近年、WEB制作市場は急成長を遂げており、フリーランスのWEB制作者の増加も相まって競争が激化しています。このような状況下では従来のテンプレート通りの営業メールでは成果に結びつきにくく、他との差異化要素が必要です。
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本記事ではWEB制作の営業メールで成果を出すために、顧客の課題を理解し、個社ごとに必要な価値を提案する営業メールの作成について解説します。
新規で送る営業メールや問い合わせなどへの返信メール、失注時に送る営業メールなど、さまざまなシーン別で効果的な営業メールのポイントや例文を厳選しています。ぜひ営業メール作成の効率化にご活用ください。
営業メールの返信率を高めるコツ
まずは営業メールにおける基本的なポイントからご紹介します。
受信者のニーズを踏まえた件名をつける
営業メールにおいて、件名は開封率に関わる重要な要素です。すでに数多くのWEB制作を提案するメールが受信箱にある中で、見込み客がどういったきっかけでメールを開封するかを考えて件名を工夫することがポイントです。
受信者の都合に合わせた時間帯に送信する
先方の営業時間内に送信するのが理想です。
業種によっても最適な時間は異なります。受信者が「メールを開ける可能性があるタイミング」を調査してから送りましょう。
本文は客観的にわかりやすく書く
興味を引いて開封してもらうための「件名」、相手の欲しい情報をわかりやすく伝える「本文」を意識しましょう。
基本のビジネスマナーを意識し、目的や伝えたい内容を端的にまとめ、シンプルな文章表現や、太字や改行で読みやすくするといった工夫を行うとよいでしょう。
受信者のメリットを提示する
営業メールでは人となりや信頼性を伝えることは難しいでしょう。話を聞きたい、仕事を任せたいと思ってもらうためには、相手にとって有益な情報であることを明確に伝えることが大切です。
読み手にとってどんなメリットがあるかが想像できるような表現や、情報を伝えることを心がけましょう。
CTA(Call to Action)を入れる
メールを読んでいただいた方に対し、次の行動を喚起するCTAを提示することも重要です。
制作実績ページへ遷移するリンクの設置や見積もり依頼、営業担当者との相談など、メールの内容を読んだ後の行動として想定できるものを列挙し、必要だと思うものをCTAとして設置しましょう。
自社が提供するサービスの見込み客を徹底調査する
自社のサービス、提供価値によってそのビジネスを成功に導けそうな企業、つまり将来的に自社の顧客になってくれる可能性のある企業かどうかを調査します。業界や領域を絞り込むなど、徹底して調査した上で精度の高い営業メールリストを作成しましょう。
営業メールを個社ごとに最適化して作成する
見込み客となり得る企業などをリストアップした後は、それぞれに最適な営業メールを作成します。
個社ごとに抱えている課題や状況、予算は異なります。受信者の立場で考えると、自分宛の内容ではないような営業メールが多い中で、自分のことを理解する姿勢や事業成長に役立つ情報を教えてくれる営業メールは、ひときわ目立ってよい印象を受けるでしょう。
競争激化しているWEB制作業界では、この作業に注力し、見込み客と中長期的な関係を構築していくことが重要です。
営業メールに盛り込むべき4つのポイント
ここからは営業メールに確実に盛り込みたい4つのポイントを紹介します。
先方の課題を提示する
HubSpotが考える「インバウンドの思想」では、顧客から価値を受け取る前にこちらから価値を提供することで信頼関係を構築します。WEB制作の営業メールでは、WEB制作に関する課題を、制作会社ならではのインサイトで調査して共有することが価値提供につながります。
個社ごとの課題を理解するには徹底した調査が必要です。以下のポイントを詳しく調査してみましょう。
調査のポイント
- 事業内容
- 会社規模
- 現在行っているWEBマーケティング施策
- 現在抱えていそうな課題は何か
調査する項目例
- 先方の運営するサイトすべて
- 業界や市場の動向
- PRTimes(プレスリリース)
- noteやブログ
- 代表者や企業のSNSアカウント
- IR資料(上場企業であれば)
解決するための方法を伝える
調査を重ねることで見えてきた課題を提示するだけではなく、どうすれば解決できるのかを営業メールで伝えることが、見込み客への価値提供といえます。
まずは、見込み客が困っていることを本気で解決しようという姿勢で営業メールを作成しましょう。
自社が課題を解決できる理由
提案した解決方法を実施するにあたって、なぜ自社に依頼することがベストなのかを説明しましょう。長年その課題に特化して解決してきた実績がある、または誰よりもその領域の知見を持っている、などの見込み客が価値を感じる内容を簡潔にまとめることがポイントです。
デモサイトや実績の提示
