CTAボタンは、商品購入や問い合わせなど、企業がユーザーに取ってもらいたいアクションを促すための重要な要素です。CTAボタンの色や形、サイズなどによってクリック率が大きく変わるため、ポイントを押さえたうえで作成しましょう。
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なかでもCTAボタンの色についてはさまざまな議論があり、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、CTAボタンの重要性、クリックされるために適切な色や、色の持つイメージと効果を解説します。CTAボタンの色についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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CTAボタンの色が重要な理由
そもそもCTAボタンはLPやホームページで、コンバージョン(CV)につなげるための導線を担う重要な要素です。そのため、ユーザーがわかりやすいように視認性のあるデザイン、または視覚的訴求ができるデザインが求められます。それにはCTAボタンの「色」が大きな役割を担っています。
色が人間に与える心理的な影響については、さまざまな研究結果が発表されています。例えば、信号機や一旦停止、緊急停止のボタンに赤が多いのは、人間に「注意」を訴える効果を持つ色であるためです。また、赤は情熱や興奮といったポジティブな意味もあわせ持っています。
このように、色は「対象のモノ」に対する意味を自然に人間に与える役割を持っています。つまり、CTAボタンを設置する意味に適した色に配色することで、視認性向上・視覚的訴求が可能です。その結果、クリックの増加によるCV率の向上につながります。
CTAボタンの色は何色が良いのか
どのようなシーンにも活用できるCTAボタンの色は存在しません。色の持つイメージや効果、配色などから、最適な色を選択する必要があります。
定番の色は緑・赤・オレンジ
緑・赤・オレンジは一般的に効果的といわれている定番カラーで、青もよく使われています。迷った場合には、これらの色を使ってみましょう。ただし、カラーの効果を最大限に引き出すために、サイトのベースカラーとの調和を考慮することが不可欠です。
例えば、シンプルな白い背景のサイトでは、緑や赤の鮮やかな色合いが引き立つでしょう。オレンジは暖かな印象を与えるのに適しています。
色の持つイメージと効果を意識する
色にはそれぞれ、人に与えるイメージと心理的効果があります。
例えば、赤は「注意・熱・興奮・パワー」のイメージを持っています。そのため、購買意欲を刺激したり、緊急性を訴求したりする場合に効果的です。緑のイメージは、「安全・調和・癒し」です。自然に関連した事業を行う企業や、食品を扱う企業に多く使われています。ユーザーの不安を和らげて、CVにつなげる効果が期待できます。
CTAボタンの配色を決める際には、色の持つイメージと効果が自社サイトの目的に合っているかどうかを検討する必要があります。目的に合った色を選択して反映すれば、色のイメージと心理的効果が、さらにCVを後押ししてくれます。
配色から考える
CTAを設置する際は、サイトのメインカラー、サブカラー、アクセントカラーなどの色と違和感がなく、かつ目立たせることが重要です。「色相環」を利用することで、ふさわしい色の組み合わせが選べるようになり、サイト全体のトーンが整います。
色相環とは、色を環状に配置した図で、異なる色同士の相対的な関係を理解する際に役に立ちます。色は光の波長の違いにより、赤・橙・黄・緑・青・紫のように連続的に変化して知覚されます。これを配置して円環状にしたものが色相環です。
ユーザーのステージによっても効果的な色は異なる
比較検討段階にいるユーザーと、購入や申し込みを確定するユーザーでは心理状況が異なります。そのため、各ステージに合わせた配色や文言にしましょう。
ユーザーがサイトを訪れた目的や経緯に沿ってボタンを設置することで、効果的にCVへとつなげられます。自社サイトを訪れるユーザーの属性を考慮することも重要です。
CTAボタンの色のA/Bテスト事例
当社HubSpotは、CTAボタンの色に関するA/Bテストを実施しました。このテストでは、すべての条件を同じままにして、ボタンの色を緑から赤に変更しています。
合計2,000人以上のユーザーがページにアクセスし、どちらのボタンをクリックしたかを分析しました。その結果、赤いボタンが緑のボタンよりも21%多くクリックされたことがわかっています。
この実験から、CTAボタンの色が訪問者の行動に大きな影響を及ぼすことが示されました。ただし、重要なのは、この結果が単に「赤が良い」ということを示すものではないことです。現在のサイト訪問者にとって、たまたま赤のボタンが最適だった可能性もあります。
自社でA/Bテストを実施し、訪問者にとって最適な選択を分析することが重要です。
CTAボタンの色に絶対的な正解はない
色のイメージと色が与える心理的効果については、ここまで解説してきた通りですが、色のイメージには個人的な好き・嫌いもあります。また、国ごとの文化的な背景から、色の持つ意味が異なる場合もあるでしょう。
CTAボタンの色に、サイトを訪れるユーザー全員にとっての絶対的な正解はなく、他社サイトで有効であった配色が自社サイトではあまり効果が出ない、といったケースも多々あります。
CTAボタンを設置した後に、自社サイトやメディアにとって最も効果のある色を見つけることが重要です。A/Bテストを定期的に行って検証を続けましょう。
CTAボタンの色を最適化しよう
CTAボタンの色は、CTAボタンの役割であるクリック数の増加やCV率の向上を達成するための重要な要素の一つです。サイトやユーザーの心理状況、CVまでの段階に合わせて適切な色を選択することで視認性が向上し、効果的に訴求を行えます。
ただし、どのユーザーにとっても魅力的なCTAボタンの色というものはありません。A/Bテストを定期的に行い、自社サイトにとって最も効果のある色を見つけ最適化することが重要です。
定量的なデータを参考にしながら地道な改善を続けることで、クリック数の増加やCV率の向上といった成果につながるでしょう。