ホワイトペーパーとは、お役立ち情報や業界の最新動向などをまとめた、ダウンロード型の資料のことです。記事コンテンツページやランディングページにホワイトペーパーのダウンロードを促すCTA(Call To Action / 行動喚起)を設置しておくと、より多くの人に見てもらえる可能性があります。
ホワイトペーパーには、読みやすい構成やデザインの型があります。さまざまな事例を参考に、ベンチマークとなるサンプルを見つけて構成やデザインの参考にしましょう。
本記事では、ノウハウ型や事例紹介型といった資料の種類に分けて、ホワイトペーパーのサンプルをご紹介します。
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【ノウハウ型】ホワイトペーパーのサンプル・事例
ノウハウ型のホワイトペーパーとは、業界に関する基礎知識や商品・サービスの使い方などの情報をまとめた資料です。読者の課題を解決するためのヒントを提示することで、企業やブランドに対する信頼を高められます。
ここでは、ノウハウ型のホワイトペーパーのサンプルを4つご紹介します。
株式会社サンロフト|目的から考えるWeb広告活用の方法
デジタルマーケティングやWebサイト制作のコンサルタント会社である株式会社サンロフトは、「目的から考えるWeb広告活用の方法」というホワイトペーパーを提供しています。Web広告の種類や活用時の注意点などが体系的に紹介されています。
ホワイトペーパーの1ページ目に、資料を読むことで理解できる点が3つに整理されているのがポイントです。資料の冒頭で課題解決のイメージをつかめるため、よりスムーズに先を読み進められます。
また、全体的にテキストの分量を抑え、画像や表で視覚的に情報を伝えているのも特徴です。読者にとっては時間をかけて長文を読み込む必要がなく、負担を抑えられます。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- メールアドレス
- ダウンロードページ:
https://www.sunloft.co.jp/dx/adb-download/
株式会社マネーフォワード|【弁護士監修】電子契約に関する法律セット
クラウド会計ソフトを販売している株式会社マネーフォワードは、「【弁護士監修】電子契約に関する法律セット」というホワイトペーパーを提供しています。
電子契約を正しく理解するためには、電子署名法や電子帳簿保存法などのポイントを把握しなければなりません。マネーフォワードのホワイトペーパーでは、複雑な法律関係の知識を複数のポイントにまとめ、弁護士が平易な言葉で解説しています。
資料の側面にインデックスが記載されているのが特徴です。読者は目次を見なくても、インデックスを見ながら知りたいページへとアクセスできます。
また、資料の最後に、電子契約に強いマネーフォワードの会計ソフトやサービスサイトのURLが紹介されています。結果的に会計ソフトに興味を持った方が、スムーズにサービスの詳細を把握できるでしょう。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 従業員数
- 部署、役職
- メールアドレス
- 携帯電話番号
- ダウンロードページ:
https://biz.moneyforward.com/library/13531/
株式会社ライフワークス|企業内でのキャリアカウンセリングの活用法
キャリア開発・研修事業を展開する株式会社ライフワークスが提供するホワイトペーパーです。キャリア的な自立が求められる背景や、キャリアカウンセリングの活用ケースなどが紹介されています。
このホワイトペーパーの特徴は、ブルー系の色味で全体が統一されていることです。水色や群青色、紺色といったブルー系のグラデーションを使いながら、シンプルなデザインにまとまっています。視認性の高いホワイトペーパーを作りたい方にとって、とても参考になる資料だといえるでしょう。
また、長文のテキストを極力省いているのも特徴です。専門的な資料ではあるものの、図や表、イラストによって情報が整理されているため、短時間で容易にノウハウを習得できます。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- メールアドレス
- ダウンロードページ:
https://www.lifeworks.co.jp/cdlabo/download/entry002076.html
HubSpot Japan株式会社|マーケティングからセールス活動の管理運用を一貫化するポイント
「マーケティングからセールス活動の管理運用を一貫化するポイント」は、当社HubSpotが提供しているマーケティングマネージャー向けのホワイトペーパーです。マーケティング部門と営業部門を連携させる重要性や、HubSpotが提唱する「ライフサイクルステージ」の活用方法を紹介しています。
