オンライン営業のやり方は?非対面の営業を成功に導くコツ

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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オンライン営業とは、Web会議やメール、チャットなどを駆使して、Web上で営業活動を行う手法です。オンライン営業を導入することで、商談件数の増加やコスト削減などの効果が期待でき、より効率的な営業活動を実現できます。

オンライン営業のやり方は?非対面の営業を成功に導くコツ

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オンライン営業は、買い手にとっても直接訪問の手間を削減できるメリットがあります。当社HubSpotが実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2022」で、コロナ収束後の好ましい営業スタイルとして、「どちらでも良い」「オンライン営業のほうが好ましい」と答えている買い手が多いことがわかりました。

日本の営業に関する意識・実態調査2022|HubSpot

日本の営業に関する意識・実態調査2022|HubSpot

また、2023年2月に発表した「日本の営業に関する意識・実態調査2023」では2022年の回答の割合がそのまま推移するような結果を見せており、依然としてオンライン営業に対するニーズが高いことが窺えます。

preferred-sales-styleこのような買い手の変化に対応するためにも、オンライン営業の仕組み作りは重要度の高い課題だといえます。

日本の営業に関する意識・実態調査2023|HubSpot

本記事では、オンライン営業のメリットや具体的な実践方法、おすすめツールを紹介します。

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オンライン営業とは

 

オンライン営業とは、顧客と対面せずにWeb上で行う営業活動のことです。営業担当者が顧客のもとを直接訪れる訪問営業とは異なり、オンライン営業ではメールやWeb会議システムなどを使用することで、Web上で営業活動が完結します。

エン・ジャパン株式会社が2020年11月に実施した「オンライン商談実態調査」によると、オンライン商談を導入している企業は全体の43%を占めています。特に、広告やIT、コンサルティングなどの業界で積極的に導入されていることがわかります。

1000社が回答!「オンライン商談」実態調査|エン・ジャパン

1000社が回答!「オンライン商談」実態調査|エン・ジャパン

営業活動のオンライン化が進んでいるのは、遠隔地との商談を効率化したり、出張に伴うコストを削減したりといった背景があるためです。また、テレワークの普及によって、自社の営業担当者や取引先の購買担当者が、オフィス外で業務を行う機会が増えた点も一因だといえるでしょう。
 

オンライン営業のメリット

オンライン営業の導入により、次の5つのメリットが生まれます。

  1. アポイントメントをスピーディーに取りやすくなる
  2. 移動時間を削減でき、商談件数を増やせる
  3. 場所を問わず営業活動ができる
  4. コストカットにつながる
  5. ナレッジの共有がしやすい

それぞれのメリットを詳しく解説します。
 

1. アポイントメントをスピーディーに取りやすくなる

オンライン営業を導入することで、営業担当者が選択するスケジュールの範囲が広がり、より効率的にアポイントメントを獲得できるようになります。

例えば、訪問営業でスケジュールを決める場合は、移動時間を考慮しなければなりません。移動時間を考えると、1日のスケジュールのうち、顧客と会える時間が限られてしまいます。

その点、移動時間をスケジュールに組み入れる必要がないオンライン営業なら、訪問営業よりも効率的に日程を調整できます。また、スピーディーにアポイントメントを獲得し、顧客の商品・サービスに対する温度感が冷めないうちにアプローチすることで、成約率の向上にもつながるでしょう。
 

2. 移動時間を削減でき、商談件数を増やせる

営業活動をオンライン化すると、移動時間がかからない分、商談件数を増やせます。また、オンラインならキーパーソンが移動することなく商談に加われるため、営業側から参加を打診しやすくなります。

商談に向かう移動時間や再訪問は、営業活動のなかでも無駄が発生しやすい部分です。HubSpotが「日本の営業に関する意識・実態調査2022」にて、「営業活動のなかで無駄に感じるものは何か」と質問したところ、3位と4位が「キーパーソンとの面会ができず再訪問(26.6%)」「日々の商談の移動時間(24%)」と、移動に関する回答が上位を占めました。

不必要な移動時間を削減すれば、売上につながるチャンスを拡大できます。

なお、同調査の2023年版でも無駄に感じる業務時間は増加傾向にあり、働く時間のうち22.37%にまで増加しています。業務の無駄を削減することは、多くの営業組織において重要な課題だと言えるでしょう。
 

