プロモ広告はTwitterの広告の一種で、通常のツイートとほぼ同じフォーマットで出稿できるのが特徴です。広告感が少なく、通常のツイートのようにユーザーがリツイートやコメントをすることも可能で、情報拡散やユーザー同士のコミュニケーションといった効果が期待できます。
Twitter広告にはいくつかの種類がありますが、その中でもブランディングや自社サイトへのアクセス促進をはかりたい場合にはプロモ広告が向いています。
今回は、プロモ広告の特徴や設定方法、出稿時の注意点を画像付きで解説します。
Twitter広告の基礎ガイド
Twitter広告のポイントを押さえて宣伝効果を高めましょう。
- Twitter広告の基礎
- Twitter広告出稿手順
- ターゲティング設定のポイント
- Twitter広告の成功事例
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Twitterのプロモ広告(旧プロモツイート)とは?
Twitter広告の中で代表的なものといえば「プロモツイート」でしたが、2021年4月14日のリブランディングによって「プロモツイート」は「プロモ広告」という名称に変更されました。このリブランディングにより、プロモアカウントやプロモトレンドといった名称も変更されています。
出典:Twitter
名称は変わったものの、広告の仕組みや仕様に大きな違いはありません。以下でプロモ広告の特徴を解説していきます。
通常のツイートと同じ形式で配信
プロモ広告は、見た目は通常のツイートとほとんど同じなので、他のコンテンツに溶け込みやすく、広告感が薄いという特徴があります。一つだけ通常のツイートと異なるのは、プロモ広告の場合は左下に小さく「プロモーション」と表示される点です。
リツイートは課金の対象外
プロモ広告は、通常のツイートと同じように「いいね」やコメントといったエンゲージメントが発生します。
プロモ広告は有料で、広告のエンゲージメントに対して費用が発生しますが、リツイートに対する費用は発生しません。そのため、リツイートが増えれば増えるほど広告の費用対効果が高くなります。
プロモ広告を実施するメリット
ツイッターの広告メニューは、種類によって役割や期待できる効果が異なります。プロモ広告の効果を最大化させるために、プロモ広告ならではのメリットを理解しておきましょう。
低予算で広告の露出機会を増やせる
広告の内容を気に入ったユーザーはリツイートなどによって自ら情報を拡散してくれますが、先ほど説明したとおり、プロモ広告の場合はリツイートに対して費用は発生しません。そのため、少ない予算で広告の露出機会を増やすことができます。
拡散力が強く露出機会を増やせるプロモ広告は、特に目的が「リーチ拡大」や「ツイートのエンゲージメント数増加」の場合に真価を発揮します。
自社のターゲットに合った広告訴求ができる
プロモ広告の場合、性別や年齢、地域といった条件だけではなく、ツイート内容や他アカウントとのつながりから興味・関心を予測してターゲティングできる点も大きな強みです。
通常のツイートと同じようにユーザーが「いいね」やコメントをすることができるという特徴と組み合わせることで、自社のターゲットにプロモ広告を見てもらう機会を増やすことができます。さらに、同じテーマに興味を持ったユーザー同士のコミュニケーションを活性化させることにもつながります。
たとえばターゲティングに「キャンプ」を指定し、キャンプ用品やアウトドアウェアに興味のあるAさんがリツイートで広告を拡散してくれたとしましょう。そのリツイートはAさんのフォロワーであるBさんやCさんの目に触れます。
キャンプに興味のあるAさんの友達であるBさんやCさんは、キャンプに関心を持っている可能性があります。すると、BさんやCさんが広告をクリックして販売サイトにアクセスすることや、リツイートなどの二次的な情報拡散効果も期待できます。
このようにプロモ広告は、適切なターゲットに広告を配信することによって、アカウント間の二次的な情報拡散が高い広告効果を生み出すのです。
潜在顧客数の底上げにつながる
プロモ広告は、まだブランドや商品を知らない潜在顧客の母数を底上げするのにも効果的です。
プロモ広告の掲載場所はタイムラインはもちろん、トレンドテイクオーバーの検索結果や、ターゲティング条件に適うアカウントのプロフィールページなどがあります。そのため、ユーザーが「友達の投稿を見る」以外に、「検索する」「ログインする」といった各アクションにおいて広告を目にする機会があるのです。
