画像生成AIとは、テキストによる「プロンプト」と呼ばれる指示を与えることで、AIが短時間で高精細な画像を生成してくれる技術のことです。最近では、「Stable Diffusion」や「Midjourney」をはじめとする、画像生成AIツールが多数登場しています。
![【2023年最新】画像生成AIツール10選|活用する際の注意点も解説](https://www.hubspot.com/hs-fs/hubfs/%E7%94%9F%E6%88%90ai%20%E7%94%BB%E5%83%8F_top.webp?width=595&height=400&name=%E7%94%9F%E6%88%90ai%20%E7%94%BB%E5%83%8F_top.webp)
【無料ガイド】生成AIを活用しコンテンツを制作する!
コンテンツ制作に役立つプロンプトの書き方など、制作のプロセスにAIツールを適切に取り入れる方法をご紹介します。
画像生成AIツールは、SNSに投稿する写真やアバター画像を作成できるだけでなく、社内で作成する資料やイベントページに用いるなど、ビジネスシーンでも活用できます。ただし、この分野は著作権や商用利用の可否などの注意点があるため、各ツールの特徴をしっかりと押さえておくことが重要です。
本記事では、代表的な画像生成AIツールの特徴やメリットを詳しく解説します。ツールを活用するうえでの注意点も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
![](https://offers.hubspot.jp/hubfs/jp-offer/generative-ai-ebook/%E7%94%9F%E6%88%90AI%E3%82%92%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84%E5%88%B6%E4%BD%9C%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%A4%A7.png)
生成AIをコンテンツ制作に活用するための入門ガイド
コンテンツ制作に役立つプロンプトの書き方など、制作のプロセスにAIツールを適切に取り入れる方法をご紹介します。
- 生成AIの概要と、独自のコンテンツを作成する方法
- コンテンツ制作業務全般に役立つAI活用のメリット
- AIに関する懸念点への回答
- チームにAIを導入するためのヒント
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
![](https://offers.hubspot.jp/hubfs/jp-offer/generative-ai-ebook/%E7%94%9F%E6%88%90AI%E3%82%92%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84%E5%88%B6%E4%BD%9C%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%A4%A7.png)
画像生成AIとは
まずは、画像生成AIの仕組みや注目されている背景について解説します。
AIが自動的に画像を生成する技術
画像生成AIとは、「プロンプト」と呼ばれるテキストで指示を与えるだけで、AIが自動的に画像を生成する技術です。テキストだけでなく、イメージ画像をアップロードしたり、テーマやコンセプトを絞り込んだりすることで、より理想的な画像が生成されやすくなります。
画像生成AIを組み込んだツールを利用すると、早ければ数十秒程度で高品質な画像を作成することが可能です。オリジナル画像を作成するほか、頭のなかの抽象的なイメージを具体的に表現したい場合に役立ちます。
注目された背景
画像生成AIは、「Stable Diffusion」というツールがブームの火付け役となり、注目を集めるようになりました。Stable Diffusionは、無料で使用できるツールであるにも関わらず、操作性や品質の良さ、商用利用も可能であることなどが理由で、瞬く間に世界中へと広がった背景があります。
それ以前にも、テキスト生成AIツール「ChatGPT」で有名なOpenAI社が2021年1月に画像生成AI「DALL-E」をリリースしています。さらに、2022年6月には、「Midjourney」と呼ばれる画像生成AIツールも登場しました。
画像生成AIツール10選
画像生成AIツールとは、一般ユーザーが画像生成AIの技術を活用するためのツールのことです。ここでは、代表的な画像生成AIツールの特徴や料金などを解説します。
- Stable Diffusion/無料/商用利用可
- Midjourney/月額10~120ドル/商用利用可
- DALL-E 2/15ドル~/商用利用可
