ホワイトペーパーは、ダウンロードした読者のニーズを捉え、課題を解決し、価値のある情報を提供するものである必要があります。そのためには、基本の作り方を押さえておくことが重要です。
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今回は、ホワイトペーパーの基本的な作り方を8ステップに分けてわかりやすく解説します。ホワイトペーパーの書き方のコツもあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ホワイトペーパーの基本的な役割
ホワイトペーパーは、ターゲットの課題解決を目的として作成される資料です。企業のWebサイトにて、プロフィールや会社情報を入力することでダウンロードできる形式になっていることが多く、リードを集めるためのツールとしての役割もあります。
例えば、課題を抱えたユーザーが検索からWebサイトのコラムにたどり着いたとします。コラムでも有益な情報が提供されており、さらに具体的な情報はないかと、ホワイトペーパーにアクセスします。ユーザーはホワイトペーパーをダウンロードし購読することで、さらに有益な情報を得て、必要があればその企業の商品・サービスを利用したいと思ってくれる可能性があります。
ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客は、その分野・領域に関心を寄せている可能性が高いことから、期待値の高いリードになり得ます。また、リードタイムが長期化しやすいBtoBマーケティングにおいて、見込み客との接点を保ち続け、購買意欲を高めていくには、相手にとって興味のある情報を届けることが重要です。
ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客は、その分野や領域に強い関心があると考えることができ、リードとして高い期待が持てます。リードタイムが長期化しやすいBtoBマーケティングにおいては、相手にとって有益な情報を提供し続け、購買意欲を高めていくことが重要です。
ホワイトペーパーの作り方8ステップ
ホワイトペーパーの基本的な作り方は次の8ステップに集約できます。
手順に沿って、それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:目的を明確化する
第一に取り組むべきことは、ホワイトペーパーを作成する目的の明確化です。ホワイトペーパーを通じてどのようなことを達成したいのか、目的を明らかにしましょう。
最初に目的を定めるのは、作成すべきホワイトペーパーの種類を絞り込むためです。ホワイトペーパーにはノウハウ型やレポート型、事例紹介型などさまざまな種類があります。ホワイトペーパーを通じて何を達成したいのかが明らかになっていれば、作成するべき資料の種類や方向性も定まりやすくなるでしょう。
ステップ2:ペルソナを設定する
次に、ホワイトペーパーを「誰に」向けて作成するのかを明確にします。万人向けに手紙を書こうとしても何を書けばよいのかわからないように、想定する読者を明確にすることで相手が抱えている課題やニーズを特定しやすくなるからです。
誰に向けたホワイトペーパーにするかを検討する際には、ペルソナを設定することをおすすめします。ターゲットを決めた段階では「20代女性」といった曖昧な読者像にとどまりがちです。
実在する1人の顧客像(=ペルソナ)を設定することにより、相手が何に困っているのか、どのような状況でホワイトペーパーにたどり着くのかをイメージしやすくなるでしょう。
ステップ3:課題を特定する
ペルソナが抱えている課題は、「読者がどのようなコンテンツを求めているか」と言い換えられます。
ペルソナの課題を特定し、深掘りしていくことによって、提供すべきコンテンツの方向性や掲載すべき情報が明確になるでしょう。課題を特定する方法としては、大きく2通りが挙げられます。
購買プロセスや業務プロセスから課題を特定
- 認知拡大、集客、購買意欲の醸成、商談といった一般的なプロセスを可視化する。
- ボトルネックとなっている課題を特定し、どのような解決策が求められているかを考える。
検索ニーズから課題を特定
- 自社サイトへの流入キーワードを調査する。
- 流入数の多いキーワードを軸に、見込み客が抱えている課題を考える。
ステップ4:トピック・ホワイトペーパーのタイプを決定する
ペルソナが優先的に知りたいと考えている情報を見極め、見込み客の創出につながるトピックを決定します。ホワイトペーパーのダウンロードは、見込み客とのコミュニケーションが始まるきっかけとなるはずです。
よって、トピックを選定する際には、その後もトピックをめぐって継続的にコミュニケーションを取り合えるようなものを選ぶ必要があります。
【コミュニケーションにつながるトピックの例】
- 課題解決につながるベストプラクティス
- 業界に関する入門ガイド
- 商品やサービスについてよく寄せられる質問と回答
- 意思決定に役立つ[業界またはトピック]についての統計データ
- エキスパートによる今後の展望
また、ホワイトペーパーのタイプについてもここで決めておきます。ホワイトペーパーのタイプにはさまざまなものがあり、自社で使用するタイプをあらかじめ決めておくと、構成を決めるのがスムーズになるでしょう。
【ホワイトペーパーのタイプの例】