もちろん潜在顧客を創出できるかどうかはクリエイティブの内容次第ですが、広告の露出機会が増えるほどそのチャンスが広がります。
プロモ広告の掲載場所
プロモ広告の主な掲載場所はタイムラインですが、そのほかにも次のような広告枠に出稿することができます。
- タイムライン:ターゲットのタイムライン(投稿一覧)上に表示される。
- トレンドテイクオーバーの検索結果:「話題を検索」タブ内における検索結果に表示される。
- アカウントのプロフィール:ターゲットのプロフィールページに表示される。
- オーディエンスプラットフォーム:Twitterユーザーが日常的に使用するアプリ上に表示される。
プロモ広告の掲載場所は、配信設定時の「プレースメント」という項目で指定できます(詳しくは後述します)。
プロモ広告の料金システム
プロモ広告の料金システムは「オークション形式」です。
オークション形式とは、同じオーディエンスを対象とした別の広告主と、掲載場所をかけて入札額を競い合う方法です。たとえばターゲティングで「スポーツ」を指定した場合、同じくスポーツに興味があるユーザーを狙う広告主と競り合う形となります。
入札額はあらかじめ予算として設定しておきますが、課金されるタイミングはキャンペーンの「目的」によって異なります。
目的は「フォロワー獲得」や「Webサイトへの誘導またはCV」など、キャンペーン毎に選択するもので、目的で設定したアクションが得られると課金される仕組みになっています。たとえば「フォロワー獲得」を目的に設定すると、広告の表示によってフォロワーが1人増えるごとに課金が発生します。
プロモ広告の入札方法は、次のタイプから選択できます。
・自動入札
予算内における最小費用で最大効果が得られるよう、入札額を自動調節してくれる入札タイプ。広告の運用経験がなくても入札額を決めやすいため、初めて出稿する人におすすめ。
・上限入札単価
あらかじめ支払う金額の上限額を設定しておく入札タイプ。設定金額以上に課金されることがないため、想定外の費用が発生する心配がない。ただし、金額が低すぎると落札できない恐れがあるため、ある程度の経験が求められる。
・目標入札単価
1日のなかで発生した課金額の平均が、事前に指定した目標単価に近付くよう自動的に調節してくれる入札タイプ。仮に目標単価を100円に設定した場合、平均単価100円で最大限のアクションを得られるよう最適化できる。上限額が決まっていないため、「もう少し高額な上限を設定していればよかった」という失敗を防げる。
プロモ広告の配信手順・設定方法
「Twitter広告は配信や設定のやり方が難しそう」と思うかもしれませんが、プロモ広告の場合、広告を配信するまでの手順は6つのみです。具体的には、以下の手順に沿ってプロモ広告を出稿できます。
- 目的の選択
- キャンペーン作成
- 広告グループ作成
- ターゲティングの設定
- プレースメントの設定
- クリエイティブ作成
6つの手順を画像付きで分かりやすく解説します。
①目的の選択
まずは広告キャンペーンの目的を選びます。Twitter広告の目的は以下の通りです。
- リーチ:広告を目にするユーザー数を増やす
- 動画の再生数:広告動画の再生数を増やす
- プレロール再生数:動画の冒頭に流す広告を2秒以上見てもらう
- アプリのインストール数:アプリのインストール数を増やす
- Webサイトのクリック数:Webサイトへのアクセス数を増やす
- エンゲージメント数:いいねやリツイートを最大化させる
- フォロワー数:自社アカウントのフォロワー数を増やす
- アプリのリエンゲージメント数:アプリを実際に使ってもらう
まずは、「Twitterログインページ」から自社アカウントにログインしましょう。
アカウント管理画面の左側メニューにある「もっと見る(3点リーダーのマーク)」をクリックします。
メニューが表示されたら、その中にある「Twitter広告」を選択します。
Twitter広告画面に切り替わりました。最初に広告キャンペーンの目的が選択できるので、8つのなかから自社に最適な目的を選びます。先ほど説明したとおり、プロモ広告では、ここで選択した目的が達成されると課金される仕組みになっているため、キャンペーンのゴールを念頭に置いて慎重に検討しましょう。
目的を選んだ後は、画面下部の「次」をクリックします。
