マーケティング業務に携わると、「ペルソナ」や「ターゲット」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
バイヤーペルソナ作成ガイド(テンプレート付き)
独自のバイヤーペルソナを作成する際に参考になる無料のガイドとカスタマイズ可能なテンプレートをご用意いたしました。
- バイヤーペルソナとは
- 独自のペルソナを構築する方法
- バイヤーペルソナを活用し、コンテンツを作成する方法
- ペルソナ作成テンプレート
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
どちらも企業がアプローチしたい対象を指す言葉ですが、両者の違いを明確に理解できているかどうか、自信が無い方は多いかもしれません。
本記事では、「ペルソナ」と「ターゲット」の意味の違いや、ペルソナ設定時のポイントや注意点を解説します。どちらもマーケティング施策を考えるうえでとても重要な要素なので、これを機に的確に使い分けられるようにしましょう。
ペルソナとターゲットの違いは?
まずは「ターゲット」と「ペルソナ」それぞれの正しい意味をおさえておきましょう。
ターゲットとは?
ターゲットとは、英語で「対象」の意味を持ちますが、マーケティングでは「想定顧客層」のことを指します。
年齢、地域、業種などの特定の属性、条件によって分類された集団(セグメント)の中で、自社商品やサービスを販売したい顧客群をターゲットと呼びます。
ペルソナとは?
ペルソナはラテン語で「仮面」を指し、舞台や演劇などで使われることが多い言葉です。マーケティングにおいては「製品やサービスを使用する人物像」を表します。
ターゲットは理想(あるいは目標)の顧客セグメントであるのに対し、ペルソナはより具体的な「サービスの中心となる顧客像」という点が大きな違いです。
ペルソナとターゲットの具体例
ここからは例を見ながら、ペルソナとターゲットの違いを確認していきましょう。
例えば、Web広告の制作会社が新築マンションの広告・LP作成を行うシーンを想定した場合、各々の設定項目には以下のような違いがあります。
ターゲットの例
- 30代男性
- 会社員
- ○○市在住
- マンション購入に興味がある
ペルソナの例
- 年齢:35歳
- 勤務先:大手菓子食品メーカー
- 職種:営業職
- 役職:課長
- 職歴:転職なし。新卒入社後、小売店向けの営業職に従事。複数の大手スーパーを担当して実績を積み、2年前から現職
- 居住地:○○市在住(職場△△市△△駅へ電車通勤)
- 家族構成:夫婦と4歳の子どもの3人
- 住居:現在◆◆駅から徒歩15分の2LDKマンションに居住
- 住居に関する悩み:2人目の子どもを予定しており手狭になってきた
- 引っ越し先の希望:
①家賃(現状◇◇万円)プラス○万円の出費で、新築の3LDKに住みたい
②現在住んでいる◆◆駅沿線エリアにある(通勤に便利、子育て環境も満足)
このように、実在する一人の人間をイメージできるレベルまで具体的にペルソナを設定すると、顧客の悩みや希望が洗い出され、解決策や訴求力のあるメッセージを考えやすくなります。
ペルソナ設定とターゲット設定の違い
ペルソナとターゲットでは、基本的な設定方法にも違いがあります。
ターゲット設定では「属性」を明確にしよう
ターゲットは、年齢や居住地などの人口統計学的な属性、職業や年収などのビジネス属性、購入頻度や訪問回数などの行動学的な属性で「絞り込み」を行い、対象となる集団の範囲を徐々に狭くしていくプロセスで設定します。
ペルソナ設定ではパーソナリティやライフスタイルを絞り込もう
ペルソナ設定の目的は、理想のターゲットをより実際の購入者像に近づけるため、ターゲット設定の修正の根拠となる「典型的な顧客」を描くことです。
ターゲット設定では主に3つの属性(人口統計学、ビジネス、行動学)で絞り込みを行いますが、ペルソナ設定ではその人物のパーソナリティ(性格、悩み)、ライフスタイル(よく閲覧するメディア、休日の過ごし方)、人間関係(所属しているコミュニティ、友人の数)などを絞り込んでいきます。
ペルソナに基づいたマーケティング戦略
ペルソナ設定を行い、アプローチする対象を明確に絞り込むことで、マーケティング戦略や販売戦略における仮説が立てやすくなります。
対象の人物像が明確になると、ペルソナの購買心理にアプローチして売上につなげたり、想定される行動からどのようなタイミングでどのような戦略を仕掛ければ良いかが見えてきやすくなったりするでしょう。
設定したペルソナは、営業やマーケティング部門をはじめ、商品企画や開発部門、カスタマーサポートなどの他部門とも共有します。
ペルソナを共有すると、ペルソナに基づいた商品開発や顧客満足度の向上施策が打てるようになり、部門を越えてブレない戦略を立てることができるでしょう。
ペルソナ設定の注意点
ペルソナは、ユーザーの実態を把握するための定量・定性データをもとに設定しましょう。
「自社の商品・サービスはこのようなユーザーが求めているだろう」という思い込みでペルソナを決めると、実態と乖離してしまう場合があります。
現在自社商品を利用いただいているのはどのような方たちなのか、今後顧客になり得る潜在顧客はどのような方たちなのか。自社の顧客データ、市場調査データなどできる限り収集したうえで理解を深めましょう。
また、ペルソナは一度設定して完了するものではありません。顧客や市場の変化に合わせて更新していくのが理想です。顧客の行動データやユーザーインタビュー、市場調査を継続して行い、定期的に見直しを実施してみましょう。
ペルソナを活用して自社を必要とする顧客にアプローチしよう
価値観が多様化し、マス向けに画一的なメッセージを発信し続けるだけでは響きにくくなった今、自社の商品・サービスを必要とする顧客に向けて的確にアプローチし、良好な関係を構築していく手法の重要性が高まっています。
ペルソナの設定と活用は、自社の潜在顧客にピンポイントでアプローチするうえで欠かせません。
マーケティング施策が複雑化する中で、ペルソナはチームのメンバー同士の共通認識となり、意思決定や業務推進においても有効に働くでしょう。
ペルソナを活用して顧客の解像度を上げ、顧客視点に立った効果的なマーケティングを目指してみてはいかがでしょうか。