2014年にTwitterアナリティクスの利用がリリースされ、 Twitterは各ツイートの効果測定する機能に優れたソーシャルネットワークへと進化を遂げました。
しかし、Twitterアナリティクスを自社のマーケティング活動に上手く活用できているマーケターは、多くはないように思います。
そこで今回は、Twitterアナリティクスで注目するべき指標と、そこから得られるマーケティングに役立つ情報などを、具体的な事例を踏まえながらご紹介していきます。
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Twitterアナリティクスの始め方
Twitterアナリティクスは、Twitterのアカウントをお持ちの方なら誰でも今すぐ簡単に始めることができます。
具体的な始め方としては、まずデスクトップからご自分のTwitterアカウントにログインします。そしてホームにある「もっと見る」をクリックし、そのリストの中にある「アナリティクス」をクリックします。
そして、「アナリティクスを有効にする」をクリックすれば完了です。たったこれだけであなたのTwitterアカウントから様々なデータを引き出すことが出来るようになります。
Twitterアナリティクスで注目すべき指標①:エンゲージメント
オーディエンスがどのようなコンテンツで喜ぶのかを把握する
どのようなコンテンツやトピックがオーディエンスに喜ばれているかを理解し、多くの人にシェアしてもらいやすいコンテンツを作成することは、ソーシャルマーケティングやコンテンツ戦略において非常に重要です。
「ツイート」タブでは、インプレッション数やエンゲージメント数、エンゲージメント率をツイートごとに、有料とオーガニックの両方に対して表示することができます。
エンゲージメントにはツイート、リツイート、フォロー、返信、お気に入り、そしてツイートやリンク、ハッシュタグ、アバターでのクリックなど、すべてのアクティビティが含まれます。
いずれかのツイートをクリックすると、エンゲージメントのアクティビティについて、それぞれの回数を表示することができます。
Twitterのどのコンテンツが高いエンゲージメントを獲得したかを理解することには、とても大きな意味があります。たとえば、1週間に10分だけ、エンゲージメントの高い順に5つあるいは10のツイートを記録することに使ってみてください。
そうすれば、オーディエンスに喜ばれるツイートの傾向が次第にわかってくるはずです。そこで理解したことを次回のツイートに活かせば、オーディエンスとのつながりを深めることができると思います(関連ページはこちら:Lead & Business Insights with the Free HubSpot CRM)。
ツイートにベストな時間帯を把握する
ソーシャルメディアを利用するマーケターや企業のあいだでは、ツイートに最適な時間帯はいつか、という問題が非常によく取り上げられます。
フォロワーを分析しツイートにベストな時間帯をアドバイスしてくれるツールを利用することも、あるいは、ユーザーがTwitterを最もよく利用する時間帯について調査した結果をウェブ上で探すこともできますが、自社のオーディエンスについて知りたいのであれば、やはり自社のアカウントデータを調べるのが一番です。
先ほどお話した、個別のツイートについて詳細なデータを表示できる画面では、ツイート後の24時間のインプレッション合計数を、1時間ごとに見ることができます。
このツールは、インプレッション合計数を表示する時間枠を指定できたり、ツイートのライフタイム全体を通して表示できたりする機能が追加されると、さらに便利になると思います。
このグラフを見ていると、ツイートのエンゲージメントは時間がたつとあっという間に消えてしまうことがわかります。私のアカウントの場合も、最初の2時間のあいだで全体の約半分のエンゲージメントが発生し、残りは2日間ほどかけてゆっくりと出現します。
Twitterアナリティクスで注目すべき指標②:フォロワー数
フォロワーについて知る
Twitterのオーディエンスデータを表示する画面で「フォロワー」タブを選択すると、自分をフォローしている人について深く理解するのに役立つ、有益な情報を数多く見ることができます。
たとえば、男性と女性はどちらが多いか、どの国のどの地域の人が多いか、興味の対象として最も多いのは何か、などを知ることができます。
あるいは、自分のフォロワーが誰をフォローしているかなどもわかります。これらの情報は、どのような内容のコンテンツを作成したり、シェアしたりするべきか(あるいはいつシェアするべきか)を考えるのにも有効です。
今後のアップグレードでは、より豊富なデモグラフィック情報が表示されることを期待します。
データを掘り下げて調べたり、データのオーバーレイが可能になったりすれば、なお良いと思います。マーケターがソーシャルメディアのオーディエンスを分類し、セグメントごとに対話するのに非常に便利ですので、ぜひお願いしたいです。
フォロワーのサイズの増減を確認できる
私は自他ともに認めるTwitterのヘビーユーザーです。ただし、最初からそうだったわけではなく、フォロワーの数が8,000人に増えるまで何年もかかりました。
その後、Twitterでのプレゼンスの向上に熱心に取り組んだ結果、1年間でフォロワーの数を24,000人にまで増やすことができました(参照記事はこちら:Twiter: Larry Kim)。
