ホワイトペーパーの構成や見出しは、読者の興味・関心を高める重要な要素です。構成や見出しが読者にとってわかりやすく、有益だと感じてもらえる内容にすれば、ダウンロードにつながりやすくなります。
本記事では、「ターゲットやテーマは決まっているが構成の決め方がわからない」という方に向けて、ホワイトペーパーの基本的な構成要素や書き方を解説します。ホワイトペーパーをきっかけに読者が自社のファンになってくれるようなアウトプットを目指しましょう。
ホワイトペーパーの基本的な構成要素
まずは、ホワイトペーパーの大枠となる基本的な構成要素とポイントを理解しましょう。
- 表紙:読者が興味を抱けるタイトルにする
- 目的:ホワイトペーパーの内容を簡潔に伝える
- 目次:制作した意図を伝える
- 本題:ホワイトペーパーの種類に応じた構成を作成する
- 行動喚起:問い合わせ先・CTAボタンを提示して読者の行動を促す
- 会社概要:企業情報を記載する
ホワイトペーパーを作成する目的などを知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
1. 表紙|読者が興味を抱けるタイトルにする
表紙はホワイトペーパーのダウンロード率に影響する重要な要素であり、表紙を見ただけで読者が「中身を読みたい」と思ってもらえるのが理想です。そのためには、タイトルからどんな資料であるかをイメージできるようにする必要があります。
読者が興味を抱けるタイトルにするポイントの一例は次の通りです。
- ターゲット:BtoBマーケティングに必須・初心者でもできる
- 具体的な数字:Twitter運用の5つのポイント・5ステップで完成
- 得られるメリット:今日から実行できる・制作方法がまるわかり
- コピーを考える:〇〇マスターガイド・〇〇するには欠かせない
ホワイトペーパーは無料ですが、個人情報の入力やダウンロードなどの必要があるため、その労力をかけてでも読みたいと思える表紙にするのがポイントです。「誰に対して」「何を伝え」「どんなメリットがあるのか」を意識してタイトルを付けましょう。
ホワイトペーパーのタイトルの付け方を詳しく知りたい場合は、次の記事を参考にしてください。
2. 目次|ホワイトペーパーの内容を簡潔に伝える
目次はホワイトペーパーの中身を要約したものであり、ダウンロードするかどうかを決める重要な要素です。目次を見て「自分のために用意された情報だ」と思ってもらうために、ホワイトペーパーの内容がしっかりと伝わる見出しにする必要があります。
また、目次は、ホワイトペーパーがどの程度のボリュームなのかを読者が把握するのにも役立ちます。
3. 目的|制作した意図を伝える
「目的」はホワイトペーパーを作成した意図を伝えるページであり、「はじめに」などで表現されています。目的のあとに目次にいく構成も多く見られます。
表紙・目次・目的は、読者がホワイトペーパーをダウンロードするかどうか決める要素になるため特に重要です。
目的のパートでは、ホワイトペーパーからどのような情報が入手でき、それが読者の課題解決にどう役立つのかをイメージできるようにします。
ホワイトペーパーを読むメリットが明確に読者に伝われば、読み進める意欲が増して読了率の上昇も期待できるでしょう。
4. 本題|ホワイトペーパーの種類に応じた構成を作成する
本題はホワイトペーパーのメインコンテンツとなる部分で、基本的な構成は次の通りです。
- 導入:読者に興味を持ってもらう
- 問題提起:共感を呼び起こし課題に気づいてもらう
- 解決策:読者の悩みや課題に対する解決策を記載する
- 自社製品・サービス情報の提示:実際に課題を解決できる自社製品・サービスを紹介する
- 結論:もう一度なぜその解決策が良いのか解説する
文章量が多いと資料の読了率が低下するため、図表やイメージ写真などを用いながら、簡潔にまとめましょう。ホワイトペーパーを配布する目的や本題の内容によっては、自社製品・サービスの紹介を具体的に入れないケースもあります。
各構成に含めるコンテンツの具体的な書き方は後述します。
5. 行動喚起|問い合わせ先・CTAボタンを提示して読者の行動を促す
このページでは、問い合わせ先やCTAボタンを提示します。
- 自社製品・サービス紹介のリンクページ
- メールアドレス
- 電話番号
- 問い合わせフォーム
ホワイトペーパーに自社製品・サービスの紹介パートがある場合は、問い合わせ先やCTAボタンとあわせて次のような訴求文を入れます。
- 弊社が導入からツールの定着まで徹底サポートします
- 無料でお試しいただけます
最後までホワイトペーパーを読んでくれたお礼や、自社製品・サービスに対する思いなどを盛り込んでも良いでしょう。
6. 会社概要|企業情報を記載する
ホワイトペーパーの最後に会社概要を入れることで、資料の信頼性が向上します。
記載する企業情報の例は次の通りです。
- 社名
- 所在地
- 電話番号
- 代表者指名
- 事業内容
- 創立年月日
- 従業員数
- 代表者の写真や経歴
商品やサービスを比較検討している段階の読者にとっては、会社概要も判断材料のひとつになります。
ホワイトペーパーの「本題」の書き方とポイント
ホワイトペーパーの種類には、業務ノウハウ系・導入事例系・調査レポート系などがあります。ここでは、業務ノウハウ系の構成を例にあげて、ホワイトペーパーの本題の書き方とポイントを解説します。
1. 導入|読者に興味を持ってもらう
