自社で効率的にランディングページ(LP)を作成する際は、テンプレートの活用がおすすめです。自社にエンジニアやデザイナーなどの専門家がいなくても効果的なLPを作成でき、キャンペーン用のLP作成などにも短期間で対応できるためです。
本記事では、LPのテンプレートを取得する方法や選び方、おすすめの20のLP用テンプレートをご紹介します。
LPのテンプレートを取得するには、大きく3つの方法があります。
それぞれ必要なスキルや提供される機能が異なるため、自社に合った方法を選ぶことが大切です。
HTMLテンプレートとは、LPの基本構造となるHTML・CSSなどのファイル一式がセットになった雛形のことです。Web上で無料配布されているものも多く、既存のHTMLテンプレートを使えばゼロからコードを書く必要がなくなるメリットがあります。
一方で、HTMLテンプレートの編集にはHTMLやCSSの知識が求められるため、今回ご紹介する3つの方法のなかでは、比較的高度なスキルが必要です。また、テンプレートに含まれていない画像や文章などの素材は自社で用意しなければなりません。
WordPressテーマは、世界的に普及しているCMS「WordPress」向けに開発されたテンプレートです。あらかじめデザインや構成が整ったテーマを適用するだけで、専門的なコーディングスキルがなくても簡単にLPを作成できます。
ただし、最適なテーマやプラグインを選ぶにはある程度の知識が求められます。また、セキュリティ対策も自社で行う必要があることから、WordPressの運営経験がある方にお勧めの方法です。
LP制作ツールとは、ランディングページ制作に特化したクラウドサービスです。ツール内では目的やトーンに応じたテンプレートが用意されており、画像やテキストをドラッグ&ドロップで配置して直感的な操作でLPを作成できます。
アクセス解析など運用に役立つ機能を備えたツールも多く、3つの方法のなかで最も専門知識を必要としないため、初心者にもおすすめの方法です。
HubSpotのContent Hubは、LPの作成から効果測定、改善までワンストップで対応でき、洗練されたデザインのテンプレートも豊富にそろっています。無料プランでLP作成が可能なので、ぜひお試しください。
数あるLPテンプレートから自社に最適なものを選ぶには、デザインの適合性や機能の充実度、コストなどいくつかのポイントを確認することが重要です。ここからは、5つの視点からテンプレートの選び方を解説します。
まずは、自社のシステム環境や担当者のスキルで対応可能なテンプレートかを確認しましょう。
HTMLテンプレートやWordPressテーマはサーバーの用意やコーディング知識が求められるため初心者にはハードルが高くなります。一方、LP制作ツールであればサーバー設定は不要で、直感的な操作でLPを制作できるため、社内の人材で対応しやすいでしょう。
担当者のITスキルレベルや環境に合わせて、無理なく運用できる種類のテンプレートを選ぶことが大切です。
テンプレートのデザインテイストが自社のターゲットやブランドイメージに合っているかも重要なポイントです。
テンプレートによってはベースカラーやアクセントカラーが固定され変更できない場合もあるため、自社のコーポレートカラーや商品イメージカラーに合わせられるか確認しましょう。
また、テンプレートごとに想定している目的や業種にも着目しましょう。商品販売向けや資料請求向け、美容系デザインなど、さまざまな種類があるため、LP運用の目的や商材の内容、訴求対象にマッチしたものを選ぶことが大切です。
テンプレートやツールに、自社が必要とする機能が備わっているかも確認しましょう。基本的には、テンプレートでは用意された要素のみでLPを構成することになります。一部のテンプレート・ツールには、問合せフォームを直接組み込めないなど、希望のレイアウトや要素が再現できないものもあるため注意が必要です。
必要な機能を確認するには、LPに必要な構成要素やレイアウトを洗い出します。SNS連携、SEO対策、アクセス解析、問い合わせフォーム、A/Bテストなど、LPの運用に便利な機能が必要な場合は、LP制作ツールやWordPressテーマを検討すると良いでしょう。
テンプレートやツールの導入検討時は、足りない機能を後から追加できるか(WordPressならプラグイン追加、LPツールなら上位プラン利用など)も考慮します。特に、LP制作ツールは、プランによって使える機能範囲が変わることが多いので必ず確認しておきましょう。