それはともかく、Twitterではフォロワーのサイズをトラッキングすることが可能です。Twitterアナリティクスでは、フォロワーの数を下の画像のように時系列で表示することができます。
時間軸の上にマウスのカーソルをあわせると、その日のフォロワーの人数が表示されます。これは、アカウントを作成した日まで遡って見ることができます。
フォロワー数の増減を時系列で見る際には、数が大きく変動した時期に自分がどのようなアクティビティを起こしていたかを確認することが重要です。
どれくらい頻繁に投稿していたか、何について投稿していたか、返信までの時間はどの程度だったか、などを調べましょう。そうすれば、フォロワー数が変動した理由を理解し、次に活かすことができると思います。
Twitterアナリティクスをさらに使いこなす
Twitter広告に費用をかけるべきかどうかを調べる
私は最近、Twitterの有料広告を始めましたが、そのデータをTwitterアナリティクスで確認し、自分の広告が期待したほどの効果を得ていないことに気付きました。
「ツイート」タブの画面上部には、有料とオーガニックのツイートのパフォーマンスについて、概要を示すグラフが表示されます。
Twitterアナリティクスの他のグラフと同様、グラフのいずれかのポイントにマウスのカーソルをあわせると、下の画像のように詳細なデータが表示されます。
このデータは91日前のものまでしか表示できませんので、過去に遡って比較したい場合は、定期的にデータをエクスポートする必要があります。あるいは、別のプログラムを利用すれば、長期的にデータを比較することができます。
私は有料広告にそれほど費用をかけることはしませんが(使ったとしても1日に100ドル程度です)、このグラフからもわかるとおり、オーガニックの投稿と比較して、それほど大きな効果は現れていないようです。
コンバージョンを目的として有料広告を利用したのであれば、Twitterアナリティクスでコンバージョン数のデータを確認し、広告の効果を調べますが、私の場合はインプレッション数を増やすことが目的ですので、その必要はありません。
1日のツイート数を何回か増やすだけで、費用をかけなくても目的を達成できることがわかりました。
この結果はユーザーによって異なりますが、Twitterアナリティクスのこの画面を確認すれば、自分がTwitter広告に費用をかけるべきか簡単に判断できるのでとても便利です。
このグラフの下にある「プロモーション」をクリックすると、すべての有料広告が日付順に表示され、それぞれのエンゲージメント数やインプレッション数を見ることができます。
これらのデータから、効果の高かった広告や、そうでない広告を確認することが可能です。
データのエクスポート: Twitterの傾向をより深く理解する方法
ご説明したように、Twitterアナリティクスは、Twitterアカウントのパフォーマンスについて、データを詳細かつインタラクティブに確認できる素晴らしいツールです。
なかでも私が最も便利だと思うのは、Twitter APIからCSV形式にデータをエクスポートする機能です。ヘビーユーザーによる大量のアクティビティに関する分析データでも、一瞬でエクスポートすることが可能です。
データをエクスポートするには、対象となる時間枠を選択してから、Twitterアナリティクスダッシュボードの右上隅にある「データをエクスポート」をクリックします。
エクスポートしたデータは、Excelを利用してTwitterアナリティクスに用意されていない方法で並べ替えることにより、さまざまな分析に利用することが可能です。
たとえば下の画像は、私の2,500件のツイートについて、時間帯とエンゲージメント率のデータを取り出して作成した、1日の時間帯別に見たエンゲージメント率の高さを表すグラフです。
このグラフから、私のツイートのエンゲージメント率(つまり、エンゲージメント数 / インプレッション数)は、1日のどの時間帯でもほとんど変わらないことを理解しました。
その理由はおそらく、私のフォロワーが世界中に分散しているからだと思いますが、この結果から、自分のタイムゾーンでの就業時間帯だけでなく、どの時間帯でもまんべんなくコンテンツを投稿する必要があると感じました。
もちろん、現地時間の午前2時に私の投稿を見る人は少ないでしょうが、だからと言って、就業時間帯に見る人と比較してエンゲージメントに違いが出るとは考えにくいと思いました。
エクスポートされるCSVデータには、ほかにもお気に入りの数やリツイート、リンクのクリック数、返信、URLクリック数、フォロー数などが含まれます。これらの情報を利用して、気になるデータを自由に分析してください。
最終的な判断を下すのはいつでも自分自身です。時間を見つけてはTwitterアナリティクスをチェックし、そこから何かを理解するよう心がけましょう。
反応の大きかったツイートについては、その理由を考えることが大切です。そうして理解したことを、次のソーシャルメディアマーケティングのストラテジーに活かすことで、必ず効果が高まっていくはずです。
編集メモ:この記事は、2015年1月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Larry Kimによる元の記事はこちらからご覧いただけます。