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【WordPress】チャットボットはなぜ必要?Webサイトに導入する意味とおすすめツール7選

作成者: 水落 絵理香(みずおち えりか)|Apr 16, 2020 3:00:00 AM

人間のオペレーターを介さない「チャットボット」は、24時間対応できるうえ工数削減も実現できるため、多くの企業がWebサイトに導入しています。

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「自社もチャットボットを導入したいけど、WordPressで構築したサイトにはどのように組み込めばいいのか」「色々サービスがあるけど、どれを選べばいいのかわからない」と悩んでいる方に向けて、今回はWordPress向けのおすすめチャットボットツールや導入時の注意点、チャットボットの仕組み、導入メリットなどについてご紹介します。

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チャットボットの仕組みと分類

チャットボットとは、アプリケーションとbotをAPIで連携し、ユーザーから問いかけられた内容をbotで解釈して回答を返すシステムです。

通常、Webサイトに設置し、ユーザーにいつでも質問してもらえるようにしています。また、登録や申し込み時にチャットボットを利用し、ユーザーに答えてもらいながら手続きを進めるという活用もあります。

チャットボットは大きく分けて「ルールベース型」「機械学習(AI)型」の2つに分類されます。それぞれの違いと何ができるかのかを確認しましょう。
 

ルールベース型

あらかじめ設定した会話シナリオに基づいて応答する仕組みで動くものを「ルールベース型」チャットボットと呼びます。

「こういうキーワードや質問が来たらこう返す」のようにあらかじめシナリオを作成し、それに沿って応答させます。チャットボットのシナリオは、Webサイトに設置しているFAQや、サポートセンターの応対データを参考に作成されるケースが多いようです。

以下にルールベース型のメリットデメリットをまとめました。
 

メリット:簡単、安価、スピーディに構築できる

電話やメールでの問い合わせ内容がデータ化されていたりFAQが用意されていれば、シナリオを0から作る必要はありません。シナリオが決まりさえすれば比較的簡単にスピーディに構築できます。

また、AI型のチャットボットサービスと比較すると、導入コストは低くおさえられるものがほとんどです。
 

デメリット:設定された質問以外に応答できない

ルールベースの場合、当然ですが設定された質問以外に応答することができません。

また多くのケースで表現のゆれにも対応できないようです。例えば「チャットボット」「chatbot」「チャットbot」の3つの表記は人間である私たちからしたら同じですが、機械からしたら別物です。

「チャットボット=chatbot=チャットbot」という言葉ルールを設けても「chatボット」には対応できません。

このような表現のゆれを漏れなく対応するのは現実的ではないでしょう。あまりに答えられない範囲が多いと顧客満足度の低下に繋がってしまうため、シナリオ設計は慎重に行いましょう。
 

機械学習(AI)型

膨大な会話ログをもとに応答技術を学習し、統計的にもっとも精度が高い内容を回答するチャットボットを「機械学習(AI)型」と呼びます。ルールベース型と異なり、人間が手を加えなくとも勝手に回答精度が上がっていく点が特徴です。

機械学習とは、人間の知能を模倣して作られたシステムである「AI」のうち、膨大なデータから学習を行いタスクを実行する技術を指します。わかりやすい例でいえば、工場内の機械の損耗具合を調べるのに利用されており、膨大な写真データを学習することで人の目よりも早く損耗や故障を検知することが期待できます。

チャットボットにおいては、表記揺れを始めとしたテキストの微妙な違いを学習し、意味解釈の正確性を上げていきます。

機械学習やAIについては、以下コラムにて解説しています。

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メリット:利用されるほど回答精度が高まる

ユーザーとの会話データが溜まっていくと、機械学習のベースとなる「教師データ」が増えていきます。

教師データを取り込み、繰り返し学習することで、回答の精度が次第に高まっていきます。複雑な問い合わせ内容でもしっかり理解し、ユーザーが不自然だと感じないような対応を実現できます。
 

デメリット:回答内容をコントロールできない&導入コストが高い

最大の懸念点は、回答内容をコントロール仕切れないところでしょう。取り込む教師データの質が悪いと誤学習が起こりやすく、間違った回答をする可能性があります。間違った回答を修正するには、教師データを見直し、必要であればデータクレンジングして再学習させる必要があります。

運用するためには大量のデータが必要で、メンテナンスの工数もそれなりに発生するためコストはルールベース型に比べて高くなります。
 

ルールベース型かAI型、どちらを選ぶべき?

