【Google広告の料金】ライバルに差をつける入札戦略完全ガイド

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室橋 健(むろはし けん)
室橋 健(むろはし けん)

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AIの進化に伴い、広告配信にも機械学習が活用されるようになりました。とりわけGoogle広告においては自動化に主眼をおいたサービス改善が加速的に進んでおり、入札についても「自動入札機能」と呼ばれる機能を介して、自動で最適化された入札が行われるようになりました。

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一方で、全てを自動入札機能に委ねることができないのも現実であり、各シーンに応じて「入札を手動で進めるべきか」「自動で進めるべきか」という判断も含めた入札全体についての戦略設計が必要となっており、入札の全体戦略設計における難易度は上がったとも考えられます。

また、自動入札の活用が進めば進むほどライバル企業との間で広告運用が類似してしまい、差別化が難しくなるという可能性も生じます。

本稿では、ライバル企業との間で圧倒的な差をつけるためのGoogle広告の入札戦略について解説します。

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    Google広告の料金体系

    Google広告では、クリック1回あたりの単価(CPC)、あるいは表示回数1,000回あたりの単価(CPM)に基づいて広告の掲載料金が算出されます。

    テレビCMや雑誌広告のように「この広告枠は○○万円」という形で、広告枠に掲載料金が固定化されているものではありません。都度、広告枠ごとにオークションが開催され、掲載料金が決まる仕組みが採用されています。

    そのため、広告主側にはより戦略的な目線を持った広告の活用が求められるのがGoogle広告です。

    →ダウンロード: 広告運用を最適化するための無料ダッシュボード

    Google広告オークションの仕組み

    前述したように、Google広告では課金される広告の記載料金が、その都度オークション形式によって決定されます。オークションにおいては、入札単価だけではなく広告の品質スコアも重要視され、単価と品質スコアの2点によって広告ランクが決定されます。

    広告ランクの算出方法は以下の通りです。

    • 広告ランク=入札単価 × 品質スコア

    品質スコアとは「広告と広告枠の関連性」や「ランディングページの利便性」などから算出されるスコアで、広告の品質を数値化したものです(品質スコアの詳細についてはこちらの記事をご覧ください)。 

    Google広告には2つの入札方法がある

    Google広告の入札には2つの方法が存在します。

    • 手動入札
    • 自動入札

    ここからは、2つの入札方法についてそれぞれの詳細を見ていきましょう。
     

    手動入札とは?

    「個別単価設定」とも言われ、広告グループやキーワードの入札単価を個別に手動で設定していく方法です。GoogleやYahoo!の提供する自動入札の機能が充実する前は、ほぼ全てのGoogleやYahoo!の広告運用は手動で入札が行われていました。
     

    自動入札とは?

    Googleの提供する機械学習機能が、広告主の考える目標や予算に合わせ、最適な入札金額を自動で設定してくれる機能です。現状、自動入札には以下の8種類の入札機能が用意されています。

    ①目標コンバージョン単価
    ②目標広告費用対効果
    ③クリック数の最大化
    ④コンバージョン数の最大化
    ⑤検索ページの目標掲載位置
    ⑥目標優位表示シェア
    ⑦目標インプレッションシェア
    ⑧視認範囲のインプレッション単価

    8種類の自動入札機能が持つ概要を以下で解説します。

    ①目標コンバージョン単価

    目標設定したコンバージョン単価で、コンバージョン数を最大化する自動入札の仕組み
     

    ②目標広告費用対効果

    目標設定した広告費用対効果で、コンバージョン数を最大化する自動入札の仕組み
     

    ③クリック数の最大化

    予算内でクリック数を最大化する自動入札の仕組み
     

    ④コンバージョン数の最大化

    予算内で設定したコンバージョン数を最大化する自動入札の仕組み
     

    ⑤検索ページの目標掲載位置

    検索結果1ページ目や検索ページ上部等、設定した掲載位置のみに広告が表示される自動入札の仕組み
     

    ⑥目標優位表示シェア

    設定した競合等のドメインより上位に表示されるようにする自動入札の仕組み
     

    ⑦目標インプレッションシェア

    指定した広告表示率(インプレッションシェア)を超えるようにする自動入札の仕組み
     

    ⑧視認範囲のインプレッション単価

    表示回数1,000回あたりの単価(CPM)を最適化する自動入札の仕組み
     

    拡張CPCについて

    前章で解説した8種類の自動入札機能の中でも、とりわけ利用価値が高いと言われるのが「④コンバージョン数の最大化」で、これは「拡張CPC」とも呼ばれています。拡張CPCとは、手動で設定した上限クリック単価を、データに基づいて自動で引き上げたり引き下げたりしてくれる機能です。