3. 場所を問わず営業活動ができる

場所を問わずに営業活動ができるのもオンライン営業のメリットです。

遠方の顧客に対しても、移動のための時間やコストを気にする必要がないため、新しい見込み客や顧客を創出できる可能性があります。また、テレワークにも対応しやすく、営業担当者がより柔軟に働けるようになるでしょう。

ただし、どのような場所からでもスムーズに営業活動ができるよう、しっかりと環境を整えておく必要があります。メールやチャット、Web会議システムなどのツールを導入するほか、オンライン商談時の情報共有方法やデモ画面の操作方法を習得しておくことが大切です。
 

4. コストカットにつながる

オンライン営業を行うことで、さまざまなコストを削減できます。

例えば、営業先に出向く際の交通費や出張時の宿泊費、資料を用意する際の印刷代などです。削減したコストを、スキルアップにつながる研修や業務改善のためのツール導入予算として活用すれば、チーム全体の生産性が向上します。
 

5. ナレッジの共有がしやすい

オンライン営業はナレッジ共有にも効果を発揮します。オンライン営業に利用するツールは、データの記録や分析に対応したものが多いからです。

例えば、Web会議システムには、録画機能が搭載されています。商談の内容を映像として記録することで、チーム内でノウハウを共有できます。提案の仕方やセールストークの言い回しなどを研究すれば、営業活動の改善につながるでしょう。

また、映像から各担当者の癖を読み取るのも、営業活動の改善に効果的です。自分では気付きづらい弱みや課題に対して、営業マネージャーが適切なアドバイスを行うと、各担当者の質を高められます。
 

成果を上げるオンライン営業のやり方

成果を上げるオンライン営業のやり方

オンライン営業には次のようなデメリットがありますが、事前準備によって対策が可能です。

  • 機材トラブルが発生するリスクがある
  • 相手の反応がわかりづらい
  • コミュニケーションが一方的になりやすい

ここからは、成果を上げるオンライン営業のやり方を、商談前から商談後までの流れで注意すべきポイントとともに解説します。
 

商談前:事前準備を徹底する

商談を行う前に、事前準備を徹底しましょう。直接顔を合わせることがないオンライン営業では、訪問営業以上に相手を納得させる説得材料を準備しておく必要があります。また、相手が不安に感じないよう、スムーズに商談を進行するための用意も欠かせません。

商談前に行っておくべきことは次の4点です。
 

1. 参加者情報を把握する

オンライン営業では、グループ形式で商談が行われる場合もあるため、事前に参加者情報を把握しておきましょう。少なくとも参加者の氏名や部署名、役職、参加理由といった情報が必要です。情報を集めるには、商談前に窓口の担当者に確認するか、商談開始時に自己紹介をお願いする方法があります。
 

2. トークスクリプトを用意する

トークスクリプトとは、あらかじめ商談で話す内容をまとめた営業台本です。ヒアリングやデモンストレーション、サービスの詳細説明といった定型的な営業トークに活用できます。トークスクリプトを用意しておくと、商談をスムーズに進められるほか、商談に慣れていない営業担当者でも適切なセールストークを展開できるでしょう。
 

3. リマインドメールを送る

一度知らせた内容を再通知するリマインドメールを送るのも方法のひとつです。例えば、オンライン営業を行う前日に商談日時や概要を伝えておくと、相手のスケジュール漏れを防ぎ、再アプローチする手間を削減できます。また、事前に商談用の資料を送信しておけば、商品やサービスに対する理解も進みやすくなります。
 

4. 音質や画質をチェックする

Web会議システムを使ってオンライン営業を行う場合は、商談前に音質や画質をチェックしておきましょう。商談中に音声・映像トラブルが発生すると、問題が解消するまでの間、相手を待たせてしまうためです。マイクやカメラに問題がないか、あらかじめテスト通話を行うと良いでしょう。
 

商談中:相互のコミュニケーションを意識する

商談中は、自分ばかりが話をするのではなく、相互のコミュニケーションを意識することが大切です。ときおり相手に質問を投げかけることで、一方的な営業トークを避けられます。

オンライン営業では、対面営業のように相手の表情やその場の雰囲気が把握しづらく、認識のズレが起こりやすいものです。相手に自分の熱意が伝わっていると思い、一方的にセールストークを展開しても、単に話が長いようにしか受け取ってもらえない場合もあります。

