近年、労働人口の減少により、採用活動の難易度が高まっています。パーソル総合研究所の調査予測によると、2030年の労働需要が7,073万人なのに対して、供給は6,429万人となり、644万人の人材が不足する見込みとなっています。
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自社にとって必要な人材を採用するには、最終的なゴールとなるKGI(重要目標達成指標)を設定したうえで、中間目標となるKPI(重要業績評価指標)に落とし込み、戦略的に採用活動を進めることが重要です。
本記事では、採用活動においてKPIを立てる目的や具体的な設定方法、立て方のポイントについて事例をあげながら解説します。効果的なKPIの立て方を知りたい人事担当の方は、ぜひご覧ください。
採用活動におけるKPIとは
まずは、採用活動におけるKPIの定義を解説します。KGIとの違いについても見ていきましょう。
採用活動におけるKPIとKGI
KPIとは(Key Performance Indicator)の略で、重要業績評価指標のことです。一方、KGIは(Key Goal Indicator)の略で、重要目標達成指標のことを指します。
KPIは、最終目標を達成するために設定される中間地点の目標であり、KGIは事業のゴールとなる最終目標指標のことです。
採用活動におけるKPIとKGIを例をあげると、次のようになります。
- KGI:3月末までに新卒入社を15名、中途入社を5名採用する
- KPI:中途入社は7月までに2名、10月までに3名採用する
最終目標を達成するために、何を達成していけば良いかを表す指標がKPIであると覚えておきましょう。また、「今年度は採用人数を増やしたい」といったあいまいな目標ではなく、具体例のように「今年度末までに20名採用する」など、時期と数値を明確に設定することが重要です。
採用KPIとして設定される主な指標
採用KPIとして設定される主な指標は次の通りです。
- 応募者数:応募した人数
- 選考通過人数(選考通過率):実際に応募した人のうち選考に通過した割合
- 面接実施者数(面接通過率):選考に通過した人のうち面接をした人の割合
- 内定者数(内定率):応募者の中で内定が決まった人の割合
- 内定承諾率:内定者の中から内定を承諾した人の割合
採用KPIの中で最も重要視すべき指標は内定者数です。
売り手市場といえる現代の採用市場では、内定を辞退されてしまうケースも少なくありません。株式会社リクルートの就職プロセス調査(2023年卒)「2022年7月1日時点 内定状況」によると、内定辞退率は57.8%に上っています。
2人に1人が内定を辞退している現状を理解し、目標とする内定承諾率から逆算して十分な内定者数を確保しておく必要があります。
採用KPIを設定する目的
採用KPIを設定する主な目的は、次の2つです。
- 現状を数値で可視化できる
- 改善点を把握しやすくなり素早くPDCAを回せるようになる
KPIを設定し、現状を数値で可視化することで、改善のためのアクションが明確になります。また、KPIをもとに現状をモニタリングし、問題が起きた場合に早い段階で気付く体制を整えることも可能です。
課題を発見できるようになれば、PDCAを回しやすくなり、スピーディーな対応が実現します。
採用KPIの立て方
ここでは、採用KPIを設定する方法を2ステップで解説します。
1. KGIを設定する
まず、最終目標のKGIを設定して具体的にゴールを定めていきましょう。
採用人数を重視するのか、それとも人材の質を重視するのかは、自社の状況に合わせて判断します。新卒採用の場合は採用者数をKGIに設定しますが、中途採用の場合は特定のポジションにマッチする人材を必要とするため、応募者のスキルや性質のほうが重要になることも多いでしょう。
2. KGIに紐づいたKPIを設定する
KGIに紐づいたKPIを設定する手順は、次の通りです。
- KGIの達成に必要なプロセスを検討し、書き出していく
- KGIから逆算して各プロセスをKPとして設定する
「本年度中に正社員を5人採用する」というKGIがあった場合、採用プロセスの各段階において中間目標となるKPIを設定します。逆算してKPIを設定する方法の例は、次のとおりです。
- 応募:応募者数55名(書類選考合格率40%として算出)
- 書類選考:書類通過者数22名(面接前の辞退率10%として算出)
- 1次面接:実施人数20名(合格率60%、選考辞退率20%として算出)
- 2次面接:実施人数10名(合格率70%、内定承諾率80%として算出)
- 入社:採用者数5名
合格率や辞退率は過去の実績をもとに作成すると良いでしょう。選考を進めるうちに状況が変化した場合は、割合を変更しながら調整していきます。
逆算による目標設定には、KPIツリーを活用しましょう。KPIツリーとは、KGIを基点としてKPIとの関係をツリー形式にまとめたものです。
中長期的な視点に立った採用計画の立案方法と手順については、次の記事で詳しく解説しています。
KPI設定時のポイントと採用活動での活かし方
ここでは、採用KPIを設定するときのポイントや、設定したKPIを採用活動時に活かす方法を解説します。
達成可能な目標・期限を設定する
採用KPIを設定するときは、現実的に達成可能な数値と期限を設定しましょう。高すぎる目標を設定すると担当者のモチベーションが上がらず、挫折の要因にもなります。また、期限はKGIから逆算して設定しましょう。
典型的なKPIの失敗例として、次のようなものがあげられます。
- 昨年の採用サイトからの応募者数は500名だったため、今年は倍の1,000名をKPIに設定する
- とにかく採用が急務なので、2か月後までに面接者数30人をKPIに設定する
目標を設定することは大切ですが、まずは実現可能なものから着実に達成していくことが重要です。また、場当たり的な目標設定は、かえってプロジェクトの進行が滞る原因になるため注意しましょう。
KPIの進捗はリアルタイムで確認していく
採用状況は日々変化するため、KPIはリアルタイムで確認し、最新情報を追っていくことが大切です。採用チームのメンバーが進捗を確認できるように、採用KPIのフローはわかりやすく整理しておきましょう。
また、リアルタイムで数値を把握すれば、数値の乖離や課題を早く発見できます。
改善と効果検証を繰り返す
進捗が予定より遅れているところがあれば、原因を特定してすみやかに改善施策を策定する必要があります。採用活動がすべて終了してから分析するのではなく、採用活動中にKPIの進捗を確認し、PDCAを素早く回しましょう。
とくに、自社の課題となっているフェーズを重点的に検証し改善を繰り返すことで、成果につながりやすくなります。
<例>
- 【課題】応募者数は多いものの、内定辞退率が目標の数値よりも高い
- 【改善】内定後のコミュニケーションを増やして辞退率低下を図る
採用KPIを正しく設定して採用活動の質を高めよう
採用KPIを正しく設定すれば、採用するために「いつまでに」「何を」「どのように」すれば良いかが明確になります。採用KPIの最適化によって、採用活動も効率化されるメリットがあります。
採用活動がスムーズに進むことは、企業だけではなく応募者にとっても重要なポイントです。採用担当者がゆとりをもって応募者に対応できるようになるため、双方にとってメリットとなるでしょう。