- 用語集
- ノウハウ
- 自社商品・サービス
- 調査・イベントレポート
- 導入事例
ステップ5:執筆内容をリサーチする
決定したトピックに沿って、執筆内容をリサーチしていきます。まずはリサーチ方法を決めておくことが大切です。執筆に必要な情報は次のような手段で集められます。
- 独自の研究や調査、アンケート、インタビューを実施する。
- ユニークな事例を集めて独自に分析する。
- 自社製品の開発プロセスや実績データなどを活用する。
また、同様のトピックを競合他社がすでに発信していないかチェックしておくことも大切なポイントです。類似データがすでに公表されていた場合、コンテンツとしての価値や新鮮味が下がってしまう恐れがあります。
最後に、リサーチした内容を資料にまとめましょう。情報を整理しておくことで、よりスムーズに構成を作成できます。
ステップ6:構成(アウトライン)を作成する
トピックの決定後はホワイトペーパーをすぐに書き始めるのではなく、まずは全体の構成(アウトライン)を作成することが大切です。先に全体像をつかんでおくことによって、メッセージの方向性を統一しやすくなります。
構成を考える際には、大まかな流れ(見出し)と、見出しごとに何ページ程度を使うのかを決めていくのがポイントです。また、イラストや図表を配置する箇所や余白のバランスなどもおおよそ見当をつけておくとよいでしょう。
この時点でホワイトペーパー全体のボリュームを決めておくことをおすすめします。読みやすいホワイトペーパーを作成するには、4ページから20ページ程度のボリュームに収めるのがポイントです。
ステップ7:内容を執筆する
全体の構成に沿って文章を執筆していきます。見出しごとに伝えるべきポイントを押さえつつ、文章のトーンが資料全体を通してばらつくことのないよう注意しながら書き進めましょう。執筆後は複数名の目で熟読し、誤字脱字や内容の誤りはもちろんのこと、伝わりやすさや読みやすさを客観的にチェックしておくことが大切です。
初めてホワイトペーパーを作成する際には、テンプレートの活用もおすすめです。すでに完成しているホワイトペーパーを参考にすることで、資料全体の流れやトーンをイメージしやすくなります。
ステップ8:デザインを適用する
最後に、ホワイトペーパーの表紙や目次、本文のフォントなどのデザインを整えていきます。統一感のある資料にするには、色やフォントの種類を絞って構成するのがポイントです。
全体のレイアウトを検討する際には、「CRAP」というフレームワークが役立ちます。CRAPとは、レイアウトに必要な4つの要素の頭文字を取ったフレームワークのことです。
- Contrast:要素が異なる場合は違いを際立たせる。
- Repetition:全体のカラーや罫線などの同じ要素を統一する。
- Alignment:全体的な配列を整える。
- Proximity:近い要素のものは近付け、異なる要素のものは遠ざける。
ホワイトペーパーのデザインについての詳しいことは、以下コラムにて解説しています。
ホワイトペーパー作成後のプロモーション・効果測定
ホワイトペーパーを作成したら、それをユーザーに読んでもらうためのプロモーションが必要です。また、効果測定を行い、ホワイトペーパーの内容や導線を改善していくことも重要です。
ホワイトペーパーへの導線を作る
ホワイトペーパーを読んでもらうには、その導線を作る必要があります。Webサイトにダウンロードページを貼っておくだけでは、ダウンロード数はなかなか伸びないでしょう。
導線としてよく使われているのは、コラム記事やLPです。ユーザーのニーズに合った有益な情報を提供し、さらに深ぼった情報や商品・サービスに近づくような情報をホワイトペーパーで提供します。
コラム記事とホワイトペーパーをセットで制作することで、導線を作りやすくなるため、おすすめです。
また、他媒体にホワイトペーパーを掲載してもらうのもひとつの手段です。ホワイトペーパーを多数掲載することでユーザーを集めているメディアもあるため、そういったところに掲載できれば、認知拡大にもつながるでしょう。
SNSで宣伝・キャンペーンを行う
ホワイトペーパーを制作し公開したことをSNSで宣伝することでも、導線を作ることができます。SNSでは興味を持ってくれたユーザーによる拡散効果も期待できるため、アカウントがあるなら積極的に宣伝するのがおすすめです。
また、UGCを期待し、キャンペーンを実施するという方法もあります。ホワイトペーパーのトピックにもよりますが、ユーザーを巻き込んでのキャンペーンを実施できれば、ホワイトペーパーのリーチを増やせるでしょう。
アクセス解析を行う【アナリティクス】
ホワイトペーパーを設置したら、必ずアクセス解析を行い、どのくらいのユーザーがアクセス・ダウンロードしたのか、どの経路から来たのか、ユーザーの属性は、など、さまざまな指標を追跡します。
例えば、コラム記事は読まれているのにダウンロードページのアクセスが伸びないのなら、CTAが目立っておらずユーザーに気づかれていない可能性があります。
Google アナリティクスを使ったアクセス解析については、以下コラムをご覧ください。
リードとのコミュニケーションを行う【リードナーチャリング】
ホワイトペーパーをダウンロードしてくれたユーザーは、リードとして情報を蓄積することができます。その次は、リードナーチャリングを行い、リードと継続的なコミュニケーションを取ることが重要です。
