Google は、2024年9月の日本における検索エンジンシェアにおいて約80%を占めている巨大なプラットフォームです。「Google 広告」はそんな検索エンジンをはじめ、YouTube、Gmail、ディスカバー、Google とパートナーシップを結んだ多くのWebサイト・アプリにまで広告を配信できる広告サービスであり、Webマーケティングにおいては欠かせない存在です。
Google 広告活用ガイド
Google と共に、成果につながるGoogle 広告戦略を策定するためのガイドを作りました。Google 広告に関するあらゆる情報をまとめたガイドとGoogle 広告の運用開始に役立つテンプレートやチェックリストも併せてお届けします。
- 適切なPPC入札のポイント
- 広告予算の設定と最適化
- キャンペーンレポート作成のためのテンプレート
- CVR率向上のためのランディングページのテスト手法
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全てのフィールドが必須です。
また、年齢や性別といった一般的な広告のターゲティングだけでなく、ユーザーの所在地、興味・関心、ライフステージといった細かい設定が可能な点も、Google 広告ならではのメリットです。
ターゲットユーザーに効率よくリーチするには、Google 広告の設定を適切に行い、狙った場所に費用を投じる必要があります。
今回は、Google 広告への出稿を検討されている方や、設定方法に迷っている方に向けて、基本的な仕組みやキャンペーンの種類、設定方法を解説します。
Google 広告とは
Google 広告とは、Google が提供するさまざまなサービスに広告を配信できる広告プラットフォームです。
検索エンジンやYouTube、Gmailのほか、Google のネットワークに入っているWebサイトやアプリなどに出稿し、広範囲に商品やサービスをアピールできます。 検索エンジンGoogle の誕生から2年後の2000年10月に「Google AdWords(Google アドワーズ)」としてリリースされ、その後2018年のブランド名変更により「Google 広告」に名称が変わりました。
Google 広告の代表的なメニューに、検索キーワードごとに広告を表示させる「検索連動型広告」と、Webサイトの内容に応じて表示される「ディスプレイ広告」があります。
検索連動型広告は検索結果ページの上部もしくは下部にテキスト広告が表示され、ディスプレイ広告ではWebサイトやアプリの広告スペースにテキスト広告や画像広告が表示されます。
以下は検索連動型広告の一例です。
他には、YouTubeの視聴中に表示される動画広告もGoogle 広告の一部であり、同じ管理画面から設定します。
また、最近ではAIが配信設定をサポートしてくれるメニューも誕生し、広告運用に慣れていない方でも始めやすくなりました。
Google 広告の仕組み
広告配信の流れや広告ランク・品質スコアなど、Google 広告に欠かせない基礎知識を解説します。
広告作成・配信の流れ
Google 広告は、1つのアカウントの中で複数のキャンペーンを作成し、1つのキャンペーンにつき複数の広告グループを作成するという構造になっています。広告を作成する手順も、キャンペーンの次に広告グループを作成するという流れになっています。
Google 広告を配信する場合、まずはキャンペーンを作成します。キャンペーンは広告全体を管理するための構成要素で、配信目的・予算・入札戦略・ターゲティングといった基本設定が可能です。
キャンペーン設定後、詳細なクリエイティブ(広告制作物)を決める広告グループの設定を行います。検索連動型の場合はテキスト、ディスプレイ広告の場合は画像、動画広告の場合は動画など、キャンペーンタイプによって必要となるクリエイティブが変わります。
すべての設定が終わると審査が行われ、問題なければ広告が配信される仕組みです。
Google 広告の8種類のキャンペーン
Google 広告には8種類のキャンペーンが用意されています。
- 検索:ユーザーの検索にあわせて広告を配信
- P-MAX:すべてのGoogle サービスおよびパートナーのユーザーにリーチ
- ディスプレイ:パートナーシップを結んだWebサイトやアプリの広告表示エリアへ配信
- ショッピング:ECページへ直接遷移する広告を配信
- 動画:YouTubeへ広告を配信
- アプリ:アプリのダウンロードなどを促す
- スマート:小規模ビジネス向けの簡易的な広告キャンペーン
- デマンドジェネレーション:DiscoverやGmail、YouTubeなどへ広告を配信
各キャンペーンタイプによる主な違いは、広告の配信先です。
検索エンジンやYouTube、Gmailなど、配信先によって広告の表示方法や適切なクリエイティブが異なるため、自社商品・サービスにあわせて最適なキャンペーンタイプを選択しましょう。
それぞれの特徴やメリットを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
広告ランクと品質スコア
Google 広告は広告ランクが高いほど目立つ場所(上位)に表示されます。
広告ランクは、広告内容とランディングページの品質からなる「品質スコア」、「入札単価」、「ユーザーが検索に至った経緯」など計6つの指標から決定されます。
中でも品質スコアは、広告の品質と関連性の高さを基準に、10段階で評価が行われます。その基準となる指標がクリックスルー率(Click Through Rate/CTR)です。
広告の表示回数に対してクリック数が多いほど品質スコアが向上します。