1ページ1見出しのルールに則り、複雑なノウハウを簡易的な表現で伝えているのが特徴です。テキスト以外にイラストや表、図などを用いて可読性を高めています。
また、HubSpotが使用している実際のレポートを事例として紹介しているのもポイントです。具体的なサンプルを提示することで、読者が運用方法を詳細にイメージできるようになります。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 従業員数
- メールアドレス
- 電話番号
- WebサイトURL
- ダウンロードページ:
https://offers.hubspot.jp/marketing-and-sales-consistency?hubs_signup-url=www.hubspot.jp%2Fmarketing-library&hubs_signup-cta=null
【最新トレンド型】ホワイトペーパーのサンプル・事例
最新トレンド型のホワイトペーパーは、特定の業界または商品・サービスに関する最新トレンドをまとめた資料です。商品やサービスの購入を検討している潜在層にアプローチできるほか、自社商品やサービスを適度に紹介すれば、スムーズな認知拡大へとつながるでしょう。
ここでは、最新トレンド型のホワイトペーパーのサンプルを4つご紹介します。
株式会社RIT|不動産業界におけるDXの展望
DXに関するコンサルティングサービスを展開する株式会社RITは、「不動産業界におけるDXの展望」というホワイトペーパーを提供しています。不動産業界におけるDXの潮流や具体的な事例など、他社にはないユニークな最新トレンドを取得できるのが特徴です。
RITのホワイトペーパーには、ブランドのイメージカラーである紫色がアクセントとして採用されています。ベースカラーのグレーとアクセントカラーの紫が調和し、高級感のあるデザインに仕上がっています。
公式サイトだけではなく、ホワイトペーパーにもイメージカラーを織り込むことで、「RITといえば紫色」というブランド想起につながります。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 部署、役職
- メールアドレス
- 電話番号
- 現状の課題
- ダウンロードページ:
https://share.hsforms.com/1q-Nd2oBOTPWc_nUuKGgybA3qchk
株式会社SmartHR|人事部の"現状と今後の姿"
クラウド労務管理システムを提供している株式会社SmartHRが、人事や労務に関する最新トレンドをまとめたホワイトペーパーです。人事に求められる今後の姿や、人事管理から戦略人事への転換方法などが紹介されています。
前述したRITとは違い、SmartHRのホワイトペーパーは色彩豊かなデザインが特徴です。オレンジや黄色、緑色など複数のカラーが採用されていることから、親しみやすい印象を受けます。
また、全体としてのまとまりに欠けないよう、随所に工夫が見られます。
例えば、メインカラーは、ブランドのイメージカラーである水色や青色に統一されているほか、重要なテキストは赤の罫線で装飾されています。アクセントカラーであるオレンジや黄色などは、イラストや図のみに使用することで、全体の統一感を崩さずに適度なポップ感を表しているのが特徴です。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 従業員数
- 役職、職種
- メールアドレス
- 電話番号
- ダウンロードページ:
https://smarthr.jp/resources/hr_current_and_future
アイブリッジ株式会社|調査レポート2022年版(サブスクリプションサービスに関する調査)
AIによる調査モニター「Freeasy(フリージー)」を展開するアイブリッジ株式会社は、サブスクリプションサービスに関する調査レポートを提供しています。
読者はこのホワイトペーパーを通じて、サブスクリプションサービスの認知度や月額利用金額の平均、利用者の満足度といった情報を取得できます。随所にグラフや図が掲載されており、短時間でポイントを把握できるのが特徴です。
最後のページでは、ネットリサーチを簡単にできるツールとしてFreeasyが紹介されています。PDFファイルでありながら、会員登録ページや問い合わせページのリンクが掲載されているため、読者はワンクリックで目的のページにアクセスできます。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- ダウンロードページ:
https://freeasy24.research-plus.net/survey/download/2022
HubSpot Japan株式会社|2022年版メディアプランニングとコンテンツプランニングの最新動向
