事はこちら:ポピュラーなコンテンツ検索手法で検索結果を勝ち取る9つのSEOテクニック)。

この記事をお読みの方はSEOにある程度詳しいかと思いますので、ここでは実際にSEO戦略がカスタマージャーニーマップにどのように関連しているか、例を示して見ていきたいと思います。

以下はとある健康保健会社のカスタマージャーニーマップですが、カスタマージャーニーにSEO戦略ががっちり組み込まれているのが分かります。私が追加した赤い矢印の示す部分が、SEOがカスタマージャーニーに影響する部分です。

カスタマージャーニーとSEOが組み合わさった健康保健会社のカスタマージャーニーの例

上の例は、ジャーニーの大部分がオンラインである購買環境を示したものです。それでは先ほど見た、ジャーニーの大部分がオフラインのケースではどうでしょう? この場合も、Googleで見つけてもらうことがすべての出発点ですから、カスタマージャーニーにおいてSEOが必須であることは変わりません。

Googleの検索エンジンからスタートするカスタマージャーニーの例

ただ、正直に言いましょう。カスタマーにソリューションを提供できるのはGoogleではありません。皆さんなのです。目的と手段を逆にとらえることだけはやめましょう。最初に、カスタマーにソリューションを提供するための全体戦略を考え、その手段である戦術を考えることが正しい一歩となります。

そのための手段としてGoogleの検索結果でプレゼンスを示す必要があります。そのために、コンテンツを検索エンジンに最適化し、カスタマーに見つけてもらい、ソリューションを届ける、という第一歩を踏み出していくことが重要なのです(関連記事はこちら:優れたコンテンツ戦略で「SEOに対する問題」を解決する方法)。

カスタマージャーニーにSEOを実装するためのシンプルなモデル

さて、舞台は整いました。それでは実際にどのように実装していけばよいかを見ていきます。カスタマージャーニーにSEO戦略を組み込むにはどうすればよいのでしょうか?

基本モデル

基本となるモデルは非常にシンプルです。カスタマージャーニーにおいてオンライン検索が発生する際、そこでは必然的に、カスタマーによる3つの検索アクション(ナビゲーショナル検索、インフォメーショナル検索、トランザクショナル検索)のいずれかが行われています。

これら3つの検索タイプは、それぞれ異なる検索クエリに関連しています。SEO戦略をカスタマージャーニーに組み込むには、この3つの検索タイプのそれぞれに対処しなければなりません。

SEO対策とカスタマージャーニーの組み合わせ方の概要図

これについて理解しやすいように、カスタマージャーニーのそれぞれのステージでどのような検索アクションが行われているかを見てみましょう。

Rehash.orgのカスタマージャーニーには、自社サイトに移動するための検索(ナビゲーショナル検索)、及びオーガニックフードリサイクルとその利点に関する検索(インフォメーショナル検索)が含まれています。どちらのケースでも、Rehash.orgはカスタマーをジャーニーに導くことのできるレベルのトラフィック獲得を目指しています。

カスタマージャーニーをSEOを組み合わせた図

またRehash.orgはカスタマーがクーポンを探している場合のトランザクショナル検索にも対応しようとしています。「Rehash クーポン」や「オーガニックフードリサイクル クーポン」などはトランザクショナル検索と見なされます。

以下は、郊外に住む母親(ペルソナ名:Donna Redding)が家族旅行を計画していることを想定したカスタマージャーニーマップです。ジャーニーの各段階で、3つの検索アクションのいずれか、または複数が発生しているのが分かります(赤矢印部分)。

バイヤーペルソナの作成の仕方について解説した無料ガイドはこちらからダウンロードできます。

Eコマースがトランザクションとカスタマージャーニーを組み合わせた例

購入プロセスを図式化した下記のジャーニーマップでも、各検索タイプが含まれています(赤矢印部分)。

オンライン検索タイプとカスタマージャーニーを組み合わせた例

カスタマージャーニーマップをどのように図式化するかは一様ではありません。シンプルな図の場合もあれば複雑な図の場合もありますし、カスタマーエクスペリエンスを含む場合もあれば、カスタマーのアクションだけを含める場合もあるでしょう。

ジャーニーマップは縦方向の場合もあれば、横方向や環状の場合もあります。いずれにしろ、どのジャーニーマップにも、ナビゲーション検索、トランザクショナル検索、インフォメーショナル検索のうち1つ以上の検索タイプが含まれているはずです。

実践に移す

ここまでで、カスタマージャーニーとは何か、SEO戦略とは何か、そして3つの検索タイプ(ナビゲーショナル、トランザクショナル、インフォメーショナル)を通じて両者がどのように繋がっているかが分かりました。次は実際に実行に移す番です。

1)自社のカスタマージャーニーマップを作成する

マップは詳細であればあるほど有用です。前述した動画を参考にしてください(参照記事はこちら:Customer Journey Maps-Whiteboard Friday

