ビジネスブログの初心者が最も犯しやすい12のよくある失敗とそれを避ける方法
失敗その1:思いついたままのネタをそのまま記事にする
ビジネスブログを始めると、突然記事のネタが頭に浮かびます。シャワーを浴びている最中、ジョギング中、家族と電話で喋っている最中など、予測が付きません。こういったネタは規則性もなく頭に突然浮かびますが、それに合わせてビジネスブログ記事も手当たり次第に書いてしまうのは、誤りです。一般的には良いネタであったとしても、自分の会社にとっても良いかどうかは別の話です。
解決策:ビジネスブログ記事が、企業の目標の一助となっているかどうかを意識してください。
ビジネスブログを書く理由は、ビジネスの成長を促すことです。ですからビジネスブログ記事の内容も、会社の目標を助けるものである必要があります。自分の業界と関連があり、見込み客が訊ねるかもしれない質問や関心事に対応した内容にします。
目標は何か、そしてどのようにしてそれに対応すればよいかわからないという方は、会社の目標について、マネージャーと話してみてください。そして営業担当者とのミーティングを設定して、どのような質問を受けることが多いか聞いてみてください。その2つを行えば、達成しなければならない目標が明確になるとともに、どのように達成するのかがわかると思います。
失敗その2:文章が硬すぎる
ビジネスブログ記事の文章は、大学の期末レポートの文章とは全く違います。ビジネスブログ初心者がこれまでに何か書いた経験について訊ねると、期末レポートであることがほとんどです。何が問題か?期末レポートの文章スタイルは、人が読んで楽しいと感じるようなスタイルではない、ということです。
本当のことを教えましょう。皆さんの記事を、実際に最後まできちんと読む人は、ほとんど存在しません。最後まで読んでもらいたいのならば、ストレスなく読み進められるような文章スタイルにする必要があります。
解決策:喋っている時の感覚で書いてみてください。
会話調のスタイルを採用することは、問題ありません。むしろ、そのほうが良いと言えます。より親しみやすいスタイルにすることで、読者は楽しみながら読み進めることができます。誰もがより人間味の溢れるビジネスをしたいと希望しており、ロボットを相手にしているような硬い文章では事足りないのです。
堅苦しさをスタイルから取り除きましょう。略語を混ぜてみましょう。専門用語は避けてください。そしてダジャレをひとつやふたつ混ぜてみるのも良いでしょう。そういったスタイルこそが、人が自然に話す時のスタイルです。そして人が読みたいと思うようなスタイルなのです。
文章を柔らかくする方法を紹介しましょう。Evernoteを使用して、ビジネスブログ記事の文章を音声で聞いてみることです。そして編集をして、文章を修正してください。この方法を取ることで、ビジネスブログ記事がつまらないビジネス調の無駄話にならずに済みます。
失敗その3:読者が著者としての自分に関心を持つと勘違いする
厳しい言い方ですが、本当のことを伝えます。ビジネスブログ初心者は最初、自分が書いた話や自分が今興味を持っていることに、想定読者が無条件に興味を抱くと勘違いします。ですがそれは誤りです。
著者がどのような人なのか、といった中身の問題ではなく、単純に、今まで聞いたことのない人やその人の過去の経験に対し無条件に関心を抱く人はいない、ということです。想定読者が気にすることは、そのビジネスブログから自分たちが得られるものは何か、ということです。
解決策:個性を盛り込みましょう。
想定読者は、実際に記事を書いているのは誰なのかということは気にしません。ですが記事の中に著者の個性を盛り込んで、想定読者を自分に慣れさせてみてください。どのような個性を盛り込むのかは自由です。面白い冗談を入れるのが好きな人もいれば、ポップカルチャーを引用することが好きな人もいます。または生き生きとした描写が得意かもしれません。
記事の中に個性を入れる際は、まず、記事と読者を、どのように結び付けることができるかを考えてみてください。それを見つけたら、まるで読者と一緒にいて、その事についてお喋りをしているかのように、第一人称で文章を書きます。人間らしくて親しみやすく、魅力的な文章にしてください。対面での会話を、読者にイメージさせてください。
失敗その4:話題の幅が広すぎる
ビジネスブログを始めたばかりの初心者は、幅の広い話題に触れたがります。例えば、
- 「SNSマーケティングを行う方法」
- 「ビジネスのベストプラクティス(成功実績のある手法)」
- 「インターネットでお金を稼ぐ方法」などがあります。
こういった話題は幅が広すぎます。この話題には非常にたくさんの細かい内容やニュアンスが含まれており、良い答えを書き上げることは非常に困難です。また、より特定の話題に絞ることで、より少数で絞られたターゲット想定読者をアトラクト(惹き付ける)することができます。そういった想定読者は通常、質が高くリードからカスタマーへの転換がしやすくなります。