「2022年版メディアプランニングとコンテンツプランニングの最新動向」は、当社HubSpotが提供しているホワイトペーパーです。600名以上のマーケティング担当者を対象に、コンテンツマーケティング戦略の転換に関する調査を行い、その結果をまとめています。
具体的な内容は、コンテンツマーケティングの予算や現在使用している主要なチャネル、コンテンツマーケティング戦略を転換する理由などです。また、単なる調査結果の報告だけではなく、マーケティング会社ならではの見解を述べ、コンテンツに独自性を持たせています。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 従業員数
- メールアドレス
- 電話番号
- WebサイトURL
- ダウンロードページ:
https://offers.hubspot.jp/content-media-planning-report?hubs_signup-url=www.hubspot.jp%2Fmarketing-library&hubs_signup-cta=null&_ga=2.46070244.1938705.1672129625-28133521.1672129625
【製品比較型】ホワイトペーパーのサンプル・事例
製品比較型のホワイトペーパーとは、自社製品と他社製品を客観的に比較して内容を紹介する資料です。複数の製品における価格や機能を一目で把握できるため、比較・検討段階の見込み客に販売促進を行いたい場合に役立ちます。
ここでは、製品比較型のホワイトペーパーのサンプルを2つご紹介します。
Chatwork株式会社|社内共有にそのまま使える ビジネスチャット比較表
ビジネスチャットツールを展開するChatwork株式会社は、「社内共有にそのまま使える ビジネスチャット比較表」というホワイトペーパーを提供しています。計4社のビジネスチャットツールの比較表や選び方が細かく紹介されています。
製品比較型のホワイトペーパーのなかでも特に比較項目が多く、比較一覧表だけで5ページにも及びます。チャットの基本機能はもちろん、検索や認証、外部サービス連携などのすべての機能を一目で比較できるのがメリットです。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 従業員数
- メールアドレス
- 電話番号
- ダウンロードページ:
https://mpages.chatwork.com/CW-JP-form_business-chat-comparison-chart.html?page=material
【事例紹介型】ホワイトペーパーのサンプル・事例
事例紹介型のホワイトペーパーは、自社商品・サービスの導入を検討している見込み客に向けて、顧客の声や導入後の成果などを紹介する資料です。商品やサービスの具体的な活用方法を理解できるため、見込み客の購買意欲を醸成させたい場合に役立ちます。
ここでは、事例紹介型のホワイトペーパーのサンプルを3つご紹介します。
タイムリープ株式会社|遠隔接客サービス(リモート接客)事例集
遠隔接客サービス「RURA(ルーラ)」を提供するタイムリープ株式会社のホワイトペーパーです。遠隔接客サービスの導入を検討している企業に向けて、実際にサービスを導入した顧客の声や成果を紹介しています。
紹介している事例は1ページにつき1社のみです。内容はシンプルですが、導入前の課題や導入後の成果などが端的にまとまっており、さらに運用中の画像が掲載されているので詳細を理解できます。
事例紹介型のホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは、自社商品やサービスに強い関心を持ち、成約直前の状態だといえます。そのため、タイムリープ社のホワイトペーパーでは、資料の後半で積極的にサービスをアピールして問い合わせを促しています。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 部署、役職
- メールアドレス
- 電話番号
- 導入予定時期
- ダウンロードページ:
https://timeleap-rura.com/document/hil-rtm3inz8
株式会社ニュートラルワークス|Before&Afterが分かる!お客様事例集
株式会社ニュートラルワークスは、さまざまなサイト制作に対応するWeb制作会社です。コーポレートサイトやオウンドメディア、ECサイト、採用サイトなどの構築を支援しています。
「Before&Afterが分かる!お客様事例集」は、ニュートラルワークス社が提供している事例紹介型のホワイトペーパーです。
