進捗管理表は、組織内の活動状況や進捗状況を可視化し、情報共有や課題の特定を行うために作成します。「いつ、誰が、どのようなタスクを行っており、いつまでに仕上げれば良いか」が、すぐにわかるようになっていることが大切です。


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進捗管理表の作成は、エクセルでも可能です。エクセルはすでに導入している企業も多く、進捗管理にも活用できます。しかし、進捗管理表を作成するには、一からレイアウトを設計したり、関数をはじめとする機能を活用したりすることもあるため、方法がわからずに悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、エクセルで進捗管理表を作成する方法や作成時のポイントを解説します。エクセルの便利な機能を使った管理方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
エクセルで作成できる進捗管理表の形式
エクセルで作成できる進捗管理表には、次のような形式があります。
- ガントチャート:
表形式で横軸に時間、縦軸にタスクを配置し、横軸の棒グラフで進捗や期間を示す手法 - WBS(作業分解構造図):
プロジェクトごとに複数のタスクを細分化し、階層構造にして整理する手法 - スケジュール表:
日次・週次単位でタスクの開始時間や終了時間を記載する手法 - 日報:
1日ごとのタスクの進行具合を記載し、日々の記録を積み重ねる手法
ガントチャートは、同時に進行中のタスクをまとめて管理することが可能で、チームの進捗状況を視覚的に把握しやすい形式です。そのため、多くのプロジェクトの進捗管理に活用されています。ガントチャートを作る前に、WBS(作業分解構造図)を作成して作業項目を洗い出すとスムーズです。
スケジュール表や日報は、組織全体ではなく、従業員一人ひとりの進捗状況を把握するのに向いています。
エクセルで進捗管理を行うメリット
進捗管理をエクセルで行う場合、次のようなメリットがあります。
- すでにエクセルを導入済みの場合はコストがかからない
- Web上で公開されているテンプレートを活用できる
- 情報の更新がしやすい
エクセルを導入済みの場合は、費用をかけずに進捗管理表を作成できるため、コストの負担を最小限に抑えられます。
また、Web上には、進捗管理表をはじめとするエクセル用のテンプレートが数多く公開されています。無料でダウンロードできるテンプレートも多く、効率良く進捗管理表を作成・更新できるのがメリットです。
HubSpotでは、営業案件を一元管理できるテンプレートを提供しています。エクセルのほか、Google スプレッドシートでも利用可能で、案件・顧客ごとの進捗状況や受注金額などの情報を入力できます。ぜひご利用ください。
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エクセルを使った進捗管理表の作り方
ここでは、進捗管理表のなかでもよく使われる「ガントチャート」を例にあげて、作り方を解説します。
- タスクの情報を整理
- 担当者や納期の割り振り
- エクセルの縦軸にタスク・担当者・納期を入力
- エクセルの横軸に日付を入力
- ガントチャートの作成
1. タスクの情報を整理
進捗管理表を作成するには、まず現状のタスクを洗い出す必要があります。担当者にも確認し、必要な工程を漏れなく書き出しましょう。
規模が大きいプロジェクトや長期にわたるプロジェクトの場合は、タスクの種類が多くなります。その場合は、カテゴリで分類することが重要です。タスクを大・中・小のカテゴリに分類することで、業務フロー全体の階層構造が明らかになり、進捗管理の効率性が高まります。
2. 担当者や納期の割り振り
整理したタスクに対して、それぞれ担当者や納期を割り振ります。
担当者を設定せずに進捗管理表を作成すると、未着手のタスクが発生する可能性があります。業務プロセスに遅延が生じる原因になるため、必ずすべてのタスクに対して担当者を決定しましょう。プロジェクトごとにタスクを細分化する場合は、最も小さいカテゴリに含まれるタスクに担当者を設定します。
納期に関しては、タスクの開始日と終了日を設定するのが一般的です。同じ担当者が複数のタスクを抱えている場合は、タスクごとに優先順位を設定すると、重要度と緊急度が高いものから取り組めるため、混乱が起きにくくなります。
3. エクセルの縦軸にタスク・担当者・納期を入力
エクセルを起動し、手順1~2で決定した項目を入力します。フォーマットに決まりはありませんが、ガントチャートでは縦軸(列)にタスク一覧を記載するのが一般的です。
そして、タスクの隣に担当者や開始日・終了日の情報を入力します。カテゴリが複数に分かれる場合は、列を追加して親タスク・子タスクを分けるとわかりやすくなります。
