共起語とはあるキーワードと一緒に使われることの多い言葉を指します。共起語を用いることで、コンテンツの情報を必要としている幅広いユーザーのもとに届きやすくなります。
Googleは一貫して、検索順位の評価基準は「良質で有益なコンテンツ」によるものとしています。しかし、コンテンツ作成者であるあなたは「良質で有益なコンテンツ」として自信を持ってメディア上に掲載しているにもかかわらず、検索順位の上位に上がってこない悔しさを味わっているかもしれません。
「良質で有益なコンテンツ」とは、ソリューション(回答や問題解決方法)を探しているユーザーと、検索エンジンの両方に「有益で良質」と評価されるコンテンツのことです。ユーザーが「なぜそのキーワードを検索したか?」を理解し、問題解決につながるコンテンツを作成するためにユーザーに焦点を当てながら、適切なキーワードと共に共起語を設定することが不可欠です。
本稿では、共起語についてわかりやすく説明しつつ、キーワードや共起語をただつなげるだけではなく、ストーリーとして組み立てながらコンテンツを作成する方法を説明します。また、共起語の抽出に役立つツールもあわせて紹介します。
共起語とは何か?

Webライティングをする上で知っておいた方が良い言葉として「キーワード」「共起語」「関連キーワード」「サジェストワード」があります。「キーワード」「関連キーワード」「サジェストワード」の関係を押さえておけば、それぞれの言葉の意味も理解できます。
共起語は検索エンジンにコンテンツに「何が書いてあるか」を教える
あなたが誰も知らない言葉も分からない集団に放り込まれたと想像してください。あなたは最初に、いつもみんなの中心に立って指示を行っている人物に気がついたとします。あなたはその人がこの集団の中で一番重要な人なのだろうと判断します。
さらに、リーダーといつも行動を共にしている数人がいます。あなたは「あのグループは集団の指導的立場にある人たちなのだろうな」と考えるはずです。
そしてグループの行動に注目しながら、この集団が何の集団なのか推測しようとするでしょう。
検索エンジンもあなたとまったく同じ反応をします。検索エンジンは、キーワードといつも一緒に使われている言葉を手掛かりに、コンテンツの内容を探ろうとするのです。つまりキーワードとその「共起語」を使用するということは、検索エンジンにコンテンツの内容の手掛かりを与えることにほかなりません。
具体例を使って見ていきましょう。
「サブスクリプション」という言葉はどのような言葉と一緒に使われているでしょうか。検索上位30サイトで使われている共起語を教えてくれる共起語検索ツールで「サブスクリプション」を調べてみます。カッコ内の数字は上位30記事の中で使われている回数です。
【抽出した共起語】
- サブスクリプション(505)
- サービス(472)
- 利用(174)
- ビジネス(158)
- 無料(141)
- サブ(123)
- スク(109)
- 料金(107)
- 定額(104)
- 情報(100)
- モデル(94)
- 期間(92)
- 月額(89)
- 記事(79)
- マーケティング(78)
- 放題(69)
検索エンジンは、「サービス」という共起語が「サブスクリプション」と最も一緒に出てきやすい言葉であることを認識します。ここから「サブスクリプションサービス」という合成語(意味に変更を加える言葉)として使われる機会が多い言葉なのだなと推測します。
次に使用頻度の高いのは「利用」です。検索エンジンは、サブスクリプションサービスが「利用」したり「利用」されたりするものだということを認識します。
「ビジネス」ともよく一緒に利用されているということから「サブスクリプション」を「ビジネス」という大きなカテゴリーの言葉だと判断します。
検索エンジンは、「無料」「料金」という言葉があるから、「利用」と合わせると「利用」に「料金」がかかったり「無料」だったりするのだろうと推測します。
文脈から内容を把握することが苦手な検索エンジンは、共起語を拾いあげながらテキスト全体を理解しようとします。そして「良質で有益」と判断したサイトがキーワードと共に使っている「共起語」がたくさん含まれているコンテンツのことを「これも良質で有益だ」と判断するのです。
「関連キーワード」はユーザーの検索意図がどこにあるか絞り込もうとする
共起語とよく似た言葉に関連キーワードがあります。Googleで「サブスクリプション」と検索すると、画面の下に「関連する検索ワード」の一覧が出てきます。これが関連キーワードです。

