マーケティングの基本である3C分析は、Webサイトのマーケティング施策にももちろん取り入れるべきです。
自社のWebサイト、ターゲットユーザー、競合サイトの状況をしっかり把握することで自社サイトの改善ポイントがより明確になるでしょう。
自社サイトの分析やユーザー調査はともかく、競合サイトの状況はどのように調べればいいのでしょうか?
現在、競合サイトの状況を詳細に解析できるツールがいくつかあるので、それらを利用してみましょう。大まかなアクセス数や流入キーワードなど、ツールによって様々な項目を確認できます。
注意したいのは、アクセス数など単一の指標だけ見ないようにすることです。複数の指標を見ながら、競合サイトの全体感を把握するよう意識しましょう。
今回は、競合サイトを調査できるツールや調査する際のポイントをご紹介します。また、日本におけるアクセス解析の第一人者小川卓氏のアドバイスもお届けします。
自社サイトの改善施策に悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。
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競合サイトを調査するべき3つの理由
まず、競合サイトを調査するメリットを確認しておきましょう。メリットは大きく分けて3つあります。
- 競合他社の戦略を推測できる
- ターゲットのニーズ調査に活用できる
- 自社に足りない要素を発見できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 競合他社の戦略を推測できる
競合サイトの中身を分析してみると、対策しているであろうキーワードなどからどのような戦略を敷いているのかが推測できます。
競合の施策の方向性が分かれば、自社の差別化ポイントを見つけやすくなることが期待できます。
仮説の域は出ませんが、競合がどのような戦略を取っているのかが想定できれば、自社の戦略にも活かせるでしょう。
2. ターゲットのニーズ調査に活用できる
競合サイトのアクセス状況を調べていくと、どのようなユーザーが訪問しているのかが把握できます。どのようなユーザーがどのような経路で流入したのかというデータは、ターゲットのニーズ調査に活用できるでしょう。
調べていくうちに、見込み客に何度もリピートしてもらえるサイトの特徴を理解できます。
3. 自社に足りない要素を発見できる
競合サイトを調べることで、自社のサイトに足りない要素を見つけられることもあります。例えば、同じターゲット層に届けるためのコンテンツ、広告の施策、対策キーワードなどが挙げられます。
競合サイトのよいところは積極的に取り入れつつ、あくまで自社サイトに適した形で展開することが重要です。
競合サイトの分析で見るべき指標
競合サイトの分析はさまざまな無料・有料ツールで可能ですが、どのような情報を分析したいかをあらかじめ決めておくことが大切です。
何をどう分析するのかというゴールを決めておかないと、数値を得ても改善することができません。
以下より、競合サイトの分析でよく見られる指標をご紹介しますが、自社の規模やWebサイトで達成したい目的、ビジネスのフェーズなどを考慮して重要視する指標を決めましょう。
アクセス数
競合サイト分析でよく見られる指標の1つが、アクセス数です。自社と競合のアクセス数の差を見ることで、目標を立てやすくなります。
アクセス数には、主にUU、セッション、PVがあります。
UU(ユニークユーザー数)は、指定した期間内にサイトやページを訪れたユーザーの数を指します。1日で期間を区切る場合は、その日のうちに同じユーザーが何回訪れてもUUは1ですが、次の日も訪れるとUUは累計で2になります。
セッションは、指定した期間内にユーザーがサイトやページを訪問した回数であり、アクセスしてから離脱するまでを1とカウントします。
PVは、同じユーザーか別のユーザーかに関わらず、サイトやページが訪問された回数を指します。セッションでは1人のユーザーが離脱までに3つのページを訪れても1ですが、PVでは3と計測されます。
アクセス数の基本についてより詳しく知りたい方は、以下のページをあわせてご覧ください。
流入経路
競合サイトの流入経路を分析することで、オーガニックや広告、被リンクなど、どの経路が高い成果を得ているか把握できます。
自社サイトの流入経路と見比べることで、自社サイトの足りない部分が見えてくることもあるかもしれません。
