事業立ち上げを成功させるためのスタートアップ完全ガイド

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Meg Prater (she/her)
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訪問者をもっと増やしたい、有望なリードを獲得したい、収益を拡大したい、誰もがそう望んでいます。しかし、ビジネスを立ち上げただけで、顧客と収益が自然と湧いてくるわけではありません。

entrepreneur starting a business and shipping new product

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スタートアップを軌道に乗せる上で大きく関連してくるのは、タイミング、プランニング、市場です。起業に適した経済状況かどうか、自社のソリューションで無事に市場に進出できるかどうかを見極める必要があります。

会社を立ち上げて順調に経営していくためには、事業計画を立案して改良すること、会社の財務状況を評価すること、法務書類に記入すること、パートナーを選定すること、さまざまなアプリを調査してスタートアップ企業の成長につながるものを探すこと、マーケティングや営業に役立つ最高のツールとシステムを選ぶことなど、無数の作業をこなさなくてはなりません。

そこでHubSpotでは、スタートアップ企業の営業とマーケティングの始動に役立つ無料のツールとリソースの一覧表、そして事業立ち上げのヒントをまとめた完全ガイドを作成しました。事業計画書の作成から、法的手続きや資金調達、事業をオンラインで成長させるための秘訣まで、あらゆるトピックを網羅しています。

事業計画書テンプレート

企業情報や製品の説明の書き方、売上やマーケティング目標と計画の設定内容、法的考慮事項など、事業計画書に記載すべき項目をすべてをまとめました。

  • 営業に有利となる会社情報の書き方
  • 成功するための目標と測定基準の設定方法
  • 製品詳細や競合優位性の説明方法
  • 順調なスタートを切るために必要な財務予測

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    起業のステップ

    1. 事業計画書を作成する
    2. 必要な法的手続きを確認する
    3. 顧客獲得戦略を策定する
    4. マーケティング活動に取り組む
    5. 製品やサービスの営業活動を行う
    6. 顧客満足度を向上させる
    7. 事業資金を調達する

    会社を立ち上げるときには、やることが山のようにあります。商号を決めるためのブレインストーミングのように楽しい作業ばかりでなく、納税申告手続きなど、あまり楽しいとはいえない作業も欠かせません。起業を成功させるコツは、慎重に計画を練り、資料を整理し、優先順位を適切に設定し、やるべきタスクの遂行状況と成果を正確に把握することです。

    事業計画書の作成から、設立後のオンラインプレゼンスの確立、財務面の重要な意思決定まで、好スタートを切るための必要事項を確認する上でこのガイドがお役に立てば幸いです。

    事業計画書の根本的な意義は、その会社の事業案に追求するだけの価値があるのかどうかを内外に証明することです。一歩引いたところから自らのアイデアを俯瞰して、将来起こり得る問題にあらかじめ対処するには、事業計画書を作成するのがベストでしょう。

    今回は、事業計画書作成のヒントに加えて、必要な項目やサンプルもご紹介していきます。詳細に入る前に、基礎を丁寧に解説していきたいと思います。

    関連資料:無料の事業計画書テンプレート

    インタラクティブPDF版事業計画書テンプレート

    無料の事業計画書テンプレートをダウンロードして、以下のベストプラクティスを適用してみることをお勧めします。

    1. 他社との差異化要因を絞り込む

    すぐに文面を書き始めたくなるかもしれませんが、まずは他社にはない自社独自のポイントをじっくり考えてみてください。例えば、新しいスポーツウェア販売事業の立ち上げを計画しているなら、現在流通している無数のスポーツウェアブランドとの差異化を図らなければなりません。

    自社が他社と比較して際立っている点はどこでしょうか。ヨガやハイキング、テニスなど、いずれかのスポーツやアクティビティーに特化している、環境に配慮した素材を使用している、収益の一部を慈善事業に寄付する、ありのままの身体を前向きに受け入れようと呼びかける「ポジティブ ボディ イメージ」を推進しているなど、何かしらの特徴があるはずです。

    市場における自社ブランドのポジショニングを理解することが、認知度と売上の向上につながります。

    企業は単に製品やサービスを販売しているのではなく、製品、価値、ブランド、そのすべてが融合して生まれる顧客体験を販売しているのです。事業計画を立てるための本質的な調査に乗り出す前に、まずは上記の例に挙げたようなポイントについてよく考えて、書き出してみましょう。

    2. 簡潔にまとめる

    最近の事業計画書は以前よりもはるかに短く、簡潔になっています。事業計画書には、実施した市場調査の結果をすべて載せたり、販売したい製品を1つひとつ詳しく紹介したり、自社ウェブサイトの明確な構想を説明したくなるかと思いますが、事業計画書の形式としては有効ではありません。

    こうした詳細情報もしっかりと理解し、どこかに書き残しておく必要がありますが、事業計画書には最も肝心な要素だけを記載するようにしましょう。すぐに読み終わるという程度の簡潔さでは不十分で、流し読みでも要点をつかめるように仕上げることが大切です。

