MEOとは？店舗型ビジネスにおける重要性や6つのメリットを解説

MEOとは、Google マップの検索結果に自店舗の情報を上位表示させるために行う施策です。MEOの検索結果は、SEO検索結果よりも上部に表示されることが多く視認性が高いため、来店の可能性が高いユーザーに対して効果的にアプローチできます。また、自社の商圏で営業する実店舗のみが掲載競合となるため、店舗型ビジネスにとってMEOは重要な役割を果たします。

スマートフォンの普及によりマップ検索が頻繁に利用される現在において、MEOの重要性は高まる一方です。本記事ではMEOの概要とその目的、掲載順位を決める要素や店舗型ビジネスにおいて重要とされる理由、メリット・デメリットを解説します。店舗型ビジネスを展開している広報担当の方は、ぜひ参考にしてください。

MEOとは、Map Engine Optimization（マップエンジン最適化）の略語であり、Google マップの検索結果に自店舗の情報を上位表示させるための施策です。ここでは、MEOの目的とマップ検索順位を決める3つの要素について解説します。
 

MEOの目的

MEOの目的は集客、つまり、自店舗へ来店してもらうことです。Google マップの検索結果に自店舗の情報を上位表示させることで、近隣の店舗情報を検索しているユーザーに訴求できます。

例えば、「渋谷　居酒屋」「新宿　美容室」のように「地域名＋業種名／サービス名」を検索した場合に、その地域の近隣の検索結果が表示されます。位置情報を利用して「近くの飲食店」と検索すれば、現在自分がいる場所の近くにある店舗の情報表示も可能です。

マップ検索では、店舗名・所在地・営業時間・地図などが表示されます。また、通常の検索結果画面でも、上の画像のようにローカルパックとしてGoogle ビジネスプロフィールのリストが3件表示されます。

MEOを実施したい方は、まずはGoogle ビジネスプロフィールに登録してください。基礎情報の登録だけでなく、訴求文や写真なども追加して店舗の魅力をアピールしましょう。
 

マップ検索順位を決める3つの要素

マップ検索順位は、主に次の3つの要素で決まります。

1. 店舗までの距離
2. キーワードとの関連性
3. 店舗の知名度（視認性）
    

1. 店舗までの距離

店舗までの距離とマップ検索順位には、次のような関係性があります。

• ユーザーがGoogle マップで検索したキーワードに地名が含まれていればその地名が基準になる。例えば、「東京　ランチ」と検索した場合、東京でランチを提供している飲食店が表示される
• Google マップでの検索キーワードに地名が含まれていなければユーザーの現在地が基準になる。例えば、「ランチ」と検索した場合、位置情報に基づいて検索した場所から近い飲食店が表示される

ユーザーから離れた場所で営業する店舗であっても、Google のアルゴリズムがユーザーの検索意図に合致していると判断した場合には、その店舗情報が上位表示されるケースもあります。
 

2. キーワードとの関連性

マップ検索順位では、検索キーワードとビジネスプロフィールの内容との関連性が高いほど上位表示されやすい傾向があります。露出性を高めるためにも、ユーザーの検索意図を的確に捉え、検索時に使いそうなキーワードをビジネス情報に盛り込むことが重要です。

例えば、20代～30代の女性を訴求対象とし、「ランチ」「オシャレ」などのキーワードを想定する場合は、店舗情報に「リーズナブルにオシャレなランチを提供するイタリアンレストラン」のように記載します。
 

3. 店舗の知名度（視認性）

「Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法」では、ランキングを決定する要因として視認性の高さ、つまり、店舗の知名度があげられています。

具体的には、次のような項目の評価が高いとランキングも高くなります。

• Webサイトで紹介された数（リンク数）
• Google での口コミ数やスコア
• 検索エンジンの掲載順位

これら以外に、オフラインでの知名度もランキング決定に関わる要因です。知名度を高める方法は複数ありますが、前提としてユーザーに喜んでもらえる商品・サービスを提供できるように心がけましょう。
 

MEOとSEOの違い

SEOとは検索エンジン最適化を指し、Webページを検索結果の上位に表示させるための施策です。一方で、MEOはマップエンジン最適化を指し、Google マップ検索で自店舗情報を上位表示させて来店につなげる施策を意味します。