また、担当者や納期の項目の隣にステータスを入力するのもおすすめです。「未着手・進行中・完了」といった情報を入力できるようにしておくと、チャートを確認しなくても即座に進捗状況を把握できます。
4. エクセルの横軸に日付を入力
ガントチャートでは、エクセルの横軸に日付を入力します。「1月10日」といった形で日付と曜日を記入するのが一般的ですが、納期が短いタスクの場合は「9時」や「16時」といった時間帯で区切るのも方法のひとつです。あらかじめ表記ルールを決めておくと、混乱を防げます。
日付を入力する際は、オートフィル機能をうまく活用しましょう。特定の日付や時間を入力後、セルの右下(カーソルが十字になる箇所)をドラッグすると、連続した日付や時間が自動で入力されます。
5. ガントチャートの作成
最後に、タスクごとの開始日と終了日に合わせてガントチャートを作成します。
例えば、1月10日から15日まで作業するタスクの場合、横軸の1月10日から15日までの箇所を特定の色で塗りつぶします。誰が見てもわかりやすいように、進行中の場合は青色、完了済みの場合はグレーといった形でバーの色を決めておくのがおすすめです。
ここまでの手順が済んだら、進捗管理表の基本的なフォーマットは完成です。外枠を太線にしたり、項目名を太字にしたりして、進捗管理表の視認性を高めましょう。
一から作成するのが難しい場合は、エクセルで使えるHubSpotの無料テンプレートをダウンロードしてみてください。期間を入力すると自動でバーの長さが更新されるなど、必要事項を埋めるだけで見やすい進捗管理表が完成します。エクセルのほか、Google スプレッドシートでも利用可能です。
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進捗管理を効率化するエクセルの便利な機能
ここでは、進捗管理表の作成・管理に役立つエクセルの便利な機能や覚えておきたい関数を紹介します。
プルダウン
プルダウンとは、特定のセルをクリックすることでリストが開き、そのなかから項目を選択できる機能です。
例えば、ステータスの項目にプルダウンを設置し、「未着手・進行中・完了」の項目を設定すると、クリック操作だけで3つの選択肢から任意の項目を選択できます。選択肢を限定することで、「進行中と着手中」などの表記ゆれも防げるため、特定のステータスのタスクをフィルタ機能で絞り込むときにも役立ちます。
プルダウンの機能を有効にする方法は、次の通りです。
- プルダウンを設定したいセルを範囲選択
- メニューバーから[データ > データの入力規則]をクリック
- 設定画面が表示されるので、[入力値の種類]から[リスト]を選択
- [元の値]の項目に「未着手・進行中・完了」といった任意の選択肢を入力
条件付き書式設定
条件付き書式設定とは、特定の条件に該当する場合、任意の書式に自動で変更する機能です。手作業で変更する必要がなく、細かい作業の工数を削減できるメリットがあります。
一例として、ステータスが完了になった時点でそのセルの色を自動でグレーに変更する設定方法を紹介します。
- ステータスの項目にあるセルを範囲選択
- その状態でメニューバーから[ホーム > 条件付き書式 > 新しいルール]の順にクリック
- [ルールの種類を選択してください]の項目で[指定の値を含むセルだけを書式設定]を選択
- [次のセルのみを書式設定]の項目で、[特定の文字列・次の値を含む・完了]になるよう設定し、[書式]をクリック
- 書式の設定で[フォント]のタブに切り替え、文字色を白に設定
- [塗りつぶし]のタブに切り替え、セルの色がグレーになるように設定
- [OK]をクリックして設定完了
正しく設定できると、ステータスが完了になったセルが自動的に白の文字色・グレーの背景色に変更されます。
紹介した設定はあくまでも一例なので、さまざまな条件を試してみてください。
NETWORKDAYS.INTL関数
NETWORKDAYS.INTL関数とは、指定した期間中の営業日数を求められる関数です。「=NETWORKDAYS.INTL(開始日,終了日,休日のパターン)」と入力することで、休み期間を差し引いた実質的な作業期間が出力されます。
休日のパターンは、土・日曜日が休日なら「1」、日・月曜日が休日なら「2」といった形で決まっています(Microsoftの公式サイトを参照)。タスクの開始日から期日まで何営業日あるかを簡単に計算できるのがメリットです。
仮に休日パターンが「1」の場合で設定を行ってみましょう。
- 進捗管理表の縦軸に新規で「作業日数」といった項目を追加し、「=NETWORKDAYS.INTL」の関数を入力
- 「(」を入力した後に開始日のセルを選択、「,」を入力後、今度は終了日のセルを選択
- 「,」で区切った後に休日パターンの「1」を入力
- 右クリックメニューから[セルの書式設定]を選択
- [標準]を選択して[OK]をクリック
- 作業日数が表示されたので、オートフィルで残りのセルにも関数を反映させる