2)マップ上で、ユーザーが3つの検索タイプのいずれかを実行しているポイントを特定する

マップ上の1つの段階で複数の検索タイプが実行される場合もあります。分かりやすいようにKerry Bodine氏のマップは非常にシンプルなものになっていますが、最初のプロセス「searches for shoes(靴を検索する)」では、3つの検索タイプのいずれもが実行される可能性があります。

カスタマージャーニー作成の仕方と例

3)カスタマージャーニーで特定の検索タイプが発生する各ポイントについて、キーワード/クエリ一覧を作成する

手順2)で、いずれかの検索タイプが発生するポイントを特定しました。この検索タイプを使って、各ポイントのキーワード一覧を作成しましょう。

例えば、前述の「郊外の母親Donna」が家族旅行を計画しているとします。彼女は現在ジャーニーの初期段階で、旅行にいくらくらいかかりそうか調べているところです。この段階で彼女はインフォメーショナル検索を実行していることになります。

私たちに分かっている情報は以下のとおりです。

ウェブサイトの種類:家族旅行プランニングサービス

カスタマー:家族旅行を計画している、郊外在住の母親

カスタマージャーニーにおける段階:家族旅行にかかる費用を調査している

検索タイプ:インフォメーショナル

考えうるキーワード:

  • 家族旅行 費用
  • 家族4人 ディズニーワールド 費用
  • 旅行 費用 見積もり
  • 予算別 行ける旅行先はどこ?
  • 家族4人の平均旅行費用
  • 平均旅行費用
  • 費用 旅行 アイルランド
  • 費用 旅行
  • 低予算 家族旅行 アイデア

4)各キーワードをSEO戦略の施策に結び付ける

キーワードが特定できたら、それらをSEO戦略に組み込んでいきます。上記のキーワードの一つ「予算別 行ける旅行先はどこ?」を例として使うと、以下のような施策が考えられます。

  • ウェブサイトに新しいウェブページを作成する
  • ページタイトル:「予算別 行ける旅行先はどこ?| 旅行計画」
  • ヘッダー(h1):「うちの予算で行ける旅行先はどこ?」
  • 記事:ヘッダーで提示した質問に答える内容の記事を書く。最後にCall-To-Action(CTA)をお忘れなく
  • 同じ質問をトピックにした新鮮なブログ記事を4つほど書く。上記のキーワードを使うと共に、関連するロングテールキーワードも含める
  • 同じ質問の答えになっているインフォグラフィックを作成する
  • 予算別の旅行目的地について、複数のエキスパートにインタビューし、その一連の動画をYouTubeにアップロードする

上記のような取り組みを実施すれば、該当キーワードにおけるランキングで優位を占められるようになるはずです。

そして潜在顧客がジャーニーの初期段階でインフォメーショナル検索を実行した際に、検索結果であなたのウェブサイトを見つける可能性が高くなります。

また、カスタマージャーニーに沿ったコンテンツ制作に役立つ無料テンプレートもございますので、ぜひダウンロードいただきご活用ください。

ここまでのおさらい

最後に、全体的なプロセスをおさらいしておきましょう。

  1. コーヒーを飲みながら、楽しんでブレインストーミングし、付箋紙を使ってカスタマージャーニーマップを作成する

  2. ジャーニーでカスタマーが特定の検索タイプを実行するポイントを洗い出す。そのポイントを丸で囲み、その上に新しい付箋紙を貼って「トランザクショナル」「ナビゲーショナル」「インフォメーショナル」のいずれかを記入する

  3. 各ポイントで考えられるキーワードを書き出す。ここでも付箋紙を使うと良いかもしれません

  4. 各キーワードをSEO戦略の施策に結び付け、素晴らしい取り組みを実施する

あなたがマーケティングを改善したいと思っていて、カスタマージャーニーマップをまだ作っていないのであれば、是非作ってください。

ただ、そこで終わりにしてはいけません。マップを作成すること自体も素晴らしいエクササイズですが、SEOを実装しないことには、生産性を上げることはできません。Kerry Bodine氏が動画内で述べていたように「ジャーニーマップを意識する必要があるのはマーケターだけではありません。社内の全員が意識する必要がある」のです。これにはSEOやその他デジタルマーケティングの担当者も含まれます。

カスタマージャーニーマップをSEOの領域にシフトするにつれ、トラフィックやコンバージョンの増加など好ましい変化が多数見られるはずです。

皆さんはどう思われますか? カスタマージャーニーマップはSEOにどのように影響しますか? また両者をどのように統合していますか?

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

カスタマージャーニーマップテンプレート

編集メモ:この記事は、2014年9月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Neil Patelによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

画像クレジット:Service Design ToolsRehash.org via Tumblrmarcommmusingsm-journal.czm-journal.czService Design PlatformExperience MattersBig Scary Craniu

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元記事発行日: 2015年12月06日、最終更新日: 2021年1月25日

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