ウェビナーは低コストで開催でき、気軽に参加できるメリットから、ここ数年で急速に普及しています。しかし、ただ開催するだけでは、忙しいビジネスパーソンは参加してくれません。ウェビナー集客ができなければ、次のプロセスである営業や販売に結びつけることもできないでしょう。
効果的なウェビナー集客には、参加によって得られる価値を明確にし、その価値を求める見込み客に、適切な手法でアプローチすることが重要です。
本記事では、ウェビナーで集客するための手順と、オンライン、オフラインでの集客方法10選を紹介します。
効果的なウェビナーを開催するための10のポイント
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- ウェビナーとは?
- ウェビナー開催のステップ
- 効果的なウェビナー 10のポイント
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ウェビナーにおける集客の重要性
ウェビナーの普及とともに、ウェビナーを活用したいと考える企業、及びビジネスパーソンが増える一方で、その多くは潜在的な見込み客にうまくアプローチできない課題を抱えています。改めて、集客がなぜ重要なのか、また、どうして集客が難しいのか、その理由を整理しておきましょう。
ウェビナーで集客が重要な理由
ウェビナーは主に以下の目的で開催されます。
- 新製品や新サービスの認知拡大
- 知識・ノウハウの提供
- カスタマーサポート
企業はウェビナーを通じて見込み客や既存顧客に価値を提供し、信頼関係の構築を図ります。
しかし、どれほど準備し、充実した内容のウェビナーを開催しても、集客ができていなければ上記の目的を達成することはできません。
ウェビナーは低コストで開催でき、参加者にとっても参加しやすい利点があります。他方で、必ずしも参加しなければならないという動機付けが弱いため、効果的な開催のためにはオフラインで行うセミナーと同様に、見込み客のニーズを見極めた上で集客のための戦略を立て、アプローチすることが求められます。
ウェビナーの集客が失敗する理由
ウェビナーの集客が失敗するのは、主に以下3点の理由からです。
- ウェビナーの目的が明確になっていない
- ウェビナーでどのような価値が得られるのか、見込み客に伝わっていない
- 集客方法がターゲットとする見込み客に合っていない
集客を成功させるには、やみくもにアプローチするのではなく、ターゲットを絞り、適切な接点で、ニーズに応える訴求を行わなければなりません。
ウェビナー集客を成功させるための3つのポイント
ウェビナー集客のポイントを「事前準備」「当日」「振り返り」の3点から整理します。
事前準備
事前準備では、以下の4点に注意しましょう。
- 1か月前を目安に告知する
- ウェビナー参加のメリットが伝わっているかどうかを確認する
- 参加フローは分かりやすいかどうかを確認する
- 1週間前と前日にリマインダーを送る
2.と3.に関しては、密にコンタクトを取れる顧客や、ウェビナープロジェクトに関わりのない部署の人に依頼し、ランディングページやメールについての意見を収集しましょう。分かりにくい箇所があれば、改善してください。
当日
ウェビナー当日(開催中・開催直後)は、参加者の反応を確認します。次回以降のウェビナーの集客に活かすために、以下の3点に注意してください。
- 参加者は興味を持って参加しているか?
- 質疑応答は充実しているか?
- 参加者の満足度はどうか?(アンケートの活用)
振り返り
ウェビナー後は振り返りを行い、改善のためのPDCAを回します。
- 集客目標は達成できたか?
- 集客の課題はどこにあったか?