    3. 作成後も随時更新する

    事業計画書とは常に変わり続ける文書です。状況が変化したときには更新できます。例えば、事業を立ち上げた1~2年後に新しいラウンドでの資金調達を行うときには、事業計画書の更新が必要になるでしょう。

    事業計画書テンプレートの主な項目、それぞれに記入する内容、各セクションのサンプルを紹介していきましょう。

    1. 事業計画概要を作成する

    事業計画概要は、詳細な内容に入る前に企業と市場の全体像を知らせるためのセクションです(ヒント:場合によっては、他の部分がすべて完成してから事業計画概要に取りかかったほうが、重要なポイントを整理しやすくなります)。

    事業計画概要は以下の内容を盛り込み、1ページほどの長さにとどめます(各項目は1~2段落)。

    • 概要:企業情報、所在地、販売する製品やサービス、ターゲット層
    • 企業紹介:事業形態、事業主のプロフィールや経歴やスキル、初期従業員の候補
    • 製品やサービス:販売する予定の製品またはサービス
    • 市場:実施した市場分析で明らかになった重要な知見やプロダクト マーケット フィット(製品やサービスが市場に適合している状態)の達成状況
    • 財務上の考慮事項:事業資金の調達計画と財務予測

    事業計画概要の「概要」セクションのサンプル(出典:Bplans

    Jolly's Java and Bakery(JJB)は、ワシントン州南西部に開業するコーヒーやパンなどを扱う小売企業です。コーヒーとペストリーのメニューを豊富に提供することで、興味関心をつかみ、顧客基盤の定着を図りたいと考えています。業界経験の豊かな企業とパートナーシップを結ぶこと、競合のあまり激しくない地域に出店を予定していることから、地域の市場において強力なポジションを築けるものと考えています。

    JJBは、地元の中高所得者層と観光客の需要に応えるべく、低価格層での商品提供を目指しています。

    2. 企業概要とビジネスモデルを説明する

    次は企業概要です。このセクションでは、事業内容、経営理念、事業形態、事業主の詳しいプロフィール、所在地、市場のどのようなニーズをどのように満たすことを想定しているのかを簡潔に説明します。

    「企業概要」セクションのサンプル(出典:Bplans

    NALB Creative Centerは今夏に開業するスタートアップ企業です。島内で現在販売されていない商品を中心に、バラエティー豊かな美術・工芸用品を販売する予定です。アーティストたちは使い慣れた商品をインターネット上で購入しているため、当社はオンラインの通販業者と競合することになります。そこで当社はアーティストたちが過去に使ったことのなさそうな商品を取り扱います。商品の価格設定は常にオンライン通販も含めた他社の価格と比較して行います。

    当社は、新しい技法や美術材料の使い方についての講座を開催する予定です。

    「Artist's Oasis」ツアープログラムの立ち上げも予定しています。地元のホテルに部屋を確保し、屋外での制作活動に適した場所をまとめた地図やガイドを提供し、イーゼルや美術用品を貸し出します。また、絵具をはじめとする各種画材を販売し、完成した作品が乾いたら顧客宛てに発送します。

    将来的には、オリジナル作品を卸売価格またはそれに近い値段で販売するアートギャラリー、音楽スタジオまたは楽器演奏スペース、美術や音楽レッスン用の教室、関連書籍をそろえた図書スペース、生演奏付きのバーやコーヒーカウンター、オリジナルTシャツやカード作り、陶芸といった観光客向けの体験コーナーなどを設置して、店舗を拡大していく予定です。

    3. ターゲット市場の状況を分析する

    事業案を検証するためにまず確認したいのは、市場に参入できる余地があるかどうかという点です。事業がどの程度成功するかは、市場の状況によって大きく左右されます。あなたは、どのような市場をターゲットに設定していますか。その市場の消費者が自社の製品やサービスを購入したいと思う理由は何でしょうか。

    これについては具体的に考える必要があります。寝具を販売するとして、睡眠をとるすべての人をターゲットに設定するのは有意義とはいえません。まずは中所得世帯の10代向けなど、小規模のグループに絞り込みます。

    次に「国内に中所得世帯の10代は何人くらいいるのか」などの情報収集に取りかかります。中所得世帯の10代は一般的にどのような寝具を必要としているのか、その市場は拡大しているのか停滞しているのかといった視点が重要です。

    外部で実施された調査の分析結果だけでなく、自社でも顧客アンケートや聞き取り調査などを実施して、データを収集しましょう。

    このセクションには競合分析も含めます。例えば、同市場のシェアは現在何社の企業に占められているのか、それぞれどのような企業かといった情報が必要になります。

    競合する可能性のある各企業の強みと弱みを簡潔に書き出し、自社の競争力を高める戦略を考えましょう。

    「市場分析」セクションのサンプル(出典:Bplans

    Green Investmentsは2つの顧客グループをターゲットとして設定しました。世帯保有資産額100万ドル以上のグループと、100万ドル未満のグループに分かれています。この2つをターゲットに設定したのは、環境的要因を考慮した投資判断を行うことで世の中を良くしたいという思いを持っていることが理由です。