テンプレートの利用料金と得られる効果のバランスも考慮しましょう。無料テンプレートはコストがかからない反面、デザインや機能がシンプルで最低限の場合が多い傾向があります。一方で、有料テンプレートには多機能で洗練されたデザインのものが多く、導入コストに見合った効果が期待できるでしょう。
例えば、WordPressの有料テーマは買い切り型が主流で、価格相場は1~3万円程度です。LP制作ツールは無料で利用できるものもありますが、本格的に利用する場合は月額3,000~5,000円程度のプラン契約が一般的です。
自社の予算やLP制作頻度を踏まえ、費用対効果の高いテンプレートを選ぶと良いでしょう。
総務省が発表した「令和5年版 情報通信白書」によると、スマホからのインターネットの利用率は70%を超えるなど、スマホユーザーは年々増加しています。このような背景から、現在ではレスポンシブデザイン(閲覧デバイスに応じた最適な表示)への対応が不可欠となっています。デバイスによって文字が小さすぎる、レイアウトが崩れるなどの問題があれば、ユーザーの閲覧体験を損ねてしまい、離脱やコンバージョン低下につながってしまうでしょう。
現在では、ほとんどのテンプレートがレスポンシブ対応となっています。しかし、スマホやタブレットでLPを適切に表示するには、文字サイズやボタンサイズ、余白など細かな調整が必要な場合が少なくありません。特に、HTMLテンプレートでは調整のためのコーディング知識が必要となる点に留意が必要です。
ここからは、おすすめの20のLP用テンプレートをご紹介します。HTMLテンプレート、WordPressテーマ、LP制作ツールの3つのカテゴリに分けてご紹介しますので、LPの運用目的や担当者のスキルに合わせて参考にしてください。
※価格や料金は2025年7月時点の情報です。
HTMLファイルを直接編集して利用するタイプのLPテンプレートから、おすすめの6つを紹介します。作成担当者にある程度のコーディングスキルがあり、レイアウトやデザインを自由にカスタマイズしたい場合に適したテンプレートです。
出典:テンプレどん
「テンプレどん」は、フリーランスのデザイン事務所ポポデザインが提供している無料のHTMLテンプレート配布サイトです。シンプルかつモダンなデザインのテンプレートが4種類公開されており、あらゆる目的・業種にマッチします。
出典:CODROPS
「Sedna」は多用途のLP用HTMLテンプレートです。レスポンシブ対応済みで各デバイスに最適化された表示が可能です。海外製のテンプレートですが、翻訳ツールを活用して日本語に変換すれば問題なく利用できるでしょう。
出典:Cruip
「Cruip」はスタートアップ企業向けに特化したLP用テンプレートを開発・販売している海外サービスです。美しく洗練されたデザインが魅力で、WordPress、HTML、Webflow、Bootstrapなど、あらゆるWeb制作プラットフォームに対応したテンプレートを提供しています。
有料で全テンプレートを利用できるパックもあり、スタートアップ向けのおしゃれなLPデザインを手軽に導入したい方におすすめです。
出典:LP Create
「LP Create」は、東京のnanoTRACK社が提供するLP制作特化型サービスです。公式サイト上でLP専用のテンプレートを無償配布しています。
テンプレートはSEO最適化済みで、自社コーポレートサイトがなくてもLP単体で集客に活用できます。テンプレート自体は無料で利用できますが、デザインや機能のさらなるカスタマイズを希望する場合はサイト制作の有償依頼も受け付けています。
出典:themewagon
「Titan」は、ThemeWagonで公開されているLP用無料HTMLテンプレートです。約90ページ分の豊富なサンプルHTMLファイルが収録されており、業種に応じた9種類のトップページレイアウトやお問い合わせフォームなどがセットになっています。
過去数年間のデザイントレンド分析に基づく優れたUX設計と詳しいドキュメントが付属しており、最新スタイルのLPを簡単に作成できます。
出典:UIdeck
「UIdeck」は、Tailwind CSSやBootstrapなどを用いた高品質なLP用テンプレートやUIキットを提供する海外サイトです。
スタートアップ、ビジネス、ポートフォリオ、SaaS、アプリなど、あらゆる用途に対応したデザインテンプレートが揃い、すべてのテンプレートがレスポンシブ対応です。
続いて、WordPress向けの7つのおすすめテーマをご紹介します。既にWordPressでWebサイトを運用している企業やプラグインによる機能拡張を活用しつつ柔軟にLPを管理したい企業に適しています。
