AI検索とは、生成AIを介してWeb上の情報を検索できるサービスです。検索した情報をAIが自動で整理し、ユーザーに提示します。AI検索は、従来の検索エンジンと同じように使用できますが、根本的な仕組みが異なります。そのため、注意点を理解したうえで活用することが大切です。


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本記事では、AI検索の特徴や仕組み、メリットなどを詳しく解説します。代表的なサービスも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
AI検索(AI検索エンジン)とは
AI検索とは、生成AI技術を用いた検索エンジンのことです。従来の検索エンジンとは仕組みが大きく異なります。
画像生成や文章の要約など、一般的な生成AIと同じように活用することも可能ですが、「情報の検索」という用途に特化しているのがAI検索の特徴です。「生成AIの活用例を教えて」「生成AIツールを導入するメリットは?」といった質問をすることで、生成AIが自然な文章で回答を提示してくれます。
まずは、AI検索の仕組みや従来の検索エンジンとの違いを解説します。
生成AIを活用した検索の仕組み
生成AIは、「プロンプト」と呼ばれる指示を与えると、独自のテキストや画像、音声、動画といったコンテンツが自動的に生成される技術です。オリジナルのコンテンツを簡単に生成できることから、個人の趣味から商用利用まで、さまざまな目的で活用されています。
AI検索も一般的な生成AIと同じように、プロンプトを入力することで回答を得る仕組みです。AIがユーザーに代わってインターネット上の膨大な量の情報を処理し、質問に沿った的確な回答を提示します。
従来の検索エンジンとの違い
Google やYahoo!、Microsoft Bingといった従来の検索エンジンとAI検索には、情報の取得方法に大きな違いがあります。
Google やYahoo!では、検索窓に調べたい情報に関するキーワードを入力すると、キーワードとの関連性が高い順に複数のWebサイトが表示されます。そして、ユーザーがWebページを1つずつクリックして情報を取得するという流れです。
AI検索では、プロンプトの入力欄にユーザーがキーワードや文章を入力すると、AIがプロンプトの文脈を理解したうえでWeb上の情報を自動で収集します。そして、情報を整理した形でユーザーに表示するのが特徴です。ユーザーは個別のページを確認する必要がなく、より効率的に必要な情報を収集できます。
営業やマーケティングにおいては、競合他社の商品・サービスに関する情報やインターネット上のレビュー、SNSで話題になっていることなどを効率的に収集できます。使い方次第で、経営戦略や商品開発などにも活用できるでしょう。
AI検索を使うメリット
ここでは、AI検索を利用する主なメリットを紹介します。
単語ではなく文章で検索できる
従来の検索エンジンでは、情報を検索する際に「生成AI」「生成AI 使い方」のようなキーワードが必要です。そのため、ユーザーは自分が知りたいことを文章から単語ベースに落とし込まなければなりません。
AI検索の場合は、単語だけでなく文章での検索が可能です。例えば、「ビジネスで生成AIを活用する具体的な方法と成果を教えて」といったように、もともと思い浮かんでいた疑問や質問をそのまま入力できます。
また、生成AIに活用されている自然言語処理技術や大規模言語モデルにより、検索時に話し言葉や書き言葉を使ったとしても、AIがその内容を正確に読み取り、的確な回答を返してくれます。
目的の情報を整理してくれる
従来の検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードと関連が高いと考えられるWebページを表示する仕組みになっているため、ユーザー側で情報を整理しなければなりません。例えば、「ChatGPT とは」と検索した場合、複数のページからChatGPTの特徴や機能、導入方法、活用例といった情報をピックアップする必要があります。
AI検索では、情報の収集だけでなく、必要な情報をわかりやすく整理するところまで自動化できます。「200文字程度にまとめてください」とあらかじめ指示を出しておくと、ユーザーの要望に合わせて情報が整理されます。
さらに、AI検索は、出力結果に対するフォローアップにも対応しています。出力された文章が長いと感じた場合は、「ポイントを箇条書きでまとめてください」といった形で、出力結果を使いやすいフォーマットに調整できます。
このように、AI検索は従来の検索エンジンに比べて利便性が大幅に向上していますが、出力結果が正しいとは限らない点に注意が必要です。生成AIのリスクについては、次の記事で詳しく紹介しています。
AI検索の活用方法