ここまで見てきた通り、同じ「チャットボット」でもタイプによって得手不得手が全く異なります。企業のニーズや状況に応じて使い分けましょう。

ルールベース型は、なるべく早く導入したい場合や、カスタマーサポートなど同じような質問が大量に寄せられ対応工数がかさんでいる場合に適しているでしょう。

一方、機械学習型は単純な一問一答型の対応だけでなく、提案が必要な場でも活用できます。例えばECサイトの場合、ユーザーの過去の購買履歴を読み込み、好みにあったアイテムをチャットボットが提示するということも可能です。

チャットボットの仕組みや具体的な機能については、以下コラムにて詳しく解説しています。

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なぜチャットボットが必要なのか

チャットボットは顧客との重要なチャネルのひとつです。顧客が問い合わせしたいと思ったとき、電話や問い合わせフォームがまず考えられますが、新たなチャネルであるチャットボットがあるだけでも選択肢が広がり「問い合わせのしやすさ」が増すでしょう。

では具体的に、チャットボットにはどのようなメリットがあるでしょうか。
 

1. 24時間365日スピーディに対応できる

例えば、通販サイトなどはユーザーが深夜や休日を問わずサイト訪問してきます。

当然お問い合わせも常に発生しうるので、24時間365日体制のカスタマーサポートが必要となります。これを有人で対応する場合、人件費を始めとするマネジメントコストが大きな負担となります。

その点チャットボットであれば、常に人が張り付くことなく24時間365日対応することができるので、企業サイドにとってのコスト削減のみならず、顧客満足度の向上も期待できます。

電話問い合わせや実店舗に来店した際にありがちな待ち時間も発生しません。質問内容がFAQレベルであれば即答できるので、顧客は自分の好きなタイミングで効率的に疑問を解消できるわけです。
 

2. 離脱防止・CV率向上促進につながる

チャットボットによる即回答によって顧客満足度が向上するので、サイトからの離脱防止やコンバージョン促進にも繋がります。

不明点をその場で解決できるので、意思決定の流れもその分スムーズになります。
 

3. 複数人からの問い合わせに同時対応できる

有人カスタマーサポートの場合、一人が受け持てる問い合わせの数には限りがあります。

一方でチャットボットの場合は、サーバー負荷がもつ限りにおいて受け持てる問い合わせに限度はありません。一度導入すれば、顧客からの複数の問い合わせにも同時並行で対応することができます。

結果として、サポート対応が効率化し、有人対応の工数も劇的に削減できる効果が期待できます。

カスタマーサポート視点でのチャットボットについては、以下コラムにてさらに詳しくまとめています。

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WordPress対応のおすすめチャットボットツール7選

チャットボットの種類や導入メリットを把握できたでしょうか。それではここからWordPressに対応したおすすめのチャットボットツールをご紹介します。

無料から有料へとプランアップグレードができるサービスも多いので、まずは無料で試験導入してみるのもいいでしょう。
 

1. チャネルトーク

チャネルトーク - 20,000社導入実績のWebチャット | カスタマーサポートチャット | Web接客 | 無料

株式会社ゾイコーポレーションが提供する国産のチャットツールが「チャネルトーク」です。チャットボット導入と聞くと「なんとなく難しい」と感じる方は多いでしょう。

チャネルトークは面倒な初期設定が少なく、直感的な操作で完結できます。有人対応のライブチャット、ルールベース型チャットボットの設定が可能です。CRM機能も有しており、チャット経由で収集した顧客情報を一元管理し、継続的にアプローチできます。

無料プランと有料プランがあり、1日のWebサイト訪問者数が100名以下であれば無料プランで問題ないでしょう。接客チャット、マーケティング、サポートbot、メッセージ通知が無料で使えます
 

