UA(ユニバーサルアナリティクス)から大きくUIが変更されたGA4(Google アナリティクス4)では、「ページビュー(PV)数」の名称が消えました。「GA4ではページビューが計測できないのか」と、不安に思われる方もいるでしょう。GA4でもページビュー数の確認は可能です。
本記事では、GA4におけるページビュー数と、その確認方法に加え、UAとGA4でページビューにずれが生じた場合の解決方法もご紹介します。日本におけるアクセス解析の第一人者、小川卓氏のアドバイスもお届けしますので、ぜひGA4運用時の参考にしてください。
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GA4のページビュー(PV)数は「表示回数」
UAで使用されていた「ページビュー」という指標は、GA4では「表示回数」に変わりました。
Google の公式ページでは、ページビューを次のようにそれぞれ定義しています。
【UA】表示されたページの合計数。同じページが繰り返し表示された場合も集計されます。
【GA4】別名「ビュー」。表示されたアプリ画面またはウェブページの総数(レポート管理画面に表示される [ビュー] 指標は、ページビューとスクリーンビューの組み合わせです)。同じスクリーンやページが繰り返し表示された場合も集計されます。
引用:[UA→GA4] 指標の比較: Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクス
名称が変更となった背景は、GA4がアプリ上の計測にも対応し、アプリではページという概念がないため、「表示回数」との呼び名に変更されたと考えられます。
UAとGA4の「ページビュー数」はかなり近い数値となりますが、設定フィルタによっては数%以内の差がでることもあります。
GA4でのページビュー数(表示回数)の見方
GA4では、主にレポートと探索からページビュー数を確認できます。本章では、ページビュー数の確認方法を目的ごとにご紹介します。
ページビュー以外の指標の確認方法は、こちらの記事をご覧ください。
サイト全体のページビュー数を確認する
サイト全体のページビューを確認する手順は次の通りです。
- [レポート]から[エンゲージメント]を開き、[エンゲージメントの概要(Engagement overview)]を選択
- 一覧で、ページビューを示す[表示回数]を確認
表示回数の数値が大きい場合には、上の画像のように◯◯万と大まかに表示されます。正確な数値を見る方法は、次の見出しをご確認ください。
このほかに、エンゲージメントの概要から確認できる項目は次の通りです。
- エンゲージメントの概要
- 過去30分間のユーザー
- 表示回数/イベント数
- イベント名
- 多く表示されているページ
- ユーザーのアクティビティの推移
- ユーザーのロイヤリティ
ページごとのページビュー数を確認する
ページごとのページビュー数を確認する方法は次の通りです。
- [レポート]から[エンゲージメント]を開き、[ページとスクリーン(Pages and screens)]を選択
- 一覧に表示されている表の[表示回数]を確認
表示回数のうち、一番上に「全体の100%」として表示されている数値がサイト全体の正確なページビュー数で、その下にページごとのページビュー数が表示されています。
ページ別訪問数は、同じ表内の[ユーザー]から確認できます。
特定のページのページビュー数を確認する
特定のページのページビュー数だけを確認したい場合には、[ページとスクリーン]に表示されている表の検索窓に、特定のページタイトルやキーワードを入れて検索します。
変数を指定してページビュー数を確認する
セグメント、ディメンション、指標を自身で設定したい場合には、[探索]を活用しましょう。
- 画面左側のメニューから[探索]を開き、[空白]を選択
- [変数]の[セグメント]、[ディメンション]、[指標]を選択し、データ探索名と期間を設定
- 変数にセットした項目を[タブの設定]へドラッグ&ドロップ
変数項目は追加可能です。自由度が高いアクセス解析を行いたい場合には、ぜひ探索機能をご活用ください。
GA4でページビュー計測のポイント
UAのページビュー数とGA4の表示回数はかなり近い数値がでると先述しましたが、大きく差が出る場合もあります。
数値が大きく乖離している場合には、次の点を確認してください。
GA4でページビュー計測値がずれることがある
計測値がずれる原因は、主に次の2点が考えられます。
- ビューフィルタで一部のデータが除外になっている
- しきい値が設定されている
2022年11月現在、GA4ではフィルタはサポートされていません。UAで特定の地域を除外といったフィルタを設定している場合には、UAのページビューとGA4の表示回数に差が出てしまいます。
UAに比べてGA4の表示回数が少ない場合にはしきい値が適用されている可能性があります。しきい値が適用されている場合は、[ページとスクリーン]を確認した際に、次の画像のように注意のアイコンが表示されます。
画像引用:[GA4] データしきい値
データしきい値は、閲覧するレポート・データ探索の対象期間のユーザー数やイベント数がすくない場合に適用されます。しきい値が適用されていたら、データ測定の期間を広げてみましょう。
計測ポイント含めたUAとGA4の具体的な変更点の詳細は、こちらの記事をご確認ください。
UAとページビューを計測するタイミングが異なる
GA4には拡張計測機能があり、有効化するとプロパティの管理画面にて特定のイベントの計測を行えます。ページビュー数のほか、スクロール数や離脱クリックといったイベントの計測が可能です。
標準設定では、「ページビュー数」は、「ページが読み込まれるたび」に限らず、「ブラウザの履歴の状態が変更されるたび」に計測されます。
計測頻度を「ブラウザの履歴の状態が変更されるたび」に行いたくない場合は、この設定を無効にしておきましょう。
UAとGA4の違いを理解してスムーズな運用を
UAとGA4では、UIが大きく変更されたと共に指標名も変わっています。基本的にはページビューと表示回数はほぼ同じ数値となりますが、フィルタやしきい値が適用されている場合には大きく差が出ることもあるので注意が必要です。
これまでページビューを使用してきた場合は、GA4でのサイト分析にも本記事でご紹介した4つのページビューの確認方法をぜひご活用ください。
UAとGA4でページビュー数を分析する際の違いについて、ウェブアナリストの小川氏に伺いました。
「UAではページ単位での分析がベースでしたが、動画やアプリ、ECの普及によりユーザー行動が変化しました。そのため、GA4ではイベントベースの計測になったのです。ユーザーはページの中で動画の視聴といったようにさまざまな行動をします。GA4では、ページビューもアクションの一つとして考えることが、サイト分析において大切です。」
また、GA4ではイベント設定やレポートのカスタマイズを設定することで、分析に役立ちます。新しくGA4を活用される方はもちろん、UAからの移行される方も設定方法について、あわせて確認しておきましょう。