流入キーワード
流入経路とあわせて、流入キーワードについても調べるといいでしょう。
競合サイトへ多く流入しているキーワードが分かれば、この業界でユーザーはどのようなことに関心があるかを知ることができます。
上位表示ページ
分析ツールでは、競合サイトの上位表示ページを調べることができます。
検索結果の上位に表示されているものはGoogle からの評価が高く、ユーザーから求められているコンテンツであると考えられるため、自社サイトの改善に役立てられます。
属性
年齢や性別、興味・関心、住んでいる地域などのユーザー属性情報は、そのサイトがどのような層に求められているかを知る上で重要です。
自社の分析と組み合わせることで、競合サイトと被っている部分、競合サイトだけが集客できている部分を知ることができます。
直帰率・平均滞在時間・平均閲覧ページ数
これらの要素は、そのサイトやページがユーザーに受け入れられているかを知る上で重要です。
内容がユーザーにとって求めているもの、有益なものであれば、多くのユーザーは直帰(すぐさま離脱)せず、ページに長く滞在し、サイト内の別のページも閲覧してくれます。
被リンクの数や内容
競合サイトの被リンクの数や内容を調べ、自社サイトより優れているようなら、改善の余地があると言えるでしょう。
Google では質の高い被リンクを集めることでよいサイトだと判断される傾向にあるため、競合サイトがどのような被リンクを得ているか知ることは重要です。
被リンクはSEOにおいても重要な指標の1つであり、HubSpotブログでは詳しく解説しています。
他社サイトを調査できる人気のツール5選
他社サイトを分析できるツールは多数あります。
ツールに頼らず他社サイトを分析する手段はほとんどありませんので、上手にツールを使い、自社サイトとあわせて継続的に分析を続けることで改善に役立つデータを蓄積できるでしょう。
なお、ただ得られるデータを集めるのではなく、なぜ分析をして何につなげたいのかという目的をはっきりさせた上で取り組むことが重要です。
今回は特に人気の高いツールを厳選してご紹介します。
1. SimilarWeb(シミラーウェブ)
【調査できる項目例】
- 自社サイトと競合サイトのアクセス数
- 訪問者の平均利用時間・直帰率・ページビュー数・国籍・流入キーワードと流入経路分析
- 競合他社の広告出稿状況
SimilarWebはイスラエル発のマーケットインテリジェンスツールです。
SimilarWeb利用者やパートナー企業など4つの情報源からデータを収集し、機械学習に取り込んでその結果を元にあらゆるWebサイトの推定値を出しています。
あくまでも推定値のため、アクセス数などの数値は正確ではありません。複数の競合サイトを横断して分析し、業界の傾向を推測する際に役立つでしょう。
日本語版もリリースされているため英語が苦手な方でも使用できます。また、最大3サイトの結果を一括表示できます。
なお、流入が少ないとデータが表示されない場合もあるので留意しておきましょう。簡易な機能が使える無料版が提供されているので、試しに利用してみても良いかもしれません。
2. eMark+
【調査できる項目例】
- アクセス数・直帰率・平均滞在時間
- セッション数(1名あたりの数値含む)
- ページビュー数(1名あたりの数値含む)
- 流入キーワードと流入経路分析
- 流入元となったWebサイトのランキング
- ユーザーの属性(性別・年齢・居住地・職業・家庭状況・年収ほか)
eMark+は、前述のSimilarWebと比べるとやや上級者向けのツールです。
特徴は、訪問ユーザーの性別、年齢、エリアなどもグラフィック情報を取得できる点にあります。それらの情報は、クレディセゾンの、モニター登録に同意した国内のネット会員約30万人のネット上での行動データを元に算出されます。
無料で利用できる体験版でも詳細に調査できます。
3. ahrefs(エイチレフス)
【調査できる項目例】
- 自然検索流入によるアクセス数
- 被リンク状況(被リンクの総数・リンクしているドメインの総数ほか)
- 流入キーワード(100以内にランクしているキーワードや有料広告の出稿キーワードの総数)
- キーワードごとの検索ボリューム調査
- 検索連動型広告の出稿状況(出稿キーワードやランディングページなど)
ahrefsは、SEO含めた、SEM(サーチ・エンジン・マーケティング)に特化したツールです。