Google 広告では、複数の広告主同士が入札価格を提示し合います。この仕組みはオークションと呼ばれ、品質スコアが低い場合でも、高額な入札価格を提示できれば、より上位への表示が可能です。
広告のターゲット地域
Google 広告ではターゲット地域の指定が可能です。ターゲット地域を設定しておくと、ユーザーの地域属性にあわせて広告が表示されます。
例えば、横浜在住のユーザーが「ヨガスタジオ」を検索した場合、ターゲット地域に横浜を指定した広告は表示されますが、横浜以外の地域を指定した広告は表示されません。そのため、実店舗を運営している企業は、営業範囲でターゲット地域を絞り込むと費用対効果を高められます。
Google 広告のターゲティングでは、地域のほかにも、年齢や性別、興味・関心などでユーザーを絞り込めます。
ターゲティングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Google 広告を活用するメリット
Google 広告の運用には、専門的な知識が求められると考えている方も多いでしょう。しかし、初心者にとってメリットが多いため、Web広告の運用経験がない方にこそ、Google 広告がおすすめです。
- Google の巨大なエコシステムに広告を配信できる
- 費用対効果を見極めやすい
- 出稿前に入札単価や必要な予算を予測できる
- 広告の運用経験や知識がなくても簡単に出稿できる
- レポートからPDCAを素早く回せる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
Google の巨大なエコシステムに広告を配信できる
Google 広告は、検索エンジンにおいて圧倒的なシェアを誇るGoogle 、動画共有サービスにおいて同じく圧倒的なシェアのYouTubeを始め、パートナーシップを結んだ膨大な数のWebサイト・アプリも含めたGoogle の巨大なエコシステムに広告を配信できるサービスです。
広告を配信できる母数が圧倒的に多いため、Webマーケティングにて集客や認知度拡大を狙いたい場合は真っ先に利用したい広告サービスだといえます。
そのぶん競合も多いのがGoogle 広告ですが、運用を続けていくうちに費用対効果の高いターゲティング設定やクリックされやすいクリエイティブについて理解できてくるので、自社に合ったユーザーへアプローチできるようになっていきます。
費用対効果を見極めやすい
Google 広告の課金方式は、クリック課金をはじめとする成果課金が中心です。実際に成果が現れてはじめて料金が発生するため、出稿した時点で費用がかかるマス広告に比べて、費用対効果を見極めやすいといえます。
Google 広告で採用されている課金方式は次の4種類に分かれます。
より詳しい料金体系を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
また、Google 広告ヘルプでも課金の単価について学習できます。
出稿前に入札単価や必要な予算を予測できる
Google が用意するシミュレーションツールを使うと、具体的な入札単価や必要な予算を確認できます。ツールは広告の出稿前でも利用できるため、運用戦略を立てやすくなります。
Google 広告で活用できるシミュレーションツールは次の通りです。
- キーワードプランナー:検索連動型広告の費用の見積もりが可能
- パフォーマンスプランナー:ディスプレイ広告の費用の見積もりが可能
- リーチプランナー:YouTube広告の費用の見積もりが可能
いずれのツールも、Google 広告の管理画面から使用することができます。 キーワードプランナーの使い方については、こちらの記事をご覧ください。
広告の運用経験や知識がなくても簡単に出稿できる
Google 広告には、AIを活用したスマートアシストキャンペーンという機能があります。スマートアシストキャンペーンを活用すれば、最も成果が見込める設定で、広告を自動的に配信してくれます。
予算や入札戦略、ターゲットなど、本来は広告主自身が設定しなければならない項目が自動で設定されるため、ノウハウがなくても簡単に広告運用を始められるのがメリットです。
スマートアシストキャンペーン以外のキャンペーンも設定方法が特別難しいわけではなく、基本的には案内に従って設定するだけで運用できます。もし自社内に広告運用のできるリソースがあれば、貴重なノウハウを蓄積できるでしょう。もちろん、Google 広告の仕組みを理解した上で、広告代理店にアウトソースすることも選択肢の一つです。
レポートからPDCAを素早く回せる
Google 広告では無料でレポート機能を利用できます。ただ運用して終わりではなく、費用対効果の高い広告はどれだったのか、どこを改善すればいいのかを知ることで、広告の効果を高めていけます。
ここまで5つのメリットをお伝えしてきましたが、Google 広告のより具体的な効果を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Google 広告の前準備
Google 広告を利用するためには、まずGoogle 広告アカウントを作成する必要があります。Google のアカウントがあれば、誰でも無料で作成可能です。
Google 広告アカウントを作成するには、最低でも以下のものが必要となります。
- Google アカウント
- ビジネスの名称(企業、ブランド、店舗)
- ユーザーの遷移先(Webサイトなど)
- クレジットカード
なお、Google 広告ではアップデートや小規模なテストなどにより、これからご紹介するアカウント作成手順は変更される可能性があります。基本的には、ガイドに沿って入力していけば問題ありません。
- まずはGoogle 広告にアクセスし、[今すぐ開始]をクリックします。