こうした状態を避けるために、「ここまでの内容に関してご質問はございますか」「このような理解で相違ありませんか」など、こまめに質問を投げかけましょう。また、商談中の緊張した雰囲気を和らげるため、相手を褒めたり季節性の話題を振ったりと、アイスブレイクを取り入れることも大切です。
 

商談後:ネクストアクションを整理して関係性を維持する

商談後は、これから発生するであろう顧客のアクションを整理し、継続した関係性を保てるような工夫を行いましょう。

顧客が前向きに購入を検討している場合は、その熱量を維持できるよう、迅速に次の行動に移ります。商談中に要望があった資料を即座に送信するほか、早い段階で次回のアポイントメントを確約しましょう。まだ成約には達しそうにない段階でも、お役立ち情報を配信して関係性を保てます。

また、商談後のアンケート提出を依頼するのも方法のひとつです。アンケートによって取得した顧客の反応や意見は、その後の営業活動に活かせます。ほかにも営業品質や商談のフィードバックを受けることで、営業担当者のスキルアップにもつながるでしょう。
 

オンライン営業の成否を分ける2つの重要ツール

オンライン営業に使えるツールにはさまざまな種類がありますが、そのなかでもWeb会議システムと、営業支援・顧客管理システムは特に重要です。この2つのツールは、顧客体験の向上につながるからです。

それぞれの特徴や選び方、おすすめツールを紹介します。
 

1. Web会議(オンライン商談)システム

Web会議(オンライン商談)システムは、Web上で音声や映像を用いた通話ができるツールです。遠隔地同士でも顔を見ながら話せるほか、チャットや画面共有、録音・録画といった便利な機能が搭載されているため、商談中の顧客体験を向上させるツールだといえるでしょう。

Web会議システムを選ぶ際のポイントを満たした3種類のおすすめツールをご紹介します。

  • 名刺交換やアンケート調査など営業活動に役立つ機能の有無
  • 通信・映像・音声の品質
  • 操作性の高さ
  • セキュリティ対策の充実度
     

1. V-CUBE セールスプラス

V-CUBE セールスプラス

V-CUBE セールスプラスは、シンプルな設計で使いやすいオンライン商談システムです。ソフトの事前インストールは不要で、会議に参加するためのアドレスも「ww.sc/+6桁の数字」と短いため、メール署名にあらかじめ記載しておけば商談前に連絡する手間を省けます。30日間の無料トライアルがあるので、操作性や音声・映像の品質を確かめてから導入できるのも魅力です。

■料金プラン

  • 初期費用:4万5,000円(税別) / 1契約
  • 月額7,000円(税別) / 1ID ※5ID以上からの販売
  • 30日間の無料トライアルあり

■主な機能

  • 商談ダッシュボード
  • セールスフォースの情報と相互連携
  • 資料共有
  • モバイル対応

公式サイト:V-CUBE セールスプラス|オンラインイベント・ウェビナー・Web会議ブイキューブ
 

2. ベルフェイス

ベルフェイス

ベルフェイスは、3,000社以上の導入実績を持つWeb会議システムです。名刺交換やトークスクリプト、共有メモなどの営業に特化した支援機能が豊富に搭載されています。最大5名まで参加できるWeb商談のほか、1対1で電話商談を行えるのが特徴です。電話商談では、映像と音声を切り分けることで、より安定した通信品質を確保します。

■料金プラン

  • 要問い合わせ

■主な機能

  • 名刺交換
  • 画面・資料共有
  • トークスクリプト
  • リモートコントロール
  • CRM連携

公式サイト:【公式】ベルフェイス - 金融シェアNo.1 電話面談システム
 

3. SHOWBY(ショーバイ)

SHOWBY(ショーバイ)

SHOWBY(ショーバイ)は、無料で利用できる営業機能特化型のWeb会議システムです。月間20商談までが対象となる無料プランのほか、より充実した機能を備えた有料プランが用意されています。オンライン営業に必要となるほとんどの機能が搭載されており、さらに必要に応じて、入室時アンケートや代理対応などのオプション機能を付与できます。