    金融サービス業界には多くのニッチな市場が存在します。アドバイザーは、投資サービス全般を扱っている場合もあれば、投資信託や債権など一部のタイプの投資に特化している場合、テクノロジー企業や社会的責任の大きい企業などに対象を絞ってサービスを提供している場合もあります。

    Green Investmentsは、ターゲット市場を2つに分類しました。この2つのグループは世帯保有資産額100万ドルを境目として区別されています。

    • 世帯保有資産額100万ドル未満のグループ:環境に関心を寄せているミドルクラスの人々で、経済的パフォーマンスと環境パフォーマンスの双方に優れた実績を有する企業を選んで株式投資を行うことで、個人として行動を起こしています。資産に大幅な余裕があるわけではないので、リスクが中程度の株式を選んで投資します。このグループの顧客は一般的に、資産ポートフォリオの35~45%を株式投資、残りを他のタイプの投資で構成しています。
    • 世帯保有資産額100万ドル以上のグループ:アッパーミドルクラスからアッパークラスに該当します。100万ドル以上の金融資産を築いており、(本人または資産運用を委託されている人が)豊かな経験と知識を持つ投資家です。多くの場合、投資の収益率を重視しますが、環境問題にも関心を寄せています。

    4. 自社の製品またはサービスについて説明する

    このセクションでは、販売する製品やサービスの内容と、顧客へのメリットを詳しく説明します。顧客へのメリットを明確に語れないなら、優れた事業案ではない可能性があります。

    解決したい問題を最初に取り上げてから、その問題をどのように解決するつもりなのか、その問題を解決する上で自社の製品またはサービスがどう役に立つのかを述べます。締めくくりは競合状況の説明です。自社が解決したい問題に対するソリューションを提供している企業を挙げ、他社と比べて自社のソリューションはどのような点が優れているかを書きましょう。

    「製品やサービス」セクションのサンプル(出典:Bplans

    AMTは小規模企業に役立つコンピューター関連の製品とサービスを提供します。特に中堅中小企業向けのネットワークシステムとサービスの提供に注力しており、PCベースのLANシステムとミニコンピューター向けサーバーベースのシステムの両方を取り扱っています。また、ネットワークの設計および設置、トレーニングやサポートといったサービスを提供します。

    PCは、3つの製品ラインを扱います。

    1. Super Home:最も小規模かつ低価格の製品ラインです。メーカーによって家庭用コンピューターとして位置づけられています。この製品ラインは主に、小規模企業に設置する安価なワークステーションとして活用します。仕様は以下のとおりです。[仕様の詳細は省略]

    2. Power User:主軸となる上位の製品ラインです。家庭や小規模企業向けハイエンドのメインワークステーションであり、当社の最も重要なシステムです。主な強みは○○で、仕様は以下のとおりです。[仕様の詳細は省略]

    3. Business Special:ポジショニングで空白になっている部分を埋めるための中級システムです。仕様は以下のとおりです。[仕様の詳細は省略]

    周辺機器、アクセサリー、その他のハードウェアについては、ケーブルからフォーム、マウスパッドまで、必要なあらゆるアイテムを提供します。[以降の詳細は省略]

    サービスとサポートについては、持ち込み修理、デポ修理、保守契約、現場修理保証をはじめとする多種多様なサービスを提供します。サービス契約の販売実績はまだ多くありません。当社のネットワーク機能は…[以降の詳細は省略]

    ・競合との比較

    競合他社との大きな差異化を図るための唯一の方法は、お客さまのITをサポートする味方を目指すことです。当社は、設備用の製品やボックス品を提供しているチェーン各社とどうやっても効果的に競争することはできないでしょう。そのため、お客さまに寄り添って強力にサポートすることが必要になります。

    当社が提供するのは、確実性、信頼性、いつも質問に答えてくれて大事なときに助けてくれる誰かがいるという安心感など、さまざまな無形のメリットです。

    複雑で難しい製品を使用するには高度な知識と経験が必要になりますが、競合他社は製品そのものしか提供していないのです。

    残念ながら、サービスを提供するからという理由だけで当社で販売する製品の価格を上げることはできません。市場はこうした考え方を支持しないことが分かっています。そのため、サービス提供時には別途料金を請求する必要が生じます。

    5. 組織構成と経営体制を概説する

    このセクションには、誰が何を担当しているのか、業務や職務を担当者やチームにどのように割り当てるのかなど、独自の組織構成と経営体制を要約します(ここに説明した構成や体制は後で変更することも可能です)。

    各チームメンバーの簡単なプロフィールを記載します。関連する経歴や学歴など、役職に適任であることを裏付ける情報を挙げるとよいでしょう。計画段階の役職にはまだ人材を採用できていなくても構いません。未採用であることを必ず明記し、その役職が担当する業務を説明してください。