    つまり、高いコンバージョンが見込めるオークションではクリック単価を高くし、コンバージョンが見込めないオークションではクリック単価を低くするという高度な判断を、Googleの機械学習機能が自動的に行ってくれるのです。

    なお、拡張CPCは「クリック1回あたりの単価(CPC)」「表示回数1,000回あたりの単価(CPM)」の両方で使用できる機能です。

    このようなセンシティブな判断までもが機械学習によって自動で最適化されるようになったことは、広告業界の目覚ましい発展と言えるでしょう。
     

    目的にあわせた入札戦略

    機械学習の発展により自動入札の機能は急速に進化を遂げています。もはや「使わない理由がない」とも言えるほど有用な自動入札の機能ですが、全てを自動入札に委ねても良いものでしょうか。

    答えは「No!」です。

    それでは、手動入札と自動入札のどちらを選択するべきか、双方のメリット・デメリットを整理してみましょう。

      メリット デメリット
    手動入札 ・自社独自の広告戦略を反映できる
    ・小さい予算で広告運用ができる
    ・大きな予算を回す場合、入札に莫大な工数がかかる
    自動入札 ・広告の費用対効果を最大化できる
    ・出稿にかかる工数が削減できる
    ・まとまった予算を最初に投下してデータを収集しないと、入札の精度が上がらない
    ・競合と似通った広告運用に陥ってしまう可能性がある

     

    入札戦略における注意点

    あくまで自動入札は機械学習による最適化が行われるものです。そのため、例えばECサイト運営者が広告主の場合に「たまたま超高額の商品が売れたケースを過学習して、超高額商品に最適化した入札を行い、広告成果がでなくなってしまう」ということも起こりえます。

    そのため、自動入札を利用した場合でも、定期的なチェックやチューニングが必須であることは、手動入札を行った場合と変わらない点と言えるかもしれません。

    そもそも、大量の広告運用データが取得できていない場合、機械学習の精度は高まりません。ある程度まとまったテストマーケティングの予算が確保できない状態であれば、自動入札の活用は難しい状況であると言えるかもしれません。

    目の前のコンバージョン1件1件にこだわらざるを得ないスタートアップの事業では、そのような余裕がないというのが現実ではないでしょうか。

    つまり、広告運用を自動化し、ローコストオペレーションを構築する前に、まずは自社広告運用の勝ちパターンを見つけることが先決と言えます。
     

    ライバルに差をつける広告戦略と自動入札の活用方法

    また、ライバル企業と全く同じプロダクトや似通ったプロダクトを扱う場合も、自動入札の活用には注意が必要となります。

    なぜなら、広告運用でライバル企業に勝利するには、以下4点のいずれかで差別化を行わなければならないからです。

    • プロダクトそのもの
    • 広告クリエイティブ
    • 広告出稿先
    • 入札単価

    上述した「ライバル企業と全く同じプロダクトや似通ったプロダクトを扱う場合」では、「プロダクトそのもの」の差別化はそもそも不可能な状況のため、「広告クリエイティブ」「広告出稿先」「入札単価」のいずれかで差別化を図らなければなりません。

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    一方、最近ではレスポンシブ広告などの広告クリエイティブ最適化も自動化が推進されており、広告運用の大部分を機械学習に委ね、作業を限りなく自動化することが可能な環境が整っています。

    これは非常に便利なことではありますが、広告運用のすべてを機械学習に委ねてしまえば、ライバル企業との差を生み出すことは難しくなります。これは、広告代理店にすべてを任せてしまった場合にも同様のことが言えるでしょう。

    最近では、大手企業のコングロマリット(多業種複合企業)化が更なる進展を極めており、スタートアップや中小企業が新たなプロダクトを市場に投下し、ブルーオーシャンの市場を独占して成長できたとしても、すぐに大手企業が類似のプロダクトをもって参入してきてしまい、その資本力によってシェアを一気に奪われるというケースも多発しています。

    そのため、まず自社の強みや魅力を最大限活用できる広告戦略の勝ちパターンを構築できるまで、可能な限り手動による広告運用を行い、勝ちパターンができたところを拡大・最適化していくという発想で機械学習による自動化を進めていくべきであると考えます。
     

    まとめ

    機械学習の進化により自動入札の機能は急速に発展し、もはや「使わない理由がない」というところまで来ています。だからこそ、目的に合わせた自動入札を含めた入札全体の戦略設計が、ライバルと差をつけるために求められるのです。

    広告代理店などにGoogle広告の運用を任せきりになってしまっている場合は、ぜひ一度自社でGoogle広告運用アカウント開設して、仕組みを理解しながら自動入札を含む様々な入札戦略を体感してみた上で、どのような結果が出るか試してみると良いでしょう。

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    トピック: Google広告

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