GoogleスプレッドシートやExcelに代表される表計算ソフトは、その自由度や柔軟性からあらゆるビジネスシーンで大人気です。特にスタートアップ企業や中小企業の中にも、「操作が簡単で覚えやすい」「専用ソフトに比べて安価」など、さまざまな理由から、これらのソフトに顧客情報を蓄積、そしてセールスに活用している企業が少なくありません。

しかし、経営管理の観点から見ると、GoogleスプレッドシートやExcelには数多くの重大なリスクが隠れています。特に、スタートアップ企業や中小企業にとって、これらのソフトへの依存は命取りとなる危険をはらんでいます。

本稿では、「中小企業のサイレントキラー」とも呼ばれるGoogleスプレッドシートやExcelのリスクについて解説します。セールス管理や経営管理をこれらのソフトに頼っている企業は、この記事を参考に今後の方針を考えてみてください。

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顧客管理に不向きなExcel

ほとんどの企業で事務作業にExcelが使用されており、顧客管理に活用されている企業も多いことでしょう。新たに初期投資をする必要がなく、慣れ親しんだ製品のため社員に対して教育するコストも手間もかからなくて済むなど、一件メリットが多いように思いますが、顧客管理にこれらのソフトを使用することは、自社の営業を停滞させる大きなリスクがあります。

同時作業が出来ない

次の例のようなファイル名に見覚えはないでしょうか。

「顧客コンタクト記録_AB_YN_OP_DW_gh_最新_8.31.15_最新2_FINAL.xls

これは、Excelを共有する現場でよく見られる現象です。同一のスプレッドシートを複数の社員がリアルタイムに編集することができないため、1人の社員から別の社員へと、ファイルが更新されながら次々にリレーされていきます。

それぞれが更新操作を間違いなく行っていても、マスターファイルを順番に更新してバトンのように受け渡していくプロセスには、多くの時間がかかります。ファイルが一周して戻ってくるまでは、業績をとりまとめたり重要な決定を下したりすることもできません。次に控えているのが至急の仕事であっても、手の打ちようがないのです。

しかもこれは、各自がスプレッドシートの入力と保存を正しく実行できているという前提での話です。共有フォルダーに保存するのを怠ると、複数の異なるバージョンが共存することになり、正しいものを特定することすら困難になります。

情報管理が困難

リードと顧客はビジネスの生命線です。とりわけ、事業を軌道に乗せようと奮闘している会社や、生き残りがかかっている会社においては、少しでも多くの顧客や売上を確保することが死活問題となります。

顧客とのやりとりをExcelに記録する方法は、担当者が1人や2人のうちは簡単ですが、セールス専任の社員が加わってその数が増えていくと、顧客情報管理は急速に困難になっていきます。

ミスや記入もれが多い記録では、いつ、どの社員が、どのリードに、どんな対応をしているのかを確認することも不可能に近い上、有望な見込み客へのフォローアップを取りこぼすという、中小企業にとって致命的ともいえる失敗にもつながります。

ミスが頻出する

中小企業の経営には、自社の現状についての正確な把握が求められる場面が少なくありません。ほんのわずかな金額の差でも、積み重なれば、新たな戦略や事業への投資拡大か、損失を食い止めるための完全撤退かというような、重要な経営判断の分かれ目となることもあります。

しかし、Excelのスプレッドシートはそこまでの厳密な分析に適しているとはいえません。ハワイ大学の推計によると、スプレッドシートの88%には何らかのエラーが含まれています。財務処理をExcelに頼っている企業は、知らない間に多くの損失を被っているかもしれません。

手作業の負荷がかかる

インバウンドセールスに関する2017年の調査において、セールス関係者が「CRMの課題」に挙げた項目の第1位が「手作業によるデータ入力」でした。この問題は、ほぼすべての入力を手作業に依存するスプレッドシートにも当てはまります。

操作の一部が自動化されていることが多いCRMを導入している企業でも、セールス部門をはじめとする社員の入力処理を徹底させようと頭を悩ませているのですから、スプレッドシートに頼っている企業の問題はさらに深刻でしょう。

