時々、SEOは「Something Extremely Obscure(非常に曖昧なもの)」の頭字語なのではないかと思いたくなることはありませんか。特に、ゆっくり腰を据えてSEOに取り組む時間がなかなか取れない忙しいマーケターであれば尚更です。
ターゲットキーワードの検索結果に自分のサイトが必ず表示されるようにするには、刻々と変化するGoogleのアルゴリズムをすべて把握しなければなりません。しかしマーケターである私たちには、常に変化し続けるGoogleのルールについていく時間がないときもあります。
でも諦める必要はありません!どんなにルールが変更されても、常に効果を発揮し続けているシンプルなSEOの法則が1つあるのです。それは関連するターゲットキーワードでサイトを最適化すること。サイトをうまく最適化すれば、訪問者の質の向上やコンバージョン率の上昇、ひいては成約数の増加がみられるようになるはずです。
キーワード最適化を行うには、当然のことながら最初にキーワードを決める必要があります。先日、HubSpotのRachel Sprungが、インバウンドマーケティングで使うべきキワードのリサーチ方法に関する記事を公開しました(関連記事はこちら:How to Do Keyword Research for SEO : A Beginner's Guide)。
キーワードリサーチをまだ行っていない方、キーワードが決まっていない方は、このRachelの記事を参考にしてください。今回の記事では、決定したキーワードをどのようにサイトに追加していけばよいかという部分を説明します。SEOを始めたばかりの方、あるいはキーワード戦略を見直したい方にとって有用な内容になっています。
まずはサイトオーディット(監査)を行う
ターゲットとするキーワードが決まったら、それらのキーワードをサイトに追加していくわけですが、今回説明する方法は、今後サイトに新しいコンテンツを追加するときだけでなく、SEOの全体的な見直しを行う際にも役立ちます。
最初のステップは、どのページでどのフレーズ/キーワードをターゲットにするか決めることです。その際にサイト全体の監査(英語)を行うと良いでしょう。監査を行うことで他の問題、例えば重複コンテンツなどがあれば、それらを表面化させることができます。(SEOで重複コンテンツが良くない理由とその修正方法についてはこちらのSEOビデオシリーズで詳しく説明されています。DejanSEO.comのエキスパートたちが、自分でサイトのSEO監査を行う方法を、順を追って説明してくれていますので参考にしてください。)手っ取り早く行いたいという方は、以下の手順を実施してください。
- サイトのすべてのページをExcelシートにエクスポートする。
- 訪問数の多いページ順に並び替える。
- 各ページのキーワードカテゴリを決め、ページ名の隣の列に記入する。
- キーワードカテゴリ列の隣列に、各ページに追加したいキーワードを記入する。キーワードはページの内容に関連しているもので、ターゲットオーディエンスが検索する可能性のある用語にすること。
以下は一例です。
すべてのページでこの手順を完了したら(ページ数が多い場合は、少なくとも最重要ページでこの手順を完了したら)、実際にサイトにキーワードを追加していきましょう。
サイトにキーワードを追加する
新しいキーワードでサイトを最適化するには、それらのキーワードをサイトに含める必要があります(当然ですね)。サイトにキーワードを含めるにあたり、重要となるエリアは5つあります。
- タイトル
- メタディスクリプション
- 見出しと本文
- 画像ファイル名
- URL
これまでに上記のエリアで最適化を行ったことがないサイトの場合、この作業にはかなり時間がかかるかも知れません。その場合は、最もトラフィックを獲得しているページから優先して行いましょう。そして今後新しいページを追加する際に、最適化するのを忘れないようにします。
タイトル
タイトルはブラウザのタブと検索結果に表示されるもので、検索者のクリックスルー率(CTR)と検索ランキングにダイレクトに影響します。タイトルを書くときは、65文字以内(日本語で約30文字相当)に収めるようにし、ターゲットキーワードあるいはフレーズを1つ含めるようにします。こうすることで検索者はあなたのサイトが、検索クエリに関連している内容だと判断することができます。
メタディスクリプション
メタディスクリプションも検索結果に表示されるテキストで、CTR向上に役立ちます。ただ最近はランキングには直接的な影響はありません。メタディスクリプションは、検索者にページの概要を示し、なぜそのリンクをクリックすべきなのかを説明するために存在しています。
ここでターゲットキーワード/フレーズの1つを使うことで、コンテンツが検索クエリに関連していることを検索者にアピールすることができます。ただ、やみくもにキーワードを入れるのではなく、検索者にとって魅力的なテキストにすることが重要です。メタディスクリプションは、クリックしてそのページに行くことで得られるメリットを検索者に売り込む場所だと考えてください。
