ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業が持つ「ヒト・モノ・カネ・情報」といった資産を統合的に管理・活用するためのシステムです。
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数多くの部門があり、業務の幅が広い大企業向けのイメージがあるツールですが、中小企業においてもニーズが高まっており、導入が進められています。
本記事では、中小企業にERPを導入したほうが良い理由やメリット・デメリットを解説するとともに、実際のツールをご紹介します。
中小企業もERPを導入したほうが良い理由
従来、ERPは主に大企業向けのツールでしたが、そのニーズは中小企業にも拡大しています。
経営判断の精度を高め、将来のトレンドや需要、顧客の動向を予測するためには、ビッグデータの収集・分析が重要です。人間が全体像を把握することが難しいビッグデータには、顧客の購買履歴やSNS上でのトレンドなど、企業経営に役立つ豊富な情報が含まれています。
ERPを導入すると、ビッグデータを活用した経営の意思決定が実現するだけでなく、新たなビジネスチャンスの発掘にもつながります。
ERPは部門を越えて活用されることから導入費用が高額になることが多く、かつては予算が潤沢にある大企業向けと考えられていました。その後、クラウドで利用できるERPが登場したことでコストを抑えた導入・運用が可能になり、中小企業でも利用しやすくなっています。
中小企業がERPを導入するメリット
中小企業がERPを導入する主なメリットは、次の通りです。
- データの一元管理・可視化によって迅速な経営判断ができる
- 市場の優位性を高められる
- 内部サポート体制を充実させられる
- コスト削減を図れる
それぞれのメリットを解説します。
データの一元管理・可視化によって迅速な経営判断ができる
ERPを活用すれば、企業の持つデータを一元管理でき、経営状態がリアルタイムで可視化されます。「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源の分配・活用が効果的に行われているかどうかも把握しやすくなるでしょう。
ERPのデータを参考にすることで迅速な経営判断が可能となり、中小企業の強みである機動力や柔軟性を強化することが可能です。市場や顧客のニーズに変化があった場合も、データをもとにして的確な判断ができます。
市場の優位性を高められる
ERPの導入でスムーズな意思決定が可能になり、対応力が強化されると、市場での優位性を高めることができます。また、人手不足や生産性の低下といった課題の解決にもつながるため、さらなる組織体制の強化が可能です。
内部サポート体制を充実させられる
ERPの導入により、各部門の業務をスムーズに統合できます。それにより、内部のサポート体制をより充実させられるでしょう。
例えば、顧客の購入履歴がサポートチームのシステムに反映されることで、顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応でき、カスタマーサポートの質を向上させることが可能です。
コスト削減を図れる
ERPは業務プロセスの自動化・効率化に長けたツールであるため、導入によってコスト削減を図れます。
企業全体の情報管理や蓄積されたデータを分析する機能もあり、マネジメント効率も向上するでしょう。入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーの防止にも役立ちます。
中小企業がERPを導入する際の注意点と対策法
中小企業がERPを導入する際、次の点には注意が必要です。
- 導入するだけで効果が現れるわけではない
- 既存の業務フローに適合しない場合がある
- 社員に徹底周知させる必要がある
それぞれの注意点と対策を解説します。
導入するだけで効果が現れるわけではない
ERPを最大限活用するには、目的を持ち、課題解決のために導入を進めていくことが重要です。まずは業務プロセスの棚卸しを行い、現状を把握するところから始めましょう。
このときの注意点は、一度にすべての業務を同時に最適化しようとするのではなく、優先順位を決めて部分的に導入してみることです。加えて、導入自体が目的にならないよう、業務改善の具体的な目標を設定し、それを達成する方法として導入を計画することもポイントとなります。
既存の業務フローに適合しない場合がある
ERPは業務を定型化させることで作業効率の向上を目指すという特徴があり、場合によっては自社の業務フローをERPに合わせる必要があります。独自の製造プロセスを持つ企業がERPの標準機能やフローに無理やり業務フローを合わせると、かえって非効率になってしまう可能性が考えられるでしょう。
ERPを導入する際は、定型化できる部分と独自のプロセスを維持する部分を明確に分けることが重要となります。「人事・給与管理」「生産管理」「管理会計」「販売管理」をはじめとするERPが得意とする領域にはERPを最大限活用し、独自プロセスがある業務は引き続き既存のフローを用いて業務を進めるなどの工夫が必要です。
社員に徹底周知させる必要がある
ERPをはじめとするツールは最終的には経営陣の判断により導入されますが、実際に運用するのは現場の社員です。導入・運用フェーズでのトラブルを防ぐために、導入初期から運用担当者への周知徹底が求められます。
導入前、各部門のリーダーや担当者、マネージャーに対して導入ツールの説明を行い、概要や見込まれる効果などを共有しましょう。研修やサポート体制も充実させます。
現場で働く社員に、ERPの導入によって業務がスムーズに進み、生産性向上につながることを理解してもらうことが大切です。
中小企業向けのERPの比較
中小企業によく利用されているERPの一例は次の通りです。
- SAP Business One/Business ByDesign
- マネーフォワード クラウドERP
- ERP freee
- Clovernet ERPクラウド
- GEN
- 奉行VERPクラウド
- GRANDIT miraimil
- RobotERPツバイソ
- クラウドERP ZAC
- kinterp
- SMILE V Air 販売
- 楽楽販売
- Reforma PSA
それぞれのツールを比較した詳細記事は、こちらの記事をご確認ください。
中小企業こそERPシステムの導入を検討しよう
ERPシステムは大企業向きのイメージがありますが、大量のデータを取り扱う機会が増えた現代では、内部サポート体制を強化するために中小企業での導入も進んでいます。
中小企業でERPを導入すると、人材のマネジメント効率や生産性の向上などのメリットがあります。収集したデータを経営判断に活かすことも可能です。
ERPを導入する際は、目的を明確にしたうえで、導入可能な業務フローとそうでないものを区別することが重要となります。既存の業務を棚卸しできたら、本記事で紹介した中小企業向けのERPを参考に、導入を検討してみましょう。
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