- アンケート結果の分析
1.の集客目標が達成できなかった場合、まずは集客の課題がどこにあったかの仮説を立ててください。メールの開封率やランディングページの閲覧数など当初設定したKPIを分析・検証し、2.集客の課題を洗い出します。
さらに、3.のアンケート結果から、ターゲットの選定は適切であったか、ウェビナーの内容はターゲットのニーズと合致していたかを分析します。
それぞれの過程で得られた課題は改善し、次回ウェビナー時の集客に役立ててください。
ウェビナー集客のための5ステップ
ウェビナーの集客は、次の5ステップに沿って進めてください。
- ウェビナー開催の目的を設定する
- ターゲットを明確化する
- ターゲットのニーズを明確化する
- ターゲットに合わせて訴求ポイントを設定する
- ターゲットと接触しやすい方法で集客を行う
1. ウェビナー開催の目的を設定する
マーケティング戦略の中で、「新サービスのリリースに合わせて〇〇のノウハウを提供する」など、ウェビナーを開催する目的を設定します。
目的が決まったら、この目的が達成できたかどうかを客観的に評価できる数値目標(KGI)も設定してください。
【例】
ウェビナーに〇人集客する
ウェビナー後に問い合わせを〇件もらう
ウェビナー後に詳しい資料のダウンロードを〇件してもらう
さらに、上記の目標を達成するための中間指標(KPI)を設定します。
【例】
メール開封率
Webサイトのウェビナー専用ページの閲覧数
Web広告のクリック数
2. ターゲットを明確化する
ウェビナーの目的に合わせて、参加してほしい見込み客像を明確化します。例えば「〇〇に関心を持つビジネスパーソン」というラフに定義したターゲットを深掘りし、ケースに応じて年齢や職業・職種、所属企業でのポジションなどを詳細に定めたペルソナを検討します。
ペルソナについては、次の記事で詳しく解説しています。参考にご活用ください。
3. ターゲットのニーズを明確化する
ターゲットを深掘りするプロセスで、対象が抱える課題や悩み、困りごとを探ります。
ターゲットの立場に身を置いて考えるだけでなく、類似した層の自社サイトでの行動を分析したり営業担当者に問い合わせたりして、ニーズを明確化しましょう。
4. ターゲットに合わせて訴求ポイントを設定する
「ウェビナーで提供される価値によって、ターゲットのどのような課題が解決するのか」に焦点を当て、訴求ポイントを設定します。
この訴求ポイントが、実際に集客を行う際の軸になります。
5. ターゲットと接触しやすい方法で集客を行う
ターゲットへのアプローチは、接触しやすい方法で行います。年代によって利用するメディアが異なるだけでなく、利用する曜日や時間帯も異なります。ターゲットの行動を分析し、最も目に触れやすい方法を検討しましょう。
ビジネスパーソンをターゲットにするのであれば、出社直後やランチタイム、夕方の16~18時の時間帯のメールを中心にアプローチを計画します。
オンライン集客の特徴と代表手法7選
オンライン集客はインターネットを活用する集客法です。申し込みからウェビナー参加までインターネットで完結するため、参加者にとって負担が少なく、オフライン集客に比べるとコストがかからない点が特徴です。また、拡散性に優れているメリットがあります。
オンライン集客の代表的な7手法を紹介します。
- Webページ(ランディングページ)
- 一斉メール配信
- 個別メール配信
- 自社SNS
- Web広告
- セミナー集客ポータルサイト
- プレスリリース
1. Webページ(ランディングページ)
ランディングページと呼ばれる集客用のページを、Webサイトに用意する手法です。Webページ上でウェビナーの日時や概要とともに、資料の一部を紹介しながらウェビナーの情報を提供します。
興味を持った人がその場で申し込みができるように、同じページの中に申し込みフォームを設置しましょう。有料配信の場合は決済ページに誘導するリンクを設置します。
ランディングページのURLは、メールやWeb広告、SNS、プレスリリースにも貼付します。各チャネルで興味を持った人がアクセスし、申し込むための受け皿にしてください。
2. 一斉メール配信
自社のリードに向けて一斉に配信する方法です。
リードとは「コミュニケーションに必要な情報が得られた見込み客」のことで、メルマガやeBook、ホワイトペーパーのダウンロードの際に、メールアドレスや名前、所属企業などの情報を登録してくれた見込み客を指します。
メールは、興味喚起、情報収集、申し込みまでが完了するように、以下の構成で作成します。
