商品やサービスの特徴や魅力を伝える役割を担うランディングページには、WebサイトのようなSEO対策は不要だと言われています。しかし、ランディングページのSEO対策には大きなメリットがあります。
検索エンジンで上位表示されることによりWebサイトへの流入が増え、集客と収益の双方を担う理想的なコンテンツになります。
そこで本記事では、SEOに強いランディングページを作成したい方に向けて、ランディングページとSEOの相性や、ランディングページにSEO施策をするメリットやデメリット、検索エンジンで上位表示を狙うポイントを解説します。
なお、ランディングページのメリットや作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。
広告用ランディングページがSEOに向いていないと言われる理由
一般的にランディングページは広告のために作成されており、SEOとの相性は良くないと言われています。その理由を詳しく解説します。
目標キーワードに対して関連性の低い情報になりがち
ランディングページは、自社製品の購入やサービスへの登録といったコンバージョンを目的として作成されます。そのため、ランディングページの構成は、自社製品やサービスの広告を目的とした構成になっており、情報を知りたい検索ユーザーのニーズを満たす内容になっているとは言えません。
Google はユーザーの検索意図を満たしたページを上位表示します。指名検索の場合はあてはまりませんが、情報量が少なく、目標キーワードの検索意図に答えていない広告用のランディングページを上位表示させることは難しいでしょう。
コンバージョンにつながるランディングページの構成は、こちらの記事で詳しく説明しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。
テキストより見た目やインパクトを重視しているから
広告用のランディングページはユーザーのコンバージョンにつなげるために、見た目やインパクトを重視しています。
テキストよりもリッチな内容にするため、広告用ランディングページはどうしても画像を中心としたページ構成になってしまいます。Webサイトの情報収集を行うGoogle のクローラーはテキストだけでなく画像データも巡回しますが、現状はテキストの内容まで取得することは難しくなっています。
SEOの観点では、文字中心で作成されたWebサイトの方が、豊富な情報を持っているとクローラーに伝わりやすく、検索ユーザーのニーズを満たした質の高いコンテンツであるとGoogle に評価される可能性が高まります。そのため、テキスト量が少ない広告用ランディングページはSEOに向いていません。
ページ数が少なくサイトの滞在時間が短い
よくある1ページ完結型のランディングページはページ数が少なく、ユーザーのサイト滞在時間が短くなる傾向にあります。
ページ数が多くなると情報量が増え、他ページへの遷移が起きやすくサイトの回遊率が高まります。そのため、検索ユーザーのニーズを満たすサイトであるとGoogle に評価されやすくなります。
一方、コンバージョンを目的とするランディングページは、他ページへの遷移を避けるため、あえてページ数を抑えて作成されます。他サイトへの離脱率が高い、検索エンジンに登録されるWebページに偏りがあるなどの点からユーザーの検索ニーズを解決できないページと判断されてしまい、SEOではネガティブな評価を与えてしまいます。
被リンクが増えにくい
被リンクはサイトの信頼性を向上させ、Google に評価されるために重要な要素のひとつです。PV数が多く信頼性の高いサイトから被リンクを受けると、自社サイトの評価を高めることができます。
被リンクを受けるためには、ユーザーが役に立つと思える情報の発信が必要です。しかし、ランディングページは目標キーワードに対して関連の低い情報を発信することになるため、被リンクを集めるのが難しくなります。アフィリエイト広告を活用すれば被リンクを集めることもできますが、自然な被リンクに比べて質が落ち、数も少なくなります。
ページの運用期間が短い
SEOを意識したサイトは長期的な運営を前提に作成されますが、ランディングページは短期間の成果を求めてA/Bテストを繰り返し、新たなランディングページを公開するという流れがあるため、サイト運用歴が短くなってしまいます。
Google は運営歴の長いサイトを評価する傾向にあるため、運用期間が短く評価基準にそぐわないランディングページは上位表示が難しくなります。
上位表示するにはサイト型ランディングページを作るしかない
ランディングページには大きく分けて次の2種類があります。
- 1ページ完結型ランディングページ
- サイト型ランディングページ