ですから、ビジネスブログから得られる短期的および長期的な利益を考えると、内容をより特定されたものにすることが必要となります。
解決策:限定的なタイトルを考えてください。
限定的な話題にこだわることは、大きな成功につなげるためには必要不可欠です。
効果的なタイトルを作成することには、他の目的もあります。タイトルが限定的であれば、それを基準にして、記事の内容がぶれないようにすることができます。
失敗その5:記事が単なる知識の寄せ集めになっている
何か素晴らしいアイデアを思いついてとてもワクワクしている時、ただパソコンの前に座り、思うがままに記事を書きたいと無性に思うことがあります。ですが、そうして作成した記事は、大抵平均以下のレベルとなります。
なぜでしょう?思うがままに記事を書くスタイルは、ビジネスブログ記事の作成となるとあまり良いスタイルではありません。ほとんどの人は、ビジネスブログ記事を熟読するわけではなく、さっと斜め読みをします。そのため、ビジネスブログ記事では構成に気をつける必要があります。
解決策:ビジネスブログの種類を定めて、概要を作成し、ヘッダーを使用します。
最初にするべきことは、作成するビジネスブログの種類を決めることです。ハウツー記事、リスト形式の記事、キュレートコレクションの記事、SlideShareプレゼンテーションの記事など様々なものがあります。5種類のビジネスブログ記事を作成するための無料のテンプレートを用意していますので、ダウンロードしてみてください。テンプレートを一度ダウンロードすれば、概要を書くことが容易になります。
概要を作成すると、その後の作業が非常に楽になります。つまり最初に時間をかけて自分の考えを整理して、記事の論理的な流れを作成すると、あとは空欄を埋めていくような作業になるのです。
ビジネスブログ記事の概要を書く時はまず、読者にその記事から得てもらいたい内容のリストを作成します。次にリストにした内容で、記事の大見出しを作成します。2~3段落ごとに見出しを付けると、ビジネスブログ記事が読み易くなり、より楽しい記事になります(また、キーワードを含む見出しを作成すれば、SEO対策にもなります)。その後は、見出しに沿って本文を書くだけです。
失敗その6:データを証拠として使用していない
例えば、マーケティングにインスタグラムを利用したほうが良い理由についてのビジネスブログ記事を書いているとします。説得力があるのは、次のどちらでしょうか?
- 「最近、どうやら多くの人がインスタグラムを使用しているようです」
- 「インスタグラムのユーザー基盤は、アメリカ国内での一般的なSNSユーザーと比べると、急速に成長しています。SNS全体の今年の成長率が3.1%だったのに対し、インスタグラムの成長率はなんと15.1%でした。」
当然後者でしょう。議論や主張は、データやリサーチを基にすると、より説得力が増します。私たちがマーケターとして行うべきことは、単に人々に同調してもらうことではありません。同調して、行動を起こすように納得させることが必要なのです。データを基にした内容は、人の関心を引くことができます。ふわふわとした浮ついた内容では、そうはいきません。
解決策:記事で主張している内容に対し、データとリサーチを使用してください。
良い記事を作成するためには、メインとなる論点を書き、証拠を示し、そして想定読者が記事から得られる、お土産となるような内容を最後に持ってきます。データを記事の中に入れることで、メインの論点の紹介、その論点と読者との関連性、または論点を証明する内容として、記事全体を通してデータを使用することができます。
失敗その7:内容がほぼ盗用になっている。
学生時代、他人の文章を盗用すると、いい結果につながらなかったと思います。これは会社のビジネスブログを作成する際も全く同様です。しかしなぜか、多くの初心者ブロガーが、コピー&ペーストをすることで記事作成時の困難を避けられると思いがちです。
それは勘違いです。コピー&ペーストをすると、読者は多くの場合、それに気づきます。文章の感じが急に変わったり、ペーストした文章の中に、記事の内容にはそぐわない言葉が、いくつか使用されていたりします。何かがおかしい、そう感じさせるのです。
また、他人のコンテンツを盗用したことが見つかると、Googleから罰せられることがあります。そうなると、会社のビジネスブログの成長に大きな打撃となります。
解決策:引用の方法を覚えてください。
盗用などせずに少し時間をかけて、他社のコンテンツを自分のビジネスブログ記事に引用する方法をよく理解してください。複雑なことではなく、初心者にとって、最初に学ぶべき基本的なことです。
失敗その8:書き終わった時点で、作業が完了したと思う
実際、書いた記事を編集しないという失敗をする人は多いです。記事を書いている時、自分では非常に流暢な文章になっていると感じ、読む時も読み易いに違いない、と思うのです。でも、本当にそうでしょうか?