2. IBM watsonx Assistant

対話型AIチャットボット | IBM

watsonx Assistantは、IBMが提供する対話型AIプラットフォームです。カスタマイズ済みの大規模言語モデル(LLM)を使用し、企業は顧客からのアクションと回答を自動化しユーザー体験を加速できるとしています。

watsonx Assistantでは、生成AIによる会話型検索、少ない学習だけでも精度の高い分類を実現する自然言語理解エンジン、過去の流れからも学習して会話の流れを改善する自動学習などが特徴で、ユーザー一人ひとりを理解するチャットボットが構築可能です。

無料プランが利用できるほか、導入ROIにあわせて最適な有料プランを選択することもできます。
 

3. Zendesk for service

より良い顧客体験を実現するカスタマーサービスソフトウェア | Zendesk

「Zendesk for service」は、パーソナライゼーションされた顧客体験の実現を目指すチャットボットツールです。数十億件にものぼる実際の対応データでトレーニングしたZendesk AIを搭載しており、導入初日から一人ひとりに合わせた顧客体験を提供できるとしています。

チャネルを問わずに同じ顧客体験を提供する「メッセージング」機能の他、顧客の自己解決を後押しするFAQ構築、問い合わせの状況を1件ごとに管理し解決まで導けるチケット機能、有人対応切り替え後の電話機能なども有しています。

規模や機能に合わせた複数のプランから選択できますが、スタートアップ企業であれば6ヶ月無料で試せるとしています。
 

4. IZANAI

ずっと無料で、簡単導入| チャットボット「IZANAI(イザナイ)」

簡単に導入でき、シンプルな操作でシナリオを作成できるチャットボットが「IZANAMI」です。チャットボットを簡単に導入できることから、すぐにでもコンバージョン率を改善したい場合に適しています。

数ある選択肢の中から顧客の欲しいものをピックアップして提案できるため、商品数の多いECサイトやコンテンツの多いメディアサイトに向いています

電子ブックやARとの連携によりさらなる体験価値を提供することも可能で、MAと組み合わせることによりチャットボット利用者の行動を可視化できます。

規模にあわせて料金プランが設定されていますが、月50コンバージョンまでは無料でも機能を使い続けることが可能です。
 

5. chai+

chai+|簡単・低価格で一流コンシェルジュが作れるAIチャットボットサービス

chai+は、ChatGPTの活用により自然な言語での対話を実現するAIチャットボットです。ChatGPTをベースにしていながらも安価に利用できることを謳っており、ドキュメントの読み込みやWebサイトのURLの読み込みだけでチャットボットを作成できるとしています。

chai+ではドキュメントの内容はもちろん、ドキュメント内に挿入されている図や写真、グラフもスキャニングして学習することが可能です。これにより、顧客の質問に対し的確な回答ができるとしています。
 

6. さっとFAQ

月額1万円から"さっと"始めるFAQチャットボット

さっとFAQは、申し込みから最短3日で実装が可能なチャットボットです。

会話データはExcelの専用テンプレートに質問と回答を記入し、読み込ませるだけで簡単に作成可能。シナリオを作成することで決められた流れに沿ってチャットボットが回答を行うため、顧客が必要としている情報を提供できます。

さっとFAQではアナリティクス機能も利用できるため、ダッシュボードから視覚的にわかりやすく利用者の動向を分析できます。また、不正アクセス対策や不正ログイン対策など、企業が利用するのに必要なセキュリティも整っています。
 

7. HubSpot

無料のチャットボット作成ツール | HubSpot

当社が提供するHubSpot CRMもチャットボット機能を実装しており、WordPressとの連携もスムーズに行えます。ライブチャット機能、チャットボット機能双方に対応、シナリオのテンプレートが用意されており、簡単な操作で設定できます。

HubSpot CRMは無料で提供しており、もちろんチャットボットも無料で設置可能です。

CRMがベースにあり、チャットボットで獲得した顧客情報を管理しやすいのがメリットです。マーケティング、営業、カスタマーサクセスをサポートする当社ツールとも連携できるため、蓄積した顧客情報をあらゆる面で活用できます。

