マーケティングに関する専門用語として、「デジタルマーケティング」と「マーケティングオートメーション」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。前者はマーケティング活動を総称する言葉で、後者はマーケティング業務を自動化するための概念として知られています。
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デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションは目的や役割が異なるため、違いを理解したうえで両方を取り入れることが重要です。
本記事では、デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションの違いを、3つのポイントをもとに解説します。導入時のポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションの違い
デジタルマーケティングとは、あらゆるデジタル技術を用いて実施するマーケティング活動全般を指します。一方のマーケティングオートメーション(MA)は、マーケティング活動を自動化・効率化するための手法、および技術(ツール)のことです。
次の画像のように、デジタルマーケティング領域のなかにマーケティングオートメーションという概念が含まれています。マーケティングオートメーションは、デジタル技術のいち手法に該当するためです。
両者は概念・目的・活用ツールの3点において、それぞれ異なる要素が存在します。ここでは、3つの要素ごとにデジタルマーケティングとマーケティングオートメーションの考え方を解説します。
概念
デジタルマーケティングはあらゆるデジタル技術を駆使して行うマーケティング活動
デジタルマーケティングとは、デジタル技術を駆使したマーケティング活動の総称です。次のように、オンライン・オフラインを問わず、幅広い種類のデジタル技術を組み合わせて活用します。
- デジタル広告(Web広告やデジタルサイネージなど)
- Webサイト
- SNS
- メール
- モバイルアプリ
- VR・AR
- AI技術
マーケティングオートメーションは効率化・自動化するための仕組み
マーケティングオートメーションとは、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションのマーケティングプロセスを効率化・自動化するための仕組みです。リード創出やホットリードの特定といったマーケティング活動を仕組み化し、業務単位の効率化・自動化に特化しています。
そのため、業務単位ではなく、戦略や業務プロセス全体を包括的に捉えるデジタルマーケティングのほうがより大きな概念だといえるでしょう。個別のマーケティング業務の最適化を図るマーケティングオートメーションは、デジタルマーケティングという大きな枠組みのなかに含まれます。
目的
デジタルマーケティングの主な目的はマーケティング活動の拡張
デジタルマーケティングは、マーケティング活動をオンライン上で完結させることが目的だと思われがちです。しかし本来は、オンライン・オフラインにかかわらず、マーケティングプロセス全体をデジタル技術で補完し、営業活動なしで商品やサービスを売れるようにする仕組み作りを目的としています。
商品やサービスの宣伝だけでなく、取得した見込み客のデータ分析や、その分析結果を活かした戦略立案など、デジタル上のあらゆるツールを活用してマーケティング活動を推進するのがポイントです。そのため、自動化を含むオペレーションやDX化、ビジネスモデルの創出といった、マーケティング活動をより広い領域へと拡張することがゴールとなります。
マーケティングオートメーションの主な目的はマーケティング業務の最適化
マーケティングオートメーションでは、広告管理やメディア運営、リード情報管理・分析、スコアリングといった具体的な業務を統合的に管理します。そして、個別の業務を効率化・自動化したうえで、マーケティング業務の全体最適化を図るのが目的です。
そのためには現状のマーケティングプロセスを可視化し、必要なタスクの洗い出しやボトルネックの特定などを行う必要があります。
活用ツール
デジタルマーケティングは、デジタル上に存在するあらゆるツールを活用
デジタル上に存在するツールには、施策の一環となるデジタル広告やWebサイト、SNSといった種類があります。そのほか、CRM(顧客関係管理)ツールやSFA(営業支援システム)、BIツール、CMSといった情報管理に必要となるツールも存在します。後述するMAツールもこのなかに含まれています。
活用できるツールが多いことから、実施可能な手法の種類も多岐にわたります。デジタルマーケティングの代表的な手法は次の通りです。
- SEO:検索エンジンの上位表示によってWebサイトのアクセス数を向上
- SNSマーケティング:直接的なコミュニケーションで見込み客との関係構築
- デジタルPR:外部メディアでの広報活動でブランディングや認知向上を図る
- VR・AR活用:仮想空間での新たな体験価値の提供
- ビーコン活用:位置情報を活かして実店舗での動線分析などを行う
マーケティングオートメーションで利用する代表的なツールはMAツール
マーケティングオートメーションでは、主にMAツールと呼ばれる専用のITツールを活用します。
MAツールには、リード管理や広告連携、Webページ・ランディングページ作成、メール自動配信など、マーケティング業務を一元管理するための機能が搭載されています。ワークフローの自動化やレポート・ダッシュボードなど、業務の効率化・自動化につながる機能も豊富です。
主要なMAツールや選び方のポイントは、こちらの記事で解説していますので参考にしてください。
デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションを取り入れるポイント
デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションを導入する際のポイントは次の通りです。
- どちらか一方ではなく、両者の目的や役割を理解することが大切
- 状況によって部分施策から始める
- 各施策に合ったツールを選定する
どちらか一方ではなく、両者の目的や役割を理解することが大切
マーケティングオートメーションは、デジタルマーケティングを実施するにあたって必要な要素の一つとして存在しています。そのため、両者の目的や役割を理解して取り入れることが大切です。
インターネット技術の発達によって消費者の購買行動が大きな変化を見せるなか、オンライン・オフラインを問わず見込み客との関係性を深めるには、デジタルマーケティングの考え方が重要です。
一方で、戦略や計画といったマーケティング活動の方向性を定めるだけでは、具体的な施策を実行できません。だからこそ、マーケティングプロセスの可視化によって、具体的なアクションプランを想起させるマーケティングオートメーションの視点も、デジタルマーケティングとともに重要だといえます。
状況によって部分施策から始める
本来はデジタルマーケティングで戦略を立て、その一環としてマーケティングオートメーションを導入するのが理想です。しかし、組織改革を目的としてデジタルマーケティング戦略を立てるとなると時間やコストがかかるほか、人材が不足する可能性も考えられます。
両者の違いを理解しつつ、まずは現在行っているマーケティング業務をオートメーション化するなど、スモールスタートで順を追って施策を実行するのもひとつの案です。
各施策に合ったツールを選定する
デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションの視点を並行的に取り入れるには、さまざまなツールの導入を検討する必要があります。適切な予算を設定するためにも、ROI(費用対効果)をもとにツールの要否を考えることが大切です。
HubSpotの「Marketing Hub」は、マーケティングオートメーションの視点を取り入れるために必要な幅広い機能を搭載しています。
リードジェネレーションの領域では広告連携やランディングページ作成、リードナーチャリングではCMSやメール配信など、各フェーズで必要に応じて機能を活用できるのが特徴です。システム内に蓄積されたリード情報をもとにスコアリングを行えるため、営業部門へのスムーズな送客によって部門同士のつながりを強化できます。
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デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションの双方を理解し、マーケティング活動に取り入れよう
デジタルマーケティングは、あらゆるデジタル技術を駆使するマーケティング活動全般を指し、マーケティングオートメーションは、マーケティング活動を自動化・効率化するための手法や技術を表します。
マーケティングオートメーションはデジタルマーケティングを実施するためのひとつの手法であるため、両者の目的や役割を理解してマーケティング活動に取り入れることが大切です。
まずはデジタルマーケティングの戦略を立てつつ、実施する施策内容に応じてマーケティングオートメーションを導入するのが良いでしょう。あるいは、現在の業務にマーケティングオートメーションを取り入れ、段階的に施策を拡充していくのも方法のひとつです。