共起語がコンテンツに関係の深い言葉であったのに対し、関連キーワードはユーザーとの関連の深いワードです。
例えば、あなたが体調不良で内科を受診したとします。あなたが「熱がある」と言うと、医師は「いつぐらいから調子が悪いですか?」「鼻水は出ますか?」と質問し、あなたの病状を探ろうとします。
検索エンジンも同じです。医師の質問と同様に、検索エンジンはユーザーの検索意図を正確に把握しようとして、質問をする代わりに「多くのユーザーがサブスクリプションという言葉と一緒にこんな言葉を組み合わせて検索していますが、あなたが知りたいのはこの中のどれですか?」と尋ねるのです。
サジェストワードは入口で検索意図の整理をする
関連キーワードとよく似た言葉に「サジェストワード」があります。これは総合病院の案内に近いものです。総合病院で診察を受けようと思ったら、まず受付で受診する診療科を決めなければなりません。
受付窓口で「体調が悪いんです」と言うあなたを「多くの人は体調が悪いときはまず内科を受診しますよ」「のどが痛いときは耳鼻咽喉科を受診する人も多いですよ」と、診察を受ける前の段階でいくつかの助言をしてくれます。

サジェストワードも同様で、ユーザーが検索窓にキーワードを入力する際に「多くの人はこんな言葉を一緒に検索していますよ」と検索エンジンがユーザーに提示して、検索窓に入れる手間を省いてくれようとします。サジェストワードも関連キーワードと同様、ユーザーの検索意図を絞り込み、よりユーザーの検索意図に近いWebページを見つけようとしているのです。
以上のことをまとめると、キーワードと共起語、関連ワード、サジェストワードは以下の図のような関係にあることがわかります。

つまり、「共起語」「関連キーワード」「サジェストワード」を簡単にまとめると以下の通りです。
- 共起語は、検索エンジンにコンテンツの内容をより正確に理解してもらうためのもの
- 関連キーワードとサジェストワードは、ユーザーの検索意図が反映されたもの
共起語が重要視される理由

Webライティングで最も大切なことは何でしょうか?多くの人はおそらく「SEO対策をして、検索で上位に表示されること」と答えるでしょう。
どれだけ良い記事を書いたとしても、それを必要としているユーザーに届かなければ意味がありません。コンテンツを作る側は、検索エンジン最適化(SEO:Search Engine Optimisation)の観点をつねに念頭に置いて制作する必要があります。
ここからは、SEOを考える上でなぜ共起語が重要なのかを考えていきます。
共起語を使用することでキーワードと関連性の高いコンテンツと判断してもらえる
検索エンジンが「良質で有益」と認めるコンテンツとは、検索者が知りたいことがすぐ理解できると同時に、より深く広く理解できる内容を持ったコンテンツです。
検索エンジンは、キーワードと一緒に使われる共起語を目印に「キーワードと関連の深い情報である」と判断します。そして、あなたが数多くの共起語を使って書いていれば「より深く広い理解を助けるコンテンツである」と判断します。
共起語は、検索エンジンにとってキーワードと関連が深い、良質で有益なコンテンツの目印なのです。
時代・時間の経過による共起語の変化を理解・予測することでコンテンツの修正が可能になる
検索エンジンは古い情報より新しい情報の方をより「良質で有益」と判断します。放置したままのWebページは時間の経過とともに検索順位がどんどん下がってきます。そのため、少しずつ手直しすることが必要です。
いつ手直しするか、どこを手直しするかは、共起語検索ツールを使って検索上位サイトの共起語がどのように変化しているかを追うことによって判断することができます。
検索キーワードやサジェストワードは、何か大きな出来事が起こるとそれに敏感に反応します。ユーザーが「今知りたい」ことが、長期に渡って知りたいことと一致するかどうかは、検索キーワードやサジェストワードを見ただけでは判断できません。
それに対して検索上位サイトの共起語の変化は、ユーザーの検索意図が反映されるまでにある程度の時間がかかります。共起語の変化を確かめることによって、一過性のものではないユーザーの検索意図の変化を見極めることができます。
例えば「デザイン」という言葉の共起語は、1980年代であれば「服」「車」「都市」などの言葉が中心だったでしょう。
それが1990年代、コンピューターの普及とともに「ウェブ」や「サイト」という言葉がデザインの共起語に加わりました。
現代の「デザイン」の共起語には「IT」が加わり、「デザイン」という言葉が使われる文脈はずいぶん変わりました。
「デザイン」のサジェストワードを見れば「思考」という言葉が登場しており「デザイン思考とは何だ?」という検索ニーズが増えていることがうかがえます。
ビジネスの現場でも「デザイン思考」のワークショップが開かれるようになっており、共起語にも「思考」という言葉が加わることが予想されます。新しく加わった言葉を単純に加えていくのではなく、キーワードと共起語が置かれた文脈の変化に対応することが必要です。そうすることによってユーザーのニーズに応えることができるのです。
共起語の活用方法