競合サイトの被リンク状況や流入キーワード、検索連動型広告の出稿状況など、検索エンジンに関連するあらゆる情報を調べられます。狙いたいキーワードが今どれだけ検索されているのかという市場調査的な機能も実装しています。
24時間ごとに180万ページをクローリングしており、インデックスされたページは9億を超えています。膨大なデータを元に算出されているため、実データに近い数値が見られるものの、誤差は出てしまうのでその点を留意しておきましょう。
7ドルで1週間利用できるトライアルコースが用意されており、費用が確保できれば利用してみても良いでしょう。
4. Gyro-n SEO
【調査できる項目例】
- キーワードごとの検索順位変動の状況
- Webサイトのインデックス数の推移
- 内部SEO施策の状況
Gyro-n SEOも、SEMに特化したツールです。特に、検索順位変動調査にとても便利で競合サイトがどのようなキーワードで上位表示されており、どのように推移しているのかを確認できます。
また、アラートメールを設定しておくことで、毎朝自動的に順位変動レポートが送信されます。自社と競合の検索順位状況を厳密に追いたいSEO担当者は重宝するでしょう。
順位を追いたいキーワードが10個未満であれば、無料で利用できます。まずはテスト的に無料プランを導入するのも1つの手でしょう。
5. SEMrush
【調査できる項目例】
- 自然検索によるアクセス数
- キーワード状況(自社サイトと他社サイトのキーワードの比較を行う機能をはじめ、キーワードの分類や、おすすめキーワードを推薦する機能あり)
- 流入キーワードと流入経路分析
- 自社サイトと他社サイトの被リンクの質・効果の違い
- 検索連動型広告の出稿状況(出稿履歴や推定CPCなど)
SEMrushは、SEMに加え、SNS施策の最適化に役立つツールです。
SEMrushはUIがわかりやすく、初心者でもデータ分析をスムーズに進めやすい設計になっています。レポート作成機能があるため、資料を用意する時間を大幅に省けます。
また、競合と自社のSNSアカウントの投稿状況やエンゲージメント(いいね数など)の比較にも活用できます。
月199ドルのGuruプランを14日間無料で使えるトライアルコースが用意されています。機能を確認したい方は試してみてもいいでしょう。
あわせて活用したい、無料利用可能なツール11選
ここまで紹介したツール以外にも、競合調査に活用できるものは多数あります。
ここからは、一部の機能に特化し、無料でも十分活用できるツールをご紹介します。
国内の主要サイトのデータを網羅的にチェックできるツール
1. Dockpit
【調査できる代表的な情報一覧】
- 競合サイトのさまざまな角度からの分析
- 気になる業界の市場調査
- ターゲット層のWebにおける行動
- トレンドの発見
Dockpit(ドックピット)は、誰でも簡単に3C分析(自社・競合・市場の分析)を行えると謳っている分析ツールです。
無料版が提供されており、直感的な操作のダッシュボードや競合分析、市場調査を手軽に利用できます。
SEOのアシストツール
2. SEOチェキ
【調査できる代表的な情報一覧】
- Titleタグやh1タグ等の状況
- 内部リンク数および外部リンク数
- キーワードの状況(出現頻度)
- ファイルサイズや読み込み時間
- 最終更新日時
非常にシンプルなUIで、とにかくわかりやすさが際立つ「SEOチェキ!」。
検索順位チェックタブでは、調査したいURLと検索キーワードを入力するだけで検索順位を確認できます。
ふと「このキーワードでは何位表示されているのかな」と気になり、サッと調べたい時に便利です。
3. GRC(ジーアールシー)
【調査できる代表的な情報一覧】
- 主要検索エンジン(Google・Yahoo!・Bing)の検索順位状況
- 上位サイトの状況(指定キーワードの上位100サイトの順位の履歴)
狙っているキーワードで何位に表示されているのか、どのように推移しているのかをわかりやすく提示する検索順位チェックツールです。
日々、前日から下がっているのか上がっているのかをわかりやすく伝えてくれます。
4. Ghostery
Ghosteryは、Google ChromeやFirefoxなどのブラウザ拡張機能として提供されているWebサイト分析ツールです。Ghosteryを使うと、対象サイトのソースコードのタグを読み取り、どのようなサービスやプラグインが利用されているのかを一覧で表示してくれます。