②キャンペーン作成
次に、キャンペーンを作成します。
「キャンペーンの詳細」ページでは以下の項目を埋めていきます。
- キャンペーン名:管理しやすい任意の名称を入力。
- お支払い方法:広告費の支払方法を設定。Twitter広告で利用できるのはクレジットカードのみ。
- 日別予算:1日あたりの予算を入力。最低利用金額に制限はない。
- 総予算:広告配信中の上限となる予算。任意項目だが、想定外の高額な請求を避けるためには入力しておいたほうが無難。
- 開始・終了:キャンペーンの開始日と終了日を指定。時刻まで指定できる。
③広告グループ作成
続いて、広告グループを設定します。ここでは、キャンペーンのターゲット層や広告のクリエイティブ設定を行います。広告グループは必ず1つ以上作成が必要で、複数の広告グループ作成も可能です。
「広告グループの詳細」のページに移行し、以下の項目を設定していきます。
- 広告グループ名:管理しやすい任意の名称を入力。
- 広告グループの総予算:この広告グループに投じる予算を設定。総予算は入力を省略でき、その場合はキャンペーンで設定した予算が適用される。
- 開始・終了:広告の配信期間を設定。日付と時刻を設定可能。こちらも省略した場合はキャンペーンの設定期間が適用される。
- 入札戦略:「自動入札」「上限入札単価」「目標入札単価」のなかから選ぶ。
- お支払い方法:「お支払い方法」と記載されているが、正確には「課金形式」。つまり、どのような条件を達成すれば費用が発生するかということ。最初に選んだ目的によって自動的に入力される。
入力が完了したら、そのまま画面をスクロールして「オーディエンスの特性」へ移動します。
④ターゲティングの設定
「オーディエンスの特性」のパートでは、ターゲティングを設定します。
以下はプロモ広告のターゲティング一覧です。それぞれ項目が分かれているので注意してください。
- オーディエンスの特性:性別や年齢、地域、言語のターゲット設定が可能。
- カスタムオーディエンス:Webサイトの訪問者リストや見込み客リストを使ったターゲット設定が可能。
- ターゲティング機能:キーワードや興味・関心、好きな映画、イベントといったユーザーの嗜好をもとにしたターゲット設定が可能。
設定が完了したら、そのまま画面をスクロールして「プレースメント」の項目に移動します。
⑤プレースメントの設定
プレースメントとは、プロモ広告の掲載場所です。
プロモ広告で選べるプレースメントは以下の4種類です。
- ホームタイムライン:ターゲットのタイムライン(投稿一覧)上に表示される。
- 検索結果:「話題を検索」タブ内における検索結果に表示される。
- プロフィール:ターゲットのプロフィールページに表示される。
- オーディエンスプラットフォーム:Twitterユーザーが日常的に使用するアプリ上に表示される。
デフォルトで「ホームタイムライン」が選択されており、この設定は変更できません。その他の項目は最初に選んだ目的に合わせて自動的に選択されます。掲載場所が増えるほどリーチ拡大が期待できますが、あえてプレースメントを絞り込むのも方法の一つです。
たとえば「プロフィール」のプレースメントは主にアカウント情報が発信されるため、フォロワー獲得に向いています。また、大々的に商品をアピールしたい場合には、設定範囲を「ホームタイムライン」や「検索結果」のみに制限するほうが余計な広告露出を抑えられます。
設定が完了したら、そのまま画面をスクロールして「クリエイティブ」の項目まで移動してください。
⑥クリエイティブ作成
最後にクリエイティブを設定します。
画面下部には、自社アカウントで過去に発信したツイートが一覧で表示され、既存ツイートをそのまま広告として出稿することも可能です。
新しくプロモ広告用のツイートを作成したい場合は、「プレビュー」の左側にあるツイートボタンをクリックしてください。通常のツイートと同じ投稿画面が表示されるので、新規で広告用のツイートを作成します。
すべての設定が完了したら、画面下部の「次」をクリックします。最後に確認画面が表示されるので、内容に問題がなければ「キャンペーンを開始」を選択しましょう。これでプロモ広告の出稿は完了です。
プロモ広告の配信結果の確認方法
キャンペーンを開始したら、Twitter広告の管理画面に移行します。管理画面では、プロモ広告の配信結果を確認することができます。どのような項目をチェックできるのか、実際に結果画面を開いて確認してみましょう。