データの入力が日常的に滞れば、業務の進捗や成果の確認もおぼつかなくなり、経営管理は暗中模索の状態に陥ります。

セキュリティリスクが高い

顧客管理のデータは、たとえ社員といえども全員の目に触れてもよいものばかりとは限りません。

例えば、お客様の要望、個人情報、業務上の秘情報、商談のステータスなどは、職務上の権限がある担当営業マン以外にはアクセスできないようにする対策が必要です。セキュリティが不十分な場合、顧客情報が漏洩する危険があるだけでなく、会社が訴訟や賠償の当事者となるリスクを負うことになります。 

これほど重要な事柄に対し、Excelが用意しているセキュリティ保護対策はパスワードだけです。スプレッドシートのパスワード保護は、そこに含まれる情報の閲覧を全面的に禁止するか、全面的に許可するかの、二つに一つしかありません。

「全面禁止」から「全面許可」の間をいくつかの段階に分けて、ユーザーごとに異なるアクセスレベルを適用することが必要な場面では、こうしたセキュリティ対策は有効とはいえません。

また、Excelではスプレッドシートにアクセスするユーザーを区別できないため、パスワードさえ入力できれば、誰でもデータにアクセスしたり不正を行ったりすることが可能になります。

しかもメールやUSBでファイルを社外に簡単に持ち出せてしまいます。

ちょっとした不注意が甚大な被害につながりかねない状況であるにもかかわらず、その予防をすべての社員の責任と自覚に委ねるしかないのです。

顧客管理には物足りない、Googleスプレッドシート

クラウドツールであるGoogleスプレッドシートは、複数人が同時にアクセスでき、データの共有も可能なうえに、Excelと同レベルの表計算やグラフ化、関数の使用もできます。

しかも無料で、機能によってはExcelよりも使いやすく、インターフェイスもおしゃれなのでITエンジニアの間でもかなり重宝されているツールです。

URLさえ共有すれば営業マン全員がアクセスでき、内容を更新したときも営業マンそれぞれが常に最新情報を確認、会議にも使えるので顧客管理に活用している方も多いことでしょう。

しかし、顧客管理に特化したツールではないために、多くの顧客を管理・共有して、マーケティングや営業施策に活用するというシーンでは物足りないこともあります。

参照元のトレースが出来ない

データ管理をするうえで重宝するExcelの参照機能。異なるスプレッドシートの同士のデータを一元化する際に、別のスプレッドシートからの値や、同じスプレッドシートの別シートの値を引用して使いたいことはありませんか?

値を参照するメリットは、参照元のデータを変更したときに自動で参照した値も連動して変更されること。つまり、積極的に値を参照すると、データの修正や更新が短時間で済むのです。

実はExcelにできてGoogleスプレッドシートではできないことの一つに、この「参照元・参照先のトレース」があります。

顧客管理の現場においても、普段は別に管理している複数のお客様の売上額を比較するようなシーンがあると思います。こうしたデータのチェック時に重宝する機能が足りていないためにデ修正や更新に時間が掛かってしまうことが起こり得るかもしれません。

顧客データの管理に最適化されていない

お客様からの問い合わせや申し込み。これらの情報管理は営業活動の上で最も重要な事柄です。顧客の担当者が誰なのか、現在どういうステータスなのかが曖昧になっていたり、確認に手間が掛かるようだと、失注や顧客満足の低下につながります。我々が目指すべきものは、自分の将来のお客様や現在のお客様とのコミュニケーションを円滑化することにより、自分たちのサービスや商品の販売するためのより良い関係を築くことです。

Googleスプレッドシートでもそういった業務に対応することは可能ですが。構築するにはかなりの手間と時間が掛かります。Googleスプレッドシートはフォームの設置や表計算の領域では有益でも、営業現場では入手した顧客データの管理、情報の鮮度やステータス、担当者の割り振りなどが最適化されていることが必要です。また、顧客データベースや担当者データベースなど、複数のデータベースを連携させることが必要ですが、Googleスプレッドシートはそういった活用にはあまり向いていません。