競合企業がどのようなマーケティングツールを利用しているのか、どのようなソーシャルプラグインを利用しているのかが簡単に把握できるため、自社でツールを導入する際は参考になるでしょう。
5. BuiltWith
BuiltWithも他社の利用ツールを調査できるツールです。追加されているツールだけでなく、どのようなサーバーやCMSを利用しているのかも確認できるため、開発担当者は特に重宝するでしょう。
BuiltWithのトップページでURLを入力すれば調査結果を閲覧できます。
また、ブラウザの拡張機能も提供されているため、気になったWebサイトを見つけたら気軽に調査できます。(メニューの「ツール」から「ブラウザ拡張機能」を選択するとダウンロードページが表示されます)
6. SEO META in 1 CLICK
【調査できる代表的な情報一覧】
-
閲覧しているページのメタデータ
SEO META in 1 CLICKはChrome拡張機能の1つで、Google Chromeで利用できるSEO補助ツールです。
1クリックでそのページのタイトルやディスクリプション、hタグの内容、SNS連携状況などのメタデータを取得できます。
7. Ubersuggest
【調査できる代表的な情報一覧】
- 検索順位の追跡
- 被リンク状況(被リンクの総数・リンクしているドメインの総数ほか)
- 流入キーワードやキーワードごとの検索ボリューム調査
- キーワード選定
- トラフィック流入(アクセス数)の解析
Ubersuggestは、自社サイトの検索順位の追跡やキーワードごとのボリューム調査、キーワード選定ツール、被リンクの確認などができる総合的なSEOツールです。
サイトの改善策の提案やSEO上の問題のアラート、キーワード生成など、新機能も充実しています。
競合サイトの品質を確認できるツール
8. WEBSITE GRADER
WEBSITE GRADERは、競合サイトを以下の4点の項目で評価してくれます。
- SEO(SEOの施策が適正に行われているか)
- Security(安全に管理されているか)
- Performance(ページのサイズや読み込み速度が適正に保たれているか)
- Moblie(モバイル対応が適正に行われているか)
詳細な分析結果を手に入れたい場合には向いていませんが、URLを入力するだけで大体の傾向が見えるため手早く競合サイトを調べたい場合には有用でしょう。
競合サイトの過去の状況を知るツール
9. Wayback Machine
世界中に存在するWebサイトの過去の状態を表示してくれるツールです。競争相手のサイトのURLを入力すると、どの時期にどんなデザインだったのかをまとめてチェックできます。
画像すべてが正確に表示できるわけではありませんが「競合サイトのデザインの変化」がわかるだけでも大きな収穫でしょう。
Webサイトの表示速度を分析できるツール
10. PageSpeed Insight
【調査できる代表的な情報一覧】
- 画像・動画・テキストブロックなどの読み込み時間
- ブラウザが反応するまでの時間
- コンテンツの表示ズレの程度
- その他サイトの表示スピードにかかる諸課題
PageSpeed InsightはGoogle が提供するツールの1つで、Webサイトの表示スピードにかかわるさまざまな指標を計測できます。URLを入力するだけなので、自社分析だけなく、競合分析も可能です。
PageSpeed Insightや、このツールで計測できる重要な指標「Core Web Vitals」について、以下の記事にて詳しく解説しています。
検索されているキーワードの抽出ができる分析ツール
11. Google キーワードプランナー
【調査できる代表的な情報一覧】
- キーワードの月間検索ボリューム
- キーワードの競合性
- 広告におけるクリック単価
Google が提供している、キーワードに関する調査を行えるツールです。自社サイトがどのようなキーワードで検索されているかを調べられる他、キーワードごとに競合性を見たり、競合サイトが獲得しているキーワードを調べたりできます。
なお、完全な機能を利用するためにはGoogle における広告出稿をする必要があり、そうでなければ機能が制限されます。
競合調査の結果を自社の施策に活かすには?
