YouTube閲覧時に「この動画は5秒後にスキップできます」というメッセージを、目にしたことが一度はあると思います。あのような形式の広告は「インストリーム広告」と呼ばれており、YouTubeの人気上昇も相まって利用する企業が増えています。
認知拡大に寄与する他、資料請求や問い合わせに繋げる導線にも利用できる、課金形式を選択できるなど様々なメリットがありますが、当然デメリットも存在します。
本記事ではインストリーム広告の基本的な仕組みや課金形式を紹介した上で、メリットとデメリットを整理してみました。インストリーム広告をうまく活用するためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
広告メニューと出稿方法を解説!YouTube 広告完全ガイド
初めての方にもわかりやすく出稿手順を説明しています。また、YouTube のメディア特性や広告フォーマット、メリットの解説と広告活用戦略についても解説。
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インストリーム広告とは?
インストリーム広告とは、各プラットフォームで動画を閲覧する際に流れる広告配信フォーマットを指します。
FacebookやTwitter、Instagramなど、動画広告を提供するあらゆるプラットフォームで採用されています。全世界で20億人、日本国内では6,200万人のユーザーを保有する世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeも、「Trueviewインストリーム広告」を提供しています。YouTubeだけでなく、Google ディスプレイ ネットワークに含まれるウェブサイトやアプリにも配信されます。
パソコン、スマートフォンのYouTube アプリやウェブブラウザ、インターネットテレビなどあらゆるデバイスで視聴可能です。
では、YouTubeのインストリーム広告について詳しく見ていきましょう。
インストリーム広告の仕組み
「Trueviewインストリーム広告」は、冒頭に記載した通りYouTube動画の前後や途中で表示される広告を指します。再生開始から5秒経過すると広告をスキップできるようにする、もしくは15秒以下の動画であればスキップがきないような設定も可能です。
インストリーム広告の特徴とメリット
Trueviewインストリーム広告の特徴とメリットについて、整理していきましょう。
特徴は大きく3つあります。
- 莫大なユーザー数を抱えるYouTubeに広告を掲載できる
- 視聴課金制を採用している
- 細かなターゲティングが可能
それぞれの特徴を細かく見ていきましょう。
莫大なユーザー数を抱えるYouTubeに広告を掲載できる
インストリーム広告の配信先であるYouTubeは、日本国内だけでも6,200万人のユーザーを保有する動画共有プラットフォームです。また、利用する年齢層も幅広く、あらゆる企業にとってビジネスチャンスがある媒体だと言えるでしょう。
視聴課金制を採用している
Trueviewインストリーム広告は、視聴課金制をとっています。動画が30秒以上視聴されるか、広告がクリックされた場合のみ、料金が発生する仕組みです。
つまり、30秒以内で動画がスキップされた場合は費用が発生しないため、TVCMなどと比較すると余分な費用が発生せずにすむというわけです。
細かなターゲティング設定が可能
莫大な数のユーザーがいるだけに、自社の商品と無関係のユーザーにまで広告が配信されないか不安になる方もいらっしゃると思います。
Trueviewインストリーム広告に限らず、YouTube広告(さらに言えばGoogle広告)では、、ターゲティングを細かく設定可能です。ユーザーの興味関心をベースにターゲティングできる他、年齢や家族構成も指定できます。
「音楽好きな大学生」「マラソン好きの社会人」などのターゲティング設定ができるわけです。
Trueviewインストリーム広告は「莫大な数のユーザーを細かくターゲティングし、成果報酬に近い形で広告配信ができるサービスである」と言えるでしょう。
インストリーム広告はどのタイミングで配信される?
