商品やサービスの良さをアピールするための手段として、オンライン上のセミナーである「ウェビナー」が普及しています。しかし、ウェビナーは開催するだけで効果が得られるとは限りません。
本記事では、ウェビナーの改善に役立つアンケート機能について解説します。メリットや手順など、導入時のポイントもまとめているので、ウェビナー開催を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
効果的なウェビナーを開催するための10のポイント
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- ウェビナーとは?
- ウェビナー開催のステップ
- 効果的なウェビナー 10のポイント
- Q&A
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ウェビナー開催時にアンケートを実施する3つのメリット
ウェビナー開催時は、アンケートを実施することでさまざまなメリットが得られます。代表的なメリットは次の3点です。
- 見込み客の情報を獲得でき、リード開拓に役立つ
- 次回のウェビナー内容改善のヒントが得られる
- 最後までウェビナーを視聴してもらいやすくなる
これらの内容の他、活用方法もあわせて解説します。
見込み客の情報を獲得でき、リード開拓に役立つ
アンケートのメリットは、見込み客の情報を得られることです。オンライン上で誰でも自由に参加できるウェビナーの場合、参加者の情報を把握するのは簡単ではありません。参加者の情報が把握できないと、次回開催するときのターゲット設定も難しくなるでしょう。
アンケートを実施すれば、参加者の志向やニーズを把握できます。ターゲットのニーズに合った情報を届けられるよう積極的にアンケートを実施しましょう。
次回のウェビナー内容改善のヒントが得られる
アンケートは、ウェビナー内容の改善にも貢献します。参加者の意見を聞かなければ、内容の良し悪しを正確には捉えられません。自社内のみで判断してしまうと、客観的な評価との乖離が生まれる恐れもあります。
アンケートを実施すれば、参加者がセミナー内容についてどう感じたか調査できます。良くなかった部分を直接指摘している回答があれば、次回の参考になるでしょう。
最後までウェビナーを視聴してもらいやすくなる
ウェビナーは、オフライン型(対面)のセミナーと比べて離脱しやすい傾向があります。
オフライン型セミナーで会場から離れるためには、講師や他の参加者の視線を気にしながら席を立ち移動しなければならないため、心理的にも離脱することが容易ではありません。しかしウェビナーは、ボタン1つで簡単に退場できるため、離脱するハードルが低いのです。
離脱されやすい環境の中で、最後まで視聴してもらうためにもアンケートは重要です。回答を参考に視聴者にとって有益な情報を届けていれば離脱は少なくなります。
またウェビナーの最後にはアンケートがあることを伝え、回答した人に特典を提供するなど、参加者が得する工夫を考えることで最後まで視聴されやすくなります。
ウェビナーでアンケートを実施する2つの方法
ウェビナーでアンケートを実施する方法には、次の2つがあります。
- アンケート機能が搭載されているウェビナーツールを使う
- 外部のアンケートツールを使う
それぞれのポイントを整理し、望ましい方を取り入れましょう。
1.アンケート機能が搭載されているウェビナーツールを使う
多くのウェビナーツールには、ウェビナー開催後にそのままアンケートを実施できる機能が備わっています。ウェビナーからアンケートまで同一のツールを使用するのでスムーズに実施可能です。
ただし、回答形式を自由に選べないことがあったり、ツールによっては有料オプションが必要だったりします。ウェビナーを始める前に、機能をしっかりと調べることが重要です。アンケート機能が搭載されているおすすめのツールは後述します。
2.外部のアンケートツールを使う
外部のアンケートツールを使う際には、次の流れで参加者の回答を集めましょう。
- アンケート実施時に該当のQRコードやURLを表示する
- 参加者にアンケートページへのアクセスを促す
- 回答時間を設けてアンケートに答えてもらう
外部のアンケートツールも多数ありますが、ここでは主なサービス3つを紹介します。
サービス | 特徴 |
Googleフォーム | テンプレートが多く、初心者でも直感的に作成できる。またアンケート結果が自動収集され、フォーム内で集計可能。 |