MEOとローカルSEOは、厳密には異なりますが、同じ意味で呼ばれるケースもあります。MEOとSEOの違いについて詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
 

MEOを実施する前に、なぜ店舗型ビジネスにとって重要であるのかを押さえておきましょう。ここからは、店舗型ビジネスにMEOが重要である3つの理由を解説します。
 

モバイル検索が購買行動につながるため

2022年8月に総務省が実施した「通信利用動向調査」によると、スマートフォンの世帯保有率は9割を越えています。また、インターネット利用機器においても、パソコンが48.5％であるのに対してスマートフォンは71.2％に及び、スマートフォンへの移行が進んでいます。その背景には、容易に持ち運べる点、通話やインターネット、写真撮影など多機能が搭載されていて利便性に優れている点があるでしょう。

そこで、ビジネスチャンスとして注目されているのがマイクロモーメントです。マイクロモーメントとは、人が「何かをしたい」と思った瞬間に、スマートフォンなどのデバイスで情報を検索したり、商品やサービスを購入したりといった行動を起こす瞬間を指します。

店舗型ビジネスにおいては、ユーザーの行動意欲が高まった状態であるマイクロモーメントを捉え、求める情報を提供することがMEO対策に重要といえるでしょう。
 

ベニスアップデートが実施されたため

ベニスアップデートとは、ユーザーの位置情報を検索結果に反映させるGoogle アルゴリズムのアップデートです。2012年2月に世界的に実施され、日本でも2014年から影響が現れ始めました。

例えば、東京の原宿で「美容室」と検索すると、原宿近辺の美容室の情報が検索結果に表示されるようになりました。ベニスアップデート以降、位置情報が反映された検索結果をユーザーは確認できるようになったため、店舗型ビジネスにおいてもMEOの重要性が高まったのです。
 

ポータルサイトの利用が減少しているため

近年、店舗情報を載せたグルメサイトの利用が減少傾向にあります。株式会社TableCheckが2022年に実施した「グルメサイトに関する意識調査（テーブルチェック調べ）」によると、飲食店を検索する際によく利用する手段として2020年の時点ではグルメサイトが78.9％の1位、Google が78.5％の2位でした。しかし、2022年にはグルメサイトは61.3％に減少して2位に転じ、反対にGoogle は86.1％に増加して1位となっています。

このように、Google の利用率が増え、グルメサイトが低下している現在において、MEOの重要性が高まっているとわかります。
 

MEOのメリットは次の通りです。

• 来店見込みの高いユーザーに訴求できる
• 検索画面で優位性がある
• 競合が少ない
• 店舗の信頼性を高められる
• コストを抑えられる
• SEOと比較すると難易度が低い
   

来店見込みの高いユーザーに訴求できる

MEOで上位表示できれば、すぐに行動につながるユーザーに店舗をアピールできます。「場所＋業種名」などで検索するユーザーには、次のような特徴があるためです。

来店見込みの高いユーザーへ効果的に訴求するには、来店動機を高められるよう、Google ビジネスプロフィールに次の情報を漏れなく記載しましょう。

• 経路案内
• 電話番号
• 所在地・地図
• 口コミ
• 店内写真
• 営業時間
• 時間別の混み具合
   

検索画面で優位性がある

MEO枠にあたるローカルパックは、Webサイトの検索結果（SEO枠）よりも優先的に表示されます。業種や店名、写真に加えて地図情報なども表示されるので、ユーザーは情報を把握しやすく、認知性も高まります。

ファーストビューの優位性を獲得するためにも、MEO枠での上位表示を目指しましょう。
 

競合が少ない

MEOでは近隣の店舗が表示されるため、SEOと比較して競合が少ないのもメリットです。実際に検索して、近隣店舗がどのように表示されているかを確認し、自店舗の対策に活用しましょう。

MEOはSEOと比較して対策にかかる時間やコストが少ないのもメリットです。MEO対策にかかる費用を詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
 

店舗の信頼性を高められる

ユーザーからの口コミの量と質は、来客率に影響を与えます。なぜなら、ユーザーは信頼できる店舗であるかどうかを判断する際にさまざまな情報を吟味し、その一つとして口コミを参考にするためです。口コミを集めたグルメサイトがあるように、特に飲食店ではその傾向が強く表れます。