- Bing Image Creator/無料/商用利用不可
- Adobe Firefly/無料~月額680円/商用利用可
- Canva/無料~月額3,000円/商用利用可
- PhotoDirector 365/通常版:9,800円~・サブスクリプション版:月額6,480円~/商用利用可
- Picsart/無料~月額1,300円/商用利用可
- AI Picasso/無料~年額4,444円/(商用利用記載なし)
- MyEdit/無料~月額1,460円/商用利用可
1. Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)
【特徴】
- 一般公開されているソースコードを活用することで無料で利用可能
- 操作方法がシンプルで使いやすい
イギリスのStability AI社が2022年8月にリリースした画像生成AIツールです。オープンソースとして提供されており、誰でも無料で利用できます。
Stable Diffusionを利用するには、事前に専用プログラムをダウンロードする必要があります。もしくは、「Stable Diffusion Online」「Hugging Face」などのWebアプリケーション上で、プログラムを稼働させることで利用可能です。
Stable Diffusionは、テキストを入力するだけで画像が生成できる、画像生成AIの一般的なモデルを採用しています。生成された画像は照明やフレームの調整、フィルターの設定が可能で、汎用性に優れているのが特徴です。
- 利用料金:無料
- 商用利用:可能
- 公式サイト:Stable Diffusion
2. Midjourney(ミッドジャーニー)
出典:Midjourney
【特徴】
- 画像のテーマやスタイルを柔軟に変更できる
- インターフェースがシンプルでわかりやすい
従業員10名程度で運営されているMidjourney社が開発した画像生成AIツールです。同社は、ハードウェアベンチャーであるLeap Motion社の設立者、デビッド・ホルツ氏が設立しました。
チャットツールのひとつである「Discord」からBotコマンドを入力することで、短時間で画像を生成できるのが特徴です。画像の高解像度化に加え、元画像からスタイルや構図をわずかに変化させて出力できます。
Midjourneyには4つの料金プランが用意されており、同時に生成できる画像の枚数や生成速度などに違いがあります。
- 利用料金
Basic Plan:月額10ドル
Standard Plan:月額30ドル
Pro Plan:月額60ドル
Mega Plan:月額120ドル - 商用利用:可能
- 公式サイト:Midjourney
3. DALL-E 2(ダリ・ツー)
出典:DALL-E 2
【特徴】
- 抽象的な指示でも可能な限り忠実にイメージを再現
- 画像の一部を削除したり背景を書き足したりと、細かく指示を与えられる
OpenAI社が2021年1月にリリースした「DALL-E」の第2世代にあたるツールです。
DALL-E 2では、写真やイラストのほか、自身で描いた元画像をアップロードできます。元画像をもとに、構図やニュアンスの異なる幅広いバリエーションの画像を生成できるのが強みです。
同ツールの料金体系はクレジット制を採用しています。プロンプトで指示を与える際、1回につき1クレジットを消費し、計4枚の画像を生成する仕組みです。
OpenAI社は9月20日に、後継モデルとなる「DALL-E 3」のリリースを発表しました。同ツールでは、プロンプトを読み取る精度がさらに向上し、指示に即した忠実な画像を生成できることが期待されています。
- 利用料金:15ドルにつき115クレジットを購入可能
- 商用利用:可能
- 公式サイト:DALL-E 2
4. Bing Image Creator(ビングイメージクリエーター)
【特徴】
- 拡張機能なしでプロンプトを日本語対応に変更できる
- プロンプト自動生成機能によって学習コストの削減が可能
Bing Image Creatorは、Microsoft社が提供しているツールですが、画像生成にあたっては「DALL?E 2」の技術を採用しています。Microsoftのアカウントがあれば無料で利用できるのが利点です。
Bing Image Creatorでは、生成された画像のリサイズやトリミング、テキスト・フィルター追加などの細かい編集が可能です。作成した画像は、Web上やSNSで簡単に共有できます。
- 利用料金:無料
- 商用利用:不可
- 公式サイト:Bing Image Creator
5. Adobe Firefly(アドビ・ファイアフライ)
【特徴】
- ベクターや動画などの多様な出力形式に対応している
- 月25クレジット以内なら利用料金無料