- 以下のような画面が出るので、[最初のキャンペーンを作成]をクリックします。その下の[キャンペーンの作成をスキップ]も同じ画面につながるため、どちらを選択しても問題ありません。
- 事業内容について問われるので、ビジネスの名前および、広告をクリックしたユーザーに何をして欲しいかを選択します。以下ではWebサイトのURLを入力して進みます。
- 入力したら、左の[キャンペーンなしでアカウントを作成]をクリックします。
- [次へ]を選択した場合は、Google が推奨するキャンペーン内容にて最初のキャンペーンを設定後、アカウント作成の続きを行います。まずアカウント作成を完了したい場合は[キャンペーンなしでアカウントを作成]を選択するといいでしょう。反対に、キャンペーン設定の感覚をつかみたい場合は[次へ]から進むこともできます。
このようにガイドに従って入力していくことで、Google 広告アカウントの作成は完了します。
さらに詳しいアカウント作成手順や、最初のキャンペーンにおすすめのスマートアシストキャンペーンの設定方法については以下コラムをご覧ください。
Google 広告の設定方法
Google 広告アカウントを作成できたら、いよいよGoogle 広告を出稿してみましょう。
Google 広告にはすでにご紹介したとおり、8つのキャンペーンがありますが、どのキャンペーンを選ぶかによって設定の流れは異なります。
そのため、ここからは要点を絞って出稿フローを解説します。
- まずは共通のフローとして、キャンペーン概要画面から[新しいキャンペーンを作成]をクリックします。
- キャンペーン目的を選択する画面に移ります。どの目標を選択するかによっても、設定の流れは変化します。今回は[販売促進]で進めていきます。
- 次に、キャンペーンタイプの選択に移ります。キャンペーンは全部で8つですが、[販売促進]を選んだことにより6つに絞られました。今回は[検索]キャンペーンで進めていきます。
- いくつかガイドに従って設定を続けていくと、キャンペーン設定画面へ移ります。キャンペーン目的やキャンペーンタイプによって、ここの設定フローが変わっていきます。
- 検索キャンペーンを選択しているため、どのような検索キーワードで対策するかを決める項目があります。
- 検索結果ページの上下に広告が表示されるので、その見出しや説明文などを設定できます。動画キャンペーンの場合はYouTube動画を選択するなど、キャンペーンによって設定項目は変わってきます。
キャンペーン設定の手順について詳しく知りたい場合は、以下コラムをご覧ください。
Google 広告を活用する際の注意点
初心者にとって多くのメリットがあるGoogle 広告ですが、注意すべきポイントも存在します。
以下で紹介する対応策を理解したうえで、Google 広告を最大限に活用しましょう。
競合が多く広告費用が高くなるケースもある
Google 広告では、競合が多い検索キーワードほど入札競争が激しくなり、広告費が高額になってしまう場合があります。
Google 広告の順位は広告とランディングページの品質スコアや入札価格など複数の要素によって決まりますが、広告を目立たせるために、他社よりも高い入札単価が必要になることもあります。競合が多い検索キーワードで少ない予算しか用意できないと、広告の表示機会が大幅に減少してしまいます。
狙ったキーワードで広告を表示させるため、キーワードプランナーを使って事前に平均入札単価や競合性を調査しておきましょう。
競争が激しい検索キーワードで予算が不足しそうな場合は、別の検索キーワードに切り替える判断も必要です。
適切な検索キーワードを選ぶための専門知識が必要
Google 広告の設定を行う際は、商品やサービスにあわせて検索キーワードを登録します。その検索キーワードでユーザーが検索すると、自社の広告が表示される仕組みです。
このように、ユーザーの悩みや課題に対する解決策を提示できるのがGoogle 広告のメリットですが、適切な検索キーワードを選ぶためには専門知識が求められます。自社製品との関連性や複数キーワードのかけ合わせなどにより、広告の表示順位が大きく変わってしまうからです。
検索キーワードの選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Google 広告で困ったらヘルプを活用
Google 広告の使い方でわからないことがあれば、Google 広告の「ヘルプセンター」を活用しましょう。
キャンペーンの作成方法や管理方法、料金の支払方法など、Google 広告に関する情報が網羅されています。 それでもわからないときは、「Google 広告のヘルプコミュニティ」を利用してみてください。
ヘルプコミュニティでは広告主のQ&Aを参考にできるほか、質問を投稿するとほかのユーザーから回答を得られる場合があります。
仕組みを理解してGoogle 広告の運用効果を最大化させよう
Google 広告では、検索サイトやYouTube、Google のネットワークなどを通じて、幅広く自社商品・サービスをアピールできます。
設定が自動で最適化されるスマートアシストキャンペーンにより、いまではほとんど予備知識がない状態でも配信設定を行えるようになりました。 しかし、基礎知識を理解しているか否かで、運用成果は大きく変わります。予算の微調整やキーワードの選定といった細かな設定がパフォーマンスを左右するからです。
初めからすべてを理解する必要はありません。本記事を参考にノウハウを徐々に身に付けながら、改善と試行錯誤を繰り返してみてください。
Google 広告に対する理解が深まるほど運用効果が高まり、自社の魅力を知ってもらいたいユーザーに、適切なタイミングで適切な広告を届けることが可能になります。