    組織構成および経営体制セクションの「人事計画」セクションのサンプル(出典:Bplans

    DIY Wash N' Fixは少人数の従業員構成を予定しています。取引関係の対応と組織全体の責任を担うパートタイムのゼネラルマネージャー1名を採用します。さらに、日常業務の担当者として、必要な資格を有する自動車整備士もしくはマネージャーを3名採用します。日常業務は事務作業と現場作業の2カテゴリに分類されます。事務作業には、スケジュール管理、在庫管理、基本的な帳簿入力などが含まれます。安全、規制上の問題、カスタマーサービス、修理に関する相談などは、現場業務に含まれます。

    さらに、カスタマーサービス担当者を複数名採用します。基本的な業務としてはカスタマーサービスと保守管理作業を担当します。社外の事業活動やパートナーシップに関する調整はすべてゼネラルマネージャー1名に一任します。パートナー企業には、会計事務所、顧問弁護士、販売会社やサプライヤー、保守管理サービス提供業者、金融機関、広告・マーケティング会社、資産運用会社などがあります。このゼネラルマネージャー職にはLaurie Snyderが就任します。Snyderは2001年5月にノートルダム大学にてMBAを取得する予定です。

    当社の日常的な管理業務は、主席整備士が担当します。DIY Wash N' Fixはあらゆる要望に対応するフルサービスの修理工場ではありませんが、自分で修理をやってみたいけれど、詳しいことが分からないからアドバイスが欲しいと望む顧客層に対応したいと考えています。そのため、正式な資格を持つ整備士を3名採用する予定です。これらの整備士は顧客の車両に直に修理作業を行うことはできませんが、車両を確認して問題点を特定することができます。不適切な修理が行われた場合に課される法的責任を軽減するために、顧客へのアドバイスを提供するのは有資格の整備士のみに制限しなければなりません。整備士は主にカスタマーサービスと管理業務に対応する予定です。

    6. マーケティングと営業の戦略を策定する

    このセクションでは、製品やサービスの実際の販売方法に関する包括的なマーケティングおよび営業の戦略を立案します。計画そのものの作成に入る前に、自社の市場分析を完成させ、ターゲットとするバイヤーペルソナ、すなわち理想的な顧客像を選定する必要があります(作成方法の詳細はバイヤーペルソナのテンプレートをご覧ください)。

    マーケティング面では、市場進出や事業拡大の方法、販路として注力するチャネル、顧客とのコミュニケーション手段などを検討します。

    営業面では、営業戦略、営業チームの編成、将来的なチームの増強計画、成長を見据えた拡大の計画などを検討します。

    また、1件の受注を獲得するために営業電話を何回かける必要があるのか、平均受注額はいくらかなどの情報も必要です。平均受注額に関連して、このセクションで価格設定戦略に言及することもできます。

    「マーケティング計画」セクションのサンプル(出典:Bplans

    Skate Zoneは、フロリダ州マイアミ初のアマチュア向けインラインホッケー施設の開業を計画しています。米国全土でインラインホッケーの人気が驚異的に高まっている今、Skate Zoneはさまざまなメディアや広範なマーケティングコミュニケーションを積極的に採用することを念頭に置いた宣伝・販促計画を立案しました。現在の宣伝・販促活動を以下に挙げます。

    広報:『USAHockey Inline』、『INLINE the skate magazine』、『PowerPlay』をはじめとする業界誌や主要ビジネス誌の双方にプレスリリースを発表しています。

    競技大会:米国全土で毎年開催されているチャンピオンシップ競技大会で自社サービスを宣伝します。

    出版広告と記事の出稿:Skate Zoneの出版広告プログラムには、イエローページ、『Miami Express News』、『The Skate Zone Mailing』、学校用チラシ、インラインホッケー業界誌への広告展開が含まれています。

    インターネット:現在ウェブサイトを運営しており、ウェブサイト経由での問い合わせを既に数件受け取っています。さらに専門的で効果的なウェブサイトへと改良する計画を進めているところです。将来的には、このウェブサイトを主要なマーケティングチャネルの1つとして運営することを予定しています。

    7. 事業コスト、資金調達、収益予測を含む詳細な財務計画を記載する

    開業費用、財務予測、投資家へのピッチを行う場合は出資要請を含めて、詳しい財務モデルについてまとめましょう。

    開業費用とは、事業を開始するために必要なさまざまな資金のことで、各資金の試算額を記載します。オフィスの賃料、PCや電話の設置費用など、必要経費をすべて書き出し、それぞれの金額を挙げましょう。試算額は正確かつ慎重に見積もってください。資金が底をつくのは最も避けたい事態です。

    必要なコストをすべて洗い出したら、その正当性を証明するために、財務予測を詳しく説明する必要があります。事業資金の調達先を探しているときには(資金調達の詳細は後述します)この部分が特に重要です。出資者と融資機関を説得して事業に出資してもらえる可能性を最大限に高めるために、財務モデルには100%正確な数字を記載してください。

    下図はMarkam Driving Schoolの損益計算書です(出典:Bplans)。

    事業計画書の財務予測サンプル

    画像出典

    8. 各項目の概要を付録にまとめる

    最後に、付録をつけて事業計画書を完成させます。付録の作成は任意ですが、事業主や共同創立者の履歴書、許可証や賃貸借契約書などの法的書類といった事業計画書に添えておきたいあらゆる書類を掲載する場所として活用できます。