Adobe Fireflyは、Adobe Stockに蓄積された膨大な画像データからモデルを学習することで、指示に合わせて忠実に画像を生成できるツールです。
Adobe Fireflyの強みは、生成AIの領域で懸念事項となる、著作権や肖像権などの問題をクリアしている点にあります。同ツールで画像を生成すると、自動的にコンテンツ生成履歴が付与されるためです。
また、Adobe製品の一部であることから、Adobe Creative Cloudとの連携に対応しています。IllustratorやPhotoshopなどと連携し、オリジナルグラフィックと生成画像を合成して活用が可能です。
- 利用料金(税込):無料プラン 無料/プレミアムプラン 月額680円
- 商用利用:可能 ※Adobe Expressへの登録が必要
- 公式サイト:Adobe Firefly
6. Canva(キャンバ)
出典:AI画像生成・写真ジェネレーターアプリ | Canva
【特徴】
- Instagramとの連携により、デザイン作成後、即座にSNSへの投稿が可能
- Webブラウザとモバイルアプリの両方に対応
Canvaは、オンライン上で手軽にグラフィック制作を行えるサービスです。画像生成AI機能が追加され、簡単な指示を与えるだけでオリジナル画像を作成できるようになりました。
Canvaの画像生成AIは、写真やイラスト、コンセプトアート、パターン、3D画像などの多様なジャンルに対応しているのが特徴です。画像を生成した後は、Canvaの従来の操作でコンテンツを編集できます。背景色の変更やテキストの追加、フリー素材の埋め込みなど、幅広い編集パターンに対応可能です。
- 利用料金(税込):
Canva Free:無料
Canva Pro:月額1,500円
Canva for Teams:月額3,000円
※画像生成AI機能は無料 - 商用利用:可能 ※生成画像の表記を添えることを推奨
- 公式サイト:Canva
7. PhotoDirector 365(フォトディレクター)
【特徴】
- 豊富なテンプレートが用意されている
- フォトアニメーションや分散エフェクトなどの高度な加工に対応
PhotoDirector 365は、CyberLink社が提供している画像編集ソフトです。2023年7月に画像生成AI機能を搭載した製品へとアップデートしました。
本来AI技術に強みを持っていたソフトだけあり、画像生成後の色調補正や高画質化といった編集機能に強みを持ちます。従来のAI機能を活用することで、写真の背景置き換えや人物補正など処理を効率的に行えるのが特徴です。
- 利用料金(税込)
【通常版】
PhotoDirector 2024:9,800円
PowerDirector 2024 Ultimate + PhotoDirector 2024:19,980円
【サブスクリプション版】
PhotoDirector 365:月額6,480円
Director Suite 365:月額15,980円 - 商用利用:可能 ※体験版・教育ライセンスは不可
- 公式サイト:PhotoDirector 365
8. Picsart(ピクスアート)
出典:Picsart
【特徴】
- 生成した画像をPicsartのコミュニティで共有可能
- Webブラウザとモバイルアプリでの編集に対応
Picsartは本来、画像や動画の加工、コラージュ画像の作成などができるグラフィックソフトですが、画像生成AI機能が追加されました。テキスト入力だけで、写真やイラストの自動生成が可能です。
Picsartの画像生成AI機能を活用すると、最大で8K解像度の画像生成が可能です。ほかにも、画像の一部を置き換える「AIリプレイス」や、オリジナルアバターを生成できる「AIアバター」など、多様なAI生成機能が用意されています。
- 利用料金:
無料版:無料/Picsart Gold:月額1,000円/Team:月額1,300円
※画像生成AI機能は無料 - 商用利用:可能
- 公式サイト:Picsart
9. AI Picasso(AIピカソ)
出典:AI Picasso
【特徴】
- 元画像の一部分だけ塗りつぶし、その箇所をAIに描いてもらえる
- 元画像が人物スケッチの場合、その構図でオリジナル画像が完成する
AI Picassoでは、Stable Diffusionのモデルをもとに、モバイルアプリ上から手軽に画像を生成できます。テキスト入力や元画像のアップロードのほか、簡単な下絵をAIに読み込ませて画像を生成できるのが特徴です。
また、フリー素材サイト大手の「いらすとや」と連携しているため、「いらすとや」のようなイラストを生成することも可能です。
- 利用料金:無料プラン:無料/PROプラン:年払い4,444円、週払い600円
- 商用利用:記載なし
- 公式サイト:AI Picasso