AI検索は、情報収集や検索した情報の整理のほかにも、トレンド分析や商品・サービスの比較など、さまざまな活用手段があります。
情報ソースの検索・表示
AI検索ツールのなかには、出力結果を表示する際に情報ソースをあわせて提示してくれるものがあります。情報ソースを確認して理解を深めたいときや、通常の検索では情報が探し切れず、ほかに参考にできる情報やサイトがないかどうか探したい場合などに便利です。
例えば、Perplexityの場合、出力結果を表示するために参照したページのURLやサイト名が画面上部に現れます。また、文章の後ろに表示されている数字にカーソルを合わせると、その文章の情報ソースとなるページの概要が表示される仕組みです。情報ソースをクリックすると、ページが自動で開きます。
ほかにも、資料の最後に参考文献を掲載する場合、「この文章のもととなったサイト名とURLを一覧にしてください」といった指示を与えるだけで、瞬時に情報ソースを用意できます。
トレンド分析
Perplexityには「発見」と呼ばれる機能が搭載されています。この機能を利用すると、画面上に最新のニュース一覧が表示され、それぞれの詳細な内容をAIが要約・整理してくれます。このように、AIツールはトレンド分析にも活用可能です。
「このニュースの内容についてレポートにまとめて」「このニュースから読み解ける傾向やトレンドを教えて」といった指示を与えることで、トレンド分析用の情報やデータを効率良く取得できます。
商品やサービスのスペック比較
AI検索では、「A社の商品とB社の商品・サービスを比較してほしい」といった指示を行うことで、商品やサービスのスペック比較が可能です。価格や搭載されている機能、セキュリティ、サポート内容といった情報をAIがWeb上から検索し、複数の商品・サービスをわかりやすく一覧にしてくれます。
一般的な検索エンジンでも、商品やサービスの比較サイトを参考にすることもできますが、それぞれのサイトを閲覧するのは時間がかかります。その点、AI検索なら、複数のサイトから情報を取得し、そのなかから必要な情報のみを抽出して比較データを提示してくれるため、情報収集の効率性が高まります。
日本語以外の情報ソースのリサーチ
AI検索には生成AIの機能が備わっているため、情報提供とあわせて文章の翻訳にも対応できます。そのため、プロンプトは日本語で入力し、日本語以外の情報ソースをリサーチしたうえで調査結果を日本語で出力することも可能です。
特定の国や地域、言語などを詳細に指定することで、日本語以外の情報源を参考にしつつ、効率良くリサーチを行えます。
情報量が多いWebページからの参照
Webサイトのなかには、数万ページにもおよぶ膨大な量のコンテンツが掲載されているケースもあります。このようなWebサイトから必要な情報を取得しようとすると時間や手間がかかってしまいます。
AI検索なら、特定のWebサイトを指定し、調べたい情報のテーマやジャンルを設定することで、情報量が多いサイトからでも効率良く必要な情報を探せます。特に情報量が多い行政機関や金融機関のWebサイト、大手企業のホームページなどから情報を取得する際に便利です。
AI検索の代表的な種類
生成AIが台頭したことでAI検索に対する注目度も高まり、いまでは数多くのサービスが登場しています。ここでは、AI検索の代表的なツールとそれぞれの特徴を紹介します。
- Perplexity
- Genspark
- ChatGPT search
- Felo
- Microsoft Copilot
Perplexity
出典:Perplexity
Perplexityは、AIスタートアップ企業のPerplexity AI社が提供するAI検索エンジンです。最先端の自然言語処理技術と機械学習を活用しています。
Perplexityには6つのモードがあり、それぞれに実装されているフォーカス機能を活用することで、検索範囲やテーマを絞り込めます。Web全体から情報を収集する「Webモード」、論文サイトのみの情報を参照する「学術モード」、数値やデータから計算処理が可能な「数学モード」などがあり、機能を活用することで効率的な情報収集が可能です。情報ソースの表示にも対応しています。
- 料金プラン
- スタンダード:無料
- プロ:月額20ドル/ユーザー
- 主な機能
- 情報ソースの表示
- ニュース記事の出力
- グラフ・チャート作成
- 画像生成
- 公式サイト:https://www.perplexity.ai/
Genspark
出典:Genspark
Gensparkは、最先端のAI技術を活用したAI検索エンジンです。ユーザーの検索クエリにもとづき、関連情報を集約した専用ページ「Sparkpages」をリアルタイムで生成する点に特徴があります。