    事業計画書のテンプレート

    事業計画書の作成に取り掛かる前に、事業計画書テンプレートをダウンロードすることをお勧めします。このテンプレートには、記入するべき内容の概要が記載されているため、作業プロセスが楽になります。

    事業計画書テンプレート

    表紙を作成したら、自社で扱う製品やサービス、顧客のニーズを満たす方法など、事業内容について説明しましょう。そして、組織構成やミッションステートメントなど、詳しい企業情報についてまとめます。

    次に、製品やサービスについて、価格設定モデルや競合他社との差異化要因といった詳細を記載します。

    その次のセクションでは、ターゲットオーディエンスまたはバイヤーペルソナを定義します。アンケートや聞き取り調査を行って、自社の製品を求める顧客層、興味を持つ理由、解決が望まれる問題などを明らかにします。

    続いて、商品またはサービスをどのように売り込み、販売するように計画しているのかを述べましょう。ここでは、成長に向けた計画を明確にし、マーケティングおよび営業活動の目標と方法も設定してください。

    今度は、採用する法人形態(LLP、個人事業など)を記し、検討すべきその他の法的要素(各種認証、免許、保健衛生基準など)がある場合はそれらも記載します。

    最後に財務予測を立てて、短期および長期の事業目標を設定してください。

    事業計画書のサンプル

    この事業計画書テンプレートを基に作成した事業計画書のサンプルを一部ご紹介します。

    ドーナツ店の事業計画書サンプルの表紙事業概要、会社紹介、ターゲット市場、商品およびサービスの説明を含むドーナツ店の事業計画書サンプル

    画像出典

    すべての製品カテゴリーが1ページにまとめられた、無垢材のおもちゃの販売企業の事業計画書サンプル画像出典

    事業概要、企業紹介、ターゲット市場、サービス内容について書かれた、営業トレーニング販売企業の事業計画書サンプル画像出典

    起業に必要な法的手続きは?

    事業計画書が完成したら、次はもう少し現実的なタスク、つまり事務作業と法務作業に取りかかります。たとえば、法人形態や商号の確定、会社の登記に加え、法人形態や業界によっては法人番号、営業許可、販売許可の取得も必要です。

    さらに、企業に対して政府機関や地方自治体による各種の規制も設けられています。あらゆるレベルの法的要件を必ず確認してください。登記を行うときには、事業所が所在する地域で求められるすべての手続きを行います。必要な手続きが抜けていると、正式に法人として見なされませんので、きちんと把握しておきましょう。

    新規事業のための顧客獲得戦略

    需要を生み出し、顧客のニーズを獲得しなければ、説得力をもって融資機関に出資を求めることはできません。 

    新しい会社を登記し、法的な手続きをすべて完了したら、次に考えるべきは顧客を獲得する方法です。

    大きな資金を調達するには(事業資金の調達については後述します)、以下のことに取り組む必要があります。

    • マーケティング活動を通じてオンラインプレゼンスを確立する
    • 営業プロセスを整理し、製品やサービスの営業に着手する
    • 顧客の満足度を高めて、顧客の推薦文や口コミによる紹介、リピーター獲得につなげる(そして常に顧客を獲得し続ける)ための戦略を練りましょう。

    スタートアップにおけるマーケティング戦略

    新しく企業を設立したら、まだ販売の準備が整っていない段階でも、製品やサービスに大きな注目を呼び集めておく必要があります。認知獲得に役立つプラットフォームや手段が山ほどある中で、いったいどこから始めればよいのでしょうか。

    1. ターゲットの顧客を絞り込む

    すべてはターゲット顧客の設定から始まります。顧客像を理解していなければ、顧客のニーズを満たすための製品やサービスのポジショニングなどできるはずがありません。どんな人が自社の製品やサービスを必要とし、便利だと感じ、愛着を持ってくれるかを考えるところから始めましょう。

    そうして描いた顧客像を掘り下げて、その心に届くメッセージの内容や発信方法を検討します。たとえばターゲットの背景情報、関心事、目標、課題に加え、年齢、職業、よく使っているソーシャルプラットフォームなどを考える必要があります。

    具体的なバイヤーペルソナを描ければ、業績の大幅な向上も期待できます。HubSpotでは、ご自身のニーズに合わせてカスタマイズできるバイヤーペルソナのテンプレートもご用意していますので、ぜひご利用ください。顧客像を1~2つに絞り込んだら、印刷して壁に貼っておくことをお勧めします。ビジネス上の意思決定を下すときには、その顧客像の関心やニーズについて必ずいったん考えるようにしましょう。

    2. ブランドアイデンティティーを構築する

    事業を立ち上げる際には、ターゲット顧客の調査に加え、強固なブランドアイデンティティーの土台を構築しなければなりません。ブランドアイデンティティーとは、自社がどのような価値を提供し、コンセプトをどう伝え、自社とやり取りする中で顧客にどのような印象を持ってもらいたいかを明確にしたものです。一貫したブランドアイデンティティーに基づいて事業を推進すれば、専門性や信頼性の高さが印象づけられ、新たな顧客を呼び込めるようになります。