導入では、ホワイトペーパーの内容を簡潔に伝えて読者を引き付けることを意識します。読者がこの資料を読むことによって「どのような悩みを解決できるのか」「どのようなノウハウを得られるのか」がわかる内容にしましょう。
読者によっては、導入と結論だけを先に読むことがあります。さまざまな読み手のことを考えて、導入を読んだだけで資料内容がわかるように執筆しましょう。また、業界用語に詳しくない人でも内容がわかるように噛み砕いて説明したり、専門用語に解説を入れたりする工夫も重要です。
2. 問題提起|共感を呼び起こし課題に気づいてもらう
問題提起では、具体的な調査データを用いて読者が抱える悩みや問題を深掘りし、取り組むべき課題に気づいてもらうことを目指します。
例えば、BtoBマーケティング施策が十分に行えていない現状を深掘りするには、次のような内容を記載します。
- マーケティングの専任者がいないと答えた企業〇〇%
- マーケティングの組織体制が不十分と答えた人は〇〇%
読者の課題を明確にすることで、ホワイトペーパーを読む動機付けになります。
3. 解決策|読者の悩みや課題に対する解決策を記載する
解決策では、読者の関心が最も高い、課題を解決するための情報を記載します。ただ情報を羅列するだけでは説得力がないため、ロジカルな提案を心がけることが重要です。
BtoBマーケティング施策の解決策として、次のような例が考えられます。
- 取引したい顧客像を分析する
- 自社製品・サービスの特徴を把握する
- 市場で行われているマーケティング施策の種類や特徴を分析する
- 取引したい顧客と自社製品・サービスに適した施策を選択する
どのような行動を取る必要があるのかを順序立てて提示すれば、読者は混乱なく実行に移せます。データや実例に基づいた解決策であれば、さらに説得力が高まるでしょう。
4. 自社製品・サービス情報の提示|実際に課題を解決できる製品やサービスを紹介する
悩みや課題を解決する手段のひとつとして、自社製品・サービスの利用を勧めます。ただし、読者である見込み客が購買行動のプロセスのどの段階にいるかによって、訴求内容を変える必要があります。
購買行動のプロセスとは、消費者が商品やサービスの存在を認知してから購入に至るまでの心理的プロセスのことです。
- 認知・興味の段階:商品・サービスを利用するメリット、導入事例、口コミ
- 比較・検討の段階:商品・サービスの詳細、他社との比較情報、自社製品の優位性
作成するホワイトペーパーをどの段階の読者に向けて作っているのか、強く意識しましょう。
5. 結論|もう一度なぜその解決策が良いのか解説する
結論では、全体像を含めながら「なぜその解決策が最適なのか」をわかりやすくまとめます。最後まで読んでくれた読者の理解度を高めると同時に、導入と結論だけを読む人や、結論を先に読んで全体を読む人にも、資料の内容がわかるようにするためです。
結論のまとめ方の一例は次の通りです。
- 誰に向けた記事だったのか
- どのような内容を説明してきたのか
- なぜその解決策に取り組む必要があるのか
- その解決策に取り組む際のポイントは何か
チェックリストにしたり、ポイントを箇条書きで並べたりするまとめ方も良いでしょう。
ホワイトペーパーの作り方を知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
ホワイトペーパーの構成作成における注意点
ここでは、ホワイトペーパーの構成を作成する際の注意点を解説します。
ホワイトペーパーのダウンロード率を上げたい方は、次の記事を参考にしてください。
1. 構成を自然な流れにする
本題の構成が「導入・問題提起・解決策・自社サービスの提示・結論」の自然な流れになっていることを確認しましょう。スムーズな構成の流れになっていれば、読者にとってわかりやすく、興味・関心を効率的に高められます。
構成の流れの確認方法は次の通りです。
- 前後の見出しのつながりにズレはないか
- 文章量に対して見出しの数が多すぎないか少なすぎないか
最初から最後まで読んでみて違和感がないか何度も確認しましょう。
2. 自社製品・サービスの情報を押しすぎない
ホワイトペーパーは、読者が自身の悩みや問題を解決したいときにダウンロードする資料です。自社製品・サービスの情報は読者が本来知りたい情報ではないため、強く押しすぎるとホワイトペーパーがダウンロードされなかったり最後まで読んでもらえなかったりする可能性があります。
あくまでも、ノウハウを紹介するなかで、自社製品・サービスが読者の悩みの解決に役立つという流れで紹介しましょう。
3. タイトルに沿った内容でまとめる
タイトルや見出しに沿った内容が、本題のなかにきちんと盛り込まれていることを確認しましょう。資料を読んでみて、本題がタイトルや見出しに沿った内容でなければ、読者を落胆させてしまうためです。
実際に、ファストマーケティングの調査によると、ホワイトペーパーの内容にがっかりした経験のある人が約7割という結果になっています。
特に、タイトルや見出しの煽りに対して内容が薄いと、読者が不満を抱える原因になります。
読者の悩みに寄り添い興味・関心を高める構成を作成しよう
ホワイトペーパーの構成は、読者が自身の課題や悩みを解決できる内容になっていることが大切です。自然な構成の流れでわかりやすい内容であれば、読者の読了率や満足度を高められます。
ダウンロードしたホワイトペーパーを最後まで読んでもらえるように、読者の悩みに寄り添い、興味を抱いてもらえる構成を意識しましょう。