出典:Colorlib
「Colorlib」は、HTMLテンプレートとWordPressテーマを提供する海外のサービスです。複数のスタイリッシュで洗練されたデザインのWordPressテーマを無料で配布しており、商用利用やカスタマイズも可能です。
海外サービスのためサイト表記は英語ですが、テンプレート自体の設定・操作はシンプルなので、初めての方でも安心して利用できます。
出典:Xeory
「Xeory Extension(セオリーエクステンション)」は、デジタルマーケティング情報メディア「バズ部」が作成した無料WordPressテーマです。企業のコンテンツマーケティング実践を目的としており、1~2カラムのシンプルなレイアウトでLP作成にも向いています。
CTA(行動喚起ボタン)の設定自由度が高く、カラム構成も柔軟に変更できるため、ランディングページとして訴求したい要素を思い通りに配置可能です。
出典:LIQUID PRESS
「LIQUID LP」は、LPに特化した有料のWordPressテーマです。操作性に優れ、レスポンシブデザインにも対応しているためユーザーがどのデバイスからアクセスしても快適に閲覧できるよう設計されています。
LP制作に必要な機能がひと通り備わっており、レイアウトやデザインの編集も専用エディタ上で簡単に行えます。
出典:TCD
「Switch」は、株式会社デザインプラスが手掛けたマーケティング効果に優れたビジュアル表現を特徴とするランディングページ用WordPressテーマです。ユーザーの興味を引きつける先進的なデザインが随所に盛り込まれています。
例えば、ファーストビューのフルスクリーンヘッダーでYouTubeやMP4動画を背景再生できるため、第一印象での訴求力を最大限に高めることが可能です。
出典:THE THOR
「THE THOR(ザ・トール)」は、集客と収益化にこだわって作られた有料のWordPressテーマです。美しく洗練されたデザインのLPを簡単な操作で作成でき、最新のSEO対策により検索結果での上位表示も期待できます。
徹底した高速表示技術を備えている点も魅力で、ページの読み込み速度がSEO評価指標の一つとなっている現在に適したテーマです。
「Divi(ディビ)」は、Elegant Themes社が提供する多機能なプレミアムWordPressテーマで、LP構築にも最適です。ドラッグ&ドロップ方式のビジュアルビルダーを搭載し、コーディングの知識がなくてもプロ並みのLPが作成できます。
「Jevelin(ジェベリン)」は、モバイルフレンドリーで柔軟性の高いWordPress用テーマです。コーディング不要のページビルダー(WPBakery)や高機能スライダープラグイン(Slider Revolution)を標準搭載しており、コードを書かずにサイトの見た目や構成を自由にカスタマイズできます。
デザインの美しさとサイト高速表示を両立しつつ、マーケティング目的に合わせて自在にLPを作れる多用途テーマとして人気です。
ここからは、ノーコードで利用できる7つのLP制作ツールをご紹介します。テンプレートがあらかじめ組み込まれているため、初心者でも短時間で高品質なLPを制作できます。
社内に開発担当者・環境が不足している場合や、より効率的にLPを運用したい場合に検討すると良いでしょう。
出典:HubSpot
HubSpotは営業・マーケティング・カスタマーサービスの統合支援ツールで、そのCMS(コンテンツマネジメントシステム)であるContent Hubにはランディングページ作成に対応した無料プランがあります。豊富なデザインテンプレートが使えるほか、ドラッグ&ドロップ操作の直感的なエディタによりレイアウトを自由にカスタマイズできます。
さらに、訪問者の所在地、流入元、使用デバイス、ライフサイクルステージなどCRM上のコンタクト情報に基づいて、表示するLPコンテンツを訪問者ごとにパーソナライズする機能も備えています。
出典:ペライチ
「ペライチ」は、専門知識がなくても誰でも簡単にLPやホームページを作成できる国産のLP作成サービスです。サーバー設定なども不要で、用途や目的ごとに用意されたテンプレートからレイアウトを選び、画像やテキストを入れ替えるだけで1ページ完結のLPを公開できます。
基本機能は期間制限なしで無料で利用できますが、独自ドメインの利用やページ上部に表示されるペライチの広告非表示には有料プランへの加入が必要です。
出典:Jimdo