    3. オンライン上でのプレゼンスを築く

    ターゲット顧客層とブランドアイデンティティーを定義したら、次はマーケティング活動の中核的な要素を構築します。具体的な要素としては、ウェブサイト、ブログ、Eメールツール、コミュニケーションツール、SNSアカウントなどが挙げられます。このトピックについて詳しく知りたい方は、こちらのスモールビジネスのネットマーケティングはじめ方をご参照ください。

    4. リードを獲得して購買意欲を醸成する

    オンラインプレゼンスの構築と認知度の向上に取り組み始めたら、今度はリード(見込み客)の獲得が必要になります。リードの獲得とは、これまで接点のなかった人々や潜在顧客に関心を持ってもらい、リードへの転換を促すプロセスです。優れたリード獲得の仕組みを築くことができれば、それほど手間をかけなくても営業パイプラインにいつも十分な案件数が維持されるようになるでしょう。

    効果的なプロセスについては、リード獲得の入門ガイドでご確認いただけます。また、HubSpotの無料マーケティングツールでは、ウェブサイトの訪問者やリードを単一のコンタクトデータベースで追跡管理できます。リード獲得の無料ツールとしてぜひお試しください。

    マーケティングに活用できる無料ツール&資料まとめ

    認知拡大、オンラインプレゼンスの確立、リードの獲得に役立つ無料のツールと資料をご紹介します(英語ページへのリンクも含まれます)。

    • スタートアップのためのインバウンドマーケティング究極キット:最大限のROI(投資収益率)を達成できる需要創出の取り組みなど、営業とマーケティングのシステムを構築する方法を解説した全20ページのガイドです。→ガイドをダウンロードする
    • HubSpotの無料マーケティングツール:フォームに入力する前後のリードの行動を追跡できる無料のマーケティングツールです。アナリティクス(分析)機能が組み込まれており、コンバージョンに最も大きく貢献しているページやオファー、トラフィックソースを簡単に把握できます。→無料で試してみる
    • Website Grader:ウェブサイトのURLとメールアドレスを入力するだけで、ウェブサイトのパフォーマンス、モバイル対応、SEO、セキュリティーなどに関する詳細な評価に加え、効果的に改善するためのきめ細やかなアドバイスと関連資料が提示されます。→ウェブサイトを評価する
    • プレスリリースのテンプレート:自由にカスタマイズできるプレスリリースのテンプレートです。プレスリリースの作成方法とプロモーション計画の立て方を解説したガイドも付属しています。→プレスリリースのテンプレートをダウンロードする
    • ケーススタディーのテンプレート:自由にカスタマイズできるケーススタディーのテンプレートです。候補者を選定して事例作成を依頼する方法に関するヒントや、インタビューでの質問例も盛り込まれています。→ケーススタディーのテンプレートをダウンロードする
    • コンテンツ作成テンプレート:ソーシャルメディア用画像テンプレート100種、PowerPointプレゼンのテンプレート8種、CTA(Call-to-Action)テンプレート50種、インフォグラフィックテンプレート15種、eBookテンプレート5種、ブログ記事テンプレート5種をはじめとする数々のテンプレートをご利用いただけます。→コンテンツ作成テンプレートをダウンロードする

    営業組織はどう立ち上げる?

    1. 営業のインフラを整備する

    時間をかけて営業プロセスをゼロから立ち上げ、しっかりと整備しておけば、後にデータの紛失に悩まされるリスクを回避できます。まずはCRMの整備から始めましょう。CRMは顧客とプロスペクト(営業段階の見込み客)をすべて一元的に追跡管理できるデータベースです。現在、数え切れないほどのCRMが提供されていますが、その中でも小規模企業に適したCRMを選ぶことをお勧めします(なお、ExcelはCRMに十分活用できるとはいえません)。

    2. 営業目標を設定する

    KPI(重要業績評価指標)やROIといった専門用語におじけづく必要はありません。こうした単語は、事業継続に必要な売上を立て、その売上を増やしていくために把握しておくべき要素を指しているにすぎないのです。収益はいくら必要か、その目標を達成するには製品をいくつ販売する必要があるか、計算してみましょう。

    3. 営業担当者を採用する

    事業を立ち上げているときには、営業も含めてあらゆることを自分でこなしてしまおうと考えるかもしれません。しかし、将来の拡大を見据えれば、顧客理解と営業活動に専念できるメンバー、つまり営業担当者を採用することは欠かせないステップです。最初の営業担当者の選考においては、候補者の年齢よりも、現場経験の豊かさと、自社のターゲットとする顧客像を正確に理解しているかどうかに注目してください。それから営業開発チームを構築する計画を立てるとよいでしょう。