ここまでの設定を行うと、作業日数の項目に関数が反映されます。
セルの保護
セルの保護とは、特定のセルを編集できないように設定する機能です。例えば、関数が入力されているセルのみを保護することで、内容を編集したり削除したりできなくなるため、誤って情報を変更するリスクを抑えられます。
セルの保護の機能を有効にする手順は次の通りです。
- 編集可能なセルのみ範囲選択
- 右クリックメニューの[セルの書式設定]をクリック
- [保護]のタブに切り替え、[ロック]のチェックを外した状態で[OK]をクリック
- シートを右クリックして[シートの保護]をクリック
- [シートとロックされたセルの内容を保護する]にチェックを入れ、[OK]をクリック
今回の例では、ステータスの項目に絞ってロックを解除したため、ステータスの項目のセルについては自由に編集が可能です。それ以外のセルは編集不可(保護がかかった状態)となります。
保護を解除する際は、シートを右クリックして[シート保護を解除]をクリックしましょう。
変更履歴
変更履歴とは、データを変更した日付や変更内容がコメント形式で表示される機能です。更新時の重複入力や入力ミス・漏れ、データの削除など誤った変更があっても、履歴を確認してもとの状態に戻せます。
保護機能を使うと編集自体ができなくなってしまうため、入力・更新が必要なセルでミスに対応するには、変更履歴の機能が効果的です。
変更履歴の機能を有効にする方法は次の通りです。
- メニューバーから[校閲 > 変更履歴の記録 > 変更箇所の表示]の順にクリック
- 設定画面が表示されるので、[編集中に変更箇所を記録する]にチェックを入れる
- [強調表示する変更箇所の指定]ですべての項目のチェックを外す
- [変更箇所を画面に表示する]にチェックを入れる
- [OK]をクリック
正しく設定できると、ほかのユーザーの変更内容がコメントで表示されます。
エクセルで進捗管理を行う際のポイント
エクセルで進捗管理を行う際は、次のポイントを意識することが重要です。
- 進捗状況の更新をこまめに行う
- 定期的に計画と進捗状況のズレをチェックする
- 情報共有の仕組みを整える
- フォーマットはなるべくシンプルにする
それぞれのポイントを意識することで、進捗管理の効率性向上やヒューマンエラーの抑制につながります。
進捗状況の更新をこまめに行う
進捗管理表の更新作業を後回しにしたり、内容の反映漏れがあったりすると、形だけの管理表になってしまいます。
進捗管理表を最新の状態に保つには、「1日に1回必ず情報を更新する」といったルールを設けるのがポイントです。管理担当者を決めておき、1日の終わりに必ず担当者に進捗を報告する方法も良いでしょう。
こまめに進捗状況を更新することで、組織内で常に最新の進捗状況を共有できるため、タスクの確認漏れや属人化の抑制につながります。
定期的に計画と進捗状況のズレをチェックする
進捗管理表で定期的に進捗状況をチェックすると、遅延やトラブルの発生に気付きやすくなり、早期の解決を図れます。また、業務フローにおける慢性的なボトルネックの発見にもつながるため、業務改善にも効果的です。
実際の進捗状況と予定との間にズレが生じた場合は、両者を比較することで原因となる工程の特定が可能となります。そもそも予定に無理があったのか、それとも何らかの問題が生じて遅延が起きたのか、さまざまな視点から検証を行うことで効果的な改善が可能です。
情報共有の仕組みを整える
進捗管理表は、チーム全員がいつでもアクセスできる状態にする必要があります。各担当者の稼働状況が把握しやすくなり、必要に応じてタスクの割り振りを見直すなど、無駄のない進行が可能になるためです。
進捗管理表の共有には、エクセルの共有機能の使用や、クラウド上でファイルを共有するなどの方法が考えられます。
フォーマットはなるべくシンプルにする
フォーマットが複雑になると、変更したくなったときに手間が増え、入力ミスや確認漏れも増えます。そのため、なるべくシンプルに設計し、本来の目的である進捗管理に集中できるようにすることが大切です。
必ずしも必要ではない項目は極力減らす、プルダウンの選択肢を絞り込む、使用する色は2~3色程度に限定するといった方法が効果的です。
エクセルの進捗管理表を活用して業務を効率化しよう
エクセルはアレンジの自由度が高く、専用のシステムを導入するよりもコストを抑えられるのがメリットです。すでにエクセルを導入済みの場合は、操作方法に慣れている人が多いため、教育に必要な手間やコストも削減できるでしょう。
進捗管理表の作成には、テンプレートの使用がおすすめです。HubSpotでは、エクセルで使える無料の進捗管理テンプレートを提供しています。営業案件を一元管理できるテンプレートで、案件・顧客ごとの進捗状況や受注金額などの情報を入力できます。エクセルのほか、Google スプレッドシートでも利用可能ですので、ぜひご利用ください。