実際にニュートラルワークスに依頼した顧客の事例が、細部に至るまで丁寧に紹介されています。ホワイトペーパーのタイトル通り、サービスを利用するビフォーアフターの姿が詳しく紹介されているため、読者は解決できる課題と利用後の成果をすぐに理解できます。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- メールアドレス
- 電話番号
- サイト制作の予算
- ダウンロードページ:
https://n-works.link/download-pdf/dl-works
HubSpot Japan株式会社|事例PDF&お役立ち資料セット(パナソニックインダストリー株式会社様)
当社HubSpotは、「事例PDF&お役立ち資料セット」というタイトルで事例紹介型のホワイトペーパーを提供しています。HubSpotの事例紹介型ホワイトペーパーの特徴は、企業ごとの事例をまとめて紹介するのではなく、特定の顧客の声を徹底して深掘りする点です。
例えば、パナソニックインダストリー株式会社様の事例では、導入前の課題や導入後の成果はもちろん、サービスの活用方法、成功のためのワンポイントアドバイスなども同時に紹介しています。
また、サービス導入の基礎ガイドと実践用チェックリストを掲載し、よりスムーズなシステム構築をサポートしているのも特徴です。
- ダウンロードの際に必要な情報:
- 会社名
- 担当者の氏名
- 従業員数
- メールアドレス
- 電話番号
- WebサイトURL
- ダウンロードページ:
https://offers.hubspot.jp/panasonic-industry-sfa-guide-and-checklist?hubs_signup-url=www.hubspot.jp%2Fmarketing-library&hubs_signup-cta=null
サンプルから読み解くホワイトペーパー作成のコツ
他社が公開しているホワイトペーパーのサンプルを参考にすることで、制作時のコツを理解でき、より高い成果を見込める資料を作成できます。ここまでにご紹介したホワイトペーパーからわかる作成時のコツは次の通りです。
全体的な統一感を意識する
ホワイトペーパーを作成する際は、デザインに統一感を持たせることが大切です。資料全体のレイアウトや配色、シンボルの配置が統一されているほど視認性が高まります。
そのためには多種多様な配色は避け、全体的に3~4色ほどにまとめると良いでしょう。使用する色を限定することで、すっきりと綺麗に見えます。また、ブランドのイメージカラーを使って配色すると、ブランドイメージが定着する効果も見込めます。
初めてホワイトペーパーを作成する場合は、デザインやレイアウトが綺麗に整理されたテンプレートを活用するのも方法のひとつです。おすすめのテンプレートを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
専門用語の使用をなるべく避ける
記事を執筆する際に専用用語を極力使わないようにすることも大切です。ホワイトペーパーをダウンロードする読者は、必ずしも業界に精通しているとは限りません。専門的な用語や内容が多いと、コンテンツの有用性や価値が伝わらない可能性も考えられるでしょう。
ただし、専門用語を使ったほうが効果的なケースもあります。
例えば、「専門家監修 ○○業界のトレンドレポート」といった権威性の高いホワイトペーパーを提供する場合、平易な言葉ばかりが並んでいると専門性が疑われてしまうかもしれません。そのため、TPOに合わせて使用する文章表現を調整することが重要です。
提供するホワイトペーパーの読者像(ペルソナ)を徹底的に検証し、最適なトンマナ(トーン&マナー)を設定しましょう。
カテゴリーを設定する
ホワイトペーパーの内容だけではなく、コンテンツとしての見せ方にも気を配りましょう。
例えば、自社サイトのアーカイブ内で「お役立ち資料」として掲載する場合、資料の種類が多いほど読者は目的のホワイトペーパーを探しづらくなります。アーカイブ形式でホワイトペーパーを掲載する場合、「事例紹介」「トレンド解説」などのカテゴリーに分けると良いでしょう。
また、記事の構成やタイトルを作成するコツに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。さらにホワイトペーパーの質を高めたい方は参考にしてください。
自社の目的と近い事例を参考に効果的なホワイトペーパーを作成しよう
ホワイトペーパーを作成する際は、ベンチマークとなるサンプル資料を設定することが大切です。
自社の業種や業態に近い事例を参考にすることで、よりイメージに近いホワイトペーパーを作成できます。その結果、見込み客の創出や関係構築といった、ホワイトペーパーの目的を達成しやすくなります。
今回ご紹介した事例を参考に、さっそくホワイトペーパーの制作に取りかかりましょう。具体的な作り方を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。