お役立ち情報:Dejan SEOが提供しているこの便利なツールを使えば、タイトルとメタディスクリプションが検索結果でどのように表示されるかプレビューを見ることができます。
見出しと本文
見出しと本文でもキーワードを使うことは重要です。自分が検索した用語がページに含まれているほうが、訪問者がそのページに留まる可能性が高くなるためです。ただし、キーワードは自然な形で文章に挿入しなければなりません。つまり、検索エンジンではなく読み手のことを第一に考えて書くことが大切です。
本文にキーワードが入っているかどうかも、Googleのランキング要素の一つになっています。そのため本文にキーワードを入れることは、検索エンジン結果ページ(SERP)の順位向上にも役立ちます。キーワードはサイト全体に渡って複数の箇所に含めるのが理想的ですが、SEOのためだからとキーワードを多用しすぎるのはよくありません。あまりにも頻繁にキーワードを使用していると、操作的だと判断され、検索結果でランキングを下げられる可能性もあります。それに、そもそもキーワードを詰め込んだテキストを読みたがる人はいません。
画像名とaltテキスト
画像名やaltテキストにも自然な形でキーワードを含めることを検討しましょう。些細なことのように思えますし、ここで取り上げている他のものに比べて検索ランキングへの影響も大きくありませんが、Googleで画像検索が行われた場合にサイトを見つけてもらいやすくなります。また視覚障害等の理由で画面読み上げ機能を使っている方のアクセシビリティを向上することにもなります。Googleのアルゴリズムでは、画像名とaltテキストはマイナーランキング要素として使用されています。
ただし、見出しや本文と同様、SEOのためだけに画像名やaltテキストにキーワードを追加するのはよくありません。画像をできるだけ正確に描写したテキストにしましょう。
URL
ページの内容を正確に説明しているものであれば、URLにキーワードを含めるのも良いアイデアです。特にブログ記事を頻繁に公開しているサイトにとっては非常に重要なSEOと言えます。一つひとつの記事に一意のURLが作成されるわけですから、記事を公開するたびにサイトを最適化する大きなチャンスがあるわけです。
ただ注意してほしいのは、キーワードが詰め込まれた完全一致ドメイン(EMD)にはペナルティが課せられるということです。ですから例えばarizonerealestaterealtorsinarizona.com(アリゾナ不動産アリゾナの不動産仲介.com)のようなアドレスのサイトを作ろうとしているのであれば考え直してください。businessname.com/topic-topic(会社名.com/ブログ記事タイトル)のような構成にすれば大丈夫です。
検索ペナルティを回避する
サイトをキーワード最適化するにあたり、避けるべき手法がいくつかあります。信じられないかもしれませんが、下記に挙げるような疑わしいSEO手法を使っているサイトは依然として存在しています。決してマネしないようにしてください。
1)キーワードは隠さない。テキストを背景色と同じ色で表示したり、画像で隠したり、CSSを使って表示領域外に配置したりするのはやめてください。テキストを隠すやり方は検索エンジンで認められていませんし、ペナルティ対象となる可能性があります。また効果的でもありません。
2)キーワードスタッフィングを避ける。タイトル、見出し、メタディスクリプション、ページ本文、URLにキーワードを詰め込むのはやめましょう。スパムだと見なされますし、検索エンジンでも認められていません。
3)キーワードを不自然な箇所に無理に挿入しない。一つの記事に多数のキーワードを詰め込んでいるわけではないので大丈夫だと思われるかもしれませんが、たとえたった一つのキーワードであっても、前後関係に合わないような不自然なところで挿入するのはやめましょう。(ヒント:コンテンツ内にキーワードを入れられる箇所が見つけられないのであれば、そのコンテンツは、そのページがターゲットとしているペルソナに合致しているか見直しましょう。)
皆さんは忙しいマーケターで、他にもやらなければならないことは山ほどあります。そして「知識がないから」、あるいはもっと悪いことに「間違ったことをしたくないから」という理由でSEO対策を後回しにしてしまいがちです。しかし、最も重要なことは、サイト訪問者のユーザーエクスペリエンスを第一に考えることです。訪問者のことを第一に考え、その次に検索エンジンのことを考えるようにすれば、SEO対策を恐れる必要はありません。
SEOについて網羅的に知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
編集メモ:この記事は、2014年2月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Lisa Tonerによる元の記事はこちらからご覧いただけます。