Microsoft Forms | ドラッグ&ドロップでアンケートが作成ができ、初心者でも簡単に利用できる。カスタマイズ機能が豊富で、画像追加・入力方法の指定・テーマの選択なども可能。 |
SurveyMonkey | テンプレートが豊富で、自由にカスタマイズできる。回答結果をグラフで可視化。ただし無料プランでは質問数は10個と制限あり。 |
外部ツール使用のデメリットは、ウェビナーツールと別のシステムへ誘導しなければならないため、少々手間がかかる点です。
アンケート機能が搭載されているおすすめウェビナーツール3選
アンケート機能が備わっている代表的なウェビナーツールとして以下の3点が挙げられます。
- Zoom Webinars
- Cisco Webex Events
- ネクプロ
それぞれの特徴や費用を見ていきましょう。
Zoom Webinars
Zoom Webinarsは、Zoomミーティングのオプションとして利用できるツールの1つです。参加者のプライバシーを守りつつ、Q&Aやチャット機能などを活用して、簡単にオンラインセミナーを開催できます。Cisco Webex Eventsやネクプロと比較すると費用が安いため、予算をそれほどかけたくない方におすすめです。
Zoom Webinarsを利用するには、Zoomミーティングの有料プランを契約する必要があります。有料プランは下記の4種類です。
Zoomミーティング有料プラン | 費用(税込) |
プロ | 年額20,100円 |
ビジネス | 年額26,900円 |
ビジネスプラス | 年額31,250円 |
エンタープライズ | 問い合わせが必要 |
必要なオプション料金は500人までなら年額102,080円(税込)です。人数が増えるごとに金額も増えていきます。ただし、エンタープライズプランであれば、500人までのウェビナー機能が最初から備わっています。
Cisco Webex Events
Cisco Webex Eventsは、参加者の個人情報に配慮する必要があるイベントに特化したツールで、株主総会や会社説明会、学校説明会などをオンラインで行いたい方におすすめです。
1回のウェビナーで、3,000人まで参加できる点が特徴です。
Cisco Webex Eventsの価格は、組織の形態や環境によって異なります。気になる方は、ホームページ内の[価格(Events)]→[営業担当者に問い合わせる]から相談しましょう。
ネクプロ
ネクプロは、マイナビと共同でウェビナーの企画や配信を提供しています。マーケティングツールとしてのウェビナーに力を入れており、アンケート結果の分析がしやすい点が特徴です。
情報の発信、継続的な顧客とのコミュニケーション、分析改善などマーケティングに必要な機能が揃ったツールを利用したい方におすすめです。
実施するには、基本料金に加えて「組み合わせオプション」を購入する必要があります。アンケート機能の利用料は、データ登録費用として支払います。(100人までの申込人数で1回税込110,000円)。導入費用や月額費用が比較的高い点はデメリットとして挙げられるでしょう。
プラン | 費用(税込) |
ライト | 月額5,500円(初期費用:0円) |
スタンダード | 月額52,800円(初期費用:107,800円) |
プレミアム | 月額107,800円(初期費用:327,800円) |
ウェビナーのアンケートで使える項目例
ここではアンケートで使える主な項目例を紹介します。
- 参加者の名前・会社名・連絡先
- どのようにウェビナーを知ったか
- ウェビナーに参加した理由
- ウェビナーに対する評価・感想
- ウェビナー内で紹介した商品・サービスへの関心度
- 次回のウェビナーへの希望
- 次回のウェビナー内容の要望や質問など
参加者からどんな情報を得たいのか、その回答を何に生かすのかなど目的やゴールを先に決めて、質問項目を検討すると良いでしょう。
参加者の名前・会社名・連絡先
申し込み時に入手している場合も、基本情報は改めて記載してもらいましょう。質問と主な選択肢の例を紹介します。
質問例
Q1.お客様について教えてください。
- 氏名
- 会社名・部署・役職
- 電話番号
- メールアドレス
個人情報を取得することになるため、取り扱いには注意が必要です。利用目的やプライバシーポリシーは、あらかじめ掲載してください。
どのようにウェビナーを知ったか
次に、ウェビナーの情報をどこから得たのか答えてもらうようにしましょう。
質問例
Q2.本ウェビナーを知ったきっかけは何ですか?
