Google 広告を一定以上の規模で運用していると、頻繁に広告の新規追加を行ったり、キーワードや各種設定を複数のキャンペーンで変更したりといった業務が発生します。
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通常の管理画面では、基本的に1件ずつ変更するしかありませんが、Google が提供しているオフライン編集ツール「広告エディタ」を利用すれば作業効率を大きく挙げられる可能性があります。
本記事では、Google 広告エディタの基本的な使い方や業務効率化のための活用法についてご紹介します。Google 広告エディタの導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。
Google 広告エディタ(Google Ads Editor)とは
Google 広告エディタとは、Google が無料で提供している広告編集ツールです。Google 広告の作成や複数の広告を一括で編集するといった業務を行うことができます。
この章では、Google 広告エディタの主な機能や使用可能なGoogle 広告をご紹介します。
Google 広告エディタでできること
Google 広告エディタでは、複数の広告においてキーワードやURLを一括で編集することができます。そのため、複数のキャンペーンで大量のキーワードや広告を設定している場合には、編集作業の効率化が可能です。
Google 広告の運用は通常の管理画面にてすべて行うことができるため、基本的にはその他のツールを使用する必要はありません。一方で、一定以上の規模で広告を運用する場合、同時に複数の変更を完了したいのにできないというケースが生じます。通常の管理画面では基本的に変更は一つずつ行うため、大規模な運用になればなるほど手間を取られることになります。
そこで便利なのが、PCにインストールして使用するGoogle 広告エディタです。広告エディタでは例えば、複数のキャンペーンにまたがってキーワードやURLを一括で変更、テキストを置換、複数アカウントの情報を表示・編集、といった機能が使用できます。こうした機能を駆使することで、広告運用の規模が一定以上になっても効率を損なわずに拡大できます。
その他にも、Google 広告エディタでは次のような作業ができます。
- キャンペーンや広告グループの変更
- キャンペーンのパフォーマンスデータを確認
- 複数のアカウント管理や編集
- 広告グループやキャンペーン間で項目のコピーや複製
- ファイルのエクスポートやインポート
- オフラインでの作業
- 変更内容の下書き保存
Google 広告では全ての作業がオンライン上で行われるのに対し、Google 広告エディタではオフラインで広告の編集や下書き保存ができるため、入念に内容を確認したうえで設定が可能です。
Google 広告エディタのセットアップ方法
Google 広告エディタのダウンロードからセットアップ方法まで、流れに沿って紹介します。記事を見ながら実際に設定してみてください。
Google 広告エディターダウンロード
まずは、ダウンロードページからGoogle 広告エディタをダウンロードしましょう。
利用規約への同意と言語設定を行うと、次のようなGoogle 広告エディタの「アカウントマネージャー」が表示されます。これは広告アカウントを追加・管理するための画面で、後から追加・管理したい場合にも登場します。
ダウンロードはこれで完了です。
アカウント情報の連携
Google 広告エディタのダウンロードが完了したら、アカウント情報を連携しましょう。
アカウント情報のダウンロードは次の手順で行います。
- 画面左上に表示されている「追加」をクリック
- 「ブラウザを開いてログイン」をクリック
- 連携するアカウントを選択→許可
- ダウンロードするキャンペーンを選択し「OK」をクリック
- アカウントマネージャーに選択したアカウントが表示されていれば連携完了
- Google 広告エディタでは、複数のアカウントをダウンロードして開けます。Google 広告のアカウントを追加したい場合には、再度「追加」ボタンから追加できます。
Google 広告エディタの画面構成
実際に広告を管理する前に、Google 広告エディタの管理画面の概要を理解しておきましょう。
Google 広告エディタの管理画面は次の6つのパートから構成されています。
①メニュー:アカウント・編集・広告運用ツール・データ・ヘルプが設置
