近年、テレワークや在宅ワークを導入する企業が増加し、Web会議ツールへの注目度が高まっています。中でも、「Zoom」はアカウントがなくても利用ができることや大人数での会議に対応できるなど、様々なニーズに応えられるツールとして重宝されています。

多くの機能を実装するZoomですが、特に便利なのがミーティングの録画・録音機能です。この機能を使うことで議事録代わりに活用できたり、会議やセミナーの復習にも活用できます。今回はZoomの録画機能の基本から、録画データを活用例をご紹介します。

Zoomでは2種類の録画方法を選択できる

Zoomでは別の録画ソフトを使用しなくても、ワンクリックでミーティングの録画ができます。会議の主催者であれば、メニューに表示されている録画ボタンをクリックするだけでスタートできます。また、設定によっては会議のたびに自動で録画することも可能です。録画したデータは、以下の2種類の方法で保存可能です。

  •  ローカル記録
  •  クラウド記録

それぞれの録画方法の違いをご紹介したいと思います。


ローカル記録とは?

ローカル記録とは、パソコン上に録画データを保存する方法です。パソコン上の任意の場所を保存場所として設定できるため、自身が使いやすい場所を指定できます。
例えばデスクトップのフォルダだけでなく、USBなどの外部メモリーなどを保存場所として設定することも可能です。ローカル記録は、無料プランでも利用可能です。

ローカル記録のメリットは、録画ファイルがパソコン上に保存されているので編集が可能な点です。例えばウェビナーをYoutubeに投稿したい場合、ローカル保存した録画データを編集ソフトに取り込み、編集してからアップロードできます。

一方、デメリットもあります。
1点目は、会議が終わった後に動画作成までにレンダリング時間を待たなければいけない点、2点目は録画データがパソコンのメモリを圧迫してしまうことです。
 

クラウド記録

クラウド記録は、データがクラウド上のストレージに保存される録画方法です。クラウド記録は有料プランでしか利用できません。
有料プランはプロプランで月2,000円から利用できます。有料プランはクラウド記録以外にも使用状況のレポーティングやSlackなどの外部ツールとの連携も可能です。

無料プランと有料プランの具体的な違いについては、以下の記事にて解説しています。
Zoom無料プランと有料プランの違いは?それぞれ特徴や契約・解約方法を解説


クラウド記録の特徴について、詳しく見ていきましょう。

  1.  スマホ・タブレットから録画・閲覧可能
    クラウド記録はクラウド上のストレージに保存するため、パソコンだけでなく、スマホやタブレットからも録画可能です。スマホからの録画手順については、後ほどご紹介します。
     
  2.  パソコンのメモリを圧迫しない
    クラウド記録はクラウド上に動画が保存されるため、パソコンの容量に影響しません。クラウドにも容量の上限はありますが、追加購入することも可能です。容量追加の料金については後ほどご紹介します。
     
  3.  動画の共有が簡単
    ローカル記録は録画データをメールで送信したり、Youtubeにアップロードした上で相手と共有したりする必要がありました。クラウド記録の場合は、保存先のURLを通知するだけで共有できます。

    さらにURLをクリックするだけで閲覧できるため、パソコンでなくでもスマホ・タブレットなど視聴環境を問いません。
     
  4.  文字起こしできる(日本語未対応)
    現在は英語のみの提供ですが、会議内容を自動で文字起こしするサービスも提供されています。このようなサービスを活用して、文字起こしされたテキストを議事録代わりに活用が可能です。


クラウド記録は有料プランでしか利用できませんが、文字起こしやURLのみで録画データの共有ができるメリットがあります。自社の利用状況に応じてプランを検討しましょう。


Zoomの具体的な録画方法は?

ここからは、パソコン、およびスマホ・タブレットでの録画の手順をご紹介します。
 

パソコンでの録画方法

ミーティングを立ち上げたら、下部メニューの「レコーディング」をクリックします。
無料プランの場合は、この時点でローカル記録が開始されます。
有料プランの場合は、ローカル記録とクラウド記録のどちらかをクリックすれば録画が開始されます。
 パソコンでのZoom録画方法


録画を停止するには、下部メニューの「レコーディングを停止」をクリックします。
停止後すぐに録画データが作成されるのではなく、ミーティングの終了後に録画データが作成されます。(大体数十分後にメールで録画データが送られてきます。)

ローカル記録の場合は、Windowsならドキュメントフォルダ、Macなら書類フォルダに、クラウド記録の場合はZoomのクラウドストレージに保存されます。
なお、ミーティングの録画は自動で開始されるよう設定することも可能です。
 

パソコンでのZoom録画方法


WebブラウザからZoomにサインインし、「設定」「記録」のページまで進んだら、スクロールしたところに「自動記録」の項目があります。

パソコンでのZoom録画方法


ここのトグルをオンにし、ローカル記録かクラウド記録かを選択すれば、次回からミーティングを開始した時点で録画が開始されるようになります。

パソコンでのZoom録画方法

スマホ・タブレットでの録画方法

スマホから録画する場合は、下部メニュー右にある「詳細」をタップし、「レコーディング」をタップすることで開始されます。
なお、スマホ・タブレットからはクラウド記録のみ対応となっているため、必然的に有料プランへの加入が必要となります。
 

スマホ・タブレットでのZoom録画方法


録画を停止する場合は、同じく「詳細」をタップし、停止ボタンを押せば録画が終わります。録画データは、パソコンと同じくミーティングが終わった段階で作成されます。
 

スマホ・タブレットでのZoom録画方法

 

参加者がZoomで録画するには?

