企業での生成AI活用事例9選!機能別・業種別に紹介

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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AI技術の急速な進歩によって生成AIは進化を遂げ、業種を問わず、さまざまなビジネスシーンで活用が進んでいます。

企業での生成AI活用事例9選!機能別・業種別に紹介

【無料ガイド】生成AIを活用しコンテンツを制作する!

コンテンツ制作に役立つプロンプトの書き方など、制作のプロセスにAIツールを適切に取り入れる方法をご紹介します。

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生成AIを活用することで、業務の効率化や品質向上、新たなサービスの提供などが実現可能です。既存のビジネスプロセスを変革し、新たなビジネス機会を生み出す可能性が秘められている生成AIについて理解を深め、積極的に活用していきましょう。

本記事では、ビジネスにおける生成AIの活用事例を、AIの機能と業種に分けて紹介します。

生成aiをコンテンツ制作に活用するための
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【機能別】企業の生成AI活用事例

【機能別】企業の生成AI活用事例

生成AIの機能は、画像の処理と文章の処理に大きく分かれます。ここでは、生成AIの機能別に、どのようなことが実現できるのかを見ていきましょう。
 

画像処理の応用

コンピューターシステムが画像を解析し、特定の対象やパターンを識別する技術は、AIの基本的な画像認識機能です。生成AIの場合は、画像の認識や解析にとどまらず、データをもとにレポートの作成や新たなアイデアの創造まで実現できるのが特徴です。

実際に、企業では生成AIの画像処理の技術がどのように活用されているのでしょうか。商品デザインで生成AIを活用している事例を紹介します。
 

商品デザイン

株式会社伊藤園では、「お~いお茶 カテキン緑茶」のデザインを、株式会社プラグが開発した「商品デザイン用の画像生成AI」を活用して作成しました。生成AIが生成した画像を参考にデザイナーがデザインを作成し、最終的なデザインを決定する流れです。

参考:伊藤園 企業情報サイト

生成AIを活用すると、短時間で多くのアイデアを出すことができます。また、打ち合わせをしながら画像生成ができるため、デザインの方向性を決定する期間が大幅に短縮され、結果的にデザイン開発期間を短縮することが可能となりました。
 

言語処理の応用

「生成AI」という言葉が広く認知されるきっかけとなった「ChatGPT」は、AIの言語処理技術を応用したものです。これまで難しいとされてきた長文の処理にも対応できるようになり、ビジネスにおいても活用が進んでいくと考えられます。ここでは、文章を生成するAIの活用事例を紹介します。
 

カスタマーサポート

北陸銀行は、顧客から問い合わせを受けた際に、担当者が必要な情報をすぐに見つけられないという課題がありました。そこで、銀行内検索システム「Helpfeel Back Office」と、FAQの自動生成システム「Helpfeel Generative Writer」を導入し、過去の膨大な問い合わせを蓄積したナレッジの構築を図ることになりました。

参考:北陸銀行が銀行内検索システム「Helpfeel Back Office」を導入

FAQの自動生成システムは、過去に問い合わせのあった内容とその回答などから、自動でFAQページのタイトルと回答を生成するサービスです。このシステムの導入により、膨大な問い合わせデータのなかから欲しい情報を探したのち、記事を作成するという手間や時間を削減できました。また、行員が課題を自己解決できるようになり、さまざまな観点で業務効率化を図ることに成功しました。
 

自社特化型AIチャットツール

三井不動産株式会社は、AIチャットツール「&Chat」を開発しました。文章の要約やビジネス英語への翻訳、報告書の作成といった機能があり、業務効率化に役立てています。プロンプト(AIへの指示文)集も実装しており、精度の高い回答を得られるように工夫されています。

参考:三井不動産 | 全従業員を対象に、自社特化型AIチャットツール「&Chat」の運用開始

生成AIの種類については、こちらの記事に詳しく記載していますので、参考にしてください。

 

【業種別】企業の生成AI活用事例

【業種別】企業の生成AI活用事例

ここでは、生成AIの活用事例を業種別に紹介します。
 

IT・通信業での生成AI活用事例

IT・通信業では、社員の情報検索からお客様対応まで、すでにAIが幅広く使われています。
 

チャットボット【ソフトバンク株式会社】

ソフトバンク株式会社は、業務効率化や生産性の向上を目的として、生成AIが活用された社内向けのチャットボットを導入しました。今後、さらに企画やアイデア出しといった分野にも応用する予定で、従業員に対してAIの積極的な活用を促しています。