10. MyEdit(マイエディット)
出典:MyEdit
【特徴】
- プロンプトのアイデア集を活用できるため、ノウハウが不要
- 画像・音声編集機能を標準搭載
MyEditは、CyberLink社が提供しているマルチメディア制作ソフトです。2023年7月にリニューアルを行い、新たに画像生成AI機能が搭載されました。
独自のアイデア集が用意されており、そのなかのテキストをプロンプト作成時の参考にできます。また、ビンテージやネオン、3Dなど複数のスタイルを選べるため、理想的な画像を容易に作成できるのも特徴です。
- 利用料金:無料プラン:無料/プレミアムプラン:月額1,460円
- 商用利用:可能
- 公式サイト:MyEdit
画像に限らず、生成AIの無料ツールやアプリを利用したい方は、こちらの記事をご覧ください。複数のツールやアプリをピックアップし、それぞれの特徴や強みを紹介しています。
画像生成AIツールを利用する際の注意点
画像生成AIツールは最新技術であり、著作権などに関する法整備が追い付いていません。また、2023年時点の技術では、まだ細かいクリエイティブの描写が難しい状況です。ここでは、画像生成AIツールを利用する際の注意点を紹介します。
著作権や肖像権の問題が発生する可能性がある
画像生成AIツールは、商用利用が認められているケースもあります。しかし、生成した画像を自由に使えるとしても、その元となった写真やイラストを巡ってトラブルが発生する可能性も考えられます。
例えば、生成された画像が元画像と酷似している場合は、クリエイター側との著作権や肖像権の問題に発展するかもしれません。また、第三者が事前に大量の画像を生成し、それに似た画像を使用した企業に賠償金を請求する「パテント・トロール」の問題もリスクとして想定されるでしょう。
権利関係のトラブルを防ぐには、プロンプトや加工の履歴をすべて記録しておくことが大切です。あらかじめ自社独自のプロンプトや元画像を用意しておくのも方法のひとつです。
なお、文化庁の発表するAIと著作権に関する資料では、AIを利用して生成された画像そのものが著作権侵害になるとは明言しておらず、あくまでも人が描いた作品と同様に判断されるとしています。そのため、「類似性」や「依拠性」が認められない画像は著作権侵害には当たりません。
また、AI学習として画像を使うことも、原則、著作権者の許諾なく行うことができるとしています。AI学習による著作物の複製等防止のため、例えば「robots.txt」の記述によりWebサイトへのアクセスを制限するといった措置を講じる動きもあり、これらは著作権法上の制限はなく、権利者やWebサイトの管理者の判断によって自由に行うことができます。
参考:A I と 著 作 権 AI と著作権に関する考え方について
現段階の技術では細かい描写には向いていない
2023年9月時点において、画像生成AIで正確な描写をするのは技術的に難しいという課題が残っています。
特にリアルな人間が写った画像を生成する際には、体の構造をうまく画像に反映できないこともあります。
これは学習データが足りないことが大きな理由で、将来的に問題が解消される可能性は高いといえます。しかし、現状では生成された画像を修正することによって、かえって時間がかかってしまうことも考えられます。まずは生成する画像の方向性を明確にし、コンセプトに合う画像を試験的に生成するのがおすすめです。画像生成AIツールを活用する際は、段階を追ってツールの活用を検討しましょう。
日本語未対応のツールが多い
画像生成AIツールは、英語圏での利用を想定したものが多い傾向にあります。
将来的にアップデートで日本語対応になることも考えられますが、そのようなツールは、まだ少ないのが現状です。
また、日本語対応のツールであっても、日本語のプロンプトで生成すると、英語で生成した場合に比べてAI認識の精度が劣ることもあります。そのため、画像生成AIツールを使うには、ある程度、英語でプロンプトを作成する技術が求められます。
翻訳ツールの活用が必要になるケースもあるため、そのための導入コストやプロンプト作成者の教育コストなどを視野に入れておきましょう。
注意点を理解しつつ自社に合った画像生成AIツールを活用しよう
代表的な画像生成AIツールである「Stable Diffusion」や「Midjourney」が誕生してからわずか1年程度で、数多くの画像生成AIツールがリリースされました。今後も、生成AI市場の成長にともなって、新しいツールがリリースされるでしょう。
どのようなツールを使うにしても、著作権や肖像権の問題には特に注意しなければなりません。また、現状行っている画像制作とコスト面や工数を比較し、画像生成AIツールを導入した際の費用対効果を検証することも大切です。
このような注意点を踏まえたうえで、自社に合う適切なツールを選定してください。