共起語にはSEO以外にも役割があります。それは、共起語を使ってコンテンツを制作することができるのです。ここでは共起語を活用してコンテンツを制作する方法を説明します。
キーワードを中心に広がる共起語
ここでもう一度「サブスクリプション」という言葉の共起語の一覧を見てみます。
【抽出した共起語】
- サブスクリプション
- サービス
- 利用
- ビジネス
- 無料
- サブ
- スク
- 料金
- 定額
- 情報
- モデル
- 期間
- 月額
- 記事
- マーケティング
- 放題
よく見てみると、共起語が以下のようにいくつかのグループに分けられることに気がつくはずです。
【キーワード「サブスクリプション」との関係でカテゴリ分け】
キーワードと意味的に等しいもの…「サブスク」
キーワードと類似しているもの…「定額(制)」
キーワードと包含関係にあるもの…「ビジネス」「企業」「マーケティング」
キーワードと対義関係にあるもの…「料金」
合成語…「サブスクリプションサービス」「サブスクリプションモデル」
キーワードと原因または結果の関係にあるもの…サブスクリプションと利用、サブスクリプションと月額、サブスクリプションと放題
上記では「料金」を「定額制ではなく、個別に料金がかかる」と考えて対義関係としてとらえていますが、原因と結果のカテゴリーに加えることもできます。また、サブスクリプションの「期間」や「料金」として、サブスクリプションに含まれる包含関係の言葉としてとらえることもできます。このように、個々の言葉は文脈に応じてさまざまなカテゴリーに分類することができます。
このキーワードを中心とした共起語をモデル図にしてみます。