リードナーチャリングとは、創出したリードとコミュニケーションを取り、関係を構築していくことを指します。適切なタイミングでアプローチを続けることで、リードを顧客にすることができます。
リードナーチャリングについては、以下コラムにて詳しく解説しています。
ホワイトペーパーの書き方のコツ
読者の満足度が高いホワイトペーパーを作成するコツを紹介します。
基本的な作成の流れを踏まえつつ、次に挙げる5つのコツを意識して作成していくことが大切です。
主題・結論を先に伝える
わかりやすいコンテンツを作成する基本のコツとして、「主題・結論を先に伝える」という点があります。文字数が少なく、効率よく情報を伝えなければならないホワイトペーパーにおいては特に重要です。
まずは見出しで主題を明確にします。このコンテンツではどのような話題を扱っているのかをはっきりさせることで、コンテンツを理解しやすくなります。
本文では、先に結論を述べてから、その詳細を伝え、最後にまとめとして再度結論を述べます。この構成にすることで、情報が頭に入りやすくなり、読者の満足度が上がりやすくなります。
数字によるインパクトを活用する
読者の印象に強く残ってもらうには、数字によるインパクトを活用しましょう。
同じ内容を伝えるにしても、数字があるのとないのとでは伝わりやすさに差があります。ホワイトペーパーのタイトルや各見出しには数字を入れ、どのくらいのボリュームなのかがはっきりわかるようにします。
また、情報を伝える際も数値を駆使することが重要です。虚偽になってしまってはいけませんが、できるだけ数値をまじえて情報を伝えることで、読者に正確な情報が伝わりやすくなります。
文字数を絞る
ホワイトペーパーはできるだけ文字数を絞って作成することが重要です。
ホワイトペーパーはWebサイトの記事やLPと比べると、「ダウンロードして読む」という手間がかかる媒体といえます。文字が多く、読むのに時間とエネルギーを要するような資料をわざわざダウンロードして読みたいと感じる読者はまれでしょう。
文字数を絞ることは、資料を最後まで読んでもらうための重要なポイントともいえます。必要に応じて箇条書きを活用したり、イラストや図表を用いたりしながら、読者にとって負担感の少ない資料にすることが大切です。
情報提供に徹する
読者の視点に立った場合、ホワイトペーパーは「有益な情報源」です。読者はあくまでも課題の解決策を求めて資料をダウンロードすることを念頭に置き、有益な情報の提供を最優先事項に位置づけて作成する必要があります。
ホワイトペーパーに自社の製品・サービスを訴求する箇所を設けることはあっても、そのメッセージが前面に出ることのないよう注意が必要です。
ホワイトペーパーがあたかも製品紹介資料のように映ってしまうと、資料としての客観性や信頼性を低下させる原因にもなりかねない点に注意しましょう。
ビジュアル要素を含める
ホワイトペーパーは「一目で理解できる資料」になっているのが理想です。文字だけにならないよう、図表やイラスト、画像を適切に用いることにより、見やすく理解しやすい資料にしましょう。
グラフや表を掲載する際には、詳しすぎる資料を載せるのは得策ではありません。読者はどの部分を見ればよいのか判断に迷い、結果として伝えるべきメッセージがぼやけてしまう恐れがあります。ホワイトペーパーで伝えたい箇所をクローズアップしたり、必要な数値のみピックアップしたりすることにより、要点を端的に伝えることが重要です。
具体的な解決策を提示する
ホワイトペーパーをダウンロードする読者が求めているのが「解決策」だとすれば、資料内で具体的な解決策を提示することは必須条件といえます。抽象論や一般論に終始することのないよう、読者が実践できるレベルの具体的な解決策を示すことが大切です。
よくある失敗例として、問題を提起しただけになっているケースが挙げられます。読者は課題に気づかされたきり、どうすれば解決できるのかが不明の状態になってしまうでしょう。
「〇〇にお困りではありませんか?」という問題提起が、「〇〇すれば解決できます」という結論とセットになるよう資料を構成する必要があります。
専門用語や難解な言葉をできるだけ使わない
ホワイトペーパーは、初心者に向けた情報提供のための資料として作成するのが基本です。専門用語や難解な言葉が頻出するようでは、多くの読者は内容を理解できず途中で読むのをやめてしまうでしょう。専門用語は平易な言葉や一般的な表現に言い換えるなど、読者に配慮した書き方にすることが大切です。
自社にとっては一般的な用語であっても、実は通常の用語とは異なる使い方をしているケースは少なくありません。
難解な用語を無意識に使ってしまうことのないよう、別部門の社員にも内容をチェックしてもらうことをおすすめします。
見込み客の視点に立ってホワイトペーパーを作成しよう
ホワイトペーパーは、読者にとって「わざわざダウンロードしてでも読みたい資料」でなくてはなりません。そもそもなぜホワイトペーパーを作成するのか、何を伝えるための資料なのかを明確にし、目的から逆算して作成していくのがわかりやすい資料にするコツです。
今回紹介した作り方の手順や書き方のコツを参考に、ぜひ読者にとって有益なホワイトペーパーを作成してください。
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