回答例
- 自社のホームページ
- 自社で発行しているメルマガ
- SNS
- 家族や知人からの紹介
- インターネットの検索
- その他
どこから情報を得たのか把握することで、今後の告知手段を決める際に役立ちます。SNSによるきっかけが多い場合は投稿頻度や広告回数を増やすなど、次回の告知手段に生かしましょう。
ウェビナーに参加した理由
ウェビナーに参加した理由が分かると、商品やサービスへのニーズが把握できます。回答の形式として、選択肢を設ける場合と、自由に記述してもらう場合があります。
質問例
Q3.本ウェビナーに参加した理由はなんですか?
回答例
- テーマに興味があった
- 学びたい項目があった
- 講師に興味があった
- その他
完全な自由記述型にすると参加者への負荷が大きくなってしまいます。「特になし」などの参考にならない回答も集まりやすくなるでしょう。ある程度の選択肢を設け、「その他」として自由に記載できるスペースを作るのも有効です。
ウェビナーに対する評価・感想
ウェビナーに対する評価や感想も回答できるようにしましょう。次回に開催する際のヒントが得られます。
質問例
Q4.ウェビナーの評価をお聞かせください。
回答例
- 大変満足
- 満足
- 普通
- 不満
- 非常に不満
Q5.上記回答の理由を教えてください。
※自由記述
他にも「印象に残った内容はあるか」「話はわかりやすかったか」などの質問を用意しても良いでしょう。
ウェビナー内で紹介した商品・サービスへの関心度
ウェビナーをきっかけに、商品やサービスを販売する目的がある場合は、現状の検討度合いも調査しましょう。参加者が現在どの程度商品・サービスに興味があるかを把握することで、参加者へのアプローチ方法や、提案する時期を判断しやすくなります。
質問例
Q6.弊社の〇〇について、あてはまるものを選んでください。
回答例
- 導入を検討している
- 資料請求を検討している
- 今後導入の可能性はあるが、今すぐは考えていない
- 今後も導入の予定はない
次回のウェビナーへの希望
参加者に対し、次回ウェビナーへの参加意向を確認しましょう。
質問例
Q7.次回ウェビナーがあった場合は、また参加したいですか?
回答例
- はい
- いいえ
- どちらとも言えない
質問例
Q8.「いいえ」と答えた方は、理由をお聞かせください。
※自由記述
もし、参加希望者が少ない場合は内容を見直す必要があります。「いいえ」と回答した方には、その理由も聞いておくことをおすすめします。うまく改善しながら、リピーターの増加を目指してください。
次回のウェビナー内容の要望や質問など
次回もウェビナーを開催するのであれば、要望や質問などの確認も必要です。参加者の関心やニーズを把握する参考材料にもなるでしょう。
質問例
Q9.その他、要望やご意見があればお聞かせください。
※自由記述
ウェビナーのアンケート回答率を高めるポイント
ウェビナーでアンケートを実施しても、「特になし」のような回答ばかり集まってしまうと改善には繋げづらく、アンケートの意義が薄れてしまいます。ここでは、アンケートの回答率を高めるためのポイントをまとめます。
- 設問数や難易度を考慮し、回答のハードルをできる限り下げる
- ウェビナー終了後すぐにアンケートのアナウンスをする
- アンケートに回答した人限定の特典をつける
設問数や難易度を考慮し、回答のハードルをできる限り下げる
設問項目数には注意してください。あまりに質問が多すぎると、回答者は煩わしさを感じる恐れがあります。自社にとって必要な情報は何かをしっかり精査したうえで、質問内容を決めましょう。
また、自由記述式ばかりのアンケートも控えましょう。選択式に比べると、自由記述は答える側の負荷が大きくなります。なるべく短時間で回答が終わるような内容を心がけましょう。
ウェビナー終了後すぐにアンケートのアナウンスをする
ウェビナー終了後、すぐにアンケートのアナウンスをしましょう。ウェビナー終了直後であれば、その内容や講師の印象が鮮明に残っているため回答する可能性が高くなります。
時間が経ってしまうと、興味や関心が薄れてしまいアンケートに対するモチベーションも低下する恐れがあるでしょう。
アンケートに回答した人限定の特典をつける
アンケートの回答率を上げるには、答えた人限定の特典をつける方法もおすすめです。主な特典の例として下記のようなものがあります。
- ウェビナーで使用した限定資料の送付
- 商品やサービスの無料トライアル付与
- 商品やサービスの特別割引
- プレゼントの提供
【Zoomでウェビナーを実施する場合】アンケート機能の使い方・確認方法を解説
ここでは、代表的なウェビナーツールであるZoomを例にアンケート機能の使い方や確認方法を解説します。
Zoomのアンケート機能でできることは?