■料金プラン

  • 無料版:無料
  • 通常版(ユーザー課金タイプ):月額1,980円 / 人
  • 通常版(ルーム課金タイプ):月額5,500円 / 部屋

■主な機能

  • 名刺交換
  • 画面共有
  • ファイル送信・共有
  • チャット
  • アンケート

公式サイト:【公式】どこでもSHOWBY-無料のオンライン商談ツールといえば!!クラウド商談どこでもショーバイの概要
 

2. 営業支援・顧客管理システム

営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)は、商談前や商談後の顧客体験向上に役立ちます。商談前は、システムに蓄積した顧客情報や案件情報にもとづいて、スケジュール管理や日程調整が可能です。また、担当者別売上や受注率などを分析することで、商談後に営業活動をより良く改善できます。

なお、「日本の営業に関する意識・実態調査2023」においてはCRMの導入率が36.1%にとどまるという結果が出ています。オンライン営業を強化して競合と差をつけるためにも、CRMやSFAの導入は有効な手段だと言えます。

営業支援・顧客管理システムを選ぶ際のポイントを満たしたおすすめのツールを2つご紹介します。

  • システムの操作性・機能性
  • 連携できる外部サービスの充実度
  • 外出先でも使えるマルチデバイス対応
  • ベンダーのサポート体制
     

Sales Cloud(Salesforce)

Sales Cloud(Salesforce)

Sales Cloudは、世界15万社以上の企業が導入している営業支援・顧客管理システムです。商談データを入力するだけで、月別・担当者別の成績を自動的に予測し、分析レポートとしてまとめられます。初期費用はいっさいかかりません。

■料金プラン

  • Essentials:月額3,000円 / 人
  • Professional:月額9,000円 / 人
  • Enterprise:月額18,000円 / 人
  • Unlimited:月額36,000円 / 人

■主な機能

  • 取引先・商談管理
  • ワークフロー・承認の自動化
  • 分析レポート・ダッシュボード
  • 売上予測
  • モバイル対応

公式サイト:セールスフォース・ジャパン
 

Sales Hub(HubSpot)

Sales Hub(HubSpot)

Sales Hubは、営業担当者が営業活動に専念する時間を増やすための支援システムです。商談の進捗状況や受注案件などの情報をダッシュボードで一元管理でき、営業メールのテンプレートや営業活動の自動化など、チーム全体の生産性を高める機能も豊富です。最大100万件の顧客情報を登録できるHubSpot CRMと連携すれば、より効果的な営業活動につながります。

■料金プラン

  • Starter:月額3,600円(2名)
  • Professional:月額54,000円(5名)
  • Enterprise:月額144,000円(10名)

■主な機能

  • 見積もり作成
  • セールスアナリティクス・分析レポート
  • セールスオートメーション
  • Eメールテンプレート・トラッキング
  • モバイル対応

公式サイト:HubSpot(ハブスポット) 営業支援ソフトウェア Sales Hub
 

ツールの活用によりオンライン営業で成功した事例

ツールの活用によりオンライン営業で成功した事例

パナソニックグループのなかで電子部品や制御デバイスを製造しているパナソニックインダストリーは、営業部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環で営業支援・顧客管理システムを導入しました。

もともと同社は、「人の力で顧客からの信頼を得る」という理念のもと、こまめに取引先に通う営業スタイルを採用していました。しかし、主力製品の電子部品はスペックで選ばれやすいことから、アナログな営業手法に限界を感じ始めます。スペックという情報を調べるなら、アナログよりもデジタルのほうが圧倒的に早いからです。

そこで、顧客のスピード感に対応し、半歩先の営業活動を行えるよう、営業DXの推進とともにシステムの導入へと至りました。

過去の営業活動で得た顧客情報を集約・可視化した結果、事業部同士が横断的に利用できるデータ基盤を構築しています。また、Web会議システムでの商談やオンライン展示会など、デジタルの顧客接点における行動情報を整理したことで、オンライン営業の効率化にもつながりました。

顧客のニーズに合った営業活動の方法を見極めよう

オンライン営業は、従来の訪問営業と比べて、より効率的に営業活動を実施できるようになる手法です。場所を問わずに営業活動を行えるため、昨今需要が高まっているテレワークとも相性が良いでしょう。

しかし、訪問営業にも、直接顔を合わせるからこそのメリットがあります。顧客の購買フェーズや相手からの要望、商談の内容によって、オンラインとオフラインを使い分けてみてください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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トピック: SFA

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