Google アナリティクス4プロパティ(GA4)は、リリース当時、サーチコンソールと連携できませんでした。しかし、2023年8月現在は連携できるようになっています。
GA4とサーチコンソールを連携することで、サイト訪問前からサイト訪問後の一貫した分析が可能になるほか、GA4上でのサーチコンソールデータの確認やレポートを作成できるようになるため、業務効率化にもつながります。
本記事では、GA4とサーチコンソールの連携方法やデータの確認方法を詳しく解説します。連携ができない場合のチェックポイントもあわせて紹介していますので、連携でお困りの際にはぜひ参考にしてください。
また、日本におけるアクセス解析の第一人者、小川卓氏のアドバイスもお届けします。
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GA4(Google Analytics)とサーチコンソールを連携するメリット
GA4(Google Analytics)とサーチコンソールという別々のツールを連携するメリットには、以下のようなものがあります。
サーチコンソールのデータもあわせたレポートを作成できる
Google Analyticsは、トラッキングコードを設置したWebサイトに訪問してからのユーザーの行動を分析するツールです。
一方のサーチコンソールはユーザーがどのようにアクセスしてきたのかを分析するツールであり、サーチコンソールのデータとGoogle Analyticsのデータを組み合わせることでユーザーの行動がより詳細に見えるようになります。
連携後は、Google Analyticsのレポートでこの行動を確認・分析することができます。
Webサイトへの流入キーワードを把握できる
Google Analyticsの分析だけではまかないきれないのが、ユーザーがどのキーワードから流入しているかです。
サーチコンソールでは流入キーワードを含めた詳細な流入経路を分析できるため、連携することでSEOにつなげられる有用なデータを得られるようになります。
GA4とサーチコンソールの連携方法
本章では、GA4とサーチコンソールの連携方法と、サーチコンソールをレポートのメニューに追加する方法を解説します。
GA4とサーチコンソールの連携は、GA4の管理画面から容易に設定が可能です。しかし、リンク設定を行っただけではメニュー画面にサーチコンソールは表示されないため、メニューへの追加も行いましょう。
基本的な連携方法
GA4とサーチコンソールのリンク設定はGA4の管理画面から行います。
- GA4の[管理]から[Search Consoleのリンク]を選択し[リンク]をクリック
- [アカウントを選択]から連携するプロパティを選択し[確認]をクリック
- 選択したプロパティが表示されていることを確認し、[次へ]をクリック
- [ウェブストリームを選択する]が表示されるので[選択]をクリック
- データストリームを選択し[次へ]をクリック
- サーチコンソールとウェブストリームがそれぞれ合っていることを確認したら[送信]をクリック
- [リンク作成済み]と表示されていれば連携完了
リンク後は、[Search Consoleのリンク]プロパティが追加されています。
レポートメニューにサーチコンソールを追加する方法
レポートメニューにサーチコンソールを追加するには、サーチコンソールのコレクションを公開する設定が必要です。デフォルトでは非表示になっているので、次の手順で公開に変更してください。
- [レポート]から[ライブラリ]を開く
- コレクションに表示されている[Search Console]のメニューから[公開]をクリック
- メニューにSearch Consoleが表示される
再度非公開に設定する場合には、手順2で[非公開]にするだけで変更できます。
GA4にサーチコンソールを連携することで使用できるレポート
GA4とサーチコンソールを連携することで、サーチコンソールのデータをレポートにして表示できるため、データ分析を行いやすくなります。サーチコンソールは折れ線グラフしか使用できませんが、GA4のレポート機能を使うとグラフのカスタマイズも可能です。
GA4で作成できるサーチコンソールのレポートは、「クエリ」と「ランディングページ」をベースとした2つです。それぞれの確認方法をご紹介いたします。
クエリ:Google のオーガニック検索クエリ
レポートメニューの[Search Console]から[クエリ:Google のオーガニック検索クエリ]を開くと、検索クエリをベースとしたレポートが表示されます。
クエリレポート画面で確認できるデータは次の3つです。
- Google オーガニック検索クリック数のグラフ
- クエリ別オーガニック検索の表示回数/クリック数のグラフ
- クエリに関する表
訪問ユーザーの検索クエリや、目標キーワードにおける表示回数・クリック数などを確認できます。
また、上位表示されたページに対してクリック数の少ない検索クエリを洗い出すといった調査も可能です。
オーガニック検索レポート:ランディングページ
クエリレポートと同様、[Search Console]の中にある[Google オーガニック検索レポート]は、ランディングページをベースとしたレポートです。
オーガニック検索レポートで確認できるデータは次の3つです。