Zoom Webinarsは、基本的な機能が充実しています。参加者の情報を得るだけの目的であれば、不便に感じるところはないでしょう。使用できる機能の一覧は以下の通りです。
- 必須・任意回答の設定
- 回答形式の選択(選択型・記述型など)
- 回答者の特定
ただし、デザインの変更や回答期限の設定には対応していません。
【3ステップ】Zoomウェビナーを使ったアンケート実施の手順
Zoomウェビナーを使ったアンケート実施の手順を紹介します。
- アンケート機能を使える設定にする
- 「新規アンケートを作成」をクリック
- アンケート項目を設定する
各手順を確認し、スムーズに対応できるようにしましょう。
1.アンケート機能を使える設定にする
まずは、Zoomでアンケート機能が使えるように設定を行います。
Zoomにログインしたら、[設定]から[ミーティング]タブを選んでください。
[ミーティングアンケート]をオンにするとアンケートを実施できるようになります。
2.「新規アンケートを作成」をクリック
続いて、アンケートの作成方法について解説しましょう。
設定が完了したら[ウェビナー]のページの下までスクロールし、[+新規アンケートを作成]をクリックしてください。
3.アンケート項目を設定する
アンケートの各項目に関する設定方法を解説します。
はじめに、質問の追加方法を見ていきましょう。[+アンケートの新規作成]をクリックした後に、[+質問の追加]からさらに質問をつくれます。
なお、選べる項目は下記の4つです。
- 単一選択…1つのみの選択肢で回答
- 複数選択…1つ以上の選択肢を与えて回答させる形式
- 評価スケール…満足度を点数で評価する形式
- 長文回答…自由に記載させる形式
また、匿名でアンケートに参加するような設定も行えます。[保存]の左側にある[・・・]から[質問に匿名で答えることを参加者に許可します]にチェックを入れるだけです。
Zoomウェビナーでのアンケート結果を確認する方法
アンケートの回答が集まったら、Zoomウェビナーで結果も一緒に確認しましょう。主な確認方法は2種類あります。
- ブラウザ上での確認
- CSVレポート形式での確認
結果の全体像を把握したいのであれば、視覚的により見やすいブラウザ上での確認がおすすめです。
ブラウザ上で確認するには、該当のウェビナーをクリックしたら[アンケート]までスクロールしてください。[アンケート]→[応答を表示]と順番にボタンを押すと、結果が表示されます。
ブラウザ上での確認は回答者の細かい情報が表示されません。誰がどのように回答したかを知るためには、CSVレポート形式で確認してください。
Zoomの左側にある[レポート]から[アンケートレポート]をクリックします。日付の設定やウェビナーIDの検索が終わったら、[CSVレポート作成]を押しましょう。
アンケートを実施して顧客の求めるウェビナーへブラッシュアップしていこう
ウェビナーのアンケートは、自社の商品やサービスを改良するために役立つシステムです。顧客の満足度を上げるには、しっかりと客観的な声に耳を傾けなければなりません。
Zoomをはじめ、多くのウェビナーツールは簡単にアンケートを実施できるようにつくられています。
ツールの使い方を確認しつつ、積極的に導入しましょう。ただし、工夫を凝らさなければアンケートの回答率は上がりません。参考になる情報を得るためにも、回答しやすい質問項目を作成することが大切です。