    4. 営業の業績を向上させる

    カギとなるのは効率性です。以前の記事で 紹介した8ステップのフレームワークなどを参考に、事業規模を問わず採用できるような営業プロセスを整理しましょう。データ入力などの営業関連の作業を自動化したり、プロスペクトが何らかの行動をとった時に通知が送られるよう設定したりするのも有効です。そうすれば、レコードデータをいちいち確認する手間が省け、営業電話の発信先を間違えることも減るので、結果として戦略策定と営業活動そのものに時間をかけられるようになります。

    営業に活用できる無料ツール&資料まとめ

    営業プロセスの効率化、プロスペクトへの働きかけ、顧客の獲得に役立つ無料のテンプレートと営業支援ツールをご紹介します(英語ページへのリンクも含まれます)。

    • Eメール用署名作成ツール:ビジネスEメール用の署名を簡単に作成できる無料ツールです。作成した署名は、Gmail、Outlook、iCloudメール、Yahoo!メールなど、さまざまなEメールサービスで簡単に使用できます。→Eメール用署名を作成する
    • 営業メールのテンプレート:HubSpotをはじめとする各社でその効果の高さが実証されている25種類のEメールテンプレートを集めました。→営業メールのテンプレートを入手する
    • 営業電話のスクリプト:実践に使える営業電話用のチェックリストです。プロスペクトと打ち解け、信頼関係を構築し、課題を理解し、主要な意思決定者を特定し、フォローアップミーティングの約束を取りつけるといったすべてのステップを網羅しています。→営業電話のスクリプトをチェックする
    • Daniel Pink氏の「Sell Like a Human(人の心を動かす営業)」動画シリーズ:この毎月発行の動画シリーズでは、営業のエキスパートであるDaniel Pink氏とすてきなゲストたちが、営業の現場で発生する困難な課題の数々を30分以内に解決していきます。→動画シリーズを視聴する
    • 成約率の業界ベンチマークツール:自社の成約率を同じ業界の他社と比較できるツールです。28の業界から8,900社を超える企業のデータが集約されています。→成約率を比較する

    HubSpotアカデミーでは、デジタルマーケティングと営業について必要な知識を総合的に学べます。この無料のトレーニングをチーム全員で受講してみませんか。ぜひこちらから無料でご登録ください。

    顧客満足度を向上するには?

    新規顧客の獲得は確かに重要ですが、獲得した顧客を定着させることも同じくらい大切です。いったん獲得した顧客をそのまま放置してはいけません。顧客を気にかけ、素晴らしいカスタマーサービスを提供することで、自社に愛着を持ったファンに、そして周囲に広めてくれるエバンジェリストに育てましょう。

    マーケティングも営業もビジネスに欠かせないものですが、それだけで十分というわけではありません。どれだけ時間と労力を費やしてマーケティングと営業の戦略を練り上げたとしても、満足度の高い顧客を定着させることができなければ、水の泡になってしまいます。

    つまり、カスタマーサクセスのモデルを構築することを組織の優先事項に掲げる必要があるのです。

     

    さまざまなレビューサイト、ソーシャルメディア、情報収集サイトで、自社の製品やサービスについての情報がどのように拡散されるか、少し考えてみてください。

    そうした情報は良くも悪くも、スピーディーかつ効果的に影響を生んでいきます。マーケティングと営業のプロセスは社内で制御し、自分たちで磨き上げて改良していけるものですが、プロスペクトの大半はマーケティングや営業のプロセスが優れているかどうかではなく、一般に発信されているコンテンツや文書を材料にそのブランドについて判断します。

    高い顧客満足度を常に追求し、素晴らしい企業として輝き続けるためのヒントを以下にいくつか挙げておきます。

    1. 迅速な対応を心がける

    (チャネルによって度合いに多少の差はありますが)顧客は早急な問題解決を期待しています。常に素晴らしいカスタマーサービスを提供して、顧客の信頼を失わないためには、顧客からの要望にいつでも機敏かつ効率的に対応する必要があります。

    さまざまなチャネルで、自社の名前や話題がどのくらい挙がっているかに注目しましょう。自社の顧客が最も長い時間を費やし、最も多く質問しているのは、ソーシャルネットワーク、Yelp、それとも他のチャネルでしょうか。そのチャネルを使用して顧客との接点を持つようにします。

    2. 顧客ごとのタッチポイントを追跡する

    顧客とコミュニケーションをとるときには、これまでの履歴や背景情報が何よりも参考になります。1人ひとりの顧客とのタッチポイントをすべて追跡することで、自社の顧客体験に対する理解が深まり、長期的に見れば大きな利益につながります。

    顧客になってからの期間や購入回数のほか、営業プロセスの間にどのようなことを体験したのか、自社のカスタマーサポートや製品について好意的なフィードバックや建設的なフィードバックを送ってくれたかどうかなどを確認することで、自社による対応の全体像が見え、顧客とのコミュニケーションをさらに有意義なものへと改善できるようになります。

    3. 継続的なフィードバック収集プロセスを構築する

    初めての顧客を獲得した瞬間から、顧客の感想を積極的に求めましょう。事業が成長していくと、顧客の意見を聞くのは難しくなります。そのときに貴重な情報源となるのが、顧客に直接対応する担当者です。顧客や見込み客のことを誰よりもよく知っています。