Gensparkは、複数のAIエージェントが連携して情報を収集し、ユーザーのニーズに応じた詳細な情報を提供します。特に医療や技術分野においては、レビュー論文に匹敵するほどの深い知識を瞬時に生成できるのがポイントです。また、ユーザーの検索履歴を学習し、より個別化された結果を提示することも可能です。
AIチャットボットとの対話による情報の深掘り機能や、正確性を保証するファクトチェック機能など、ユーザー体験を重視した設計となっています。広告も表示されません。
- 料金プラン
- Free:無料
- Plus:月額19.99ドル/ユーザー(年間契約時)
- 主な機能
- 情報ソースの表示
- ニュース記事の出力
- 画像生成
- 動画生成
- 公式サイト:https://www.genspark.ai/
ChatGPT search
ChatGPT searchは、生成AIサービスのChatGPTを、AI検索の機能に特化させた形のサービスです。従来のChatGPTは、事前に学習された膨大なデータベースをもとに回答を生成します。一方のChatGPT Searchは、ユーザーの指示に応じてインターネット上からリアルタイムで情報を取得し、それらの情報を整理した状態で提供します。
ChatGPT上で地球儀のマークをクリックし、「ブラウズ(関連ページを一通り見て情報収集)してほしい」という指示を与えると利用できます。この指示を与えると、検索クエリに関する複数のWebサイトや情報を画面上に羅列してくれるため、情報収集の効率性が高まります。
また、「このWebサイトから決算情報のみを抜き出してほしい」といった形で、WebサイトのURLを指定して情報を集めることも可能です。
- 料金プラン
- Free:無料
- Plus:月額20ドル/ユーザー
- Pro:月額200ドル/ユーザー
- Team:月額25ドル/ユーザー
- 主な機能
- 情報ソースの表示
- ニュース記事の出力
- 専門情報に特化した情報収集
- 公式サイト:https://chatgpt.com/?hints=search
Felo
出典:Felo
Feloは、Sparticle株式会社が開発した国産のAI検索エンジンです。2億4,500万件以上の学術論文を含む膨大なデータベースを活用し、最新の大規模言語モデルを駆使して質問の文脈に沿った回答を生成できます。
「Felo Agent」と呼ばれるAIエージェント機能が備わっており、関連情報の収集や分析、資料作成を自動で行えます。また、動画の要約やマインドマップ作成、事実確認など、さまざまなテーマのテンプレートが用意されているため、目的に応じたAIエージェントが簡単に作成できます。
- 料金プラン
- Standard:無料
- Pro:月額1,750円/ユーザー(年間契約時)
- 主な機能
- 情報ソースの表示
- AIエージェント作成
- 検索トピックの作成
- 公式サイト:https://felo.ai/ja/search
Microsoft Copilot
出典:Copilot
Microsoft Copilot(旧Microsoft Bing Chat)は、Microsoft社が提供するAI検索エンジンです。OpenAI社が開発したGPTモデルと、Microsoft社の検索エンジンであるBingを組み合わせたサービスとなります。
Copilotでは、ほかのAI検索エンジンと同様、検索クエリに沿った回答の生成や情報の整理といった作業が可能です。そのほかにも、生成AIが得意とする文章の要約や翻訳、画像生成など、さまざまな活用手段があります。
また、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」を利用すると、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoft 365のさまざまなアプリケーションとCopilotを連携できます。例えば、CopilotとPowerPointを連携させることで、Web検索で取得した情報をもとに自動でプレゼン資料の作成が可能です。
- 料金プラン
- Free:無料
- Pro:月額3,200円/ユーザー
- 主な機能
- 情報ソースの表示
- 画像生成
- プレゼン資料の生成
- 数式の生成・データ要約
- 公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/edge/copilot
AI検索を活用して情報収集の効率性を高めよう
AI検索は従来の検索エンジンと異なり、Web検索によって収集した情報をわかりやすくまとめられるという特徴があります。複数のWebサイトやページを確認する必要がないため、効率良く情報収集を行えるのがメリットです。
AI検索とあわせて、AIが搭載されたビジネスサポートツールを利用すると、さらなる業務効率化が可能です。
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