残念!そう思ったとしても、編集は必須です。驚くほどたくさんの修正点が見つかるでしょう。
解決策:編集に、30分はかけましょう。
書いた記事を編集することは、すべてのブロガーにとって必要です。経験豊富なブロガーでも同様です。ほとんどの場合、最初に作成した下書きはあまり質の良い内容ではありません。
ですから少し時間をかけて、自分の書いた記事を整理してください。誤字、タイプミス、無終止文、うっかり間違えなどを修正します。先に作成した記事の概要の通りに、文章がスムーズに流れていることを確認してください。
失敗その9:完璧に仕上がるまで公開しない
言いたくないことですが、皆さんのビジネスブログ記事が完璧に仕上がるということは、ありません。いつまでたってもです。
記事をより良くするための修正点が、いつも必ずどこかに見つかるのです。もっと画像を入れたほうが良い、もっと良い表現がある、もっと面白い冗談にしよう、などきりがありません。良い著者は、それをどのタイミングで止めて「投稿」ボタンを押すかを知っています。
解決策:どこかのタイミングで、記事を投稿してください。
「完璧」に近づけようとした場合に、ある時点から先は、長い時間をかけて修正してもそれほど代わり映えしなくなります。そして繰り返すようですが、どのみちどこまで頑張っても、「完璧」を手に入れることはできないのです。
もちろん誤った事実や文法的な誤りがたくさん見られるような記事を投稿することは、誰もが避けたいと思います。ですが、タイプミスがひとつ含まれていたからと言って、世界の終わりではないのです。それが閲覧回数や記事からのリード数に影響をおよぼすことはほとんどありません。
また、記事を書いた本人(またはその読者)が間違っている箇所を見つけたら、単純に、修正して記事を更新してください。そもそも大騒ぎするような事ではないのです。リラックスすることです。「完璧」を求めれば、記事はいつまでも出来上がりません。
失敗その10:定期的にビジネスブログを投稿していない
すでにリサーチを読んだかもしれませんが、より多くのビジネスブログを発行することで、ウェブサイトへのトラフィックを増やすことができます。そして記事からより多くの購読者やリードを生み出すことができます。
ですが、初心者ブロガーにとってより重要なのは、ビジネスブログの総量ではなく、いかに定期的にビジネスブログを発行しているかということです。もし、1週間に5件のビジネスブログを発行して、次の週には1、2件しか発行しなかったとすると、定期的に発行する癖をつけることが難しくなります。また、不定期に発行すると、購読者がとても混乱します。
逆に、質の高いビジネスブログを定期的に投稿することをきちんと守っている会社は、ウェブサイトのトラフィック数やリード数などの大きな成果を手に入れます。そういった成果は一過性ではなく、継続します。
安定して投稿を継続するためには、きちんとした計画戦略が必要です。
解決策:投稿記事一覧カレンダーを使用しましょう。
投稿記事一覧カレンダーを使用することで、余裕をもってビジネスブログ記事の内容を計画する癖をつけたり、定期的に記事を投稿したり、余裕のある週には記事の作成を前倒しして予定に入れたりすることができます。
失敗その11:すぐにトラフィックにつながるかどうかの分析ばかりを気にする
ビジネスブログの初心者であっても達人であっても(ハブスポットも然り)、この失敗は同様に犯しています。すぐに結果として表れるトラフィック(Eメール購読者、RSSフィード、ソーシャルシェアからのトラフィック)の分析ばかりを気にしていると、ビジネスブログを長期的に価値の高いものにすることが難しくなります。結果的に、記事の効果が通常1日か2日もすると明らかに下がってきます。
初心者ブロガーがビジネスブログを開始し、数日後に自分の書いたビジネスブログが全くトラフィックを生み出していないことを確認すると、大抵の場合挫折感を味わいます。自分の書いたビジネスブログが良くなかったのだと思い込み、早々にビジネスブログを書くことを止めます。
解決策:オーガニックトラフィックの、累積的に増える可能性を信じましょう。