WEB制作で事業成長につながった成果事例、実績数値などを提示する事例やポートフォリオを提示しましょう。
提示した課題と解決方法が同じの事例があれば、見込み客がより価値を感じる提案となりますが、調査データなどの根拠にもとづいて予測される成果を提示する方法もあります。
営業メールの具体例
ここからは実際に営業メールの例文を紹介します。
ここでご紹介する例文は、「様々なシーン別で使える営業メールテンプレート27選」から選出したテンプレートを用いて、実際に差異化ポイントを加えた内容です。
想定する状況
見込み顧客の調査
- 業種:老舗女性向け化粧品メーカー
- 会社規模:30名
- 現在のマーケティング施策:SNS広告とLP
- SNS広告施策で成果が出ていないまま広告コストを支出している
- SNS広告代理店に改善を任せたが、PDCAに予算がかかる
- 成果が出ない原因、解決方法がわからず苦戦していると推測
営業メール構成
- 提供価値:SNS広告の課題発見と新しい解決方法の提案
- 課題:SNS広告全体のユーザー反応率が低下している
- 解決方法:スキップ不可能な広告で反応率を向上させる
- 自社の強み:音声メッセージ広告ですでに同様の課題を多く解決してきた
- 実績:平均値3%を維持でき、大手企業との取引実績もある
【アポイントが得られる営業メール例文】
[相手の名前]様
突然のご連絡失礼いたします。
このたびは、弊社のサービスについて直接ご説明させていただきたく、ご連絡いたしました。
このEメールは、[部署名]のご担当者さま宛てにお送りしております。
また、[連絡先を知っている人の名前]様にも同時にお送りしております。
現在の広告施策のトレンドにおいて、SNS広告を出稿することで得られるリーチ数は圧倒的に多く、お客さまも同様にSNS広告マーケティングを実施されている様子を拝見しました。
一方、調査会社のリサーチによると消費者の動向として、広告の多さにうんざりしてスキップする割合が非常に高い(9割以上)ことが明らかになっています。
お客さまの広告施策においては、ユーザーの反応率の低下が広告コストを圧迫する大きな課題となっていると推察いたします。
こうした課題は「スキップ不可能な広告で反応率を向上させる」ことで解決可能です。
つきましては、弊社のスキップ不可能な広告サービスを提案させていただければと思います。
弊社[企業名]はスペイン語によるマーケティングサービスを展開しており、Fortune 500に名を連ねる大企業を含む、多くのお客さまにご利用いただいております。
弊社のリーチは毎月2,500万人のスペイン語話者に及んでおりますが、その秘訣はスキップできない音声メッセージを流していることにあります。
具体的には、ユーザーがプリペイドカードを使って通話を発信すると、30秒間の音声広告が流れるとともに、SMSで広告が配信されます。
これはユーザーにとって無料で電話をかけられるというメリットがある一方、お客さまにとっては、テキストメッセージを使ってクーポンを配信することで、店舗の売り上げを増やせるというメリットがあります。
ユーザーの反応率は3%程度になることが多く、実店舗とオンラインストアで結果を測定することができます。また、広告の対象を特定のエスニックグループや地域に絞り込むことも可能です。主なお取引先としては、[企業名]様、[企業名]様、[企業名]様などが挙げられます。
ご興味がございましたら、ぜひ一度お話しさせていただきたく存じますが、ご都合はいかがでしょうか?
他にご担当者さまがいらっしゃる場合は、差し支えなければ、ご担当者さまのご連絡先をお知らせいただけますと幸いです。
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
[自分の名前]
このようにインバウンドセールス手法は、WEB制作営業メールだけでなくさまざまな業種でも応用可能です。WEBコンサルティング、SEO施策改善など、その他のサービス営業に応用するための一例としてご参考ください。
相手の状況を理解したうえで、最適な営業メールを作成しよう
WEB制作市場では今後も競争が激しくなることが予測され、他のWEB制作会社と差異化した価値提供ができることがますます重要となってくるでしょう。
こうした外部環境の変化に対応するには、提供するサービスを増やしたり、ポジションを変えるということでは本質的な解決にはいたりません。大切なのは、いかに見込み客の課題を理解し、それをどう解決するかまで調査分析を実施したうえで、個社ごとに最適な営業メールを送信することです。
このような「顧客から価値を受け取る前に、こちらから価値を提供し、顧客に満足してもらう」といった考え方を実践する企業こそ、真の顧客の信頼を得ることができるでしょう。
個社ごとにリサーチし、厳選した見込み客に営業メールを送信するにはCRMツールを活用した適切な顧客管理も欠かせません。まずは、個社ごとに最適な営業メールをするために、送信営業メールリスト作成からはじめてみてはいかがでしょうか