②ツールバー:アカウントを開く、アカウントの最新情報を取得、Google 広告で変更した内容の確認や送信を行うツールが設置
③ツリービュー:アカウントに登録されているキャンペーン、広告グループがツリー状に表示
④タイプリスト:選択されたキャンペーンまたは広告グループで変更可能な項目が表示。基本的にはここから管理を行う
⑤データパネル:ツリービュー・タイプリストで選択している項目の詳細データが表示
⑥編集パネル:データパネルで選択したデータの編集内容が表示
Google 広告エディタの基本的な使い方
Google 広告エディタの基本的な使い方をご紹介します。Google 広告エディタを使用して、キャンペーンの追加から配信までを実際に行なってみましょう。
0. 「最新の変更を取得」をクリック
広告エディタは、基本的にオフラインでの作業となります。そのため、広告エディタを使ってGoogle 広告の各機能を使用する際は、その前に必ず「最新の変更を取得」をクリックしてオンラインデータをダウンロードするようにしましょう。
ダウンロードをスケジューリングし、定期的に自動で最新の状態に更新することもできます。
1. キャンペーンの追加と設定
キャンペーンの追加と設定の方法は次の手順で行います。
- タイプリストから「キャンペーン」を選択
- キャンペーン追加をクリック
- キャンペーンの設定
キャンペーンで必ず設定する項目は次の5つです。
- キャンペーン名
- 予算
- 単価
- キャンペーンタイプ
- 開始日
開始日はキャンペーンを作成した日が自動的に設定されますが、こちらは変更可能です。
また、紹介した項目の他にも「ターゲット地域」や「除外コンテンツ」など、さまざまな設定が可能です。細かな設定を行いたい場合には、編集パネルをスクロールするとそれぞれの項目が表示され編集できます。
2. 広告グループの追加
広告グループの追加は次の手順で行います。
- ツリービューで編集したいキャンペーンを選択
- タイプリストで「広告グループ」を選択
- 「広告グループを追加」を選択
- 広告グループ名と広告グループの単価を設定
単価は次のいずれかに設定します。
- 上限クリック単価(JPY)
- 上限CPM(JPY)
- 目標コンバージョン単価(JPY)
- 上限広告視聴単価(JPY)
- 目標インプレッション単価(JPY)
キャンペーンの単価を「コンバージョン数の最大化」に設定している場合には、自動で単価が決まります。その場合にはクリック単価は1円に設定しておきましょう。
キャンペーンの単価を「個別にクリック単価を設定」に設定している場合には、広告グループの「上限クリック単価」に1クリックの上限単価を設定します。
3. キーワードとターゲティング設定
キーワードを設定する場合には、次の手順で行います。
- ツリービューで編集したいキャンペーンを選択
- タイプリストで「キーワードとターゲット設定」→「キーワード」の順に選択
- 「+キーワードを追加」をクリック
- 編集パネルでキーワードを入力
マッチタイプはデフォルトで「インテントマッチ」に設定されていますが、その他にも「フレーズ一致」「完全一致」も選択できます。
4. 広告の追加と設定
広告を追加する場合には、次の手順で行います。今回は例としてレスポンシブ検索広告の設定をご紹介します。
- タイプリストから「広告」→「レスポンシブ検索広告」を選択
- 「+レスポンシブ検索広告を追加」をクリック
- 編集パネルに必要項目を入力
レスポンシブ検索広告では、次の3つの項目を設定する必要があります。
- 広告見出し
- 説明文
- 最終ページURL
見出しに使用できる文字数は半角30文字(全角15文字)以内で、見出し数は最低3個、最大で15個まで設定できます。
説明文に使用できる文字数は半角90文字(全角45文字)以内で、最低2個、最大で4個まで設定できます。
最終ページURLには、広告をクリックした際に表示されるページを設定します。こちらは1ページのみの設定となりますが、モバイル用の別URLがある場合には、「モバイル最終ページURL」に設定が可能です。
5. 変更内容の確認
全ての設定を完了したのち、編集した内容をGoogle の広告管理画面へ反映します。
- 広告管理画面への反映方法は次の手順で行います。
- ツールバーに表示されている「送信」をクリック
- 変更の送信先を選択
- 「送信」をクリック
複数のキャンペーンを編集した場合には、変更の送信先で「全てのキャンペーン」を指定しておくと、変更の反映漏れを防げます。
エラーなどのトラブルが発生した場合