短期的なトラフィックの落ち込みなどを気にするよりも、オーガニックトラフィックがじわじわと数字を延ばすことに注目しましょう。十分な時間がたてば、3日目以降のビジネスブログ記事から発生するトラフィック数が、ビジネスブログ投稿後1~2日に発生する急激なトラフィック数の伸びを追い抜かしてゆきます。
オーガニックサーチにより、サーチエンジンからページを見つけてもらえることに感謝しましょう。ですから、焦らずしばらく待ってみてください。
トラフィックを長期的なものにするためには、常にしっかりと関連性のあるビジネスブログ記事を投稿するように心がけてください。そういった記事は、「エバーグリーン」ビジネスブログ記事と呼ばれます。エバーグリーンビジネスブログでは、関連性のある価値の高い質の良いビジネスブログを、無駄な経費をほとんどかけることなく何年も投稿し続けます。
年月が過ぎ、多くのエバーグリーンコンテンツを書き上げ、サーチエンジンでの検索に対しても信頼性を築くことができたら、自分のビジネスブログトラフィック全体の大部分を作り上げたのが、それらの記事だということがわかるでしょう。この状態はすべて、目先のトラフィック数から長期的なトラフィック数に、目線を移したことから始まっています。これによりビジネスブログやROI(投資収益率)に対する自分の見方も、完全に変えることができます。
失敗その12:購読者数を増やしていない
ビジネスブログを始めると、新規の訪問者を増やす事以外にも目的があるということを、つい忘れてしまいがちです。ビジネスブログの大きな利点の一つは、新しいコンテンツを共有できる購読者のEメールリストを、増やせるという点です。新しいビジネスブログ記事を投稿するたびに、購読者は初期トラフィックを増加させてくれます。それが記事の長期的な成功につながるのです。
ビジネス上の大きな結果(トラフィック、リード、結果的には顧客数)は、いつでも購読者を増やすことから始まります。
解決策:サブスクリプションのCTA(Call-To-Action)をビジネスブログに追加し、Eメール送信を設定しましょう。
最初に、Eメールのマーケティングツールを利用して、新規の購読者に歓迎のEメールが届くようにします。同時に最新のビジネスブログ記事が表示される通常のEメールも送ります。(ハブスポットユーザーの場合は、ハブスポットのEメールツールを使用すれば、通常のEメール送信に加えて新規購読者に対する歓迎Eメールの設定も容易に行うことができます。)
次に、サブスクリプションのCTAをビジネスブログ(またはウェブサイトのフッターなど、どこにでも)に追加して、オプトインをしやすくしてください。このCTAは、Eメールを入力するだけのシンプルなものにして、ビジネスブログの上部の、画面をスクロールしなくてもすぐに見える場所に配置してください。CTAの配置については、私たちは通常、ビジネスブログ記事の最後またはスライドインCTAを追加します。
また、購読者用の専用のランディングページを作成することもできます。SNS、ウェブサイト上の他のページ、PPC、Eメールなどの他のチャネルから、購読者を直接ランディングページに呼んでください。
このリストを読んでみて、きまり悪いな、今までここに書いてある失敗を全部していたとがっかりしましたか?問題ありません。思い出してください。この記事で紹介した失敗に対し、「よくある」という言葉を使ったのには理由があります。ビジネスブログは書けば書くほど上手になります。そして上達するにつれてトラフィック数やリード数など、大きな成果を得られるようになります。
このリストを使用して、今までの失敗を糧にして、ぜひビジネスブログスキルを高めていってください。最後になりますが、ビジネスブログを良い状態に維持することから得られる成果は、そこにかけたすべての時間や努力に必ず見合うものとなります。
編集メモ:この記事は、2016 年8月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Lindsay Kolowichによる元の記事はこちらからご覧いただけます。