- Google オーガニック検索クリック数のグラフ
- ランディングページ別オーガニック検索の表示回数/クリック数のグラフ
- ランディングページに関する表
このレポートでは、エンゲージメント率やコンバージョン率を確認できるため、「表示回数やクリック数は多いものの、エンゲージメント率・コンバージョン率が低いページ」や「平均順位は低いものの、コンバージョン率は高いページ」などが特定でき、コンテンツ改善において優先度の高いページを精査できます。
ユニバーサルアナリティクス(UA)とGA4ではサーチコンソールの連携において何か異なる点はあるのか、UAとサーチコンソールを連携していてもGA4とのリンク設定に問題はないのか、ウェブアナリストの小川氏に伺ってみました。
「UAとGA4では連携して活用できる機能やデータは同じです。また、UAとサーチコンソールを連携している場合でも、GA4へリンク設定することは可能です。」
GA4でサーチコンソールデータを活用するためのポイント
各レポートのグラフは、棒グラフ・折れ線グラフ・散布図からデータに合わせて最適なものを選択できます。
ディメンションは、クエリとランディングページのほかに、国・デバイスの設定が可能です。セカンダリディメンションでは、「クエリ×国 or デバイス」か、「ランディングページ×国 or デバイス」の組み合わせが可能ですが、表示されるその他のセカンダリディメンションは選択しても数値が出ないようになっているので、分析時には注意しましょう。
検索クエリからランディングページの絞り込みをしたい場合には、引き続きサーチコンソール上で確認が必要です。
GA4とサーチコンソールを連携できない時のチェックポイント
本記事で紹介している連携方法で連携ができない場合には、次のチェックポイントを確認してみてください。
権限がない
GA4とサーチコンソールを連携するには、それぞれ次の権限が必要です。
- GA4:編集者
- サーチコンソール:確認済み所有者
適切な権限がないと、GA4の画面にプロパティは表示されません。
GA4とサーチコンソールの両方に権限があるかを確認し、ない場合には担当者に権限を付与してもらうか、権限がある人にリンク設定を依頼しましょう。
既に他のサーチコンソールと連携されている
GA4のデータストリームにリンク設定できるサーチコンソールは1つだけです。連携時に既に他のサーチコンソールとリンクされている場合は、新しく他のサーチコンソールへの連携はできません。
データストリームとサーチコンソールが正しいものか確認し、新しく連携する場合には、まずはリンク設定を解除してください。
サーチコンソールのデータ収集が48時間以内
リンク設定は完了したが、データが表示されない場合には、サーチコンソールのデータ収集開始から48時間経っておらず、データが反映されていない可能性があります。
GA4もサーチコンソールも、立ち上げたばかりであれば48時間待ってから再度確認してみてください。
解決しない場合はサポートへ確認
もし上記のチェックポイントを確認しても解決しない場合には、ヘルプコミュニティを確認するか、サポートへ連絡してみましょう。
Google のヘルプコミュニティではキーワード検索で同様の問題を確認したり、質問を投稿したりできます。また、ヘルプコミュニティで問題が解決しない場合には直接Google サポートへ問い合わせることも可能です。
GA4を使いこなす「イベント」の設定
GA4の分析を使いこなすには、独自の概念である「イベント」を理解し、駆使することが重要です。
イベントの種類
イベントとは、Webサイト上でユーザーが起こした各行動を指します。行動には例えばページクリックやページビュー、初回訪問、購入完了などがあり、イベントごとに発生回数を計測できます。
イベントには「自動収集イベント」「推奨イベント」「カスタムイベント」の3つのカテゴリがあります。
自動収集イベントにはページビューやスクロールなどがあり、GA4を設定した時点から自動で計測されています。
推奨イベントには購入や検索、ユーザー登録などがあり、GA4設定時点では計測されていませんが手動で設定することで計測が始まります。
カスタムイベントは、自身でイベントの内容を定義しての計測ができます。
イベント設定でできること
GA4を設定した時点で自動収集イベントが計測を始めているため、特に何もしないでも一定の指標はデータを蓄積できます。一方、推奨イベントやカスタムイベントを駆使することで、自社Webサイトに合った深い分析ができるようになります。
例えば、このページにアクセスしてほしいというコンバージョンページがあれば、そのページのURLへの訪問をカスタムイベントとして設定し、計測することが可能です。
GA4のイベント設定については、以下のコラムにて詳しく解説しています。
GA4とサーチコンソールを連携して効率的にレポートを作成しよう
GA4とサーチコンソールを連携することで、GA4上でクエリやランディングページについてのレポートを作成でき、ユーザー分析業務を効率化できます。リンク設定とレポートメニューへの追加は数分で完了するため、まずは本記事を参考に連携を行っておくと良いでしょう。
サーチコンソール連携以外にも、GA4のさまざまな設定方法をこちらのページにまとめてありますので、あわせてご確認ください。