送信時にエラーが発生した場合には赤色のエラーマークが表示されます。
ページ下部の黄色になっている箇所に詳細が記載されるので、エラーがでた場合にはこちらを確認しましょう。
また、Google 広告のヘルプページや、ヘルプコミュニティからも解決方法を調べることが可能です。
「Google 広告エディター ヘルプページ」では、知りたい内容をキーワード検索することにより、該当する解決方法が一覧で表示されます。もし、更にサポートが必要な場合には、フォームの問い合わせも可能です。
「Google 広告のヘルプコミュニティ」とは、操作方法に関する質問や、他のユーザーと情報交換を行うことができる場です。例えば、設定方法に関する疑問をコミュニティに投稿すると、他のユーザーや、Google の社員が回答してくれます。
問い合わせをすると解決までに時間がかかることもあるため、まずはヘルプページやコミュニティページに解決策が掲載されていないかどうか確認してみると良いでしょう。
覚えておきたいGoogle 広告エディタの便利な機能
Google 広告エディタにおいて、広告運用業務の効率化につながる2つの代表的な機能をご紹介します。
これらの機能を覚えておくことで、広告作成や編集のスピードが上がりますので、ぜひご活用ください。
既存キャンペーンのコピー
新しくキャンペーンを作成する際に、既存のキャンペーンの設定を引用したい場合や、別の広告グループに既存の広告を使用したい場合に役立つのが、Google 広告エディタのコピー&ペースト機能です。
- コピー&ペーストは次の手順で行います。
- コピーしたい広告を選択し、右クリックでメニューを表示
- メニューの中から「コピー」を選択
- ツリービューから貼り付けたい広告グループを選択
- タイプリストから作成したい広告を選択
- データパネル上で右クリックをしてメニューを表示し、「貼り付け」を選択
キャンペーンを複製したいとき、通常の管理画面では必要項目を改めて入力する必要がありますが、Google 広告エディタのコピー&ペースト機能を活用すると、約1分ほどで広告を複製できます。
Google 広告テキストの一括編集
複数の広告テキストで「2021年」と記載していた箇所を「2022年」に変更したいなど、変更箇所が多い場合に活用できるのがテキストの一括編集機能です。
通常の管理画面からひとつひとつ編集するのは時間がかかりますが、Google 広告エディタでは一括でテキストを変更できるため、数分で完了します。
- テキストの一括編集は次の手順で行います。
- テキストを置き換えたい広告を選択した状態で「テキスト置換」をクリック
- 置き換え対象の箇所を選択
- 置き換えたい元テキストを「検索するテキスト」に記載
- 置き換えたい新テキストを「次に変更」に記載
- 「置き換え」をクリック
既存キャンペーンのコピーやテキストの一括編集の方法を動画で確認したい場合は、こちらのYouTubeビデオをご覧ください。
Google 広告エディタを利用する際の注意点
広告エディタは一定以上の規模の運用を効率化する点で優れていますが、エディタの仕様上、画像の取り扱いについては利便性を犠牲にしている側面があります。
例えば、ディスプレイキャンペーン(ディスプレイ広告)やデマンドジェネレーションキャンペーン(ディスカバーやGmailなどに配信する広告)では、画像の登録が必須となります。広告エディタでも画像の登録やアップロードは問題なく行えますが、エディタ内でプレビューはできず、画像の編集も行えません。
画像のプレビューや編集に関しては、通常の管理画面のほうが操作性が高く、直感的に操作できます。そのため、画像を必要とするキャンペーンの広告を作成する際は、それ以外の設定を広告エディタから送信した後に通常の管理画面で作成する、というフローが安定するでしょうう。
Google 広告エディタで効率的に広告を運用しよう
Google 広告エディタには、広告テキストの一括編集や既存広告のコピーなど、複数の広告を運用するうえで便利な機能が揃っています。
Google 広告エディタを活用することで、運用業務の時間を短縮することが可能です。
Google 広告エディタのダウンロードや設定は数分で完了するため、まずはツールを触ってみることから始めてみましょう。
Google 広告エディタを活用し、効率的な広告運用を行なってください。
Google 広告の設定方法については以下の記事でも詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。