キーワードを中心に広がる共起語は、類義・同義関係、対義関係、包含関係、合成関係、因果関係とキーワードとさまざまな性格の関係を持ちながら広がっています。
共起語を使ってコンテンツを作成するには?
検索エンジンは、上位30サイトが数多く使っている共起語を網羅した記事を書けば、上位30サイトと同じく「良質で有益なコンテンツ」と認めてくれるのでしょうか。Googleの検索エンジンはテキストを正確に評価することは苦手なので、ひとまず検索の上位には加えてくれるかもしれません。しかし、Webサイトを訪問したユーザーの評価はどうでしょうか。
まずは次の2つの例文を見比べてください。
【例文1】 サブスクリプションサービスが利用できます。サブスクは定額の料金を払えば、その期間は使い放題です。人気のビジネスモデルでマーケティング担当者は導入を検討すべきです。おすすめのサブスクリプションの企業は、https://◯◯やhttps://◯◯で、Amazonでは記事を無料で読むこともできます。 |
【例文2】 サブスクリプションというビジネスモデルが、従来考えられなかったような分野にまで広がりつつあります。モノを購入するのではなく「月額〇〇円」という形で定額料金を払うことによってサービスを利用するという新しい購買スタイルが、多くのユーザーに受け入れられているのです。 |
例文1と例文2を比べると、1は非常に分かりにくく感じるはずです。というのも、例文1はユーザーに向けて書いている文、サブスクリプションサービスを提供する企業に向けて書いている文、状況を俯瞰する視点で書いている文が混在しているために、全体として何が言いたいのかを把握できないからです。
例文2は、サブスクリプションについて一貫して俯瞰的な視点から記述されているため、内容が簡単に頭に入ってきます。このように、視点は1つに絞ることが重要です。
例文1のように、視点が定まらない文章を読まされるユーザーは苦痛を感じ、すぐにそのWebページを離れてしまいます。共起語の影響で一時的に検索で上位に表示されたとしても、ユーザーが短時間で離脱するWebサイトは、ユーザーの満足度の低いWebページとしてあっという間に順位を落としてしまいます。
共起語を使ってストーリーを作ろう
「Webライティングではストーリーが重要」とよく言われますが、これを聞いて困った経験のある人も多いのではないでしょうか。それは、ストーリーの意味が明確に説明されていないからです。
ストーリーとは、焦点となる人やものが「始め」「中間」「終わり」の時系列に沿って「どうなったか」「どうなっていくか」が語られたものです。
具体的には、ストーリーの焦点となるのはユーザーか、提供する企業か、全体状況を俯瞰する視点なのかを最初に決めなければなりません。
次に「始め」「中間」「終わり」に何を入れるか考えます。時系列に沿って書くということは、原因と結果について書くことでもあります。
さらに、コンテンツマーケティングの文章を書く上で忘れてはならないのはコンテンツの目的です。「購入を検討してほしい」「検討するために資料をダウンロードしてほしい」「問い合わせしてほしい」と、読み手に取ってほしい行動(CTA=Call to Action 行動への呼びかけ)をかならず伝えなくてはなりません。
以上の3ステップを踏まえてストーリーの骨組みを作ってみましょう。ここでは、サブスクリプションサービスを検討するかどうか迷っている企業を対象に短いストーリーを書くことにします。
冒頭:これが何についての文章か、包含関係や合成関係の共起語を使いながらキーワードを提示する
サブスクリプションサービスというビジネスモデルが人気です。
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ストーリー:類義関係や対義関係、因果関係の共起語を使い、キーワードの説明をする
サブスクリプションサービスは、従来のモノを購入するたびに料金を支払う購買スタイルとは異なり、定額で一定期間、無料でサービスを受けることができるものです。(過去)
「動画配信サービスのNetflix」や「名刺管理サービスのSansan」のようなサービスがあります。その結果、ユーザーは月額で視聴し放題のサービスが受けられたり、名刺情報をデジタル化して必要に応じていつでも利用できるなどの利点があります。 反面、サービスの提供側は利益が出るまで時間がかかり、ユーザーが途中で解約すると大きな損益を出してしまうという困難もあります。(現在)
しかし、車や家のサブスクリプションサービスなど、以前には考えられなかった業界までもサブスクリプションモデルを積極的に取り入れようとしています。(未来)
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結論:ソリューションとCTAを提示する
モノが売れない時代にあって、企業の販売スタイルも変わっていかなければなりません。ユーザーの途中解約のような困難に対しては、顧客とのコミュニケーションを促進するツールがありますがあります。(実例と実例に対する解決策)
新しいサービスの導入には不安がつきものですが、成功するまで当社が一貫したサポートを行います。ぜひサブスクリプションサービスの導入をご検討ください。
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ストーリーの部分では、検索キーワードの「メリット」を加えています。ユーザーの検索意図がダイレクトに反映されている検索ワードはどこかに盛り込むようにします。
このように、共起語を単に散りばめるのではなく、ストーリーの骨格に従ってグループ分けした共起語を組み合わせることで、より深い内容を持ったコンテンツが作成できます。
ユーザーにとって魅力的なストーリーとは?
コンテンツを制作する際には検索するユーザーの意図を理解し、ユーザーの抱える問題を解決できるコンテンツを作成する必要があります。あるキーワードで検索するユーザーはどんな問題を抱えているのでしょうか。
まずは、ユーザーはインターネット上を検索する際の3つの意図を確認してみましょう。
①ナビゲーション
特定のWebサイトを閲覧するために検索します。YouTubeを視聴するときもAmazonで買い物をする時も、目的のWebサイトへ訪問するために検索を利用するケースです。
②情報収集
ユーザーに何か困ったことが起こったとき、知りたいことがあったとき、最初にするのが検索です。知らない言葉の意味を知るために「SEOとは」と検索する場合もありますし、旅行を計画している場所へのアクセス手段を調べる場合もあります。ユーザーは検索するだけで目的を達成できることも多いケースです。
③実行
検索後に行動を起こすことが前提となっている検索です。「プリンター 故障 修理」でサービスセンターに電話をかけたり、「転職 営業 年収」で転職活動を始めたり、「本のタイトル amazon」と入力して本を購入したりするケースです。
コンテンツマーケティングは、②の「情報収集」目的のユーザーに価値ある情報を提供し、③の「実行」へと導線を用意しておくことが重要です。その強力な導線となるのが実例です。
ユーザーが魅力を感じるのは、一般論や抽象論ではなく、実際の誰かの経験です。その「誰か」がユーザーと共通点を数多く持っていれば、より自分に近い出来事として感じることができます。
先に挙げた例文では「動画配信サービスのNetflix」「名刺管理サービスのSansan」「ユーザーの途中解約」の実例を紹介していますが、共起語にあてはまるような実例をあなたの会社がこれまでに提供してきた実績の中から探してください。特に、困難な経験と解決策の実例の紹介は、あなたの会社が提供する商品やサービスの大きな魅力としてユーザーに伝わるはずです。
SEOの最新動向
2019年10月、Googleは検索アルゴリズムをアップデートしたことを発表しました。自然言語処理システムBERT(バート)の導入によって、複雑なクエリや会話型のクエリを理解する精度がアップしたということです。そのアップデートによって何が変わっていくのかを押さえておきたいと思います。
BERT導入で何が変わるのか