【構成】
件名:内容が端的に伝わるタイトル
本文
ウェビナーの簡単な内容紹介
詳細情報を求める人のためのランディングページへのCTAボタン
対象者
ウェビナー概要
申し込みボタン
メルマガを配信している場合には、通常のメルマガにもウェビナー情報を掲載しましょう。メルマガは集客に限らず、セミナーやウェビナーの参加者と関係を継続していくためのツールとしても活用できます。
3. 個別メール配信
既存顧客や過去のウェビナーやセミナーの参加者から、興味を持ちそうな人を選んで個別にメールする手法です。母数は限られますが、相手ごとに文面を変えるなど、個別最適化した内容にすれば、反応率・参加率の向上が期待できます。
ただ、一人ひとりにメールを送るのは手間がかかってしまうため、誰に対して個別のメッセージを送るのか慎重に検討しましょう。
4. 自社SNS
TwitterやFacebook、Instagramなどの自社で運用しているSNSアカウントで発信する手法です。
ニーズの高いウェビナー情報はSNSで拡散されやすいため集客費用を抑えつつ参加者を増やせるメリットがあります。
5. Web広告
短期でウェビナーの集客をしたい場合には、Web広告の出稿が効果的です。
検索結果に対して表示されるリスティング広告や、ターゲティングをしやすいSNS広告など、自社ターゲットの属性や目的に応じて使い分けてみましょう。
6. セミナー集客ポータルサイト
セミナーやウェビナーのポータルサイト(有料・無料)に出稿することも可能です。
ただ、掲載数が多いポータルサイトでは、自社情報が埋もれてしまうリスクもあります。補助的な手段の一つとしてとらえるのがよいでしょう。
7. プレスリリース
著名な登壇者や大規模調査の報告などニュースバリューの高い内容のウェビナーであれば、プレスリリースを配信するとよいでしょう。
プレスリリースを閲覧した各種メディアが自社サイト内にウェビナー情報を紹介してくれることもあるため、大きな集客効果を期待できます。
オフライン集客の特徴と代表手法3選
オフライン集客とはインターネットを使わない集客法です。展示会や営業先で直接見込み客と接する機会を活用し、集客につなげます。
オフライン集客の主な手法には、以下の3つがあります。
- チラシ
- DM(ダイレクトメール)
- 顧客への直接アプローチ
1. チラシ
チラシを作成し、 配布する手法です。ランディングページのURLや配信URLをQRコードにしてチラシに印刷すると、集客につながりやすくなります。
展示会など直接手渡しする場面では、カタログにチラシを挟んで配布するのも効果的です。
2. DM(ダイレクトメール)
DMを作成し、顧客に郵送する手法です。DMにはさまざまなものを同封できるというメリットがあるため、資料や試供品などを梱包して興味を喚起しましょう。
DMはあまりインターネットで情報収集をしない層にも訴求力があります。参加率を上げるためには、QRコードの読み取り方法やウェビナーの参加方法を説明するなど、手順を分かりやすく伝える工夫をしてください。
3. 顧客への直接アプローチ
訪問や電話などで顧客に直接お知らせする方法です。顧客の反応をリアルタイムで確認できるため、ウェビナーの内容の改善にも活用できます。
直接アプローチは、興味・関心のない人にとっては迷惑行為になる可能性があります。Webサイトの履歴やメールの開封率から、関心を持ちそうな見込み客に絞って行いましょう。
ウェビナー集客は提供価値・ターゲット・告知方法がカギを握る
ウェビナーで集客するためには、ターゲットのニーズ分析によって提供価値を明確にし、ターゲットにとって適切な手法で訴求することが重要です。
オンラインでの集客であれば、まずは、Webサイトに申込フォームを掲載したウェビナー用のランディングページを作成します。このランディングページを軸として、見込み客に合わせてオンラインやオフラインの集客方法を組み合わせ、ターゲットにアプローチしましょう。
「ウェビナーに参加すると、このような課題への解決につながる」という価値を分かりやすく伝えられれば、課題を抱えている人は、必ず興味を抱き、ウェビナーへの参加を検討するでしょう。
ウェビナー全般については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ご興味のある方はどうぞご覧ください。
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