次に、インストリーム広告の配信タイミングについて見ていきましょう。
みなさんもYouTubeを利用されていれば、「動画の最初」「動画の途中」「動画の最後」など、さまざまなタイミングで広告を目にしたことがあるかと思います。
インストリーム広告には、以下3つの配信タイミングが用意されています。
- プレロール…動画が再生される前に配信される広告
- ミッドロール…動画の途中に配信される広告
- エンドロール…動画が終了した時点で配信される広告
それぞれの配信タイミングについて細かく見ていきましょう。
プレロール
動画が再生される前に配信される広告で、動画広告の約8割はプレロールで配信されているといわれています。動画コンテンツの再生前に配信されるので、視聴率が最も高い配信タイミングといえるでしょう。
ミッドロール
動画の途中に配信される広告で、動画の続きをみたいユーザーにとっては離脱しづらい配信タイミングといえるでしょう。
エンドロール
動画が終了した時点で配信される広告、つまり動画が終了した時に配信されるため、他の2つの配信タイミングと比べると離脱率の高い配信タイミングといえるでしょう。
インストリーム広告の課金形式は?
先述した通り、インストリーム広告は、「スキップ可能な広告」と「スキップ不可の広告」の2種類に分けられます。それぞれ課金形式が異なるので注意しましょう。
- スキップ可能なインストリーム広告の課金形式
ユーザーが広告を30秒視聴したか、広告の途中でURLをクリックするなど何かしらのアクションをした場合に、課金が発生します。
- スキップ不可なインストリーム広告の課金形式
スキップ不可なインストリーム広告は、インプレッション課金を採用しており費用や掲載期間を指定して出稿する形となります。費用は、目標インプレッションに対して単価を設定する形をとっています。
いずれの形式も自社の設定した予算内で配信を行うことが可能です。そのため、小さくトライアンドエラーを回せるのが、Trueviewインストリーム広告の最大のメリットといえるでしょう。
まずは小額の予算でさまざまな出稿形式を試してみて、徐々に投資を大きくしていくことをおすすめいたします。
インストリーム広告の出稿手順
それでは次に出稿に必要となる手順の概要を解説します。
- 広告用の動画を用意する
- 動画をYouTubeにアップする
- Google 広告アカウントから広告設定を行う
- 審査を通過すると広告配信が始まる
詳細な出稿手順を確認したい場合にはGoogle 広告ヘルプを確認してください。
インストリーム広告の注意点
Trueviewインストリーム広告を利用する際は、いくつか注意しておくべき点があります。
- 認知度アップには最適でもブランディング目的の出稿は注意が必要
- 最初の5秒で心を掴む動画クオリティが求められる
それぞれ細かく見ていきましょう。
認知度アップには最適でもブランディング目的の出稿は注意が必要
Trueviewインストリーム広告は、強制的に最低5秒間の動画が配信される広告です。ユーザーが本来視聴したい動画とは関わりのない広告が最低5秒間は流れることになるので、嫌悪感を感じるユーザーも少なからず存在します。量を出しすぎるとブランド毀損に繋がってしまうリスクもあるため、ユーザー側が受ける印象を考慮しながらバランスを調整しましょう。
最初の5秒で心を掴む動画クオリティが求められる
スキップが可能となる5秒を迎える前にユーザーの心を掴む必要があるのが、Trueviewインストリーム広告を制作する上で最も難しいところと言えるでしょう。
5秒という短い時間の中で「興味を持ってもらえるのか?」「鬱陶しいと思われてしまうのか?」は、動画の質に大きく左右されます。ここでいう質とは、美しいグラフィックや高い編集技術だけを指している訳ではありません。もっとも重要なのは、「ターゲットユーザーに関心を持ってもらえるかどうか」です。ターゲットユーザーのインサイトを捉えた内容に仕上がるよう、しっかり構成を練る必要があるでしょう。
目に触れる機会が多いからこそ「誰に」「何を伝えたいのか」を明確に
インストリーム広告は「詳細なターゲティング設定が可能」「広告の内容を少なくとも5秒間は観てもらえる」「(スキップ可能な広告の場合)5秒以内にスキップされれば課金は発生しない」という点がメリットです。
YouTubeはユーザー数も多いため、高い効果を期待できます。ただ、ユーザー数が多く、観てもらえる機会が多い分、「誰に」「何を伝えたいのか」を明確に決めておかなければ効果が薄れるだけでなく、自社の印象を悪くしてしまう可能性もあります。
高い効果が期待できる分、リスクも相応にあります。メリットとデメリットをしっかり認識した上で、本来届けたいユーザーに響くような動画を作成し、適切な配信設定を行いましょう。