競合サイトの調査結果は、自社のWebサイト改善に活かしましょう。
実際どのように施策に落とし込めばいいのか、ポイントを解説します。
競合サイトすべてのアクセス数&自社サイトのアクセス数を分析
調査に慣れていない方は、まず自社と競合のアクセス数を比較してみましょう。その差異から、改善のヒントが得られるかもしれません。
例えば、同じ業界であれば繁忙期、閑散期が一致するため、アクセス数の時期ごとの変動もほぼ同じになると推測できます。自社のアクセスが下がっている時期に競合が上がっていた場合、何かしらの対策を行っている可能性があります。
また、競合の方が圧倒的にアクセス数、特に検索流入が多い場合は、それだけ検索ニーズがあるということです。
つまり、自社のWebサイトも伸び代があると言えます。
流入経路、流入KWなど様々な要素を複合して改善施策を設計する
アクセス数の差異を認識したら、次はなぜそのような差異が出ているのかを確認していきましょう。
検索流入が多い場合は、どのようなキーワードで流入しているのかを確認してみましょう。流入が多いキーワードは、その企業がSEO対策を行なっているキーワードと推測できます。
他者がどのようなキーワードを狙っているのかを把握し、自社がまだアプローチできていない領域が見つかれば攻めてみるのもいいでしょう。
施策をスタートする前に、ターゲットを見直してみる
競合調査をもとにした施策を実施する前に、自社が設定したターゲット像が適切なのかを確認してみましょう。
例えば、競合の流入キーワードから「ユーザーは実はこのようなニーズを持っているのではないか」などの仮説が生まれることがあります。
もちろん、競合サイトを知ったからといって、アプローチするべきユーザーが完全に把握できるわけではありません。ただ、競合サイトから得た新しい気づきをもとに仮説を立て、検証を重ねていけば、ターゲット像をブラッシュアップできるでしょう。
またこの検証をどれだけ回せるかもサイトの改善に大きく寄与します。小川氏にも意見を伺いました。
【小川卓氏プロフィール】
ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。KPI設計、分析、改善を得意とする。ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地での講演は500回を突破。
HAPPY ANALYTICS代表取締役、デジタルハリウッド大学院客員教授、AVANCELLMONT CAO、UNCOVER TRUTH CAO、Faber Company CAO、日本ビジネスプレスCAO、SoZo最高分析責任者、ニフティライフスタイル 社外取締役、ウェブ解析士協会顧問。ウェブ解析士マスター。
著書に『ウェブ分析論』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス 分析・改善のすべてがわかる本』など。
引用:小川卓氏公式サイト
「仮説検証をどれくらい回せるかによって、競合サイトの解析頻度も異なる。何も施策を実施しないのが、最も避けるべきパターンであり、そこに行きつかないのであれば分析の意味がほとんどなくなってしまう」と指摘します。
また競合サイトの分析は、既存の自社サイトを伸ばすためだけでなく、新たに立ち上げるサイトのKPIを決める際にも役立つと言います。
実際、小川氏は「そのジャンルでもっともPVが高いサイト、あるいは競合として考えているサイトの数値を参照に一年後の目標値を設定することもある」と語ります。
競合調査は部分最適化に陥らず、多角的な視点を持って臨もう
自社だけでなく、競合サイトの状況を定期的に確認し、比較することで、自社サイト改善のヒントを得られます。
複数のサイトで流入経路やキーワードに変動があった場合は、市場自体が変化している場合があります。例えば、自社、競合共に特定のSNSからの流入が増えていた場合、「ターゲット層がメインで利用するSNSが移行している可能性がある」と推測できます。
実際に競合サイトを分析していると、ついアクセス数や流入キーワードなどわかりやすい指標に注視してしまいがちになるかもしれません。
一部だけ見るのではなく、様々な指標を元に多角的に分析するよう意識しましょう。