    4. ウェブサイトにFAQページを作成する

    顧客が分からないことを自分で調べられるツールを提供し、会社の成長に合わせて拡充していきます。手始めはシンプルな「よくある質問(FAQ)」ページがよいでしょう。その後、顧客基盤が拡大していくにつれ、たとえばFAQページをナレッジベースやライブラリーに発展させて、よくある質問への回答や解決手順を掲載するなど、顧客にとって参考になる資料を集めたウェブサイトへと転換させることで、セルフサービスを促進します。

    起業に向けて動き出してから、安定した利益を挙げられるようになるまでの間、事業の運営と成長のために開業資金を調達する必要があります。少額の自己資金や、友人や家族から援助してもらった資金だけで起業するケースも見られ、このスタイルは「ブートストラッビング」と呼ばれます。

    この起業スタイルなら、事業主にとって経営の自由度は確保されますが、経済的なリスクも高くなります。家族から資金を借りている場合は、事業がうまくいかなくなると、休日の夕食会がギクシャクするなど、関係が悪化しかねません。

    多くの起業家は、事業を軌道に乗せるために外部から開業資金を得ねばなりません。そうした皆さんの参考になるように、一般的な外部資本の種類について解説していきます。

    1. シードファイナンス

    市場機会の調査や、製品またはサービスの初期バージョン開発などに、比較的少額の資金を必要としている場合は、シードファイナンスがぴったりです。

    シードファイナンスにはさまざまなタイプがありますが、最もよく聞くものはおそらく「シードラウンド」でしょう。シードラウンドでは、優先株式と引き換えに出資を受けられます。企業が売却または清算された場合、優先株式を保有する出資者は出資金を回収する権利を有します。そして多くの場合、優先株式の保有者は「優先配当」または「残余財産優先分配」と呼ばれる追加利益を普通株式の保有者よりも先に受け取ります。

    2. アクセラレーター

    一般的にアクセラレータープログラムとは、新規事業が応募し、参加者同士が公開プレゼンやデモンストレーションによって事業資金をめぐって競い合う、競争率の高い資金調達プログラムです。勝者に選ばれると、出資金や元手資金を獲得できるだけでなく、メンターシップや教育プログラムも利用できます。

    アクセラレータープログラムは当初、テクノロジー企業を対象としてシリコンバレーを中心に実施されていましたが、現在は日本国内のさまざまな業界にも広がっています。

    3. 小規模企業向けローン

    資金の用途について盤石の計画を立てている場合は、銀行、融資機関、地域開発機構、少額融資機関などから融資の承認を得られる可能性があります。

    ローンといっても、銀行ローン、不動産ローン、設備機器ローンなど、さまざまな種類があります。ローンによって資金を獲得するためには、1円も余すところなく明確に用途を示す必要があります。ですから、申請の前に必ずきちんとした事業計画を用意してください。小規模企業向けローンについて詳しく知りたい方は、日本政策金融公庫のウェブサイトをご覧ください。

    4. クラウドファンディング

    ここで、KickstarterやIndiegogoといったプラットフォームを通じて資金を調達した企業の話を思い出した方もいるかもしれません。それこそ「クラウドファンディング」と呼ばれる、比較的新しい事業資金の調達方法です。

    クラウドファンディングの大きな特徴として、一般的には出資者に事業の所有権が付与されない点が挙げられます。クラウドファンディングでは、事業の共同所有者ではなく、事業のアイデアを支持しているものの、必ずしも事業を所有したいわけではないファンや顧客から資金を募ります。

    出資者に協力の見返りとして何を提供するかは、事業主が自由に決定できます。完成した製品の早期利用権、製品の特別版、設立者との交流会がリターンとして提供されるケースがよく見られます。クラウドファンディングについてはこちらのブログ記事で詳しく説明しています。

    5. ベンチャーキャピタルによる出資

    ベンチャーキャピタルからの出資に適していて、さらにその出資を受けられる環境にある企業は、そう多くはありません。一方、上記に挙げた他の調達方法は、ほとんどの新興企業が利用できます。

    起業に莫大な資金が必要で、企業価値を短期間で高めることが可能だと証明できる場合には、ベンチャーキャピタルからの出資を受けることが最適解になる可能性があります。

    通常は、1社以上のベンチャーキャピタルが企業に対して、優先株式と引き換えに多額の投資を行うことを指します。ただし、シードファイナンスのように配当や分配を優先して受け取る権利だけでなく、取締役会の議席や取引の承認権など、ガバナンス(企業統治)に関する権利も付与されるのが一般的です。

    ベンチャーキャピタルからの出資を受けるには、企業価値を短期間で高められる大きなビジネス機会が見込まれること、そのために多額の資金が必要であることを証明する必要があります。

    確かな事業計画と、目標を達成するためのツールや資金がそろったら、事業を立ち上げる準備は万端です。さあ一歩を踏み出しましょう。 

    編集メモ:この記事は、2019年8月に投稿した内容を包括性の観点から加筆・訂正したものです。

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