The Keyword/Google
Googleが明らかにしたのは「2019 brazil traveler to usa need a visa(2019年アメリカへ向かうブラジル旅行者はビザが必要です)」という文章を、検索アルゴリズムが正しく理解できるようになったというものでした。
以前は"to"という前置詞を理解できずに「ブラジルへ向かうアメリカの旅行者」向けのWebページを検索上位に持ってきていたのが、BERTは"to"を正しく把握できるようになり、ブラジルにあるアメリカ大使館の旅行者向けのWebページを最初に表示したというものです。
さらにこのような事例も挙げられています。

The Keyword/Google
「Can you get medecine for someone pharmacy(誰かに薬局で処方薬をもらってきてもらえるか)」という文章で検索を行った場合、従来は処方箋をもらう方法が検索上位で表示されていたのに対し、今回「家族や友人に処方薬を受け取ってもらう方法」が検索上位に表示できるようになったというものです。ここでも同様に、以前は理解できていなかった前置詞"for"が今回理解できるようになったために、"get"を「手に入れる」ではなく、使役動詞として「持ってきてもらう」と理解できるようになったことがわかります。
従来の検索エンジンが苦手としていた付属語の前置詞を識別できるようになったことが、そのまま日本語の助詞を識別できるということにつながるかはわかりません。
しかし、非英語圏の私たちにも直接影響を及ぼすのは、強調スニペット用の識別機能の方だろうとパンドゥ・ナヤック氏は述べています。
強調スニペットとは、検索画面の最上部に表示される下図のように枠で囲まれたサイトの1部のことです。例文として挙げられているのは「parking on a hill with no curb(縁石のない坂道に駐車)」という文章です。