Zoomの録画機能は基本的にはホストのみ使用できる機能です。
ミーティングの参加者は、ホストが該当の参加者の録画を許可することで録画できるようになります。

参加者の画面にはレコーディングのボタンはありますが、押しても「ホストに許可をリクエストしてください」とポップアップが出るのみなので、口頭、もしくはチャットで伝える必要があります。
 

参加者がZoomで録画するには?


ホストは参加者リストから録画を許可したい参加者をマウスオーバーし、「詳細」から「レコーディングの許可」をクリックします。
こうすることで、参加者はミーティングを録画できるようになります。

1611754298933145

Zoom録画機能の活用シーンは?

Zoomの録画機能は、実際のビジネスシーンではどのように活用できるのでしょうか。いくつか活用用途をご紹介します。
 

欠席者への共有に活用

会議に参加予定だったけど急に出られなくなってしまった場合、通常は後から議事録を確認しますよね。ただ、議事録作成担当者は議論に参加しづらい傾向にあるため、全員で議論したい場合は録画データを議事録代わりに活用することもあります。

後から議事録を作成する場合でも、録画データを見直せば正確に記載することが可能なので、抜け漏れがあっても修正可能です。

英語の会議だけになってしまいますが、文字起こし機能を活用することで議事録の代わりとして活用することもできます。
 

ウェビナーコンテンツの再利用

実際に参加者を招き、リアルタイムで実施したウェビナーを録画しておけば、その後様々なシーンで再利用できます。

参加者へ送るアフターフォローのメールに録画データを掲載し、振り返りに使っていただく、録画データを一部抜粋して動画広告に活用する、録画データをもとにコンテンツ改善を行うなど、様々な用途が考えられます。
 

社内向けマニュアルの作成

社内システムの使い方や事務手続きなど、手順を覚えにくい物に関しては、教えてもらう際、メモに取るより動画で記録した方が良い場合があります。
後から見返した際に、動画と同じ手順で進めれば大概は問題なく手続きを完了できるでしょう。

引き継ぐ側であれば、マニュアル資料を作成するよりも、動画を録画する方が手間がかかりません。
 

Zoomの録画機能を利用する際の注意点

とても便利な録画機能ですが、使用していく上で注意点もあります。
そこで改めて、録画機能の代表的な注意点をまとめたので、参考にしてください。
 

ストレージ容量には制限がある

クラウド記録の場合、録画データを保存するクラウドのストレージは無制限ではありません
有料プランの初期のストレージ容量は1GB、大体3−4時間程度録画可能です。しかし、録画を重ねていくことでストレージ容量が減ってきてしまうため、常に残りのストレージ容量を意識しながら、録画ファイルの整理を定期的に実施しましょう。

もしストレージ容量が足りなくなってしまったら、追加容量を購入できます。
追加容量の価格設定は下記の通りです。
 

Zoomのストレージ容量別プラン

またローカル記録の場合は、録画ファイルがパソコンに保存されます。
パソコンの容量次第では録画データを保存できなくなる場合もあるため、事前にお使いのパソコンの保存可能な容量は確認しておきましょう。
 

参加者は許可がないと録画機能が使えない

録画の許可は主催者が行います。そのため、ウェビナーなどに参加しても勝手に参加者が録画をすることはできません。
もし録画をしたい場合は、事前に主催者に録画の許可をもらう必要があります。
 

情報漏洩対策に、パスワードの設定は必須

リモートで会議を行う際に注意しないといけないのが、セキュリティの問題です。パスワードを設定しておかなければ、乱入者が現れてしまう場合も。
その結果機密情報の漏洩に繋がりかねないので、セキュリティには最大限配慮して利用しましょう。
 

録画機能を活用して業務効率化を目指そう

録画機能は無料プランでも利用できますが、有料プランのみで利用できるクラウド記録はやはり便利です。
クラウド上に録画ができるため、録画データを簡単に共有可能で、ローカルのPCの容量を圧迫することもありません。またスマホ・タブレットなど、どのような環境からでも視聴することができます。

Zoomの録画機能は、うまく活用すれば様々な業務の効率化を実現します
クラウド、ローカルそれぞれ使い分けながら、快適な業務環境を構築しましょう。

またZoomは、様々な外部ツールと連携できる点もメリットの1つです。
例えば、HubSpotが提供するツール群とZoomを連携すると、スケジュール調整機能が使えます。メッセージアプリで都度スケジュールを確認する必要がなくなるだけでなく、HubSpotのツール群のアカウントを持っているチーム全員の予定が確認できるので、それを見てミーティングの予定を組むことが可能です。

ZoomとHubSpotのツール群との連携でできることについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
HubSpotとZoomの連携機能を使用する

このような連携機能も駆使しながら、Zoomをぜひ最大限活用してください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

Zoomの使い方ガイド

元記事発行日: 2020年6月30日、最終更新日: 2023年8月23日

トピック::

Zoom