また、CRMと連携しつつ効率的にコンテンツマーケティングを行えるソフトウェアとして「Content Hub」も提供しています。Content HubにはHubSpot独自のCMSも含まれていますが、WordPressですでにWebサイトを運用している場合でも、Content Hubで作成したコンテンツをWordPressサイトへ埋め込みができます

チャットボットを作成できるツールについては、以下コラムにてさらに紹介しています。

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チャットボットを選ぶ時に気をつけたい3つのポイント

上述したチャットツール以外にも実に様々なサービスがあります。一体どれがいいのか悩みますよね。

ここでは、WordPressのチャットツール選びの3ポイントについて解説します。
 

1. 操作しやすいUIか

自分たちで設定作業を行う場合は、日々の運用効率向上と属人化防止のためにも操作性を重視しましょう。管理画面はわかりやすいUIか、特にマニュアルがなくても扱えるかは事前に確認しておきたいところです。

先述した通り、ほとんどのチャットツールは無料での利用やトライアルが可能なので、操作感のチェックも兼ねて試験導入してみるといいでしょう。
 

2. サポートは充実しているか

チャットボットに慣れていない場合は、サポートの充実度も確認しておきましょう。

対応スピードは問題ないか、的確に回答がもらえるかなど、困った時に迅速に解決してくれる体制があるかはとても重要です。 
 

3. 日本語に全面的に対応しているか

海外サービスの場合、管理画面が英語だったり、ドキュメントが全て中国語だったり、中には日本語対応されていない箇所があるものも。たとえ現担当者が該当言語を理解していても次の担当者がそうでないケースもあります。

誰でもスムーズに対応できるよう、国内で使うのであれば日本語対応されているかはしっかり確認しておきましょう。
 

有人対応と組み合わせ、リード数を182%増加させたHubSpotの事例

How Using Humans And Chatbots Together Generated 182% More Qualified Leads | HubSpot (英語)

チャットボットを導入して顧客対応を自動化させるか、それとも有人対応のままでいくか。どちらかだけを選ぶのではなく、双方を取り入れて活用するとより顧客満足度を上げられるしょう。

例えば、HubSpotではチャットボットと有人対応を組み合わせ、大きな成果に繋げることに成功しました。
 

課題

もともとHubSpotでは見込み顧客からの問い合わせを想定し、サービスサイトに有人のライブチャットを設置していました。

しかし、寄せられる問い合わせの多くは製品のサポートに関するもので、本来はカスタマーサポートが対応すべき内容を営業チームが対応している状況でした。また、見込み顧客から問い合わせがきたとしても連絡先を聞き出せず、次のアプローチに繋げることができていませんでした。
 

改善策

これらの問題を解決するためにチャットボットを導入しました。チャットにアクセスしたユーザーには、まずは「セールス」「サポート」「その他」のいずれかを提示し、セールスを選択すれば営業担当者に、サポートを選択すればカスタマーサポート担当者に振り分けられます。

また、セールスを選択された場合、まずは「名前、メール、ウェブサイト情報」を取得し、チャットでの会話後、営業担当者がアプローチしやすい流れを整備しました。
 

結果

チャットボットを導入することで、チャットボットの利用者のうち55%以上が営業担当者とつながり、リード化することに成功し、導入前に比べ、リード数は182%増加しました。

チャットボットと有人対応を組み合わせたことで対応効率が向上し、実際の成果にも繋がったわけです。
 

自社の目的に合ったチャットボットを選ぼう

チャットボットと一口に言ってもサービスごとに特色は異なります。

「チャットボットを導入して何がしたいのか?」「自社の顧客にどのような価値を提供したいのか」をよく考え、予算や人的リソースとも照らし合わせながら、最適なサービスを選びましょう。

一方で、事例で解説した通り、チャットボットだけに頼りきるのではなく有人対応と組み合わせる方向で活用を考えた方がベターです。チャットボットを導入して対応工数を効率化できれば、スタッフはより良い顧客体験の提供に集中できます。