1ページ完結型ランディングページは、顧客への訴求からコンバージョンまでを1ページ内で一気に行います。他のページへ遷移しないように、別のページやコンテンツ記事へのリンクを貼ることは基本的にありません。
一方のサイト型ランディングページは、階層構造で下層ページを持つという特徴があります。具体的には、従来のランディングページがTOPページとなり、下層に「商品の特徴」や「お客様の声」など、付随するコンテンツが下層ページにぶら下がっているイメージです。
サイト型ランディングページは一見、通常のWebサイトと同じように見えます。広告のようなセールス感が出にくく、成約までの心理的抵抗感を和らげられるのがメリットです。
ランディングページで検索上位を狙うには、Google の評価を受けやすい特徴を持つ「サイト型ランディングページ」の作成が必須です。
サイト型ランディングページでSEO対策をするメリット
SEO対策を施したサイト型ランディングページは、次のようなメリットをもたらします。
- 広告と自然検索の両方で集客できる
- 広告流入によりサイト全体へ良い影響を与える可能性もある
詳しい内容をそれぞれ解説します。
広告と自然検索の両方で集客できる
ランディングページの集客は広告で行うのが一般的です。広告での集客は幅広いユーザーにアプローチができる反面、集客の不安定さや、広告運用期間に比例して運用資金が増えるというデメリットがあります。
一方、SEOで上位表示されたページは広告費を使わずに集客を続けることができます。広告からの集客に、自然検索からの流入が加わることで、コンバージョン率の増加が見込めます。また、集客のチャネルが増えると広告流入に依存する必要がなくなり、コンバージョン1件あたりの単価減少も期待できます。
広告流入によりサイト全体へ良い影響を与える可能性もある
流入チャネルを増やすことはSEOに効果的とされています。広告を出稿して多くのユーザーの目に触れる機会を作り、サイトへの流入を増やすことでSEOに良い影響を与える可能性があります。
一般的に、広告からのユーザー行動はSEOや検索順位の決定に影響を与えないとされています。しかし、実際にはユーザー行動と検索順位に関係が見られることも多くあります。
広告からの流入でアクセス数を増やし、下層ページへのアクセスにより直帰率を下げたり、サイト滞在時間を伸ばしたりすれば、ユーザーの検索ニーズを満たす高品質なサイトであるとGoogle に証明する手段になります。そのため、広告からのユーザー行動がGoogle のアルゴリズム評価につながり、ランディングページの評価に影響を与える可能性は十分あると考えられます。
広告でサイト流入を促すことでサイトのSEOに良い成果をもたらし、通常のSEO対策との相乗効果が期待できます。
サイト型ランディングページでSEO対策をするデメリット
サイト型ランディングページへのSEO対策はメリットがありますが、同時に次のようなデメリットも存在します。
デメリットが生まれる理由について解説します。
必ず上位表示されるとは限らない
狙ったキーワードでの上位表示はSEOのノウハウがなければ難しいため、サイト型ランディングページにSEO対策を施しても上位表示されるとは限りません。ユーザーの目に触れる機会がほとんどないということもあり得ます。
一方、広告は費用さえ払えば出稿できるため、多くのユーザーにアプローチできるチャンスを持っています。
サイト型ランディングページで短期的に集客するのであれば、SEO対策よりも広告のほうが向いています。
長期的に見てコストがかかる
サイト型ランディングページは、「1ページ完結型ランディングページ」と比較して、作成するページ数が多いため、コストが高くなり、時間もかかります。また、SEOの効果が出るまで長期的な運用も視野に入れる必要があり、人的コストが増大する可能性もあります。
短期的な成果を求めるのであれば、1ページ完結型ランディングページを作成して広告運用するのがおすすめです。長期的な集客を考えるのであれば、SEO対策ができるサイト型ランディングページを作成しましょう。目的に応じて1ページ完結型ランディングページとサイト型ランディングページを使い分けるのが理想的です。
ランディングページの作成コストをおさえるには、テンプレートを使って効率的に作成する方法がおすすめです。成果が上がるランディングページのテンプレートについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
サイト型ランディングページで上位表示を狙うポイント
ランディングページが検索エンジンで上位表示されるようになると、リード創出の機会が増えます。ここでは、作成したランディングページが検索上位に来るために必要なポイントを、SEOの観点から解説します。