従来は"no"という言葉をあまり重視せず、検索機会の多い「parking on a hill」に注目して「上り坂で縁石のところに駐車する場合」というサイトを取り上げていました。しかし、現在は上図のように、"no"を"without"という意味か?と確認した上で、縁石がない場合の駐車方法について説明するページを強調スニペットに挙げています。"without"ではなく"with no"という非標準の英語でも、BERTは正確に理解することを示しています。
BERTがコンテンツマーケティングに与える影響
日本語と英語は文法構造も表記法もまったく異なっているため、今回のアルゴリズムの更新が日本のコンテンツにどのように影響を及ぼすか、影響を及ぼすとしたらそれはいつごろになるかということは、今の段階では何とも言えません。
従来から指摘されていることですが、あなたが作成したコンテンツを検索エンジンに正確に見つけてもらうためには、誤字脱字誤変換のないこと、標準的な文法を使うこと、そして何よりもユーザーの検索意図に合致するコンテンツを制作し、コンテンツの内容に正確に対応するキーワードや共起語を使用することを徹底するのが最善ではないでしょうか。
共起語を見つける無料のツール
検索上位に表示されるサイトがどのような共起語を使っているかを知ることは、SEO対策としてもコンテンツ制作の面からも非常に重要です。
ここでは無料共起語検索ツールや、そのほか記事作成に役立つツールを提供しているサイトを紹介します。
無料共起語検索ツールの紹介
共起語を簡単に調べることができるツールを使えば、キーワードの共起語を簡単に知ることができます。

上位30サイトで使われている共起語を抽出してくれます。

上位10サイトで使われている共起語を紹介してくれます。また、このツールの特筆すべき点は「調べるURL」に自分のサイトURLを入れると、サイトに足りない共起語を教えてくれる機能があるということです。
類語・関連後・言い換えを確認できるツール
共起語を記事に盛り込むだけでなく、その類語や関連語、言い換えなどを知ることで、いっそう奥行きや密度のある記事を作成することができます。
類語辞典や連想類語辞典なども利用し、さまざまな角度からテーマを深めていきましょう。

Weblioは類語や同義語、関連語、言い換えなどを知りたいときに便利です。

連想語辞典はキーワードから連想される言葉が知りたいとき、一般的な類義語よりも広い範囲でキーワードと関連する言葉を見つけることができます。
良質で有益なコンテンツを目指して
「良質で有益なコンテンツ」は文章を書くのがうまい人にしか作成できないものではありません。問題を抱えた人に適切なソリューションを提供するものでありさえすれば、誰にでも作成できるものです。
逆に、どれほどオリジナリティがあり名文が並んでいるWebページでも、適切なソリューションを提供できていなければ、Googleは検索一覧画面の上位には表示してさえくれません。
必要とする人に届けるためには、コンテンツの「宛先」をはっきりと書いて検索エンジンに認識してもらう必要があります。そのために、キーワードだけではなく共起語を活用してください。SEOは必要とする人のもとにコンテンツを届けるための対策だと理解してください。
さらに、共起語を把握することによってコンテンツの内容を問題を抱えている人に寄り添わせることができます。検索意図を知れば知るほど適切なソリューションが提案できます。
ユーザーには情報を提供し、ソリューションがあることを教えるだけでなく「どうしたらソリューションが手に入るか?」「次に何をすべきか?」まで伝えてください。共起語は、あなたが良質で有益なコンテンツを作成する上でかならず役に立ってくれる存在です。
※SEOについて網羅的に知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
SEOとは?成功させるために知っておきたいポイントを徹底解説