あくまでエクセルの延長であり何にでも使える汎用性ツールとしては優秀ですが、シビアな営業環境で本当に使いやすいかは疑問が残ります。

外出先でオリジナルテンプレートが使えない

通常Googleスプレッドシートでは、Googleが提供するテンプレートのほかにオリジナルのテンプレートをつくることが出来ます。この機能を使って自社のニーズに応じた専用デザインや議事録、日報などオリジナルテンプレートを使うシーンは多くあると思います。

しかしこのテンプレート、せっかく自社用にカスタマイズしても、現時点ではスマホアプリでは使うことが出来ません。

この仕様を問題視する理由は、外出先ですぐに資料をつくることが出来ないためです。顧客と打ち合わせをしてその結果を入力。社内にいるスタッフ、または別の場所にいる営業マンと情報を共有するなど、外出先からスマートフォンで手軽に資料を作成するシーンは多々あります。営業マンの営業報告、サポート要員が対応報告など、案件の状況をスピーディに共有することで関与者は次なる行動が取りやすくなります。

その要ともいえる外出先からの入力がしづらいということは、顧客管理・営業現場において大きな欠点と言えるでしょう。

分からない時は誰にも聞けない

さまざまな指南書が大量に存在するExcelに対して、Googleスプレッドシートのノウハウ本はいまだ少数。いざという時にどのような機能を使えばよいか分からないケースも生じるでしょう。インターネット上にスプレッドシートの使い方やノウハウが掲載されているサイトも増えてはきましたが、それらの膨大な情報の中から自社の課題を解決する方法を探し当てるのには大きな手間が掛かります。また解決方法が載せたサイトが存在するかどうかも分かりません。

顧客管理の現場において、ツールの使い方が不明なことにより次の施策が打てないことは失注や顧客の不満につながり、大きな欠点と言えるでしょう。なぜならお客様は待ってくれないのですから。

情報の蓄積だけでなく、活用ができるCRM(顧客管理システム)

主にGoogleスプレッドシートやExcelのデメリットをお伝えしましたが、顧客管理をするうえでは情報を蓄積するだけでなく、活用することが重要です。

我々が競争相手に勝つためには、顧客の基本情報、営業活動、マーケティング活動、カスタマーサポートなど、それぞれ異なるシーンのデータを一元管理し、必要な策を講じていかなければなりません。

例えばカスタマーサポートであれば、問合せ内容、課題、現状、サポートの進捗状況などが必要であり、マーケティング活動であればアクション履歴、セグメント分け、効果測定などが必要です。

こうした情報の活用が、Googleスプレッドシートやエクセルではできないため、「利益・売上を増加させる」ことを目的とする企業には、専用のソリューションであるCRM(顧客管理システム)を導入することが必要です。

必要なアクションが見極められるCRM

特にGoogleスプレッドシートやExcelで管理しきれないのが営業案件管理。現場では案件概要や提案商材、決裁フロー、ボトルネック、導入時期、見込みなどの情報をシームレスに管理する必要があります。

CRMを活用することにより各項目が管理でき、カスタムフィルターを使用することで名前、所有者、金額、ステージごとに取引を並べ替えれば、次に必要なアクションを瞬時に見極められます。

また案件管理は客観的に見て「何がボトルネックになりそうか?」「今後どのように進めるか?」をチームで共有している企業もあるのではないでしょうか。それくらい「客観的に案件を見て判断する」ことは重要なのです。

CRM(顧客管理システム)であれば、顧客情報・案件情報を企業全体で一元管理し、チームの案件を抽出することや、タスクのリマインド機能をつけることも可能です。これにより「いつの間にか失注していた案件」を減らし、売上増加につながるでしょう。そしてその蓄積した情報を分析し、今後の営業活動に生かすことが可能です。 

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GoogleスプレッドシートやExcelが時間とコストの節約につながるというのは、思い込みに過ぎません。中小企業がスプレッドシートに頼っていると、知らず知らずのうちにメリットを大きく上回るデメリットが拡大している危険性があるのです。

GoogleスプレッドシートやExcelと比べ、専用システムには「コストがかかる」という印象も根強く残っていますが、その差は急速に縮まっています。近年は、財務、人事、コンタクト管理、セールスといった分野で、小規模な企業のニーズと予算に合わせた専用システムが豊富に登場しています。

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元記事発行日: 2018年6月18日、最終更新日: 2019年10月30日

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