質の良い口コミを投稿してもらうには、日頃からユーザーに喜んでもらえる商品・サービスを提供することが何より大切です。「口コミをしてくれたら〇〇をサービスします」など口コミを促す方法も効果的でしょう。ただし、自作自演の口コミは、Google からペナルティを科せられるので控えましょう。
 

コストを抑えられる

MEOはGoogle ビジネスプロフィールを活用すれば無料で行えます。外注しなくても対策できるため、SEOやリスティング広告、ポータルサイトなどと比較してもコストを抑えられるメリットがあります。

また、Google の公式サイトをはじめとして、インターネット上にはMEOに関する情報が公開されているため、独学でも習得可能です。Webサイトや記事を制作せず、すぐに始められる点も優れています。

MEOには、検索順位の推移や競合比較、ユーザーの行動分析などが行えるMEOツールの利用もおすすめです。MEOツールについて詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
 

SEOと比較すると難易度が低い

MEOではSEOに比べると難易度が低く施策しやすい傾向があります。ユーザーはいくつかの店舗と比較検討して最終決定をするため、上位表示さえできていれば検討対象になりうるからです。

1位をめざすよりも、上位表示をしつつユーザーに来店を促せるように自店舗の魅力を伝えることが重要です。
 

MEOには悪い口コミが書かれる可能性や、非店舗型ビジネスとは相性が悪いなどのデメリットが存在します。ここからは、MEOのデメリットとその対策を解説します。
 

悪い口コミをもらう可能性がある

MEOでは、高評価につながる口コミが期待できる反面、悪い口コミも一定数投稿されることを想定しておきましょう。悪い口コミを放置すると風評被害につながりかねません。

明らかに悪意のあるポリシー違反の誹謗中傷はGoogle に対して削除依頼ができます。しかし、正当な低評価は削除依頼が難しいとされています。低評価の口コミが投稿された際は、誠意ある返信によって印象を向上させ、ユーザーが満足できる商品・サービスに改善していく必要があるでしょう。
 

非店舗型ビジネスとは相性が悪い

MEOは顧客と直接やりとりを行う店舗型ビジネスに適しています。

MEOに向いているビジネスの一例は次の通りです。

• 飲食店
• 美容関係
• 医療機関
• 宿泊施設
• ジム・フィットネス施設
• マッサージ店
• 塾・予備校

例えば、「地域名＋業種」「地域名＋商品・サービス」で検索される地域性の高い店舗型ビジネスはMEOと相性が良く、集客に活用できます。

一方で、BtoBなどキーワードで検索されにくい業種やオンラインショップなどの非店舗型ビジネスは、MEOと相性が悪い傾向があります。MEOは、そもそもOtoO（オンラインからオフラインの集客）を目指しているからです。

ただし、非店舗型ビジネスであってもGoogle ビジネスプロフィールへの登録自体は可能です。企業が実在することを示す効果も期待できるため、非店舗型ビジネスであっても登録することをおすすめします。
 

手間と時間がかかる

MEOはSEOよりも早く成果を出せるものの、即効性はありません。定期的な投稿や写真の更新、口コミへの返信などを継続して行う必要があるため、少なからず手間と時間がかかります。

店舗経営とMEOの両立が難しい場合は、MEOを実施してくれる業者に依頼するのも一つの方法です。
 

Google アルゴリズムの影響を受ける

Google はより高品質なコンテンツをユーザーに届けるために、日々アルゴリズムのアップデートを繰り返しています。マップ検索エンジンのアルゴリズムもアップデートされ、掲載順位が入れ替わる可能性があります。

上位表示を維持し続けるには、アルゴリズムのアップデート状況を確認しながら、修正と改善を繰り返しましょう。
 

MEOは行動意欲の高いユーザーに訴求ができる、店舗型ビジネスにとって重要なマーケティング施策です。スマートフォンが普及しマップ検索が増えた現在では、MEOの重要性は高まっています。

一方で、MEOを実施することで口コミによる風評被害などが発生するデメリットもあります。良い口コミをしてもらうためには、最高のユーザー体験ができる商品・サービスを提供していくことが大切です。

MEOは無料ですぐに始められます。まずはGoogle ビジネスプロフィールの登録から始めましょう。