参考:ソフトバンク版AIチャットと社内向けITヘルプデスクを連携させて業務のさらなる円滑化を推進
 

電話応対サービス【ヤマト運輸株式会社】

ヤマト運輸株式会社では、繁忙期や夜間帯などに電話がつながりにくい状況があり、電話応対AIサービス「LINE AiCall」の導入を決めました。

LINE AiCallは、ユーザーからの問い合わせに対して適切な回答を音声で返すシステムです。音声認識・音声合成・会話制御の仕組みを組み合わせることで、自然な会話を実現します。

導入後は、「電話の待ち時間がない」「AIオペレータとのやりとりがスムーズ」など、ポジティブな反応が多く寄せられました。現在では、集荷依頼の8割をAIオペレータが対応しており、顧客満足度向上につながっています。

参考:ヤマト運輸株式会社 - LINE WORKS AiCall | 導入事例インタビュー
 

ヘルスケア領域での生成AI活用事例

ここでは、医療分野の生成AI活用事例を2件紹介します。
 

医薬品の設計

香港に拠点を置く創薬企業のインシリコ・メディシンは、生成AIを用いた新薬の設計を実現しました。まず、AIを活用してデータベースを解析し、新しい薬の候補を効率的に見つけ出します。次に生成AIを使って候補薬を設計する流れを用いることで、新薬認可を得るまでの期間を18か月まで短縮することに成功しました。
 

カルテ記載

AIは、医療機関のワークフローにおいても便利な存在となりました。例えば、診療中にAIがカルテの記載をサポートしています。通常、医師は患者を診察しながらカルテを入力していきますが、米国の一部では医師がキーワードを入力すると、AIが予想されるカルテ内容の下書きを作成し、文書作成をサポートできるようになっています。業務効率化だけでなく、医師が効率的にカルテを作成できるようになることで、患者のケアに集中できることも大きなメリットです。
 

製造業での生成AI活用事例

製造業では、人材不足を補うために生成AIが活用されている事例が多くあります。生成AIの活用は、経験年数の違いによる人的ミスの削減や、業務効率化につながっています。
 

業務時間の短縮

パナソニックコネクト株式会社は、AIアシスタントサービス「ConnectAI」を社内で導入しました。ChatGPTをカスタマイズしたもので、社員は社内イントラネットから簡単にアクセスし、いつでも質問が可能です。

AIの導入によって、プログラミング業務におけるコーディング前の作業にかかっていた時間が3時間から5分に短縮されました。また、アンケート結果分析にかかる時間は9時間から6分へと大幅な削減が実現しています。

現在は、パナソニックグループ全体で、ConnectAIがベースとなっている「PX-AI」を導入し、9万人の社員が利用しています。パナソニックコネクト株式会社では、2023年10月以降、自社に特化したAIとして、社外秘の情報にも回答ができる生成AIの活用開始を予定しています。

参考:ConnectAI活用実績と今後の戦略
 

体験型プロモーション【アサヒビール株式会社】

体験型プロモーション【アサヒビール株式会社】

出典:画像生成AI「Stable Diffusion」の体験型プロモーション活用は日本初「Create Your DRY CRYSTAL ART」

アサヒビール株式会社では、AIを活用したプロモーション「Create Your DRY CRYSTAL ART」を展開しています。

Stability AI社が提供する高性能な画像生成AIを使用し、ユーザーが任意のテキストと自分の画像をアップロードすることでオリジナルの画像を作成できます。水彩画風やアニメ風といったスタイルを指示すると、生成AIがアップロードした画像を加工し、指示に沿って仕上げます。

このサービスは、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」のブランドサイト内で提供されているサービスで、日本初の体験型プロモーションです。製品の認知度向上や購入促進を図ることを目的としています。
 

生成AIをビジネスに活用する前に著作権を理解しよう

ビジネスに生成AIを利用する際は、著作権に気を付けましょう。人が作ったものであれ、AIにより生成されたものであれ、著作権の基準は同じです。

著作権法の基本的な考え方として、表現やアイデアそのものは「著作物性がない」と判断されます。例えば、似た画風の絵があったとしても、その事実だけで著作権侵害にはなりません。

ただし、「既存の著作物と同一、類似している(類似性)」「既存の著作物に依拠して複製等がされている(依拠性)」という2点が著作権侵害の要件に当たるため、生成された制作物の類似性・依拠性については必ず確認が必要です。

生成AIをビジネスに活用する前に著作権を理解しよう

出典:A I と 著 作 権
 

活用事例を参考に生成AIを取り入れて、業務を効率化しよう

生成AIは、画像やテキスト、音声といった幅広いコンテンツの生成が可能な技術です。うまく活用することで、業務効率化やクリエイティブなコンテンツの制作支援などの効果が期待できますが、著作権を侵害しないよう配慮しなければなりません。

生成AIは発展途上であり、人によるコントロールが必要な技術であることを認識したうえで業務に活かしましょう。

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生成AIをコンテンツ制作に活用するための入門ガイド

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