下層からトップページへ内部リンクを送る
下層ページからトップのランディングページに内部リンクを送りましょう。最適化された内部リンクは、サイト全体の評価を高めます。
内部リンクを集めることでリンク先のトップページの重要性が向上し、評価が高まります。また、関連度の高い内部リンクを集めることでユーザビリティが向上し、サイトの評価につながる可能性が高まります。
内部リンクによって離脱率の改善も見込めます。離脱率が高いサイトはユーザーの検索ニーズを満たせないサイトと判断され、サイトの評価を下げるリスクがあります。内部リンクを最適化することで、ユーザーが知りたい情報を求めてサイトに滞在する時間が長くなります。離脱率も減少するため、サイト全体の評価上昇にもつながるでしょう。
ユーザーを意識した良質な記事コンテンツを作成する
『Google が掲げる10の事実』の最初に、「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」というフレーズがあります。これは、「ユーザー視点でコンテンツを作成すれば、収益や集客などの結果はあとから付いてくる」と言い換えられます。
昨今のSEO対策では、ユーザーにとって役に立つ、質の高いコンテンツ記事が上位表示される傾向にあります。ランディングページでは、「商品やサービスの特徴」「お客様の声」など、ユーザーが知りたい情報を網羅し、ユーザーのためになるコンテンツを作成しましょう。
モバイルファーストを意識する
サイトがスマートフォンに対応しているかどうかは、SEOの評価基準となります。モバイル表示に対応していないランディングページにスマートフォンからアクセスするとレイアウトが崩れてしまい、サイトが見づらくなるためユーザーはすぐに離脱してしまいます。SEOの観点だけでなく、コンバージョンの機会損失を防ぐためにもモバイル対応は必須です。
モバイルファーストのデザインには、次のような特徴があります。
検索キーワードをタイトルや見出しに確実に入れる
サイトの内容がわかるように、タイトルや見出しに検索キーワードを確実に入れましょう。特に、ページタイトルの調整は重要なSEO対策のひとつです。タイトルはコンテンツの内容を効果的に伝えます。30文字前後を目安に短く簡潔にまとめ、狙ったキーワードはできるだけ先頭に置きましょう。
見出しにも注意が必要です。見出しのh1タグはひとつだけ配置し、ページの内容を簡単に説明しましょう。また、見出しだけでユーザーにランディングページの内容を理解してもらえるように、h2タグ以下の小見出しの内容も精査することをおすすめします。
画像もSEO対策を行う
画像コンテンツは、テキストコンテンツに比べて検索エンジン側が内容を理解するのが難しいのは事実です。しかし、画像コンテンツにおいても、特定のキーワードでページの順位を上げるために改善できる余地はあります。
画像のファイル名や、画像の内容をテキストで表したものを「altテキスト(代替テキスト)」に設定しましょう。例えば、チューリップの画像の場合、altテキストは「チューリップ」と設定します。
altテキストは、スクリーンリーダーでの読み上げや、画像を読み込めなかった場合の代替表示に使われるものなので、画像の内容が簡潔に伝わるようにするのがポイントです。
また、画像の最適化も行いましょう。画像のリサイズや圧縮によってページの表示速度が改善されます。それによってユーザー体験が向上し、検索順位の上昇に貢献します。
外部からの良質な被リンクを集める
外部からの良質な被リンクはサイトの権威性を高め、上位表示の可能性を高めます。
サイト型ランディングページの特徴として、下層ページにブログやコラムを作り、情報発信できることが挙げられます。高品質な記事コンテンツを作り、関連性のある他サイトからの被リンクの増加を目指しましょう。
記事コンテンツの作成とあわせて、プレスリリースやニュースサイトへの掲載依頼、専門家やインフルエンサーに拡散依頼などを行うと、より多くの被リンクを集めることができます。
SEO対策をしたランディングページは資産となる
ランディングページの上位表示にはメリットがあるため、SEO対策に取り組む価値は十分にあります。従来の1ページ完結型ランディングページはSEO対策が難しい面もありますが、階層構造を持つサイト型ランディングページであればSEO対策が可能です。
SEO対策を行ったサイト型ランディングページは自然検索からのサイト流入が期待でき、新たな集客チャネルとして機能するようになります。上位表示ができるランディングページは、長期的にリードの創出に貢献する資産となるでしょう。
今回紹介したポイントを参考に記事コンテンツを作成し、検索エンジンで上位表示が維持できるランディングページを作成してみてください。