「Jimdo(ジンドゥー)」は、世界各国で利用されているホームページ作成サービスです。世界中で3,200万以上のサイトがJimdoによって作成されています。HTMLやCSSのコーディングスキルがなくてもサイト作成が可能です。継続的なサイト運営に必要なアクセス解析機能やSEO対策機能も充実しており、効果測定から改善施策の実行までPDCAサイクルを素早く回すことが可能です。
AIがホームページを自動生成する「AIビルダー」と、細かくカスタマイズできる「クリエイター」という2種類の作成モードが提供されています。
出典:売れるD2Cつくーる
「売れるD2Cつくーる」は、LP運営に必須となるA/Bテストを2,600回以上繰り返して最適化された、ノウハウが結集したLPテンプレートサービスです。
化粧品やサプリメントなど単品通販(D2C)を行う中小EC企業に適しています。また、フォーマットに沿ってコピーと画像を入れるだけでLPを作成できるため、Webデザインの知見がない担当者でも扱いやすいのがメリットです。
出典:Colorful
「Colorful(カラフル)」は、LPテンプレートのクリエイティブパックで、Web制作初心者でもランディングページが作りやすいよう設計されています。
サイト制作の解説や集客講座、メルマガなどフォローアップ体制が整っているため、初心者でもスムーズにLPを制作できます。
出典:unbounce
「Unbounce(アンバウンス)」は、LP制作に特化した海外製のノーコードツールです。業種別に100種類以上のテンプレートが用意されており、初心者でもプロフェッショナルなLPを簡単に作成できます。
AIによってユーザーの属性に応じて最適なLPを自動表示できる「Smart Traffic(スマートトラフィック)」を搭載し、コンバージョン向上を支援してくれます。モバイル対応にも優れ、多彩なマーケティング施策に活用できる強力なLP制作ツールです。
出典:Make LP
「Make LP」は、Web上でLPをデザインし、そのままHTMLデータを書き出して自社サーバーに設置できるサービスです。自社サーバーでLPを運用できるため、既にサーバーを保有している企業であれば、外部サービス上にLPを公開する場合と比べてホスティングコストを抑えられます。
コストパフォーマンスに優れ、7日間の無料トライアルも提供されています。社内にサーバー知識があり、セキュリティポリシーのため自社環境でLPを管理したい場合に、手軽かつ低コストな選択肢となるでしょう。
テンプレートを活用したLP作成は手軽で効率的ですが、便利な反面、デザイン面・機能面・運用面で制約もあります。ここでは、テンプレートを使ってLPを作成する際に注意したい3つのポイントを解説します。
テンプレートはあらかじめ用意されたデザインをベースにページを作成するため、レイアウトやスタイルを自由に変更できる範囲に限りがあります。例えば、自社のブランドイメージを前面に出した独自デザインを求めていても、テンプレートの制約上、競合他社のLPと似通ったデザインになる可能性があるため注意が必要です。
LP制作ツールやWordPressを利用すると、HTMLの知識がなくてもテンプレートを編集できるため、独自の要素を盛り込みやすくなります。
テンプレートには実際のLPで使わない要素や不要なHTML/CSSコードが含まれる場合があります。コードに余分な記述が含まれるとページの表示速度低下を招き、ユーザー離脱のリスクを高めてしまうでしょう。
コーディングの知識がある場合は、テンプレート内の不要なCSSやJavaScriptを削除すると速度を改善できます。また、データ量が重いことも速度に影響するため、画像をWebP形式に変換する、適切なサイズに圧縮するのも有効です。
テンプレートは汎用的に使えるように作られたものがほとんどです。そのため、初期状態の構成やCTA導線が自社にとってベストとは限りません。テンプレートをそのまま流用するのではなく、自社の商材やLPの目的、ターゲットに合わせて再構成する必要があります。
作成したLPは運用しながらデータを収集し、常に改善・調整を続けましょう。
テンプレートや専用作成ツールを利用すれば、予算や専門知識が不足していても魅力的なランディングページを作成できます。ぜひ、本記事でご紹介したポイントを参考に、自社の状況に合ったテンプレートやツールを選んでみてください。
なお、HubSpotのContent HubにはAI機能「Breeze(ブリーズ)」が標準搭載されており、LPのコピーやデザイン案の自動生成も可能です。専用ツールも活用しながらLP制作を効率化して、ビジネス成果につなげていきましょう。
AIを活用してLPやコンテンツ制作を効率化できるツールはこちら