まず、広告管理画面の上部メニュー「キャンペーン」から「広告マネージャー」を選択します。
広告マネージャー画面に移行したら、画面下部にある「キャンペーン」という項目をクリックします。
画面下部にキャンペーンごとのインプレッションやCVRなどの成果が表示されます。キャンペーン以外にも広告グループ単位やクリエイティブ単位で成果を確認することも可能です。
プロモ広告で注意すべきポイント
情報の拡散力が高く、ターゲティングを最適化できるなどメリットの多いプロモ広告ですが、注意するべきポイントもいくつかあります。
ネガティブコメントが付くこともある
プロモ広告は、通常のツイートのようにユーザーが自由にコメントを投稿することができます。そのため、ネガティブなコメントが付いてしまう可能性があります。
コメントを行ったユーザーのアカウントが非公開設定(鍵アカウント)になっていない限り、ツイートに付いたコメントはすべてのユーザーが目にすることになります。
対策としては、「リプライ制限」が有効です。リプライ制限を使うと、そのツイートに対して返信可能な人を「全員」「フォロー中のアカウント」「@ツイートしたユーザーのみ」に制限できます。リプライ制限の機能は、これまで通常のツイートでしか使えませんでしたが、2021年3月よりプロモ広告でも使えるようになりました。
非表示やブロックされる可能性がある
プロモ広告の右上には、「この広告に興味がない」もしくは「ブロックする」というメニュー項目が存在します。「この広告に興味がない」をクリックすると、その広告を非表示にすることが可能で、「ブロックする」をクリックすると、広告に加えて通常のツイートまで非表示にできる仕組みです。
ユーザーに不快感を与えるような内容は広告の非表示やブロックにつながりやすいため、ユーザーを惹きつけたり、有益だと感じてもらえたりするクリエイティブ制作を心がけましょう。
引用リツイートは削除の対象外
プロモ広告は、ユーザーがリツイートできるほか、コメント付きでリツイートする「引用リツイート」も行うことが可能です。引用リツイートの場合、広告主側から情報を削除できないので注意が必要です。
たとえば、クリエイティブに不適切な表現が含まれており、プロモ広告を削除したとしましょう。その場合、その広告のリツイートされた情報も自動的に削除されます。しかし、引用リツイートの情報に関してはそのまま残ってしまうのです。
どうしても引用リツイートの情報を削除したい場合、引用リツイートしたユーザーに投稿の削除を依頼しなければなりません。プロモ広告を投稿する前に、ツイートの内容に間違いや不適切な表現がないか、慎重に確認することが大切です。
プロモ広告のアカウントはすぐには使用できない
プロモ広告を利用するには、Twitterアカウントを取得してからある程度の期間が必要です。そのため、プロモ広告の運用を考えている場合は、なるべく早めにTwitterアカウントを取得しておきましょう。
Twitterでは、新規に取得されたアカウントに対して同社の広告ポリシーに適っているかどうか審査が行われます。審査期間は最短数日ほどですが、時期によっては2~3週間かかるケースもあるので注意してください。
また、審査通過の条件として過去のTwitter使用実績も確認されるため、新規アカウントを取得してから定期的にツイートするといった運用も必要です。
ユーザーが有益だと感じるプロモ広告を作成して情報拡散を狙おう
通常のツイートと同じフォーマットで広告を掲載でき、リツイートによる情報の二次拡散が期待できるなどメリットの多いプロモ広告です。しかしユーザーから見ると、フォローしていないアカウントの情報が突然自分のタイムラインに表示されることになります。
過去には、話題性を狙って、大手ファーストフード店がプロモーションツイートをハッシュタグ以外すべて1文字ずつ改行して縦長にしたところ、ユーザーから「読みにくい」「迷惑」と批判が殺到したという事例もあります。
Twitterでプロモーションを行う際はユーザー目線で内容を設計し、クリエイティブは十分に検討することが必要です。
魅力的なクリエイティブを作成すれば、ツイートがユーザーから好意的に受け入れられ、情報を拡散してくれます。それによって、まだ見ぬ多くのユーザーとの接点が生まれます。ユーザーが求めるベネフィットを明確にし、有益だと感じてもらえるようなクリエイティブを制作することを心がけましょう。